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セクタ,FAT,疑似マルチタスク(月刊ASCII 1992年4月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNから「セクタアドレスとFATの関係は?」とマルチタスクについての「どうして疑似と呼ばれるわけ?」をスクラップする。
セクタアドレスとFATの関係は?
Q よく,MS-DOS Ver.5.0では32bitセクタアドレスを使って最大2Gbytesの大容量ハードディスクに対応しているが.32bitFATを使っているわけではないという話を聞きます.これはどういうことなのか教えてください.
A PC-9801シリーズの場合を取り上げてみると,MS-DOS Ver.3.1まではドライブで確保できる最大ディスク容量は40Mbytesまでであり,FATは12bitFATが使われていました.一方,Ver.3.3以降では,最大ディスク容量は128Mbytesとなり(3.3A以降),FATは16bitFATを使うことができるようになりました。こうしたことから,「最大ディスク容量が増えた」→「FATのbit数が増えた」と短絡的に考えてしまう人がいるかもしれません。しかし,これは間違いです.実際,MS-DOS Ver.5.0でも従来と同じく16bitFATが使われています。しかもこれはドライブの容量が11Mbytes以上の場合で,10Mbytes以下のときは12bitFATが使われます(これはMS-DOS Ver.3.3でも同様).また,日本電気はPC-9801用のMS-DOS Ver.4.0はリリースしませんでしたが,実は32bitセクタアドレスはMS-DOS Ver.4.0から採用されており,それ以前のバージョンでは16bitセクタアドレス(あまりこういう言い方はしませんが)が使われていました.
 まとめると,MS-DOS Ver.3.xまでは16bitセクタアドレスが,Ver.4.0以降は32bitセクタアドレスが使われている.FATについては,バージョンに関わりなく12/16bitFATが使われている,となります. さて,ここまでなんの説明もなくFATやセクタアドレスといった用語を使ってきましたが,その具体的な意味を知るにはMS-DOSのディスク管理の仕組みを知らなければいけません。が,これは少し難しいので,一般のMS-DOSユーザーは上記の程度のことを覚えていればそれで十分でないかと思います。以下は,好奇心と忍耐力のある方だけお読みください。

セクタ
 まず「セクタ」について説明しましょう.MS-DOSアプリケーションは「ファイル」という概念を使ってディスクを1byte単位で読み書きしていますが,一方,MS-DOSのシステム自体は,最も低レベルなところでは,ディスク装置をセクタという単位で分割しこれを最小単位としてデータの読み書きを行なっています.セクタにはひとつひとつに番号が振られており,これをセクタアドレスと呼びます.16bitセクタアドレスはこのセクタの番号を16bitで表現するものであり,最大64K(65536)個のセクタを扱うことができます。32bitセクタアドレスの場合では,理論上は2^32*=4G個のセクタを扱うことができます(実際は4M個に制限されている).
* 2の32乗
 さて、ひとつのセクタの大きさ(セクタサイズ)は,IBM PC系のマシンでは,512bytesで統一されており,この大きさはディスク装置の物理上の読み書きの最小単位(物理セクタ)の大きさと一致しています.しかし,PC-9801の場合は事情は複雑で,256bytesまたは512bytesの物理セクタを数個集めた「論理セクタ」をMS-DOSレベルでの最小読み書き単位としています。この論理セクタの大きさは,1ドライブの容量が64Mbytes以下のときは1024bytes,65Mbytes以上のときは2048bytesとなっています。
 ドライブのディスク容量は(論理)セクタサイズとセクタの総数の積で計算できます。ドライブの最大ディスク容量は,16bitセクタアドレス(MS-DOS Ver.3.x以前)の場合,IBM PCでは,
 512(bytes)×64K(個)=32Mbytes
PC-9801では,
 2048(bytes)×64K(個)=128Mbytes
となります.一方,32bitセクタアドレス(MS-DOS Ver.4.0以降)では理論上は,
 512(bytes)×4G(個)=2Tbytes
となります.しかし,MS-DOSではクラスタサイズ(後述)が最大32Kbytesに制限されているため,実際の最大ドライブ容量は,
 32K(bytes)×64K(個)=2Gbytes
となります(16bitFATの場合).

クラスタ
 次に「クラスタ」について解説しましょう.MS-DOSは最も低レベルな部分では,セクタ単位でディスクを読み書きしていますが,それよりも高レベルなファイルシステムでは,セクタを数個集めた「クラスタ」を最小単位としてディスクの読み書きを行なっています。クラスタを構成するセクタの数は2のべき乗(1,2,4,8,16,...)となるように決められています.クラスタの大きさ(クラスタサイズ)は,ディスクの種類や容量によってさまざまです.クラスタがファイルシステムレベルのディスクの最小記憶単位なので,たとえ1byteしか内容のないファイルでも,実際には1クラスタ分だけのディスクが消費 されます.
ディスクの内容
 一般にディスクの中身の構成は,図1のようになっており,はじめに予約領域,FAT領域,ディレクトリ領域,データ領域に分けられています.予約領域には,MS-DOSを起動するためのIPLやそのドライブに関する情報が記述されています.FAT領域には,ファイルが使用しているクラスタを調べるための情報が書かれています。ディレクトリ領域には,ルートディレクトリにあるファイルの情報(ディレクトリエントリ,図2参照)が記述されています.ルートディレクトリ領域の大きさは固定されているため,ディレクトリエントリの数,つまりルートに作成できるファイルの数は制限されています.そして最後にデータ領域です.データ領域にはもちろんファイルの中身のデータが記録されます.またサブディレクトリも通常のファイルとして扱われ,その中身にはディレクトリエントリが記録されています。

ASCII1992(04)g04TBNセクタとFAT図1-2_W520.jpg
FATによるMS-DOSのファイルシステム
 さて,これでやっとMS-DOSのファイルアクセスを理解するための材料が整いました.
 たとえばルートディレクトリにあるCOMMAND.COMをアクセスする方法を考えてみましょう。まず,ディレクトリ領域からファイル名がCOMMAND.COMとなっているディレクトリエントリを探します。そして先頭のクラスタ番号の情報を調べます。たとえばその番号がxxxであるとしましょう.一般に大きなファイルは複数のクラスタに分割されているので,その次のクラスタがどこにあるか知らなければいけません.実はそれ知るためにFATが用意されています.クラスタ番号xxxに続くクラスタを知るには,FAT領域のxxx番目のデータ(yyy)を読めばいいのです.そして,さらにその次のクラスタを知るには,再びFAT領域のyyy番目のデータを読み出せばよいわけです。最後に,もうこれ以上クラスタが続かないというときには,そのFATの位置にこれが最後であることを表わす特別な値が書き込まれます。すこし大ざっぱでありますが,以上のようにしてMS-DOSはファイルの管理を行なっているわけです.

12bitFATと16bitFAT
 さてMS-DOSが採用しているFATによるファイルシステムが分かったところで,12bitFATと16bitFATの違いを見てみましょう.簡単に言ってしまえば,12bitFATFATに記録するデータ(クラスタ番号)を12bitで表現するものであり,16bitFATはクラスタ番号を16bitで表現するものです.別の言い方をすれば,12bitFATでは4096個までのクラスタが管理できたのが,16bitFATでは64K(65336)個に増えるわけです。
 クラスタはファイルレベルでのディスクの最小記憶単位なので,扱えるクラスタの数が多いほど,クラスタのサイズが小さくなってディスクを無駄に消費する部分が少なくなります。標準ではPC-9801は,SASIタイプのハードディスクでは12bitFATしか利用できませんが,この場合,標準フォーマットで20Mbytesの容量を確保すると,クラスタサイズは8Kbytesになります.また拡張フォーマットでは,容量が15Mbytesまではクラスタサイズは4Kbytes,30Mbytesまでは8Kbytes,40Mbytesまでは16Kbytesと,容量が増えるほどクラスタサイズは大きくなります.一方,SCSIタイプのハードディスクの場合は,容量が10Mbytes以下の場合は12bitFATを使って一クラスタが4Kbytesに,それを超える場合は16bitFATを使って,容量が64Mbytes以下のときは1クラスタが2Kbytes,65Mbytes以上のときは4Kbytesとなっています。
 このように12bitFATと16bitFATではディスクの利用効率から言って断然16bitFATのほうが有利ですが,16bitFATでは,ファイルがこま切れになる分,FATを頻繁にアクセスしなければいけないので,ディスクアクセスに時間がかかるという欠点もあります。もっとも,ディスクキャッシュを使ったり,マイクロデータ社のノストラダムスやアドミラルシステム社のNewton-98などのディスク最適化ツールなどによって不連続クラスタを少なくするなどすれば,この欠点は容易にカバーすることができます。
 以上,32bitセクタアドレスと12/16bitFATの仕組みを見てきましたが,これらは同じ「bit」という言葉を使うだけあって,よく理解されないまま誤用されているのではないかと思います。今回の回答を参考にして,正しい認識を持っていただけたらと思います.
(笹川)

 今は無頓着にHDDを使っていたが、この当時はHDDに制限があり、○○の壁とかいう容量の問題があった。FATやクラスタの知識があるかどうかがパソコンを趣味にしている人かどうか区別できた。

どうして疑似と呼ばれるわけ?
Q MS-WindowsマシンやMacintoshでのマルチタスクは「疑似マルチタスク」で,OS/2マシンやAmigaは「本当のマルチタスク」だという話をよく聞きます.「疑似マルチタスク」と「本当のマルチタスク」はどのように違っているのでしょうか.
A 現在では,マルチタスクというと複数のアプリケーションを同時に利用するための機能と考えられています.しかし,もともとマルチタスク,あるいはマルチプログラミングと呼ばれる技術は,高価な大型コンピュータのCPUを効率的に利用するための技術として開発されたものでした。初期のマルチタスクの目的は,あるプログラムを実行中にCPUが待ち状態になると,主記憶にロードされた別のプログラムを実行するというものだったといわれています.
 つまり,初期のマルチタスクは,CPUに対して速度が遅い周辺機器などの制御で発生するCPUの待ち時間を有効に利用することが主な目的で,複数のプログラムを動かすこと自体が目的だったのではなかったということができるでしょう.ちなみに,当時はまだタスクという考え方がなかったため,マルチタスクではなくマルチプログラミングと呼ばれていました。
 大型コンピュータの世界では,その後,1台のコンピュータを同時に複数のユーザー(つまり複数のプログラム)で利用できるタイムシェアリングシステムが開発され,さらに1960年代にMULTICSというシステムでマルチユーザー,マルチタスクのオペレーティングシステムの基礎が完成しました。この時代のタイムスライスによるマルチタスクの技術が,現在のいわゆる「本物」のマルチタスクの基本になっています。
 タイムスライスによるマルチタスクの原理は、複数のプログラムの実行に割り当てられるCPU時間を細かく分割し,ディスパッチャと呼ばれるメカニズムでそれらのプロセスの実行を切り替えることで,見かけ上,同時に複数のプログラムを実行できるようにするものです.たとえば,プロセスAを1/100秒間実行し,次にプロセスBを1/100秒間実行し,またプロセスAに戻る,というサイクルを繰り返せば,コンピュータを操作する人間にとってはプロセスAとプロセスBを同時に動作させているのと同じように利用できるわけです.
 もっとも、実際のシステムでは,単純にCPU時間を分割するだけではさまざまな問題が発生する可能性があります。たとえば,複数のプロセスが同時にプリンタに文字を出力したり,同時に同じファイルを変更した場合,プリントアウトが乱れたり,ファイルが壊れてしまうかもしれません。そのようなトラブルを防ぐために,マルチタスクのシステムではセマフォなどで資源の排他制御を行なっています.
 また、多くの情報を短時間で処理しなければならないようなプロセスと,緊急な処理が必要ではないプロセスがある場合,ただ順番に複数のプログラムを次々と起動するだけでは、システム全体の能力が十分に発揮できなくなってしまいます。そこで,プロセスごとに優先順位を付けて優先プロセスにはCPU時間を長く割り当てるプリエンプションなどが行なわれます。本格的なマルチタスクを「プリエンプティブマルチタスク」と呼ぶことがあるのは,プリエンプションによるプロセスの切り替えが行なわれているからです.
 UNIXやOS/2,AmigaDOSなどのオペレーティングシステムでは,こうした本格的なマルチタスクが行なわれているので,これらを「本物」のマルチタスクと呼ぶわけです。ちなみに,MS-Windows 3.0のエンハンスドモードでは,複数のMS-DOSのプロセスをタイムスライスで切り替えながら同時に実行できます.タイムスライスによるマルチタスクという意味で,MS-DOSウィンドウのマルチタスクが「本物」のマルチタスクと呼ばれることがありますが,排他制御などが完全ではないため、必ずしも「本物」とはいえないでしょう.
 さて,このような由緒正しいマルチタスクに対して,MacintoshやMS-Windowsでのマルチタスクは,基本的な排他制御は行なわれますが,タイムスライスやプリエンプションが行なわれません。
 CPUの性能が向上したとはいえ,構造が簡単でオペレーティングシステムも小規模なパソコンレベルでは,大型機で行なっているような本格的なマルチタスクは荷が重いようです.つまり,シングルタスクのコンピュータと違って資源の管理や適切なプロセスの切り替えをしなければならないため,CPUの負担が大きくなってしまうのです.このような負担をオーバーヘッドと呼びますが,厳密にプロセスを制御しようとするとオーバーへッドが大きくなりすぎて,ユーザーにとって一番重要なアプリケーションの実行効率が低下してしまいます。かといって,簡単な制御ですませてしまえば,システムの信頼性が低下します.
 MS-WindowsやMacintoshのマルチタスクは,このようなオーバーヘッドが小さくてすむイベント駆動という方法で複数のプロセスを切り替えています。
 イベント駆動方式では,入力や出力の要求など、何かのイベント(事象)が発生したときに,そのイベントに対応したプロセスに制御が渡されます。いつ必要になるか分からない入力を,できるだけ高速に処理するリアルタイム処理のために開発された方式です.
 もっとも,MacintoshやMS-Windowsのマルチタスクでは,リアルタイム処理は考えられていません。これらのシステムでは,リアルタイム処理のために考案されたイベント駆動という考え方をパーソナルコンピュータのマルチタスク用にアレンジすることで,CPUの処理能力が低いパソコンでも利用できるようにしたものです.
 このタイプのマルチタスクでは,オペレーティングシステムがマウスやキーボード,プロセスなどが発生するすべてのイベントを管理し,それぞれのプロセスは受け取ったイベントに応じて必要な動作を行ないます。タイムシェアによる微妙なタイミングの処理が不要になるため,オペレーティングシステムは比較的シンプルなものとなります。
 しかし,このタイプのマルチタスクでは,プロセスがイベントを無視してCPUを独占することも可能です.たとえば,一般にプリエンプティブなマルチタスクでは,フロッピーディスクをフォーマットしている間でも,アプリケーションが利用できます.しかし,MS-Windows上でフロッピーディスクをフォーマットしている間は,一切のイベントが無視されるため、ほかのアプリケーションを利用したり,バックグラウンドでの処理ができません(図3).
 このように,オペレーティングシステムによる強制的な切り替えが行なわれないところが,MS-WindowsやMacintoshのマルチタスクが「疑似」マルチタスクと呼ばれるゆえんでしょう.
(安田 幸宏)


ASCII1992(04)g05TBNマルチタスク図3_W299.jpg
 MacもWindowsも良く固まった。ちょっと重たい処理をさせるとてきめんだった。また、パッパと複数のアプリを使うとこれも良く固まった。パソコンが人間についていけなかった。この当時のマルチタスクは一呼吸も二呼吸も空けて慎重に使わなければならなかった。Windowsは98SEのころからか安定しだした。それでもちょくちょくブルースクリーンが出たが。




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X68000インタビュー他(月刊ASCII 1992年4月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNにX68000の開発者へのインタビュー記事をスクラップする。
その前にこの号のASCII EXPRESSのスクラップを再掲する。
シャープが3.5インチFDDを搭載したX68000 Compact XVIを発売
ASCII1992(04)b06X68000_W520.jpg
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X68000 Compact XVIの価格は29万8000円。月産4000台を予定。ということは順調に1年間売れたとしても48,000台にしかならない。PC-9801シリーズとは雲泥の差だ。

Manhattan Project
-newX68000誕生-
<取材協力>
シャープ(株) 総合デザイン本部電子機器デザインセンター
高島 浩氏
佐竹公司氏

 「恋人にしたい男と結婚したい男は違うのよね」と世の女性たちはいう。「妻を愛しているが彼女のことが忘れられないんだ」と,浮気をしている中年男がいう.「今はPC-9801を使っていて,そんなに不満があるわけじゃないんだけど,でもいつかはMacを買いたいものだ」と,隠れMacファンは密かに思う.
 予算,マシンの性能,会社のマシンとの互換性,ソフトの種類,設置スペースなど実用面だけで「好きなマシン」は語れないのだ.
 たとえば「見た目」「サイドの切れ込みが気にいらない」,「ツートンのカラーリングがいや」など人の好みはさまざまだが,マシンが家庭に入ってくるとき、このデザイン面は無視できない.
 スティーブン・ジョブズがApple IIcを作るとき,それまでいたデザイナーをすべて首にしてフロッグデザインを採用したというのは有名な話だが,国内メーカーではどのようにして,マシンのデザインを決定しているのだろうか。
 画一的なデザインが多い国産マシンの中では,もっともデザインされたフォルムを持つX68000を生んだ,栃木県矢板市にあるシャープ電子機器デザインセンターを訪ねてみた.

パーソナルコンピュータをデザインする
 2月25日,シャープは「X68000 Compact XVI」の販売を開始した。従来のマンハッタンシェイプ/ツインタワーのデザインコンセプトを継承しつつ,容積比44%,A4ファイルサイズにコンパクト化,3.5インチFDDを搭載したこのマシンは,「本」をイメージしている.
 X68000ユーザーは、圧倒的に学生や若いビジネスマンが多い。彼らの部屋の「本棚の中の1冊がX68000」といえるようなものにしたかったと,デザインを担当した佐竹氏はいう。ディスプレイの横に置いてもいいし、本棚にしまうこともできる.
 だが,新機種の企画が,技術部門と企画部門からデザイン部門に下りてきたときは,横置き型のマシンが考案されていた.技術的には横置きのほうが作りやすいという理由からだったそうだが,デザイン部門の「X68000はマンハッタンシェイプであるべきだ」という主張が,最終的には採用された.
 X68000は,ヤングビジネスマンをターゲットにしたマシンだったので,ビジネスマンのあこがれの地としてマンハッタンの摩天楼をイメージした縦置き型を打ち出した.そして,今ではそれがX68000の顔になっている.
 企画がデザイン部門にきてから技術部門に移管されるまで,約3カ月の月日がかかっている.通常のステップを踏むと4カ月ぐらいかかるというので,とっかん作業だったようだ。
 では、その工程をかんたんに説明しよう.まず,デザイン部門は,企画部門の提案にしたがってラフなスケッチを作成する。ここで,本体を縦置きにするか横置きにするか,FDDの位置をどこにするかなどを決め,それを技術部門が技術的に可能かどうか確認する.
 方向性が決まると,デザイナーはラフなペーパーモデルをいくつか作成する.このペーパーモデルができるまでに約1カ月ぐらいかかる.
 次に,複数のペーパーモデルを各部門が集まって検討し,この中からプラスチックモデルに落とすものを決める.今回は2つのモデルが選ばれた.が,それをひな型に技術的な微調整とデザインの完成度を高め,もう一度プラスチックモデルを作成する.
 ペーパーモデルから残った2モデルは,「本」というイメージのものと,「木」をイメージしたもう少し丸い感じのものだった。後者が落ちたわけだが,まん中に円柱が通っているような形のものだったらしい。
 このあとは,中心は技術部門へ移るが,デザイン部門が完全に離れてしまうわけではなく,デザインの手直しなどの調整が入ることもある.マシンのカラーは,1回目のプラスチックモデルを作るときに決定される. 2工程, 3工程を必要とする塗料を使うときは,生産として見合うかというチェックもデザイン部門が行なう.
 新機種のカラーはグレイだ。スエード塗装といって、触るとスエードのような手触りを感じるものになっている。オーディオ製品などには2年ほど前から取り入れられてきている塗装方法だ.側面の色は黒で,スリム感が強調されている.
 モニタは従来の形だが,色をグレイにして統一.こちらもスエード塗装を行なっている.
 新機種のデザインのコンセプトは,
(1)プレーンな面表現(Plane)
(2)スリム感(Slim)
(3)フローティングイメージ(Floating)
(4)情緒的な美しさ(Confortable)
であり,「あまりパキパキしたものにしたくなかった」と佐竹氏はいう。スエード塗装を採用したのも、手触り感などで暖かみを感じるようなものにしたかったからだそうだ。

 佐竹氏は,今回のデザインに対して次のように語っている.
「今回は,コンセプトどおりに仕上がったと思い満足しています。もちろん技術的な関わりでデザインの方向が変わってしまうこともあります.しかし,デザイナーの作品ではなくて,シャープの製品を作っているわけですから,その中で満足のいくものを製作していきたいと思いますね。
 このセンターでは,テレビ,ビデオ,液晶などもデザインしていて,デザイナーは約40名.パッケージ部門も入れると6グループに分かれていて,その中にまた小さなプロジェクトがあります.デザイナーは,常にローテーションしていて,同じ製品ばかりデザインすることはないので,次のX68000を担当するかは分かりませんが,パーソナルコンピュータの使い方を完璧にマスターしている人がデザインしたとき,また新しい面が出てくるんじゃないでしょうか.
 たとえば,以前ヤマハのデザイナーが楽器の使い方が分からなくてもデザインできるといっていたのですが,私は,良い意味で,ほんとうに使いこなせる人が作れば,もっと違ったものになるように思いますね」
 今回はシャープ1社の取材となってしまったが,ほかのメーカーの実態も興味のあるところだ.PC-386PやTiny 650のようにデスクトップマシンの世界にも小型化の波がきている.ブック型デスクトップマシンともいうべき「X68000 Compact」のように,家庭の中に位置するマシンとしてデザインされるものが,今後もっと増えてくるだろう.今後の動向に期待したい.


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 X68000は好きだったが、98とダイナブックを持っていてさらにX68000を持つことは経済的にできなかった。ゲーム機にするには忍びなく、グラフィックの性能もなく、ただただプログラミングするのが趣味だったため作ったプログラムを人に使ってもらうには98だけで精一杯だった。

なないろのディスプレイ
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格言漫画
「論よりRUN」
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BASIC時代に流行った。取り敢えず「f5」を推すんだ。そして「f4」でリストを見る。

「なくて七バグ」
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プログラミングが趣味というよりデバッグが趣味だったような気がする。

「ウソから出た仕様」
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これは知らない。

「帯に短しタスク切り替えはAlt(Grph)-ESC」
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これも知らない。帯に短しは他になにかあったような気がするが気のせいか?

「この親プロセスにしてこの子プロセスあり」
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これも知らない。

「三べんバグってゲームにしよ」
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これも知らない。
結局使っていたというか知っているのは「論よりRUN」だけだった。

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未来コンピュータ(月刊ASCII 1992年4月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「月刊アスキー創刊15周年記念 特別企画 未来コンピュータ」をスクラップする。
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序文をスクラップする。
 1977年,いまから15年前,AppleComputerの"AppleII”,日本電気の“PC-8001"を代表とするコンピュタの登場と時期を同じくして「月刊アスキー」は誕生した.コンピュータが一部の熱烈なマニアの手を離れ,ようやく,だれにでも使えるモノに生まれ変わろうとしていた.まさに,パーソナルコンピュータの黎明期である.
 その後,現在にいたるまで,パーソナルコンピュータは姿を変え続けてきた.これから先も,そのときどきのユーザーの要求に応えるように変わり続けていくはずだ.5年後,10年後,今のパーソナルコンピュータはどうなっているだろう.
 月刊アスキーでは,過去,創刊1周年の1978年と,それから5年後の1983年にパーソナルコンピュータの未来像を発表している.1978年には現在のラップトップ型のもの(極楽1号)を,1983年には5年後を想定したペン入力可能なノートパッド状のコンピュータ(極楽2号)を予測した.
 1992年6月.今年,アスキーは創刊15周年を迎える.また,今年はPC-9801が生まれてから10年目でもある.
 PC-9801のスペックは,CPUに8086(5MHz),メインメモリ128Kbytesで価格は29万8000円.それから10年後の今,同じ価格で購入できるPC-9801NS/Tは,ノート型にまで小さくなり,液晶ディスプレイがついて,FDDがあり,CPUは386SL(20MHz),メインメモリは10倍以上にまでなっている.
 この姿は,10年前にはとても想像できなかったものだ.しかし、未来のコンピュータを考えるのは楽しい作業でもある。10年後の世界,西暦2002年のパーソナルコンピュータは,どうなっているだろう?
 これからの未来に,パーソナルコンピュータはどうあるべきなのか,人間の友達になれるのだろうか?
もう一度、想像の旅に出かけよう.


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流石に未来コンピュータには現実の技術は追いつけなかった。

編集室からをスクラップする。
'92年度,パソコンはこーなる?
▲最近,香港映画を続けて観ている。その中に必ず出てくるのが「1997年」というキーワードだ。先日まで渋谷のSEEDホールでやっていたマイケル・ホイ特集も例外ではない。ホイ三兄弟が9年ぶりに競演して話題となった「Mr.BOO」のリメイクといわれる「フロントページ」では,サミュエル・ホイ歌うテーマ曲がそもそも「1997年」をテーマにしている。5年後に迫った中国への復帰を、香港の市民は,どのような面持ちで迎えようとしているのか.
 マイケル・ホイ特集は,鴨の燻製屋を舞台にした「ホンコン・フライドムービー」,これは,ちょっと浪花節な香港人情ドラマ,そして,「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」でお馴染みのジョイ・ウォンが登場の「ミスター・ココナッツ」,「フロントページ」は写真週刊誌の編集部を舞台にした,当世香港人気質的な仕上がりになっていた。
 私も好物の鴨の燻製も,香港の田舎からやってきた若者も,そして,ゴシップ中心の香港そのものともいえる写真週刊誌も,5年後には,一体どこに行ってしまうのか誰も知らないのだ。わずか200~300人ほどしか入らないSEEDホールのシートをうめていた半数ほどは,日本人ではなく,日本に住む香港,広東の人たちだったようだ。
▲昨年の秋から暮れにかけて,少々動きがよくなかったパソコン市場だが,それでも、業界全体はニュースにあふれている。「パソコン不況」といわれた'86年,'87年にも,前年比横ばい,マイナス成長となったことがあるが,その時と現在では,状況はあまりに違っている。パーソナルコンピュータの利用は,さまざまな分野で浸透しており,そこから起きてくるニーズが,突然止まることは考えられないからだ.
 しかし、5年先が見えないという点では,香港の市民とまったく同じような立場にいるのが,この業界の人たちの境遇ではないかと思う。次期OS,ワークステーションとの共存環境,ネットワーク,本格的に立ち上がるであろうマルチメディアなどなど.どのように変化していくのか?どのように変えていくことになるのだろう.
(遠藤諭)

 そうだった。まだ香港は返還されていなかった。しかし中国は長期スパンで物事を考えている。流石中国4000年の歴史を持つ国だ。
 5年後のパソコンはWindows95が出て、6年後にはWindows98になった。さらに翌年にはWindows98 Second Editionが出た。私の中ではこれでWindowsは完成したと思っていた。何しろ安定していた。なんの不安もなくDOS窓が使えた。

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3.5インチ光磁気ディスク(月刊ASCII 1992年4月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「特集II 大容量 高速アクセス リムーバブル 3.5インチ光磁気ディスク」
をスクラップする。
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 「3.5インチ光磁気ディスク(MO)」は,HDDライクな高速アクセスと大容量,フロッピーディスクのような記憶メディアを手軽に扱えるという、両者の利点を集約した新しい外部記憶媒体だ。
 従来,光磁気ディスクといえば5インチが主流であった.3.5インチMOディスクは,1991年春にIBMがパーソナルユース向けに発売したのが初登場になる。続いて,ナカミチ(株)もPC-9801シリーズ用のドライブを発表したが,当時はドライブが高額であることや,メディアの互換性などの問題を残したため,爆発的普及には至らなかった。
 しかし,1992年冬.(株)アイシーエムの「MO-3120」がドライブ価格19万8000円という戦略的価格で登場した.ほかのHDDメーカーもこぞって3.5インチMOドライブの開発発売に参入するようになり、ここにきて一気に普及の兆しを見せる.ISO(国際標準化機構)によって,3.5インチMOメディアの物理フォーマットが定められたこと.論理フォーマットは,3.5インチMOで先行したIBMのフォーマット*「が事実上の標準としてMS-DOS Ver.5に採用されたこと.さらには,SCSIデバイスとしてハードディスクなどとデイジーチェーン接続できるようになったこと.これらは,ドライブの低価格化と合わせて,3.5インチMOディスク普及の理由だ.
 「大容量・メディア交換可能・高速アクセス」は,外部記憶装置の3大要求ポイントである.すべてをクリアする3.5インチMOは,今後どのような展開を見せるのだろうか?今回の特集では,実際に発売されているいくつかのドライブを紹介するとともに,アクセス速度の測定,光磁気ディスクの原理,運用面での注意点,その将来性をレポートする.

*1:メディア1枚のフォーマット後容量が128Mbytesで,ハーティションの設定はできないが,MOドライブからの起動が可能なフォーマット仕様

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 「光磁気ディスク」は,光を利用するメディア(光ディスク)の一種である。光ディスクには,LD(レーザーディスク)や音楽用のCD(コンパクトディスク)なども含まれている。このうち,ISOが定めたデータカートリッジに収められたものを「OD(オプティカルディスク)」と呼ぶ(図1).

ASCII1992(04)e02MO図1_W520.jpg
 ODは,さらに,1回だけ書き込みが可能な「追記型」何度も書き換えが可能な「書き換え型」,読み出し専用の「ROM型」の3種類に分けることができる.光磁気ディスク(MO)は,書き換え型であり,データの書き換えに光と磁気の両方を用いている光ディスクだ。
 光を用いる記憶メディアの代表格であるCD-ROMは,細いレーザー光線をメディア上の反射層に当て,光の反射/非反射をデータとして読みとる.また,磁気メディアのフロッピーディスクやハードディスクでは,磁性体のS極/N極の違いを,微細なコイル(磁気ヘッド)に流れる電流として捉える。それでは「光磁気ディスク」は,どのように情報の読み書きを行なっているのだろう.

磁界の向きによって偏光方向が変わる
 光磁気メディアには,あらかじめ作られたトラックの上に,磁界の向き(S/N)によって反射光の偏光方向が変化する磁性膜が形成されている(図2).情報の読み出しの際には,この磁性膜に弱いレーザー光を当て、磁界の向きに応じて変化した反射光の偏光方向(右回転/左回転)の違いを,受光器で1か0かの情報として読み取る.レーザー光による読み出しのため,ヘッドとメディアが非接触であり,1000万回以上の繰り返し読み出しが可能だ。

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 一方,メディアの磁性膜の磁界の向きを反転させれば,情報を書き込むことになる.ところが,長期間情報を保持するためには,磁性体の抗磁力を高めて磁気が自然消滅しないようにしなければならない.そうなると,大きな磁気ヘッドが必要になり、記憶の最小単位である1bitの面積が20μm2程度になってしまう。高密度記録ができないのだ。
 読み出しを細いレーザー光で行なうMOメディアの1bitの範囲は,1μm2程度である。ここだけに磁界を作用させるにはどうすればいいのか?そこで、磁性体の持つ「加熱すると,ある温度(キューリ温度)で,その物質の磁気が消える(すなわち,磁界反転が容易になる)」という物理的な特性が注目された。磁気ヘッドが大きくても、ある領域だけの温度を上昇させることができればとなりの磁性膜の磁界の向きを変えず,目的の1bitだけを反転できることになる.
 狭い領域の温度を上げるためには,読み出し時よりも強いレーザー光を照射し、磁性膜をキューリ温度(摂氏180度)にする。同時にメディアの裏側から磁気ヘッドで,磁界反転を行なう(図3)。これが MOディスクの「熱磁気書き込み」と呼ばれる方式だ。


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 熱磁気書き込みは,追記型メディアのような破壊的(穴をあける)な情報記録ではなく,磁気の可逆性質を利用したものだ。磁性膜は、繰り返しの加熱によって徐々に磁性を失うものの,それでも100万回以上の繰り返し書き込みが可能である。また,室温では磁性膜の抗磁力が高いので,文房具磁石の磁力程度ではメディアに影響はなく,いったん記録した情報は10年間保持できるという.
読み出しは高速だが,書き込みは遅い
MOディスクにおける情報の読み書きの手順を整理してみよう.
読み出し時
 光を当て,反射光を読み取る
書き込み時
 (1)光で磁性体を加熱
 (2)磁気ヘッドで磁界反転
これはMOメディアとしての過程である。ところが,MOドライブを含めた書き込み手順は、もう少しややこしく,
書き込み時
 (1)消去(磁界の向きをそろえる)
 (2)書き込み(加熱および磁界反転)
 (3)ベリファイ
の3過程となっている
 このためMOディスクは,読み出し速度はハードディスクなみだが,書き込み速度が遅くなると言われているのだ。

IBMフォーマットが標準に
 1枚で最大128Mbytesの記憶容量を持つ光磁気メディアは,現在,いろいろなフォーマットが混在している.もちろんメディアの仕様が確定しなければ,ドライブの仕様も決定できないのだが,ISOが決定したのは,メディアの厚みや直径,カートリッジの仕様,セクタ/トラックなどの物理フォーマットである(図4)。容量やパーティション情報に関する論理フォーマットは,今年6月ごろにならなければ確定しないという.

ASCII1992(04)e04MO図4_W520.jpg
 そのため、現状では各メーカーの独自の仕様でMOドライブが作られ,出荷されているのだが,ほとんどのメーカーで,3.5インチMOディスクをパーソナルユース向けとしていち早く製品化したIBMの仕様に合わせようとする動きがある.
 たとえば,MS-DOS Ver.5のFORMAT.EXEもIBMフォーマットに準拠しているし,サードパーティなどでも,独自の120Mbytesフォーマットと,IBMのMOメディアとの互換性を持つ128Mbytesフォーマットの2つをサポートしているところが多い.
 ちなみに,3.5インチMOディスクの場セクタ数の制限の関係でMS-DOS Ver.3.xでは使えないのだが,MOディスクをHDDのように認識させる(パーティションの設定やMOからの起動が可能)オプションのデバイスドライバを用いて,Ver.3.xでも使えるようにしているメーカーもある。
 ユーザーとして心配なのは,この先,仕様が変わっても、現存のメディアやドライブが使えるかということだろう。幸い,ISOでもIBMフォーマットを規定として考えている。とりあえずは,IBMフォーマットをサポートしているMOメディア/ドライブを選べばまちがいないだろう.

MOは,CD-ROMに勝てるか?
 現存のMOドライブでは原理的に,(1)書き換え可能,(2)読み出し専用(MO-ROM),(3)書き換え領域と読み出し専用領域の混在(パーシャルROM)――の3種類のメディアが使えるという.現状では(1)の書き換え可能タイプしかないものの,将来的にはROMタイプやパーシャルROMタイプの伸びも期待できる。
 メディアメーカーの話では,「MO-ROMの場合,磁性膜が不要で反射膜だけを作ればいいので,枚数さえ出るならメディア1枚当たりのコストをCD-ROM程度に下げられる」という.また,光だけを使うCDでは,ユーザーのデータを書き込むことができない。しかし,MOのパーシャルROMではデータをROM部に,ユーザーの情報をRAM部に持てるため,電子出版やマルチメディア分野などでも注目されている.
 MOディスクのアクセス速度は,CD-ROMに比べて10倍速い。アクセス速度だけを見ればMOディスクが優っている。扱いの手軽さやデータの保管性では両者に差がなく,将来,CD-ROMとMOのどちらの光ディスクが主流になるのかは、今年のMOドライブの普及にかかっているようだ。MOディスクにはCD-ROMを凌駕する可能性がある.
取材協力:三菱化成(株)

三井石油化学工業(株)


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 大容量,高速アクセスで,交換可能なメディアの扱いが手軽。光磁気ディスクのこの特性はどのように生かせばよいのだろうか?  各ドライブメーカーが提唱する使い方には次のような事例がある.
HDDデータのバックアップ
 複数のHDDがあっても,メディアの交換によりMOドライブが1台ですむ.また複写も高速で,他のデバイスとデイジーチェーン接続すれば手順も簡単。緊急時にはHDDの復旧以前でも,MOからのブートアップが可能。しかし,HDDのようにブートアップを可能にするには,専用のフォーマッタでフォーマットするか,MS-DOS Ver.5を使うかなど制限もある。
HDDの代わりとして常時使う
 MOドライブは,SCSIデバイスであり,アクセス速度もHDDなみなので,単体を常時HDDの代用にすることができる。また,メディアの交換性を生かせば,小グループでの共用や,OSやアプリケーションごとにメディアを入れ換えることで各種設定が容易になる。300Mbytes以上のHDDが必要な場合であれば,MOメディアを数枚求めたほうが容量当たりのコストを抑えることができる.
FDDライクに使う
 大容量のメディアが簡単に扱えることから,遠隔地へデータを送る際にはメディアの郵送も可能。また,3.5インチMOメディアのカートリッジサイズは,3.5インチフロッピーディスクのそれと,ほぼ等しい(厚みが約1.5倍).同じ容量のデータを保管するならMOメディアのほうが,場所をとらず整理もしやすい。さらに,書き込んだデータは10年以上の長期保存が可能だ。
アプリケーション供給メディア
 市販されるアプリケーションの容量が増えるにしたがい,フロッピーディスク6枚組などというソフトウェアも珍しくなくなった。MO-ROMが大量にプレスされるようになれば(現在は米国で1例),フロッピーディスクよりもコストを抑えられるという試算もある。アプリケーションのインストールはMOディスクでという時代も近い。
高速アクセスを目指しディスク回転数を上げたMOドライブ
 光磁気ディスクの中心部であるドライブユニットは,精巧なサーボ機構と半導体レーザーのノウハウを手にしたメーカーしか製作できない.そのため,現在各社から発売されている3.5インチMOドライブも,採用しているドライブユニットのメーカーの違いによって,5つのグループに大別することができる.
 MOドライブのアクセス速度を決定する鍵は,光ヘッドや磁気ヘッド,それを制御するサーボ部やディスクの回転制御部にあたるユニットが握っている.同一のドライブユニットを採用していれば,外観は変わっても、さほど性能には違いがないことになる。ドライブユニットを製作し,現在,製品に採用されているメーカーは,IBM,ソニー,松下電器産業,ティアック/三菱電機(共同開発),ナカミチの6社だ(表1).


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MOをハードディスクの代わりに使うことはなかった。HDDのバックアップにも使ったが、作業用ディスクとして使っていた。HDDはまだまだ高かったのでHDDの容量が少なくなったといって大容量のHDDを買うとか増設する経済的余裕はなかった。作業分野ごとにMOメディアを替えて使っていた。
 これら6社のドライブユニットには,大きな違いがある。IBM製ドライブのディスク回転数が1800rpmなのに対して,ソニーやティアック/三菱電機などではアクセス速度を高速にするために回転数を3000rpmにしている。実は、この回転数の違いがデータの書き込みの際に問題になるのだ。
 書き込み時には,レーザー光で磁性膜を過熱し、磁界を反転させるのだが,回転数が高速だとレーザー光が当たる時間も短くなる。よって,低速回転のドライブよりも強いレーザー光の照射が必要になり,メディア自体が過熱され,ソリが発生したりすることもあるという。最近では、磁性膜の温度特性が改善されたこともあり,低速/高速回転ドライブの双方で使えるMOメディアも出回っている.しかし,「基本的に回転数の異なるドライブでは,メディアの互換性は保証されない」というメディアメーカーもある.編集部でのテスト結果も,ドライブメーカー指定外のメディアを使った場合,正常にフォーマットできないなどの障害も発生した.
 完全互換を保証したはずの3.5インチMOメディアとはいっても,それはデータ読み込みに関してである。各々のMOドライブには,適応メディアが明記されている.トラブル防止のためにも書き込みの際には,メディアが対応しているかどうかもチェックしておこう。
 さらに,高速回転タイプのドライブでは,ベリファイの過程を省略して,高速書き込みが行なえるようにしたものもある。MOドライブを選ぶときには,価格やデザインだけでなく、安全性についても考慮しておきたい.


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5インチ/3.5インチMOの棲み分け
 光磁気ディスクは,現在のところ5インチMOディスクが主流である(写真A).5インチ(正確には5.25インチ)MOメディアは,3.5インチメディアに比べて,面積当たりの情報密度は変わらないものの,ディスク面積が約2倍で,両面張り合わせ構造のため,容量は約4倍になっている。コストパフォーマンスを見ても,5インチメディアが2万6000~3万円,3.5インチメディアが7000円前後と,容量当たりの単価はさほど変わらないのだ.いままで,5インチMOドライブがエンドユーザーにそれほど普及しなかったのは、やはりドライブの価格が45万円前後していたことが要因だろう.しかし,3.5インチMOドライブの登場と時期を同じくして,40万円を切った5インチMOドライブも発売されるようになってきた.
 3.5インチと5インチでは利用される分野もおのずと異なるのだが,ここでは,ハードウェアのスペックであるアクセス速度に注目して,両者の差を調べてみた(図A).今回比較したのはソニー製のRMO-S350(3.5インチ)と同S550(5インチ)だが,結果的に5インチMOは,3.5インチMOより1.2倍程度遅いことになる.このくらいの差なら,3.5と5インチMOドライブの両者の差は解消されつつあるといえる。大量の記憶容量が必要な場合は,5インチMOを求めるのもいいかもしれない.


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2.5インチMO(ミニディスク)
 昨年、ソニー(株)は「2.5インチのMOディスク(ミニディスク)」の仕様を発表した。ミニディスクは,光磁気ディスクの原理はそのままで,さらに小型化したものだ(写真B).2.5インチMOメディア1枚には,音楽なら最76分(現在の12cmCDと同等)が録音でき,コンピュータの外部記憶装置としてなら,64Mbytesのデータが書き込みできる。商品化の時期は,音楽用が1992年末,コンピュータ用1993年春の予定だという.
 ミニディスクは,ドライブの大きさをノート型コンピュータに内蔵できるほど小型化できる.また,光ディスクの弱点である振動対策として,容量1MbytesのDRAMを,読み出しバッファとして搭載する。さらには,データの消去と書き込みを同時に行なう(上書きする)ことで書き込み時間を短縮している.ノート型コンピュータにとっては,HDDやFDDの代わりとして十分通用する記憶メディアとなるはずだ.
 しかしミニディスクには,メディアの低価格化をどうするかなど,まだ問題も残っている。とはいうものの,3.5インチMOのメーカーもミニディスクの動向から目が離せないという。もしかしたら,3.5インチMOが本格普及する前に2.5インチMO(ミニディスク)の時代が来るかもしれないからだ.


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これは流石になかった。3.5インチが適切なサイズだった。小さければ良いというものではない。
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パソコン通信(月刊ASCII 1992年4月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「特集 パソコン通信をうまくやる」が懐かしかったので一部スクラップする。
アクセス料金比較
 PC-VAN,NIFTY-Serveともに,利用にあたっては電話料金とは別に「アクセス料金」を徴収される.ここでは,日常的なアクセスに必要なメニューを利用する際の料金の違いを検証することにする.
PC-VAN
 PC-VANのサービスメニューには,無印のもの(*)マークがついているもの,(\)マークがついているものの3種類がある.このうち(\)マークがついているものはデータベースへのアクセスやファクス送信など,外部経費がかかるサービスが中心で,通常のアクセス料金とともに別途追加料金が請求される.(*)印は,バイナリメール,オンライントークなどのメニューについている.このマークの意味は,以下で述べる「料金体系」によって意味が変わってくる.
 さて,PC-VANには「従量制」と「固定料金制」の2つの料金体系がある。従量制の場合,アクセス料は3分あたり20円で,上限はない。課金は,秒ごとの計算がなされており,1分20秒間アクセスした場合ならPC-VAN利用料金は9円となる.従量制を選択した場合には,サービス名に(*)がついていても別途料金を徴収されることはない。気をつけるのは(\)マークだけというわけだ。一方,固定料金制というのは,無印のサービスを1カ月2000円固定で利用できる,という方法だ。固定料金制の場合に(*)マークのサービスを利用すると,その時間について3分20円の利用料が追加される.もちろん(\)マークのサービスを使えば,従量制同様3分20円+追加料金が必要だ。
 2000円は,従量制に換算して5時間相当.したがって,ひと月に無印サービスを5時間以上利用するなら,固定料金制にしたほうが安くなる.ただし,固定料金にするとまったくアクセスしなくても2000円取られるわけだから,最初は従量制で契約したほうが無難かもしれない。契約の変更はもちろん可能だ。

NIFTY-Serve
 NIFTY-Serveのサービスには,無印のものと(\)マークがついたものがある。無印のものは通常料金,(\)マークがつくと通常料金のほかに別途追加料金を請求される.また,無印のうち一部は無料となっている.
 さて,NIFTY-Serveの料金制は,1分間10円の従量制だけで,こちらも上限なしだ。課金は1分単位の計算で,超過した秒数は1分に切り上げられる。つまり,1分20秒アクセスした場合は,10円×2分=20円が課金される.


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 そうだった。電話代だけではなくそれぞれのVANにアクセスするだけで課金されていた。よくもまあ金を掛けたものだ。

自動運転ってなんだろう
 そもそも、通信ソフトの自動運転とは何のことだろう。これは,要するにMS-DOSのバッチファイルみたいなものだ.つまり,あらかじめ決まった手順をファイルに書いておいて,通信ソフトに自動的に実行させようというわけだ。通信ソフトには,そのためのマクロ言語が用意されている.
 ただし,バッチが与えられた仕事をひとり黙々とこなせばいいのに対して,通信ソフトの場合には「パソコン通信のホスト局」という相手がいる.そのため,通信ソフトのマクロ言語は,ファイルをダウンロードするとか、特定の文字列を受信するまで待つとか,受信した文字列の内容によって違う処理をするなどの,通信ならではの機能が追加されている.また,文法もバッチとは異なる.より高機能で,コマンドの数も多いのが普通だ。

なぜ自動運転なのか
 では,自動運転を使うとどんないいことがあるのだろうか.
 まず,何といっても電話料金の節約になる。パソコン通信のホスト局にログインしたまま、メッセージをひとつひとつ読んでいたのでは,時間がかかってしかたがない。通信速度が2400bps以上なら,人が読む速さより通信速度のほうが速いから,読み終わるまでの間,電話回線は遊んでいることになる.しかし,それでも電話料金はしっかり取られているのだ。ホスト局が従量制を採用していたら、使用料金もしっかり取られることになる.しかし,メッセージを一気にダウンロードして,ログアウトしてから読むようにすれば余分な料金は取られなくてすむ.
 たとえば,NIFTY-Serveの「NETWORKERフォーラム」には,別冊アスキーの会議室があり、2月17日現在、この会議室には183個のメッセージが書き込まれている。これをひとつひとつ見ていくと,ざっと目を通すだけでも30分以上かかる.しかし,自動運転を使ってこれらをまとめてダウンロードすれば,約8分半ですむ。もちろん,ダウンロードしたファイルを読む時間は結局同じかもしれないが,その間は電話料金がかかっていないのだ。自動運転を使えば,電話料金と使用料金が約1/4になる計算だ。
 読むほうだけでなく書くほうも、同じことがいえる.あらかじめエディタなどで文章を作っておき,自動運転でアップロードすれば,ずっと短い時間ですむ.この場合は,単に電話料金の節約になるだけでなく,落ち着いて文章を書けるという別のメリットもある。


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電話代が嵩んだ当時のパソコン通信ではささっと書き込みをダウンロードして電話を切ってゆっくりと書き込みを読んで、コメントをエディタで作成してアップロードをしていた。そこでオートパイロットを使っていた。

「一歩先行くオンラインマルチプレイヤーゲーム」
 '90年2月に富士通がサービスを開始したパソコン通信「富士通Habitat」は,現在約5000人がユーザー登録を行ない,架空の街でのプレイを楽しんでいるという.参加者は,ホストに作られたHabitat国の住人となり,ここでいろいろな体験をシミュレートしたり,住人同士のコミュニケーションを展開していく.ゲームとは性質が違っているが,みんながひとつの世界に住み、共通の通貨を持ち,会社を作ったりイベントを開催してお金を稼ぐというような点では,終わりのないRPGのような雰囲気もある.
 しつこく書いているがこの当時すでにメタバースの原形はあった。

いよいよ日本に上陸したAir Warrior
 4月上旬よりサービスが開始される予定の「富士通Air Warrior」は,「Habitat」に続いて富士通がNIFTY-Serve上で提供するビジュアルパソコン通信サービスの第2弾である.Habitatがゲーム的でないのに対し,Air Warriorは,敵・味方に分かれ空中戦を繰り広げる本格的なマルチプレイヤーゲーム,リアルなフライトをシミュレートしながら,相手を攻撃したり攻撃から逃れたりというハラハラドキドキが経験できる.
 Air Warriorは,もとは米国Kesmai社が開発し,米国のネットワークGEnie上ですでにサービスが行なわれている人気のゲームである.日本からAir Warriorをプレイするためには,これまでは国際回線を利用してアクセスするしか方法がなかった.それが今回NIFTY-Serveに移植されたことによって,いよいよ日本国内でも遊べるようになったというわけである.ただ,専用の通信ソフトが必要なため、現在のところはFM TOWNSでしかプレイすることができない(通信ソフトはグラフィックデータなど約12Mbytesを収録したCD-ROMと,システム部分の入ったフロッピーディスクで供給される).Habitatのときと同様,PC-9801シリーズなどへの移植も予定されているが,他機種ユーザーが楽しめるのはもう少し 先になりそうだ。

ネットワーク上で腕を見せつけろ!
 さてゲームの内容だが,Air Warriorの最終目的は,敵対する3国間の戦争に勝つことにある。つまり自分の所属しない2国の基地をすべて破壊あるいは占領するのが目的だ。そのためには,プレイヤーは同じ国の仲間と役割を分担し,協力して攻めることが必要となる.したがってAir Warriorは基本的にはチームプレイを楽しむゲームだ。だが,もちろんチームを組まなくても,個人的に敵機を何機撃墜したかという得点を争うのも重要な楽しみである(ただし自分の国が負けてしまったら個人成績も無効になってしまうが).
 ではプレイの手順を追ってみよう。NIFTY-Serveに接続するとまず,European theaterか,Pacific theaterかどちらのシアターにするかを聞いてくる.どちらかを選択すると「協議室」に移動.協議室は誰とでも話ができるいわば中立地帯で,ここで所属する国を決める決めたら「本部」に移り,続いて出発する「基地」を選ぶ。各国とも,本部(滑走路はないが、国全体の戦略などを話し合うために用意されている)1ヵ所と,数カ所の基地を持っているのだ。ここまでの「協議室」,「本部」,「基地」では同じ場所にいる者同士でチャットができるので,現在の状況を聞いたり,あるいは仲間を募って戦闘の役割分担をしたりという作業を行なえる.またすでに飛行中のプレイヤーとは無線を使って連絡が取れる(チャンネル数を合わせてチャットする)。次に兵器を選択する.選べる兵器は,第二次世界大戦時の戦闘機や爆撃機をはじめ28種類。ジープなどの地上兵器もあり,性能はそれぞれの兵器をモデルに設定されている(Air Warriorのマニュアルによると,3国は非常に貧しいため、第二次世界大戦の飛行機の余剰品しか購入できないが,有能な機械工によって完璧な状態を保っているのだ……とある).
 兵器を選択したらいよいよ滑走路から離陸だ.メニューの「戦場へ……」をクリックすると,自分が飛行機に乗り込み、滑走路に立って今にも飛び立つところである(画面3)操縦桿を操作するのはマウスかアナログジョイスティックマウスだと操縦桿を前に倒すときは上へ,手前に引くときは下へ動かすことになるが,ここはできればジョイスティックを使いたいところだ。そのほかの操作はキーボードで行なう.離陸のための手順は,(1)エンジンを始動する。(2)フラップを下げる,(3)機体をまっすぐにしてスロットルを全開にする,(4)速度が上がってきたらゆっくり操縦桿を手前(下)に引く,(5)ギアを格納する.急上昇による失速に気を付ければ離陸は簡単にできるだろう.
 飛行中は,レーダー画面や自機の前後左右,斜め方向を見ることが可能。そこで敵機を見つけたら接近して照準を合わせ,機銃掃射!(マウスの右ボタンまたはジョイスティックのAボタン)一瞬飛行機の残骸が飛び散る(画面4).そこここで,撃墜される飛行機の音が鳴り響く.エンジン音が心地よく耳に響いて,「やった!」と叫ぶころにはもう,このゲームにハマッタ状態だ。ちなみに自分の飛行機が墜落した場合,それが自国の領地内だったらもとの「基地」へ,他国の領地だったら国の「本部」に戻されて,やり直しとなる.当然他国に落ちるほうが得点が低い.

活躍の陰にひたすら飛行訓練の日々あり!?
 ところで,実際に戦場に出て(NIFTY-Serveに接続して)戦闘を行なう前にまずしておかなければいけないのは、飛行機の操縦に慣れておくことだ.飛行機に関する多少の知識も必要.Air Warriorでの操縦は,本誌のTBNコーナーで紹介しているようなフライトシミュレータで,ガンガン腕をならしているユーザーにはそれほど難しくはないはずだが,初めての人には,乗り越えなければならない第一の壁でもある。
 もちろん着陸訓練は必須。たとえ空中戦で活躍しても,その後味方の基地の飛行場に着陸しないと任務を完了したことにならなくなってしまう(戻ってきて初めて1フライト中の得点が加算される.任務完了だと100%,不時着だと得点を減点したうえで加算)。また,自機を完壁に操縦したうえで,仲間と無線連絡を取ったり,目標を定めて爆弾投下や機銃掃射をするなど,やることはいっぱいあるのだ。経験がものをいう。


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 基本的に今あるゲームの原形は当時できていた。画面を綺麗にしただけで根本的なアイデアは既にあった。革命的なアイデアのゲームは見てない。

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PC-9801NL,NS/T,FA,J-3100GT-X(月刊ASCII 1992年4月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「NEW MODEL IMPRESSION」からPC-9801NL,PC-9801NS/T,PC-9801FA,J-3100GT-Xをスクラップする。

PC-9801NL
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 また,乾電池で使用することも可能になった。単3乾電池6本をオプションの専用電池ケースに入れ,バッテリパックの代わりに本体に装着して使用する.アルカリ乾電池を使用すれば,クロック周波数16MHzのとき4.4時間,8MHzなら8.4時間の連続使用が可能だ。レジューム機能を設定した場合のレジューム内容の保持時間は,バッテリパックを使用した場合で5日間,単3アルカリ電池を使用した場合で7日間となっている。
 アルカリ乾電池2本で約8時間(省電力モード時)使用できるFMR-CARDには及ばないが,それでもどこでも入手できる単3乾電池で使用できるというのは大きい.出張などでパソコンを持ち歩くことが多い人には朗報だろう.
 ただし,乾電池を使う場合には外付けFDDが使用できない。出先でFDDも使いたいという場合には,付属のバッテリかACアダプタが必要なので注意してほしい。

 乾電池で動くことを覚えていなかった。

 最近のノート型パソコンには,デスクトップマシン並みのCPUパワーを持つものも多い。それに対して,98NLのCPUは16bitのV30HLで,CPU単体の処理速度ではクロック周波数12MHzの80286に相当する。HDDを内蔵することもできないので,ノート型パソコンにもCPUパワーを求める人から見ると,あまり魅力がないかもしれない.しかし,原稿を書いたりスケジュール管理をしたりといった用途には十分だろう。携帯性やバッテリの使用時間を重要視する人にとっては,むしろ魅力的なマシンだ。本体だけでなく,外付けFDDやACアダプタも小型化されているのがうれしい。高性能・多機能を追うだけでなく,こういったベクトルのマシンがもっと登場してほしいものだ.
(小日向)

  NECは後出しマシンが多かった。古くは富士通がFDDを2DDから2HDに変えたら後追いでPC-9801Mを出し、東芝がDynaBookを出したら後追いでNEC PC-9801Nを出し、今度は富士通がFMR-CARDで乾電池で動くマシンを出したらこのPC-9801NLだ。PC-9801シリーズが好きな人たちは他社が新パソコンを出しても98も後追いで出すと思っていたから待っていた。他社の機械をうらやましいと思っていなかったのだろう。多くの人たちには、それほどPC-9801が魅力的だったということだ。
 ただPC-9801NLもっと早く出せよと思う。PC-98LTという名前だけ98を付けたPC-9801非互換機などを出したのは悪手だったと思う。
 スペックは月刊ASCII 1992年3月号のASCII EXPRESSの記事を再掲する。
ASCII1992(03)b02表1PC-9801NL_W520.jpg

PC-9801NS/T
ASCII1992(04)c04PC-9801NST_W520.jpg
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 PC-9801NS/T(写真1.以下,NS/Tと略す)は,CPUに日本電気がインテルと共同開発したクロック周波数20MHzの「i386SL(98)」というCPUを搭載し、PC-9801NS/Eの約1.25倍の処理速度を実現している(図1)。このCPUは,i386SXに対して,
・98バス制御機能
・メモリ制御機能
・キャッシュ制御機能
・パワーマネージメント機能
を1チップ上に組み込んだ,98専用のCPUである.パワーマネージメント機能というのは、キーボードやマウス,HDDなどを一定時間アクセスしないと,CPUのクロック周波数を落とす機能だ。この機能により,NS/TはNS/Eより高速化されているにもかかわらず,バッテリ駆動時間は逆に約12%の増加となっている.
 また,i386SL(98)自体が周辺チップの機能を含んでいるため,構成チップ数が減少し,その分,数値演算コプロセッサと増設メモリを内蔵できるようになっ(写真2).増設メモリとしては,日本電気とアイ・オー・データ機器(株)から2Mbytesのものが,また(株)メルコからは2Mbytesと6Mbytesのものが発表されている。このメモリは,拡張カードスロットに装着するものと違い,ノーウェイトでアクセスできる.

 インテルに対してこのようなことができるNECは凄いと思う。流石累計500万台のPC-9801シリーズを売ったNECだ。
 PC-9801NS/Tは,外見はあまり変化がないものの、中身は充実している。拡張性に劣ることを除けば,メインマシンとしても十分実用になるスペックだ。増設RAMが拡張できるようになったので,Windows3も実用的な速度で使用できる.ノート型と言えど,あなどれないマシンだ。
(小日向)


 スペックは月刊ASCII 1992年3月号のASCII EXPRESSの記事を再掲する。
ASCII1992(03)b03表2PC-9801NS/T_W520.jpg

PC-9801FA
ASCII1992(04)c06PC-9801FA_W520.jpg
ASCII1992(04)c07PC-9801FA写真1_W440.jpg
ASCII1992(04)c07PC-9801FA写真2_W318.jpg
ASCII1992(04)c07PC-9801FA写真3_W520.jpg
ASCII1992(04)c07PC-9801FA写真4_W520.jpg
ASCII1992(04)c07PC-9801FA写真5_W520.jpg
ASCII1992(04)c08PC-9801FA写真6_W520.jpg
ASCII1992(04)c08PC-9801FA写真7_W327.jpg
 CPUの変更(高速化)は,H98シリーズを除くと,PC-9801シリーズの歴史を振り返って見ても過去3回しかない.8086からV30,そして286,386となる.今回,FAに搭載されたのは486SX(クロック周波数16MHz)で,主力マシンとしては4年ぶりのCPU変更になる(写真7).
 確かに「3回しか」だ。V30の時代が長かったからだ。

 実際,いくつかのアプリケーションを走らせてみると,MS-Windows3.0など画面の書き換えの多いソフトウェアで486SXの実力を体感することができた。しかし,16MHzというのは486SXの一番低いクロック周波数で,486を実感するには,中途半端な速度に思える。上位機種との価格設定の関係もあるのだろうが,486(33MHz)のPC/AT互換機が40万円程度で買える御時世だ。486SXを搭載するなら20MHz以上のものにしてほしかった.
 FAと,比較的スペックが近いのは半年前に発売されたPC-H98Smodel8(486SX 20MHz)になる.H98Sは,NESAバスを搭載しているもののハイレゾ機能を削っているため,FAとの違いは,CPUのクロック周波数と,拡張スロット,画面拡張機能の一部だけだ。FAのFDDモデルの価格は45万8000円で,H98Smodel8より9万円安い。両者の処理速度の差はそれほどないため,スピード的にはFAのほうがコストパフォーマンスが高いといえる.
 最近のPC-9801シリーズ,特に昨年のCS,GSなどではN88-日本語BASIC(ディスク版)が添付されていない。今回のFAも同様で,ROMの上にはまだ搭載されているものの,ディスクは添付されていない.また,マニュアルも簡略化され,本体背面に装着するケーブルカバーも添付していない.パソコン入門者向けというよりも、旧機種からの買い替え需要がターゲットのようだ.
 従来機から大幅な改良が施されたPC-9801FAは,前面パネルを開けるだけでHDD内蔵やメモリ増設が行なえるなど,拡張の簡便さがある.今までV30や286搭載の旧機種を使っていたユーザーにとっては,486の処理速度は衝撃的だ。最もスタンダードな98として,これからの売れ行きにも注目したい。
(池田)

 まだしつこく640×400ドットマシンでのWindowsが云々と書いてある。いい加減にしろという思いだ。「16MHzというのは486SXの一番低いクロック周波数で」「486SXを搭載するなら20MHz以上のものにしてほしかった.」これは昔からのNECの手口だ。短いスパンで新機種を売ろうとするからこうなる。
 「N88-日本語BASIC(ディスク版)が添付されていない」は当たり前だと思う。いい加減にDOSに移行しろと。どれだけ昔のユーザを相手にしているのか。
 「パソコン入門者向けというよりも、旧機種からの買い替え需要がターゲットのようだ」ちがう。旧機種を使っている人たちにはN88-日本語BASICで業務処理プログラムを作っている人たちがいたのでもはやN88-日本語BASICは使わないという人たち向け、すなわち入門者向けということになるだろう。この当時の日本人は金持ちでショップに行って「PC-9801で一番高いものをくれ。安物はいらない」という人たちがいた。
 スペックは月刊ASCII 1992年3月号のASCII EXPRESSの記事を再掲する。
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J-3100GT-X
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まとめ部分をスクラップする。
 J-3100シリーズにもついに486ラップトップマシンが登場し,DynaBookシリーズと合わせて広いラインナップとなった。日本語/英語モードを備える日英MS-DOSVer.5と合わせれば,高速な処理速度とVGA表示を持つJ-3100GT-XD/XSは最強のラップトップマシンといえるだろう.    (行正)
 価格はワークステーション並みだ。

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米国ハイテク産業の動向、その他(月刊ASCII 1992年4月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS から「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。

NeXTworldが開催
 1月22日から3日間,サンフランシスコ市ブルックスホールでNeXTworldが開催された.このコンファレンスは,NeXTにとって初めてのプライベートショウでもあり、しかもここしばらくNeXTの話題が少なかっただけに,関係者,特にNeXTファンの注目をおおいに集めたようだ.
 このショウに出展したサードパーティは約80社.もちろん,2週間前に,サンフランシスコで開催されて盛況をきわめたMacWorldには遠く及ばないが,それでもNeXTがプライベートコンファレンスを持てるようになったことは特筆すべきことだ.
 実は、同じ期間中モスコーニセンタでは,UNIXのコンファレンスであるUniForumが開催されていた.また同時に,ヒルトンホテルではUSENIXも開催されるなど,この3日間,サンフランシスコはUNIXとその関係者であふれていたわけだ.NeXTのショウも。もちろんこのことを十分に考慮したうえで計画されたことは間違いない.
 UniForumでもNeXTはブースを出していたが,これはどう見てもお義理程度.数コマの枠に暗幕を張っただけのブース.ところがここに足を踏み入れた客は自動的にブルックスホールに運ばれる仕掛けだ(UniForumの観客は,NeXTworldには無料で入場できる).

NeXTstepのIntel対応とは
 今回のNeXTのショウで最大の目玉は、何と言ってもNeXTstepのIntelバージョン.今までIBMのRS/6000にはすでに移植されていたが,今度は486以上のPCをターゲットにした.
 Jobsによれば,386でも動作可能ということだが,実用上の動作速度を得るためにはやはり486以上ということらしい。ショウでは,DELLの486にJAWSグラフィックスボードを搭載したマシンでアルファバージョンのNeXTstepをデモしていた.
 今年後半にリリースされるという最終版ではVGAもサポートされるというが,NeXTではこのJAWSがお勧めらしい.アルファバージョンとは言っても,移植はけっこう順調にいっているようで,LotusのImprovをはじめ多くの既存アプリケーションが思ったよりも快調に動作していた.
 NeXTが今回,PCをターゲットにした理由はいろいろと取りざたされている.しかし,これが最近ますます激化しているワークステーションとそのOSをめぐる主導権競争に起因していることは間違いない.SunMicrosystems社はすでにSolaris2.0でIntelをサポートすることを決定しているし,そのためにAIXを開発したInteractive社を買収してIntel版SunOSの開発作業を進めている.
 これに対抗しているACEグループの事情はさらに複雑だ.もともと,ACEグループの中では,SCO社のUNIXとMicrosoft社のWindowsNTが標準OSとして動いていたのだが,最近ではこれにNovell/USLが新たにACEOSの開発を始めるなど混迷を深めている(それとほぼ同時期に,SCO社は経営不振とともにACEグループを解散したとの未確認情報も飛び交う始末だ).
 ところが,各社とも自分の支持するコンピュータアーキテクチャだけではこころもとなく,業界最大のセグメントを構成するIntelマシンを引き込もうと躍起になっているのが現状だ.こうした中で,NeXTが自社アーキテクチャに閉じてしまうことに危惧をいだいたのは当然の結果かもしれない.結局,Intelがキャスティングボートになっていることはまぎれもない事実で,NeXTのショウで講演を行なったDave Houseも,風邪気味の体調をMotorolaアレルギーとちゃかすなど,かなり自信満々といったところ.
 NeXTがIntelのCPUを用いたシステムで動くようになると,気になってくるのがシステム価格の問題.486マシンが必要とはいえ,今やアメリカだけに限らず世界中で低価格なPCクローンはあふれている. VGAを搭載したWindows仕様だと486マシンでも今や2000ドル以下で入手できる.NeXTworldでのIntelのブースでは,DELLを使用していたが,「本当にどこまで低価格なNeXTstep環境が手に入るか」というのが,ユーザーの率直な疑問だ.
 ブースでも必ずと言ってよいほど質問されていたし、読者にとっても気になるところだろう.そこで筆者はアメリカの実勢価格をもとにラフな計算をしてみた。

486CPU+16Mメモリ 2000ドル EISA
300MB HD 1000ドル SCSIボード含む
Network 200ドル イーサネットボード
SVGA 200ドル
20インチColorMonitor 1500ドル
NeXTstep 1000ドル エンドユーザーバージョン
合計 5900ドル

 結果は,上記のとおり大体6000ドル程度(約78万円)もちろんこれは非メーカー品の場合だから,DELLやCOMPAQなどある程度知名度のあるメーカー品で構成すれば,さらに2000ドルくらいは上昇して大体8000ドル程度となる.ちなみにNeXTstationColorのエンドユーザー構成が9000ドルだから,非メーカー品で構成すればIntelバージョンは確かに安い。メーカー品だとそれほど変わらないといったところだ。
NeXTstepもバージョン3.0に
 Intel版にややさきがけて,NeXTstepもバージョン3.0になる.今回強化された機能は,以下のとおり.
★ネットワーク
 バージョン2.0ではTCP/IPとNFSがサポートされていたが,新バージョンでは,これらUNIXの標準プロトコルに加えて,NovellのNetWareのクライアントとAppleShareのクライアント機能がバンドルされることになった.
★データベース(クライアント-サーバ処理)
 ネットワークの強化にも関連するが,今日の商用データベース環境は,強力なデータベース専用サーバを中心としたクライアントーサーバ処理という方向に向かっている.たとえば,Auspex,DEC,HP,IBM,Pyramid,Sequent,Sun,Teradataなどがそうしたデータベースサーバを提供している.
 しかし,これらに接続してNeXT側でクライアント処理を行なわせる場合,今まではSQLなどにもとづいたアプリケーションを開発する必要があった.それが,バージョン3.0ではOS内にこれらの一部の機能を付加することによってシームレスな環境を提供する.さらに複雑なあるいは特殊なデータベースを使用する場合には,DataBaseKitの提供で開発期間を大幅に短縮できるそうだ.
★カラー
 バージョン3.0ではグラフィックまわりでいくつかの強化がなされている.そのひとつはPostScriptのレベル2への対応.これにともないCanonのOEMであるカラープリンタも同時に発表された.
 ぎは,3DGraphicsKitのバンドル.これは長い間噂されていたNeXTRenderManだ(RenderManの開発元のPixer社はJobs有する会社).これで,3Dアニメーションなど一応の処理はNeXTでできるようになった.
 そのほか,マルチリンガル対応,新暗号化処理の採用によるセキュリティの強化(これは将来の日本語バージョンに適用されるかは不明.米国政府は現在この手の技術の海外流出を制限しておJobsも公聴会にレポートを提出する必要があると言っていた)など細かい点も強化されている.

Turboシリーズでマシンを高速化
 もうひとつの発表は、33MHzの040を搭載したTurboシリーズ.今までは25MHzだったので,単純に計算して1.3倍程度の速度改善ということになる.Jobsによれば「これでSPARCなみ」ということだ.筆者はMIPS値の信奉者ではないが,それでも世の中が,RISCベースで50MIPSから100MIPSに移ってきている中で,33MHz040にはそれほど大きなインパクトは受けなかった。
 「'91年度は前年度比で400%と順調な売り上げの伸び」,「18ヵ月以内に株公開」とJobsがはしゃぎたてるが,当初期待されていたほどの売り上げでないのも事実。その証拠にNeXTがターゲットとするユーザー層は,NeXTの最初のリリース以来二転三転している.NeXTが初めて発表された当初のメインターゲットは高等教育分野だった.
 それが次にはDTPとなり,やがてインターパーソナルコンピューティングとなり,そしてプロフェッショナルユーザーとなった.それが今度はカスタムアプリケーションだというのだ。今回のJobsの講演でも,mission-critical custom application(開発期間に余裕がないカスタムアプリケーション)への適用をことさら強調していた.Jobsの説によれば,他のプラットフォームに比べて約9倍の開発効率,NeXTはカスタムアプリケーションの分野でSunに次ぐ売り上げを上げているそうだ。
 もちろんその論拠は,オブジェクトオリエンテッドな開発環境,InterfaceBuilderなどの開発ツール,良好なユーザーインターフェイスなど.しかしこのことは逆に,NeXTが一般化するのにまだまだ時間がかかるということを示しているのにほかならず,しかも行く手には競合のSunMicrosystemsがひかえている.「最大の敵はSunだ」と言い切るJobsにも,まだまだ苦難の道が続きそうだ.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)


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「Miscellaneous:behinde the news」をスクラップする。

めざせペーパーレス
 日本でも確定申告の季節がやってくるが,米国では,すべての州の納税者が電子ファイルで納税申告書を提出することができるようになり、1000万人以上が利用すると予想されている.関係者によると,納税申告書をコンピュータに登録するシステムは,昨年一部の州で試験的に行なわれ,その結果は良好だったという。オハイオ州のシンシナチでは,紙を使用しない「ペーパーレス「裁判」が行なわれる.この裁判では参照書類のいっぱい詰まった書類箱の代わりに,8台の端末がコンピュータに入力された書類を表示する.
 これによって,代表者はボタンを押すだけで書類や証拠物件を提示できる.システム導入の指導をした連邦弁護士は,コンピュータ化された文書が法廷の救世主になり,裁判費用の削減につながると語っている。ちなみにシステムの導入費用は4万5000ドルほどに見積もられている.日本の法廷でも,書類を積み上げて裁判しているのを見かけるが,コンピュータ化は可能なのだろうか.Channel Marketingが最近行なった調査では,'90年代末には,家庭内に平均して2.2台のパソコンが入るだろうという.家庭用コンピュータの購入数は、1990年に510万台だったものが,1991年には700万台になった.そして,1991年の時点で3000万台以上のパソコンが2800万以上の家庭で使用されていると見積もっており,要因としては家庭ベースのビジネスの増加やテレコム環境などが挙げられるという.同社は、1999年には学校でもノート型コンピュータが現在の電卓のようなものになると予測している
 パソコン通信の発達でコンピュータが普及するのはいいのだが,フランスでは,ミニテルのポルノ番組がまた問題になっている.政府は,28のポルノサービスに対して,50%の収入税を課すことにした。この動きは,公然とポルノが売られているフランスではまれな規制だ.
 政府側は,性的逸脱者(Sexual Deviates)にお灸をすえるのが目的で,こうした番組が子供の目に触れかねないことを心配しているようだ.また,性的パートナーを探し求めることはエイズの拡散にもつながるとしている.
 「魔女狩り」と称して,この処置に反対する人も多い。ミニテルのメッセージサービスをサポートしている団体はこの税金について,「他のメッセージサービスをも脅かす」と反対している。パリのLiberation紙は,社説でこの税金を取り上げて「異議はない出来事だ.知識人は無関心だが,聖職者は喜んでいるだろう」と評している.
 通信ものでは,ポータブルワイヤレスモデムがEricsson GE Mobile Data社から発表された.Mobidemと呼ばれ,RAM Mobile社が運営するMobitexネットを利用するもの.形はボタンのない無線電話といった感じだ.先にMotorolaとIBMが無線ネットワークを発表したが,そのライバルである.Mobidemは900MHz帯を使い,通信速度(スループット)は4800bps,10秒以上通信がないと電圧を下げ,最高12時間の使用が可能という.Mobidem自身は1795ドル(約23万円),通信料金は,512文字ごとに12.5セントだから,画面1杯分の2000文字で50セント(65円)ということになるから,けっこう高価なものである.

米国ではMacintosh大幅値下げ
 Appleによると,1991年10月に発表されたPowerBookシリーズの出荷量が10万台を超えたという.会長のJohn Sculleyは,「PowerBookに対する需要のお陰で,第1四半期の売り上げ,市場シェアともに順調に伸びている」と語った.また,LCの売れ行きも好調で,とくに教育関係分野において顕著だという.
 加えて,Appleとしては史上最大の値下げを発表した(表1).マーケットシェア拡大戦略の一環として行なわれたこの価格引き下げは,QuadraとPowerBook140/170を除くほとんどの機種で行なわれた.また,PowerBook100の強化バージョンとして,4Mbytesメモリ搭載モデルと4Mbytes+40MbytesHD内蔵モデルの2機種も合わせて発表された.
 マシンの値下げが常識となっている米国でも,今回の値下げは話題となったようで、特に販売店側はマージンが減ることに関して文句を言っている.
 日本では,日本電気の98シリーズが500万台突破という威勢のいい発表を行なった.過去11カ月で100万台売ったことになる.Macを安くするというのは,日本でもやるべきことではないだろうか.
 さて,日本でも新聞で報道されたAppleとシャープの関係だが,米国では「Pocket Mac」が出るのではと噂になっている.これが,ソニーのパームトップのようなコンピュータなのか、はたまた電子手帳的なポケットコンピュータなのかは分からない.Apple側はノーコメントだが,Sculley氏が以前,日本の電気メーカーとの提携を望んでおり,図書館やデータベースからの大量の情報を検索したり,遠隔地から簡単に操作できるポータブルマシンへの消費者からの強い要求がある,と述べていたこともあった.
 もう少し身近な噂はLC IIで,16MHzの030を搭載してダイレクトスロットとFPUスロットを搭載するという.値段を据え置きにしてくれると,かなりオイシイマシンになるのだが.


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 e-Taxが開始されたのが2004年(平成16年)だからこの記事から12年後だった。結構時間がかかったものだがパソコン環境が貧弱だったから仕方がないことだった。当時ペーパーレスは夢物語だった。
「家庭用コンピュータの購入数は、1990年に510万台だったものが,1991年には700万台になった.そして,1991年の時点で3000万台以上のパソコンが2800万以上の家庭で使用されていると見積もっており,」に対して「日本では,日本電気の98シリーズが500万台突破という威勢のいい発表を行なった.過去11カ月で100万台売ったことになる」だから市場規模の差は大きかった。

Microsoft絶好調
 Microsoftは,3月からTVコマーシャル活動を開始.内容は,Windows3とWord,Excelなどで,「未来の消費者に製品の利点を「アピールする」ものだという.
 同社マーケティング部門の副社長Gary Gigot氏は,「Windows3は発売以来すでに900万パッケージが売れている.今回のTVキャンペーンは,Windowsによっていかにコンピュータが扱いやすくなるかを知ってもらおうという目的がある.特にコンピュータ雑誌を買って読むほどではない,というような人たちをターゲットにしている」と語っている.
 絶好調のMicrosoftだが,社長のMichael R. Hallman氏が辞任する.同氏はBoeingとIBMで役員を務めた後,Microsoftの社長を2年間務めた.後任には3名の役員が共同であたる予定.同社によれば「この再編成は,同社の爆発的な成長に沿うためのもので,会長のBill Gates自身も関与している」とコメント.「Gates氏と折り合う部分がなかったため」とも語っている.
 なんにしろ,Microsoftの絶好調は続いており,Gates氏がBussinessWeek2月24日号で表紙に登場.記事では,同社のピクニックの写真を使って社内用語の解説をしたり,社員採用時の質問(マンホールの蓋はなぜ丸いのか)を引用して,ユニークさをアピールしている.
 米IBMはコンピュータ雑誌を2誌創刊した.IBMのマーケティング手段として発行されるが,ライバルのコンピュータおよびソフト会社の広告も載せる予定.
 同社は今まで,数々のユーザー向け雑誌を出してきたが,他企業の広告を掲載したものはない.両誌は隔月発行予定で,「Profit」誌は中小企業のビジネスマン向け,「Beyond Computing」誌は大企業のエグゼクティブをターゲットにしている(発行部数はそれぞれ20万部).「ただ商品を売るだけでなく, IBMがコンピュータにまつわる諸問題にどう対処していくかを知ってもらいたい」ということで,記事は,IBM社員とフリーライターが,デトロイトのPublications社が広告の取り付けなどを担当する.


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米国では Windows 3.0 で良かったのか。日本のパソコンでは良くフリーズしたのだが。
「Windows3は発売以来すでに900万パッケージが売れている.」だから日本のPC-9801の「累計500万台」とか「過去11カ月で100万台売った」では差が大きい。この規模が小さい市場でソフトウェアベンダーとか周辺装置メーカーは収益の面で苦労したことだろう。ガラパゴス化の弊害が表れ始めていた。

ダビンチにミケランジェロが寄生
 3月6日,ミケランジェロの誕生日にちなんだMichelangeloウイルスが動き出すのではないかと懸念されている.もともとこのウイルスは昨年2月にオランダで発見されたのだが,少数のマシンが感染していただけだったので大事には至らなかった.しかし,このウイルスはユーザーが直接コピーしなくても,ディスクを読んだだけでシステムに感染し,HDの内容を消去してしまうという.1991年暮れに出荷されたLeadingEdge社のパソコン約500台がこのウイルスに感染していることが最近になって分かった.感染したシステムを購入したユーザーも80%ほどを確認ずみという(同社は月に1万5000台のパソコンを出荷している).
 さらに,電子メールソフトを販売しているDaVinci社は,出荷した900枚ほどのFDが,明らかにMichelangeloウイルスに感染していると発表.感染の恐れがあるのは,eMAIL2.0のうち試供用の「30――day kit(30日間お試しキット)」である.
 同社はウイルス感染の原因を特定できてはおらず,ユーザーにディスクを使用しないよう呼びかけている.誤ってそのディスクからブートさせようとすれば,いつもどおりのエラーメッセージの陰でウイルスはHDに侵入するそうだ.DaVinci社のディスクが,その名前のためにウイルスのターゲットにされたかどうかは不明.
 このウイルスはViruscan7,9V84,Virex2.1,Virus Buster,X――Tree Antivirus Utilityなどで取り除くことができる.

 この当時のウイルスはまだいたずらレベルだった。それが金儲けの手段に使われるまでは結構年数がかかった。

「Macintoshの祭典 MACWORLD Expo/Tokyo開催」の記事から写真をスクラップする。
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John Sculley
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フリーソフト
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L-ZONE, Soul Gunner
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F2 機動警察パトレイバー
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Remote Reality
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計測技研
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CRCシステム
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ASK
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Radius アクセラレータ
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FusionDATA
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Radius PowerView
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いすみやインターナショナル
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SuperMac
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WordPerfect
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MacBros.
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パソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年4月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

PC-9801シリーズの累計出荷が500万台を突破
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1982年10月から販売し9年4か月で500万台突破。400万台達成から11カ月500万台を超えた。この当時の98の勢いは凄かった。雑誌に広告を打たなくともユーザは98を指名買いしていた。

富士通がFM FOWNSIIモデルUX40などを発売
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FM TOWNS IIモデルUX40の価格は 38万8000円

シャープが3.5インチFDDを搭載したX68000 Compact XVIを発売
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X68000 Compact XVIの価格は29万8000円。月産4000台を予定。ということは順調に1年間売れたとしても48,000台にしかならない。PC-9801シリーズとは雲泥の差だ。

富士通がFMR-NoteBookの新機種を発売
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三菱電機がAX-VGA/H仕様の「MAXY」を発表
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CPUはi386(25MHz)とi486SX(25MHz)デスクトップ型の価格は95万8000円~115万8000円
ラップトップ型のCPUはi386SX(20MHz)で価格は85万8000円~120万円

コンパックが日本市場に参入,5機種25モデルを発売
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ロンローが小型・低価格のDOS/Vマシンを発売
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Tiny PRO 286(i286,16MHz)の価格は13万8000円~19万8000円
Tiny PRO 386SX(16MHz)の価格は16万8000円~22万8000円

プロサイドが486(50MHz)搭載のPC互換機などを発売
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JD1994-50 MARK II(CPU i486DX)の価格は68万6000円

日立,ラップトップワークステーションを発売
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アップル,PowerBookの価格変更などを発表
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富士通と三洋電機がIBM PC/AT互換のサーバーを発表
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金亀電子がi486(50MHz)のサーバーマシンなどを発表
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東芝がニューロコンピュータ用ICを開発
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日立が1GIPSのマイクロコンピュータを試作
ASCII1992(04)b15日立1GIPSマイコン_W520.jpg

富士通がスーパーコンピュータの機能をワンチップ化
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ロータス,1-2-3/Notebookをバージョンアップ
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ロータス,Mac版Lotus1-2-3の国内販売を開始
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ロータス,「Lotus1-2-3」の学校向けパッケージを発売
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果たして売れたのだろうか。

ジャスト,一太郎用1-2-3ファイルコンバータを発売
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Windowsが広まる前にWindowsが無くてもDOSで一太郎ファミリーだけではなく他の会社のアプリからデータをコピペできるようジャストシステムは開発していた。

ASCII EXPRESSの扉ページから「21064-AA」RISCマイクロプロセッサの写真・説明文をスクラップする。
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キャラベルデータシステム,大容量の98NOTE用内蔵HDDを発売
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テクノジャパン,低価格大容量HDD3機種を発売
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緑電子,大容量HDDを98NOTEに接続するI/Fを発売
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アイ・オー・データ,内部増設RAMボードなど数種を発売
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メルコ,容量6Mbytesの増設RAMボードを発売
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6Mbytesで4万9800円

三菱が従来の2倍の音声情報圧縮率を持つ音声符号化技術を開発
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なんのことかさっぱり分からない。

東芝が高密度化が可能な光ディスク記録技術を開発
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パソコン広告(月刊ASCII 1992年4月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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観月ありさのFM TOWNS。裏表紙が新しくなった。

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前号の使いまわし。

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右頁はPC-9801CS,PC-9801UR・UF

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FM TOWNS II

ASCII1992(04)a03FMNoteBook_W520.jpg
FM NoteBook FMR-50NBX2とFMR-50NB2は前号の使いまわし。

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ASCII1992(04)a04I田中美奈子_W520.jpg
IBMのイメージキャラクターは田中美奈子

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左頁のDynaBookは前々号の使いまわし。
右頁は関西電機のDOS/V 48AGで前号の使いまわし。

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左頁はPC-386P。
右頁はPC-386 NOTE AEで前号の使いまわし。

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X-68000

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キヤノンのAXi/V

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右頁のファミリーコピアのイメージキャラクターは富田靖子。

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NeXT

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ソニーのDATA Discman

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イメージキャラクターが高橋由美子のSEGAのTERADRIVEは1月号の使いまわし。

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DECのRISCワークステーションの広告は前号の使いまわし。

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イメージキャラクターが松本典子のスター精密のプリンタは1991年10月号の使いまわし。

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マイタックジャパンのDOS/V機
4060G(486DX--33MHz)568,000円
4060F(486SX-25MHz)498,000円
3060G(386DX-33MHz)428,000円
3060F(386SX-25MHz)358,000円

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Windows用Excelの広告は前号の使いまわし。

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Windows用のWordの広告は前号の使いまわし。

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Windows用のLotus1-2-3。

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マイクロデータ。

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ボーランド。

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左頁はVZ。
右頁はAfter Dark。

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パソコンショップでASCIIのカラー広告を出しているのはツクモだけだった。

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キヤノンのレーザーショット。

裏表紙裏はFUJI FILMのFD。
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森口博子が新しくなった。


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T2,FDフォーマット,キーボード入力他(月刊ASCII 1992年3月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「TBN」からターミネーター2の記事をスクラップする。
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 '91年最大のヒットとなった「ターミネーター2」(以下「T2」)のビデオソフトが、いよいよ3月6日にリリースされる.この作品のソフト化を待望している人は数多いだろう.「T2」の魅力はなんといってもジェームズ・キャメロンのたたみかけるような演出とシュワルツェネッガーのキャラクター性によるところが大きいけれど,本誌読者ならこの作品の特撮に注目していただきたい。「T2」の特撮による画面は,現在,世界最高水準といっても過言ではなく,特にCGによる実写との合成カットの多さ、そのクオリティは他に類を見ない素晴らしいものであるからだ。
 「T2」でCGを担当したのはアメリカのIndustrial Light&Magic社,通称ILMと呼ばれる特撮映像専門のクリエイト集団創設者は「スターウォーズ」を手がけたジョージ・ルーカスだ.ILMは,もともとミニチュアワークや光学合成などを主体とした特撮スタジオであったが,ルーカスはCGの将来性を考え,ユタ州立大学でCGを研究していたエド・キャトマル博士を招き、'78年にCGセクションを設立したのだ。現在,ILMのCGセクションはIRISFarmと呼ばれている。その言葉どおり、シリコングラフィックス社のスーパーコンピュータ,IRIS-4Dシリーズが30台以上も稼動中であるからだ。4Dシリーズのマシンには,それぞれ「スターウォーズ」の登場人物名がニックネームとして付けられているという.
 「T2」で使用されたのはPOWERVision Graphics SuperComputer IRIS-4D/340 VGXと,Personal Graphics Workstation IRIS-4D/25TG.また,一部の画面ではMacintosh上のPhotoshop,Electric Imageなども使用されている.
 「T2」におけるIRISを使用したCG場面は,主として新型ターミネーターT-1000型の変身シーンに使用されている.
 それらのCGシーン制作の指揮を取ったのはILMのビジュアル・エフェクトスーパーバイザーであるデニス・ミューレン.彼は「スターウォーズ」や「ゴーストバスターズ」,「2010」などの特撮を担当したリチャード・エドランドがILMを去った後,特撮部門の責任者として,数多くの作品で特撮監督をつとめた人物である.
 このミューレン率いるILMのCGセクションが,本格的に映画化にかかわったのは'88年の「ウィロー」であった。ミューレンは同作において,動物が人間に変身するシーンをIRISによるCGを使って産みだした。つまり,「T2」で使用されたイメージソースと手法は,すでにこのとき(実験段階であったが)確立されていたのだ。
 さて,このようなCGを実写場面に合成した,変身シーンを使った作品は「ウィロー」や「T2」のほかにも,CMや,またマイケル・ジャクソンのプロモーションビデオ“BlackorWhite"などがある.それらのCGと実写を合成するテクニックを,向こうでは“morfing"(“morphing”と表記している本もある)と呼んでいる.これはmetamorphosis(変身)からきている造語で、ここ半年あまりの間に使われだしたようだ。
 さて,この“morfing”は,前記したIRISを使って行なわれているのだが,最初からビデオを使い,ビデオとして完成されるMTVなどと違い,「T2」などの映画の場合はフィルムにして使用するため,その製作過程は一段階複雑だ。つまり,第一段階はフィルムとして撮影され,その素材をテレシネしてビデオテープにし、その映像信号をデジタル化する段階で,CGによるデジタル映像データを混入し,さらに完成したテープを,もう一度フィルムにトランスレートするのだ。合成して不自然に見えないようにイメージソースを作成するテクニックが必要であることはいうまでもない.
 ちなみに,ビデオ映像をフィルムにする技術は“ネガテレシネ”と呼ばれ,ビデオの映像信号をレーザープリンタに似たテレシネ装置でフィルムに焼き付けていく.この技術は日本でも東通やImagicaによって開発されているが,「T2」のそれは,走査線が多く,肉眼では分からないほど細かいものとなっているため,ほかのフィルム部分との見分けがつかないのだ。
 ところで,Macintoshを使ったシーンはどんなシーンかというと,カースタントなどのシーンでワイヤーが見えているのを消すのに使用されている.通常ワイヤーは空の部分に写っているので,ほかの素材から同じ色の空の画面を取り込んで」コマずつ交換しているのだ。シュワルツェネッガーが,バイクでジャンプするシーンなどがそうだ.
 また,ジョンを追うトレーラーが,橋から水路へとダイブするシーンがあるが,この場面,トレーラーは右から左へと画面ではダイブしているが,これは実はフィルムを逆版にして使用している.画面の前後のつながりを考えているが,これは実はフィルムを逆版にして使用している。画面の前後のつながりを考えて,キャメロン監督が指示したのだが,通常,フィルムを逆版にして使用するとすぐ分かってしまうため、運転席をCGによって見えなくし(ハンドル位置を隠すため),さらに背景の交通標識の文字を入れ替えているのだ。このシーンが唯一逆版と分かるのは,トラック前面のエンブレムが逆になっているからだ(ビデオを入手された方は、ぜひコマ送りなどでチェックしてみるといいだろう).
 今回は「T2」におけるCGについてのみしか触れられなかったが,いずれ機会があれば,そのほかの部分の特撮について書いてみたい。特に核戦争によって,ロサンゼルスが破壊されていくシーンなど,画期的な技術が多く使われているからだ。
 いずれにしても「T2」は'90年代の特撮のバイブル的存在として,その技術,センスなど,多くの研究余地がある作品といえよう。    (きしかわおさむ)

 ターミネーター2ではスパコンが使われていたとは流石ハリウッド映画だ。

「TBN」の「なんでも相談室」をスクラップする。
同じDOSフォーマットなのにどうして?
 IBMPC互換機を使っている友人からデータを3.5インチ2HDのフロッピーディスクでコピーしてもらいました.ところが,ぼくが使っているDynaBookでは、受け取ったフロッピーディスクの内容が読み出せません。DynaBookもIBMPC互換機なのに,IBMPCのフロッピーディスクが読めないのはどういうわけでしょうか.
 IBMPCとの互換性がセールスポイントすが,ントのひとつであるDynaBookでPC互換不思議なことに一般のIBM機とは必ずしもフロッピーディスクの互換性がありません。
 結論からいうと,IBMPCで読み書きできる3.5インチ2HDと,旧型のJ-3100シリーズで読み書きできる3.5インチ2HDでは,フロッピーディスクのフォーマットに互換性がないからです.
 また,DynaBookに限らず,PC-9801をはじめとする国産のパソコンは,IBM PCとは異なるフロッピーディスクフォーマットを採用しています。そのため,国産のMS-DOSパソコンどうしならフロッピーディスクの交換は比較的スムーズですが,IBM PCとのフロッピーディスクの交換で問題が発生することが少なくないようです。
 表1は,国産MS-DOSパソコンで標準的に採用されているフロッピーディスクのフォーマットと,IBM PCや互換機の一般的なフォーマットを比較したものです.
 日本のパソコンとIBM PCで,この表のようなズレが発生した理由は,フロッピーディスクの小型化と大容量化の方向性の違いによるものです。
 ここで,IBM PCと国産パソコンのフロッピーディスクの歴史を簡単に振り返ってみましょう.
 初代IBM PCで利用されていたPC-DOS(MS-DOS)では,5インチ,2D/IDで,320K/160Kフォーマットでした。これは,アンフォーマット時に500K/250Kbytesの容量を持つディスクを40トラック,8セクタ,セクタ当たり512Kbytesとするフォーマットです.
 その後,PC-DOS 2.0で5インチ,360Kフォーマットの2Dディスクをサポートするようになりましたが,これはトラック数とセクタ当たりの容量をそのままにして,トラック当たりのセクタ数を9セクタとしたフォーマットです.この360Kフォーマットは,現在に至るまでIBM PCの5インチフロッピーディスクにおける最も互換性の高いフォーマットとされています.
 そしてアンフォーマット時1.6Mbytesの5インチ2HDのフロッピーディスクが登場したときに,IBM PCは80トラック,15セクタで,セクタ当たり512Kbytesの1.2Mフォーマットを採用しました.このフォーマットは,俗に“2HC”と呼ばれることがあります.
 ところが日本では,初期の5インチ,2D,320Kフォーマットというところまでは同じだったのですが,その後,独自の大容量化に走ります。具体的には,アンフォーマット時1Mbytesの5インチ2DDの登場で、2Dのトラック数を倍にして80トラックとし,記憶容量を2倍にした640Kbytesのフォーマットが誕生しました。
 ただし,360Kフォーマットを倍トラックとした80トラック,9セクタの720Kフォーマットも読み書きできるようにした機種もありますPC-9801をはじめとするほとんどの国産パソコンが,特にマニュアルには記載されていませんが,このフォーマットを読み書きできます.
 さらに,アンフォーマット時1.6Mbytesの5インチ2HDでは,当時の電電公社の提唱により,古い8インチ,2Dのフロッピーディスクドライブが採用していたフォーマット,つまり77トラック,8セクタ,セクタ当たり1024Kbytesという、もうひとつの1.2Mフォーマットが採用されました.やはり正式にマニュアルには記載されていませんが,PC-9801などではIBMの“2HC”フォーマットを読み書きできるようになっています.おそらく,IBMPCも国産パソコンも,搭載しているディスクドライブは物理的には同じで,フロッピーディスクのデバイスドライバのパラメータを変更するだけで対応できるため,メーカーがオマケで付けてくれた機能なのでしょう.
 さて,問題の3.5インチの世界でも,5インチと同じような問題が発生しています。IBM PCは,PS/2でアンフォーマット時1Mbytesの3.5インチ,2DDを標準装備して登場しました.これは,80トラック,9セクタの720Kフォーマットで,国産パソコンが非公式でサポートする5/3.5インチ,2DDのフォーマットと同じです.また,ドライブ自体も,5インチ2DDとの互換性が考慮され,同じインターフェイスに接続できます.
 次に,4倍(2HD)の3.5インチフロッピーディスクドライブがサポートされるようになったときに,PS/2はアンフォーマット時2Mbytesのドライブを選択しました.このドライブは3.5インチ2DDのセク夕数を倍の18セクタとしたもので,フォーマット後の容量が1.44Mbytesになります.ところが,日本では,基本的に3.5インチディスクは同容量の5インチディスクのフォーマットに合わせるという方針が主流になりました。つまり,2DDは640Kbytesを標準とし,2HDもアンフォーマット時に1.6Mbytesで,5インチと同じ77トラックのフォーマットを採用するパソコンがほとんどです.
 DynaBookも,日本の1.2Mbytesフォーマットが採用されています。たぶん,メーカーがIBMPCとの互換性よりも,日本国内でのデータ交換の便宜を考慮したためでしょう.
 残念なことに3.5インチ2HDの場合,1.2Mbytesと1.4Mbytesのドライブでは回転数など,物理的な規格が異なります.したがって,5インチ2HDのときのように,デバイスドライバのパラメータを変更するだけでは1.2M対応のドライブで1.44Mフォーマットのディスクを読み書きすることはできません.ですから,どうしてもデータが必要であれば,IBM,国産に共通の2DD/720Kフォーマットを介してコピーしなおしてもらうのが確実でしょう.
 もっとも,最近のJ-3100やAX,そしてPS/55などのIBMPC系のパソコンでも,国内向けに販売されている製品に,IBMフォーマットに加えて国内フォーマットの3.5インチフロッピーも読み書きできるドライブを搭載している製品を見かけるようになりました.このドライブを搭載したパソコンでは,720K,1.2M,1.44Mの3種類のフォーマットの読み書きが可能ということになります.また,今のところ,PC-9801で1.44Mフォーマットをサポートする動きはないようですが,サードパーティから1.44Mフォーマットの読み書きができる増設ドライブが発売されています.
 ちなみに,最近,IBMが自社製品にアンフォーマット時4Mbytesの容量を持つ3.5インチフロッピーディスクを採用しました。これは,セクタ数をさらに倍にして36セクタとし,フォーマット後の容量が2.88Mbytesというフォーマットです。3.5インチに1.2Mフォーマットを採用している国産パソコンメーカーがどう対応するのか分かりませんが,興味のあるところですね.    (安田幸弘)


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 FDのフォーマットの種類の多さには辟易していた。主に5インチフロッピーを使っていたので98からIBM PCへのデータ移行はあきらめていた。


ダイヤモンドカーソルを使いたい!
IBM PC/AT互換機を使っていますが,このマシンのキーボード(101キー)はTabキーの下にCapsキーがあり,またCtrlキーが左下の隅に位置しているため,ダイヤモンドカーソル移動が使いにくくて困っています。たとえばCtrlキーとCapsキーを入れ替えるようなことはできないでしょうか?
 一般にIBMPC系のパソコンのキーボードは,84型キーボード,101型キーボードというように,キートップの数に応じて名前が付けられています(図1).IBMPC,PC/XT,PC/ATなどで使われている83/84型キーボードでは,CtrlキーはTabキーの下にあるので,かつてのワープロソフト“WordStar”に採用されてその後の多くのアプリケーションに影響を与えたダイヤモンドカーソル(Ctrl+S/E/D/Xによるカーソル移動)が楽に使えました.一方,PC/AT,PS/2で使われている101/102型キーボードでは,Ctrlキーはキーボードの隅に追いやられてしまい,代わりにCapsキーがTabキーの下に配置されています.また最近普及しているDOS/Vマシンの標準日本語キーボード,106型キーボードも,JIS配列であるという違いはあるものの,CtrlとCapsキーが同じような場所に配置されています.そのため,これまでPC-9801しか使ったことがなく,初めてDOS/Vマシンを使い始めた熟練ユーザ一の多くが,キーボードのCtrlキーの位置で不便を感じているのではないかと思います.ここで,幸いなことにIBM PC系のマシンでは,BIOSレベルでキー配置を変更するための機構が用意されています.そのため,キー配列の変更は,小さなプログラムを作ることによって簡単に実現できます.が,その方法を説明する前に,まずIBMPC系マシンのキーボード入力の仕組みを見てみることにしましょう.


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キーボード入力の流れ
 IBM PCのキーボードは,ユーザーがキーを押したり離したりすると,そのキーに対応するスキャンコードというデータをコンピュータ本体に送信します。スキャンコードは基本的に1byteのデータとなっており,キ一が押されたときはそのスキャンコードが,キーが離されたときはそのキーのスキャンコードに80hを加えた値(上位1ビットがセットされると考えてもよい)が送信されます。
 キーボードからの送信データスキャンコード)は,マシンのマザーボード上にあるキーボード・コントローラと呼ばれる回路が受け取ります。キーボード・コントローラがデータを受け取ると,ハードウェア割り込みInt09hを発生させます。するとCPUはそれまでのプログラムの実行を中断して,キーボードのハードウェア割り込みハンドラへ処理を移します.このInt 09hの割り込みハンドラは,アドレスF000:0000以降のROMBIOS内に用意されています.
 さて,Int 09hハンドラはキーボード・コントローラからスキャンコードを入力し,それがシフトキー(Caps,Ctrl,Shift,Alt)であれば,その状態を記憶させるデータエリア(0040:0017から2bytes)を更新します。もし,スキャンコードがシフトキーのものでなければ,それをシフトキーの状態に応じてASCIIコードに変換します.そして,スキャンコードとASCIIコードを2つ1組のデータとしてキーボードバッファ(0040:001Ehからの32bytes)に記録します。
 最後に,ハードウェア割り込みを終了させて,CPUは元の処理に戻ります.
 さてキーボードバッファに蓄えられたキーの入力データは,キーボードBIOS(Int16h)を呼び出すことによって,取り出すことができます.この場合も、入力データは,スキャンコードとASCIIコードのペアで取り出されます。キーボードBIOSはMS-DOSが呼び出すこともあれば,アプリケーションが直接呼び出すこともあります(図2).


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ROM BIOSのフッキング
 さて,以上が大まかなキー入力の処理の流れですが,ひとつだけ大切なことを述べていませんでした.それはこれから述べるROM BIOSのフック・サービスです。キーボードのハードウェア割り込みが発生すると割り込みハンドラ(Int 09h)に処理が移りますが,割り込みハンドラはスキャンコードをASCIIコードに変換する前に,AHレジスタに4Fhを,ALレジスタにスキャンコードを入れてInt 15hを発行します。通常の場合,このInt 15hハンドラはキャリーフラグをセットして戻るだけです.もしキャリーフラグがリセットされているとInt 09hハンドラはキー入力の処理をそこで中止します.さて,
 この機構を利用して,Int 15hをユザープログラムがフックし,AH=4Fhの場合は,ALのスキャンコードを適当に変換させれば,キーボードのキー配列をソフトウェア的に自由に変更することが可能になります.たとえば,CtrlキーとCapsキーを入れ替えたい場合は,Int 15hハンドラを作成して,Int 15hをトラップすればいいわけです.ところで,101型キーボードなどでは,CtrlキーやAltキーなどのキーが左右に2つ付いています。こうした2つのキートップを持つキー入力については,片方については,E0hに続いてそのキーのスキャンコードが送られる,つまり2回スキャンコードが送られるようになっているので,それぞれのキー入力が区別できるようになっています。したがって,前回に送られたスキャンコードがE0hのときはスキャンコードを入れ替えずにそのまま素通りさせれば右側のCtrlキーを判別できるわけです。こうした処理を含めて,以上のInt 15hのフックを行なう常駐プログラムのソースリスト“CTRLCAPS.ASM"(リスト1)をリストページに掲載しましたので,MASMなどのアセンブラを持っている人はお試しください。
 なお,最後に注意してほしいのは,Int 15hをトラップしてキー配列を入れ替えても,MS-Windowsを起動すると元のキー配列に戻ってしまうことです(ただし,MS-WindowsからMS-DOSアプリケーションを起動した場合は有効)。これはMS-Windowsが独自のInt 09hハンドラを持っているためです.MS-Windows上でキ一配列を変更するには,専用の開発キットを使って独自のキーボードドライバを作成しなければなりませんが,これは一般ユーザーにはほとんど無理なことです.どうしてもキー配列を変えたければ,キーボードを分解して配線を変えるしかないでしょう.多くのキーボードはスイッチが基板に直に付いているため、基板のパターンをカットしてジャンパ線でつなぐなどの作業が必要となりますが,決して難しいことではありませんので,ハードに自信のある方は挑戦してみるのも面白いでしょう。    (笹川)

* ただし,スキャンコードがファンクションキーやHome,Endなどの非ASCII文字である場合は,ASCIIコードの代わりに0が,スキャンコードの代わりにシフトキーの状態に応じた特別な値がセットされます.詳しくは参考文献を参照してください.
参考文献:Peter Norton, Richard Wilton著,『THEIBMPC&PS/2プログラマーズガイド』,翔泳社
IBM PCではやったことはないが、PC-9801のMS-DOSでのプログラミングではMS-DOSを如何にバイパスするかが腕の見せ所だった。特にキー入力については「MS-DOSよお前は引っ込んでろ」という感じでプログラミングしていた。

「なないろのディスプレイ」という漫画をスクラップする。
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