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NEW MODEL IMPRESSION(月刊ASCII 1992年6月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「NEW MODEL IMPRESSION」をスクラップする。
この号は覚えのない機械ばかりだった。コメントできない。

NCR3125
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 バッテリを含めて約1.8kgという重量は、長時間,片手で持つのはつらい。文字認識が386CPUのパワーを必要とするのだろうが,携帯マシンに用途を限定するなら,速度を犠牲にしてでも,小型・軽量化がポイントになるのではないか.しかし,今後のペン入力の状況をうらなううえでも現在もっとも注目したいマシンといえる.    (池田)


Rapture55

JD1994-50MARK II
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 ちょうどWindows3.1が発売されたこともあり、多色・高解像度モードで巨大なTrueTypeフォントで文書を作ったりしてみたのだが,これだけ速いとさすがにストレスを感じない。画面の広さといい速さといい,ほとんどワークステーション気分だ。こんなCPUパワーが必要なのかという疑問もあろうが,いずれ出てくるであろう日本語Windows3.1で漢字のTrueTypeを使うとか,MMEで動画を扱うといったことを考えるなら,CPUに関する妥協はしないほうがいい.
 それに,今回紹介した2機種は,あとはディスプレイとソフトだけという状態で70万円程度。メモリとHDDのことを考えたら98FAと大差ないのだ。Windowsがターゲットなら,今最も安くて速いマシンといえる。高機能マシンの購入を検討されている方は,ぜひ一度実物に触ってみることをお勧めしたい.    (野口)



PC-6700
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 PC-6700はコンパクトな外見にもかかわらず高機能なノート型パソコンであり,高速のCPUを生かすスペックを備えている.Win3も十分利用できる速度であり,持ち歩けるパソコンとしては理想に近い環境が構築できそうだ。なかでも標準装備のトラックボールにより,膝の上でもWin3が使えるという使用感はなかなか快適なものがある.
 価格は98NS/Tに比べて40Mbytesモデルで15万2000円高い。機能的には非常に魅力のある製品だけに,割高感が否めないのが悩むところだ。    (行正)



FX-890P
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 FX-890Pは,本格的なプログラミングは無理としても,入門用としてはなかなか面白い。パソコンとのデータ交換が可能だから,開発や集計はパソコンで行ない,FX-890Pはデータ入力端末として使うといった応用も考えられる.     (小日向)


FOTOMAN

DYCAM model 3
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 パーソナルコンピュータに画像を取り込む手段としては,ビデオカメラで撮影した映像をビデオ入力ボードを通して取り込む方法がある。98のビデオ入力ボードとしてはカノープス電子のCVI98II(11万8000円)などが,Macintoshでは10万円程度のフルカラービデオ入力ボードがあり,2インチFDを使うスチルビデオカメラ(キヤノンQ-PIC:8万9000円など)を利用すれば20万円程度で画像入力ができる。ただし,ビデオからデジタルデータに変換する際に画像が劣化する.ビデオ入力ボードとカメラの組み合わせが比較的安価であることを考えると,グレースケールのみのFOTOMANとDYCAMは少々高く感じる。同程度の価格でカラーの読み込みが可能な機種が欲しいところだ.    (行正)
 デジタルカメラという単語は、ここが初出だと思う。
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特集ノートパソコン(月刊ASCII 1992年6月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ノートパソコンの特集をスクラップする。
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PC-9801NL(NOTEライト)
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 ただ,キーボードのストロークは短く,キータッチもよくない。また,コネクタはほかの98NOTEシリーズと互換性がないので注意が必要だ.
 いつでもどこでもパソコンを使いたいという人にはお勧めだが,小型ゆえの制限を覚悟すべきだ。

 9801と互換性のないこのパソコン売れたのだろうか。

PC-9801NS/T(NOTE SX/T)
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 デスクトップマシンと比べても遜色のないCPUパワーで,ノートパソコンを使いこなそうという人にはピッタリのマシンだ。



PC-9801NC(NOTEカラー)
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 TFTカラー液晶は,反応速度も速く,Windowsを使ってもマウスカーソルを見失うことはない。また,オプションのTVチューナー付きビデオ表示アダプタを使うと,NCの液晶画面でテレビを見ることも可能だ。
 ただ,カラー液晶はもう少し待てば安くなる可能性が大である.今すぐカラーを,という人以外は待ったほうがいいかもしれない。



PC-386NOTE AE
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 NOTE AEの拡張バスは,98NOTE互換になっている。98NOTE用の周辺機器をそのまま接続して使用することができる。また98NOTE互換といっても,従来どおりRGB信号は出ている。しかし,従来の386NOTEシリーズの拡張バスに接続する周辺機器は使用できない.


PC-386NOTE WR
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 拡張バスは,98NOTE互換ではなく,従来の386NOTEシリーズと同じである.このあたりは,NOTE AEとスタンスが異なっている.
 A4サイズに収めるため,「_ / ロ」のキーがSHIFTキー,カーソルキーのさらに右側まで追いやられている.システムメニューで入れ替えることもできるが,今度は逆にSHIFTキーが使いにくくなってしまう。この点は改良を望みたい.



DOS/Vマシン
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 なおアメリカではすでに各社から386-25MHzあるいは486のノートパソコンが販売されており,DOS/Vマシンに関しては各社から25MHzマシンが出てくる可能性も高い。機種選定に際しては,ビジネスシヨウの様子を見たほうがいいかもしれない。
 価格面では,日本IBMの55noteが一番安い。クロック周波数は他機種より遅いものの,16MHzあればそんなに困ることはないだろう。55noteの場合,アイ・オー・データ機器が増設RAMモジュールを発売しているし,CFコンピューティングの「DOS/Vパワードライバ」を利用すれば日本語Windowsの800×600ドット表示(CRT利用時)も可能になるなど,サードパーティ製品もいくらか発売されている.本体サイズもジャストA4サイズで,98NOTEよりはずいぶん小さい.
 クロックは20MHzほしい,という方には三洋電機のAXAGEだ。55noteとの価格差は5万円弱だから,パワー優先ならこちらのほうが割安だろう.AXAGEには標準でMS-DOS Ver.5(ただしAX-VGA/S仕様)と日本語入力FEP(VJE-β Ver.2.6)が添付されるので,AXとして使うならさらに4万円ほど安いことになる.ただ,AXAGEには拡張スロットがない,SVGAモードがないなどの弱点もある.
 コンパックのLTE Lite/25は,この中では唯一25MHzクロックで動作する.速度がAXAGEの1.25倍で価格も1.25倍だが,4Mbytesの標準メモリ,60MbytesのHDD,ジャストA4サイズという点を考えればコストパフォーマンスは良い。このマシンには,デスクトップエクスパンションベースというユニークな拡張ボックスがあり,デスクトップ的に使うことも想定されている。最後発だけあって,お買い得感は今回の4機種の中では最も高いといえる。
 3kg近くもあるマシンは持てないでも遅いのはいやだという方には,シャープのPC-6700がある.JEIDAVer.4.1のスロット,トラックボール,最大64階調の液晶などを装備する高級機ながら,重量は2.2kgに抑えられている。もっとも2.2kgマシンにはDynaBook V386/25もあり,こちらのほうがクロックが5MHz速くて5万円安いから,JEIDAなどに意味を見いだせないと割高ではある.



ノートパソコン
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東芝DynaBook V386/25 J-3100SL,V386/20 J-3100SX

 PC/AT,OADG・DOS/V用ソフトが動くこととなった.ショップによっては,実売価格が標準価格より10万円近く安く,お買い得感は強い.


富士通FMR-CARD
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 「何と言っても1kgを割る軽さと,単3乾電池2本で数時間持つのがすばらしい.VJE,VZエディターも動くし,パソコンとしての機能もしっかりしているよ.会議なんかに持って行くのは,最近もっぱらこれ。携帯性に関しては圧倒的に優れてるね」(同機のロードテスト担当 遠藤 談).


松下電器産業Panacom PRO NOTE 55
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 今年の4月下旬に発売されたPRONOTE55(写真4)は,現在のところ,32ビットノートパソコンとしては最軽量のマシンだ。Panacom Mシリーズ対応ソフト(標準解像度用)が使える.CPUに386SX(16MHz)を搭載,3.5インチFDD1基を内蔵しながらも,FDDモデルで約1.5kg,40MbytesのHDD内蔵タイプで約1.7kgという軽さがウリ。薄さ28mm。本体直付け小型LANアダプタや、本体内蔵型モデム,無線電話対応ポケットモデムなど,オプションも豊富に用意されている.携帯できるビジネスマシンとして重宝しそうだ。バッテリの稼動時間は,約1.7時間。


甦れ,DynaBookSS001.
――暗くなったELパネルを交換する
 長年使ってきた初代DynaBookも,最近なんだか表情が暗くなってきたな、と心配している人も多いだろう.バックライトのELパネルが劣化してきたのだ.半分の明るさになるのが2000時間と言われている。1日5時間使って400日。もう,ほとんどのマシンの画面が暗あーくなっていることだろう.
 このELパネル(シート)の交換は、原則的には東芝のサービスセンター(上野,そのほかはマシンに付属のドキュメントを参照のこと)に修理というかたちで依頼することになっている.1万5000円(税別)ほどかかるが,画面が格段に見やすくなる.あまりのまぶしさに目も眩もうというもの。たったこれだけの修理で,あと2,3年は使えるなと,きっと思うだろう.
 もっと安くあげることもできる。自分でELパネルを交換するのだ。ただ,いったん機械を開けてしまうとメーカーの保証は受けられなくなるのですべて自分の責任において実行すること.その点は覚悟してほしい。この部品についても、東芝のサービスセンターに問い合わせれば,注文できる.修理を頼んだときの半額の7500円(税別)で入手可能。


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写真A まず,安全のために電源を切って,バッテリをはずす.ハードRAMの中のデータなどは,すべてバックアップを取る.これは,くれぐれも忘れずにそれから,画面右下の“TOSHIBA”の文字のあるパネルをはずす.ネジが2本見える.それと、画面上両端のゴムをはずす.ここにもそれぞれネジがある.合計4本のネジだ.これをはずして,なくさないように保管する.

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写真B 次は,画面の前面パネルをはずす.ここがいちばん難しい作業だ。マイナスのドライバーを本体画面部の側面の溝にしたがって,外側に押し出すようにねじ込み,ストッパーをはずす。ロットによってストッパーの位置は違うようだが,やってみれば分かる.よく引っかかるのは,ディスプレイを閉じたときにロックする部分(A)の下にあるストッパー.Aを少し持ち上げながら,その下のストッパーをはずすようにする.あまり無理に力をかけなくても,はずれるはず.


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写真C これで液晶を収納している部分が露出した.件のELパネルは,青い液晶画面の後ろに差し込まれている.このシー卜部分を交換するのが,目的だ.パネルシートを引き抜くには,まず,液晶左の上下にある黒いピンを2つ抜き,続けて,その下のピンの止め具2つも抜く。これでこのシートが抜ける状態になった.

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写真D この段階では,まだシートに電源のコードがつながっているので,まず,そっとシートを3cmほど左に抜き出す.裏にして,シートの電源用コネクタを引き抜く。あとはシートを引き抜けばいい. あとは,今までの作業の逆をやれば,めでたく交換完了.シコートの電源コネクタをつなぐのを忘れずに.バッテリを戻して電源ON.明るい,ちょっとした感動を味わえる.
 一度無料で交換してもらった。その後は暗くなっても我慢して使っていた。

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米国ハイテク産業の動向、その他(月刊ASCII 1992年6月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
SunWorldEXPOが開催
 4月6日から4日間,サンタクララ市のコンベンションセンターで,SunWorld誌主催によるSun/SPARCマシンのトレードショウとコンファレンス「SunWorldEXPO」が開催された.出展社数は120社程度.Apple社のプライベートショウであるMacWorldには遠く及ばないが,DEXPO(DECのショウ)やNeXTWorldなど,ほかのワークステーション系のそれから比べると,やはり遥かに大規模なショウだ(この後,同じくサンタクララのコンベンションセンターで,Silicon Graphicsのショウもある).
 近年ますます激しくなる一方のワークステーション市場,Solaris2.0,DECalpha発表およびSiliconGraphicsによるMIPS買収の陰で分裂の危機に揺れ動くACE,NeXTstepの参入でますます複雑さを極めるIntelマシン対応,そしてIBM-AppleによるTaligentの始動など,この業界を取り巻く動きは急だ. そしてその中でついに40%のマーケットシェア(台数ベース)を突破するなど破竹の勢いのSunMicrosystems社のプライベートショウということで,大きな注目を集めたようだ.

■マルチメディア,バーチャルリアリティなど多彩
 Logitech社は3次元バーチャルメガネで注目を集めた.偏向ガラスで画面が立体的に見えるうえ,メガネの動き(つまり画面に対する視線の角度)をモニタの上に置かれた光源の変化で読み取り,表示画面をインタラクティブに変えることができる.もちろんプログラムがそのように書かれている必要があるが,けっこうリアルな3次元表示が可能となる.
 Parallax社は,おなじみのXVideoボードのアプリケーションを展示.ネットワーク対応のビデオコンファレンスシステム(UDPベレース,音声はSPARCの標準オーディオポートを使用)や,統合ソフトとして売り出し中のCrarutyなどのXVideo対応版のデモを行なっていた。この手のビデオ合成ボードは,FORCE社など,すでに少なくとも7社以上から出ている.Macの例からいっても数年のうちに2~3社程度に絞られてくるはずだ.ただし,本格的な普及のためにはQuickTimeやWindowsMMEのように,Sun自身からOSとしてあるいはその一部として何らかの統一された仕様が出てこないことには難しいものがある。
 やはりマルチメディア対応というのはSunの世界でも流行になってきている.まったくうんざりしてしまうかもしれないが,ParadiseSoftware社はOpenWindows環境でハイパーテキスト,ハイパーメディアアプリケーションを開発するためのツールを展示.また,パロアルトのGAIN社も同様なオーサリングシステムを出していた.この手のオーサリングシステムはわりと早く出てくるものだが,実際のマルチメディアアプリケーションが出るのはまだまだ先のようだ.
■Sunのお祭りにNeXTが殴り込み
 以上のように,SunWorldEXPOは本来Sunのプライベートショウであるから,当然のようにSunMicrosystemsをはじめSunSoft社などのSun子会社,サードパーティ,システムインテグレータ,ディーラーなどが主役を務める.会場で見かけた出展社のほとんどが何らかの意味でSunやSPARCをもり立てる役割をしている.ところが,今回のショウでは異色ともいうべきNeXTがけっこう大きなブースを出して注目を集めた.
 NeXTはすでにご存じだと思うが,先のNeXTWorldでもStevenJobsが「NeXTにとって最大のライバルはSun!」と宣誓するなど,Sunを意識した一大キャンペーンを展開中である.会場でも特にミッションクリティカルなカスタムアプリケーション開発分野でのSunNeXTの比較を重点的に行なっていた.NeXTのオブジェクト環境がSunのものよりいかに優れているかを強調したものだ。そのために「NeXT vs. Sun:A World of Difference」といったプロモーションビデオをただで配るといった気の入れよう.まさに敵陣に乗り込んでデモンストレーションだ。
 実際,マーケットシェアから見てもNeXTの伸長ぶりはけっこう目を見張るものがある.現在台数ベースから見た米国のワークステーション分野のシェア率は4~5%程度.先にSunは40%だと述べたが,これからいくと,NeXTはSunの8~10分の1は売れていることになる.
 まだまだ少ないように見えるが,実はIBMでさえも4~5%程度なのだ.ちなみに,Sunに続く2位はHPで20%程度,3位はDECの17%.このあとIBM,NeXT,Intergraphがともに4位争いをしている.
 ちょっと見ないうちに出ているなとの印象を受ける.ブースでも展示していたが,IntelバージョンのNeXTstepも本気でやるらしい(これはまだアルファで,Ver.2.1からの移植版だ.今年後半にリリースされるという正式版はVer.3.0になる予定)これがうまくいくと,もしかしたら数年以内に10%近くまでいくことも夢ではないかもしれない.
 たしかに,Sunの開発環境であるDevguideで悩んでいるプログラマが多いのは事実だ.NeXTのプロモーションビデオではないが,Devguideはまだまだオブジェクト指向の開発ツールとはいえず,これに比べたらNeXTのインターフェイスビルダによるオブジェクト指向の開発環境のほうが開発効率的にはるかに優れている(という人が多い).「現在入手できる唯一のオブジェクト環境」といわれるNeXTがワークステーションというパイ(1990年で30億ドル)にどこまで食い込むことができるか,これは見逃せなくなってきた.
(ザイロンコーポレーション代表脇山弘敏)


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「Miscellaneous :behind the news」をスクラップする。
■MicrosoftとIBMはまだ仲がいいよ,Bill Gates
 Microsoft社はデータベースソフトのディベロッパーとして業界トップのFox Software社を合併すると発表した.F社の社長David Fultonは,MSが新設するデータベース部門に参加.合併によって得た技術は,CirrusというコードネームのWindows用SQL ServerとOpen Database Connectivity(ODBC)テクノロジーに取り入れられる予定.
 春のCOMDEXで「OS/2Ver.2 vs. Windows3.1」という報道が行なわれるなか,Bill Gatesは「我が社はIBMの多くのグループと良い仕事関係にある」と主張.グループとはIBMの教育販売部門や中型機AS/400および大型機部門のことで,Windowsパソコンとの接続性を確認するため,MSと協力関係にあるということらしい.
 話は変わるが,作家James WallaceとJim EricksonはGatesの自伝を出版しようとしていたが,関係者とのインタビューを妨害したとしてGatesを訴えた.6月1日の発売を前に「Hard Drive : Bill Gates and the Making of Microsoft」は,評価版が出回っており,「MSは政府が作った機会均等ガイドラインに従うため2人の女性を幹部として採用したが,待遇は最低だった」とか、「従業員の労働態度を密かに監視するために電子メールシステムを使用している」など,MSを刺激する内容ではある.
 こうした話題のなかで,IBMとMSの幹部2人が,高度情報システムのR&D会社を創設した.カリフォルニア州Palo Altoに本拠を置く「Interval Research」で,会長のPaul AllenはMSの重役であり,かつAsymetrix社の会長でEgghead Discount Softwareの重役,社長となるDavid LiddleはPalo AltoでEthernetやStarの開発に携わった人で,Metaphor社を起こし,IBM副社長としてPersonal Systemや新製品の開発を担当していたという大物の2人である。
 同社は,他の研究機関・大学とも協力して「pre-competitive(競争以前の段階にある)」テクノロジーに焦点を当てる。研究テーマの範囲は,現在ハイテク企業が開発中の次世代プロジェクトをも凌ぐだろうといい,「面白そうな技術はたくさん見えはじめているのだが,通常の2年間の製品サイクルでは使いものにはならない」とAllen氏はコメントしている.

■そしてAppleは?
 シャープと手を組んで,PDA(Personal Degital Assignment)を開発すると発表したAppleだが,何人かのヒューマンインターフェイスデザインの技術者がSunに移った模様だ.
 また,AppleはPowerBook用バッテリパックのケースを無料で配布する.同社では,このバッテリパックを本体から外した状態で,不注意にも金属物に接触しショートしてしまった場合,発火したり焦げ付いたりする恐れがあるが,このケースによって接触を避けることができると述べている.5月以降には,リチャージャブルバッテリをケース付きで販売する予定.
 さらに,MicrosoftとHPに対して起こしていたGUIの特許権裁判の判決が出て,どうやらAppleに勝ち目はなくなったようだ.弱り目にたたり目といったところか.

■SPAがソフトウェア大賞を発表
 SPA(Software Publishers Association)が1991年度のソフトウェア大賞を発表した.ノミネートされた330のソフトウェアの中で,23本が受賞した.
 2つ以上の賞を受賞したのは,「Quicken 5.0:Intuit社」,「SimAnt:Maxis社」,「Sid Meier's Civilization:MicroProse社」,「Lemmings:Psygnosis社」,「KidPix:Broderbund社」で,2つ以上の製品が受賞したのは,「System Software7.0とQuickTime:Apple社」,「ObjectVision 2.0 for WindowsとBorlandC++:Borland社」,「Martian MemorandumとLinks Championship Courses:Access社」,「Kid PixとWhere in America'sPastisCarmen Sandiego?:Broderbund社」,「Bank Street Writer for MacintoshとInteractive NOVA The Miracle of Life:Scholastic社」となっている。またプレス関係者による賞は,「Visual Basic 1.0:Microsoft社」,「Secret Weapons of the Luftwaffe:Lucasfilm Games社」,「The Geometer's Sketchpad:Key Curriculum Press社」などが受賞した.
 SPAによるソフトウェアの不法コピー摘発は毎月報道されているが,今度は,マンハッタンのGrand Central Camerasを訴えた.Lotus, MS, WordPerfectなど大手ソフトメーカーがSPAに訴えたもので,違法に複製したソフトをコンピュータに付けて販売することで不当な利益を上げていた疑い.
 当局側は、違法コピーされたソフトウェアが含まれている3台のデスクトップマシンと2台のラップトップマシンを押収している.加えて,店内にあったコンピュータを調べたところ,25台のディスクから違法コピーされたソフトが発見され,これがコピーをする際のマスターとして使用されていたため,証拠品としてこれらのディスクと売り上げ記録も押収された.

■Playmateを勝手にBBSに上げるな
 スペースシャトルの飛行中に行なう実験の一部として,NASAが全米の学生とBBSでデータを交換する. このプロジェクトはINSPIRE(Interactive NASA Space Physics Ionosphere Radio Experiment)と呼ばれ,シャトルに積まれたコンピュータが,送信機のオンオフや周波数の変更を一定の時間で行ない約2万の学生がグループを作り,それぞれの受信機で音声信号を受信する.そして,レポートをNASAに送るというもので,宇宙から送信される電波と大気の関係を調べることが目的だ.NASAがシャトルのフライトの最新情報をBBSに送るので,学生は送信開始時間などを正確に知ることができ,レポートも簡単に発送できる仕組みという.
 Playboy誌は,Playmateの写真をコンピュータに取り込んでBBSで提供していたオレゴン州の会社Event Horizensを訴えた.画像ファイルの入ったFDも販売していたという.Playboy側は「Event社は複製・出版許可を受けていないし,賠償することも決してなかった.再三,複製を止めるよう指示したのだが,聞き入れなかったので裁判を起こした」と語っている.

■シェークスピアの肖像はエリザベス1世がモデル?
 ニュージャージー州に住むコンピュータ専門家が,有名なシェークスピアの肖像はエリザベス1世の肖像画をもとにして描いたものだと結論を出した.AT&TBell研の顧問を務めるLillian Schwartz女史がその人で,コンピュータアートでオスカーおよびエミー賞を受賞しており、1986年にはダビンチ本人がモナリザのモデルであるとの研究結果も発表している。
 彼女は,コンピュータを使ってシェークスピア全集の初版と,他のシェークスピアとエリザベス女王の肖像と比較した.すると,1588年に宮廷画家George Gowerが描いたエリザベス1世の肖像画とシェークスピアの目,鼻,頬が一致し,さらに目の間隔も同じであることが判明した.
 2人の肖像における違いは、より男性らしく見せるために髭,顎の線,額を上描きしたものだという.
 一方,シェークスピアの専門家はこの研究に納得してはいない.Rutgers大学のPaul Bertramはこの発見について,「まったくくだらない。目に見えないものがコンピュータには見えるというのだから参ってしまう」と憤慨しているという。

■ありがとう,アシモフ博士
 SF作家Isaac Asimovが4月6日心臓と腎臓不全のため死去した。72歳だった。今年初めから健康の不調でAsimovは執筆活動に支障をきたしており,さらに彼が33年間にわたって約400回寄稿したFantasy and Science Fiction誌のコラムも休載していた。彼の著した本は,500近くに上るが,遺作となったForward the Foundationは数ヵ月前に執筆を終えており,今年中にBantam Booksから出版される.
 CompuServeのSF and Fantasy Forumのメンバーは,Asimovの病状が悪化して以来数カ月にわたって,Mike Kube McDowellやDavid Gerroldといった作家仲間が,彼の様子をポストしてきた.亡くなった後のメッセージには,AsimovのSFだけでなく,彼の科学記事への賞賛も多い.特に,F&SF誌のファンからは,SFの陰に潜む科学に対する興味をそそってくれた彼のコラムに感謝が捧げられている.
 冥福を祈りつつ,彼が創造したロボットや銀河帝国の話を読み返そう.


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コンピュータショウ等(月刊ASCII 1992年6月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「COMDEX Spring '92/WINOWS WORLD'92開催」の記事をスクラップする。
Win3.1 vs OS/2 2.0の対決だった。まだOS/2はあきらめていなかったかと思った。OS/2は初心者にはとっつきにくい難しいというイメージだった。

 4月6日~9日の4日間にわたり,世界最大のコンピュータショウのひとつ「COMDEX Spring'92」と,Windows関連の製品を一堂に集めた「WINDOWS WORLD'92」が,米国ChicagoのMcCormick Placeで同時開催された.今回の主役は,3月31日にショウにあわせたかのように発売された「OS/2 2.0」(以下OS/2)と,こちらも発売されたばかりの「Windows3.1」(以下Win3.1)だった.
■幅広い展開を見せるWindowsの世界
 WINDOWS WORLDの基調講演を行なったMicrosoftのBill Gates会長は,「Windowsこそ,ポータブルコンピュータ(Windows for Pen)からハイエンドコンピュータ(Windows NT)までを1つのユーザーインターフェイスで統一するOSだ.Win3.1は初期出荷100万本。年間1000万本を目指している」と語った。
 Microsoftのブースでは,Win3.1の先進性と使いやすさのデモや,Win3.1の発売に合わせてバージョンアップされたExcel4.0,MS-Word2.0,Power Point3.0などが注目を集めていた.またWindows for Pen(以下Pen Windows)のハードメーカーやソフトハウスを集めたブース(ハード,ソフトの200社がサポートを発表)では,NCRやNEC,SanyoのPen Windowsマシン(10社がOEM供給を受ける)を出展.Pen WindowsはLos Angels郡警察や米国の宅配便会社UPSなどで採用が決定しており、特定用途(バーティカルマーケット)での浸透が進んでいる.
 さらに今年の秋に発売が予定されているWindowsNTは,50社ものソフトハウスが対応ソフトをデモ.一見したところ,NT自体はプレリリースとして高い完成度を示しているようだった.
 Microsoft以外では,PageMakerで日本のユーザーにもお馴染みになったALDUSが,プレゼンテーションツールとして定評のPersuasion2.1などを展示.Mac用に発売されていたアプリケーションを順々にWindowsに移植していくという.そのほか,Win3.1に採用されたTrueType対応の文字フォントをショウプライスで発売しているブースには,多くの人が集まっていた.


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OS/2にかけるIBMの意気込み
 対してCOMDEXに陣を張ったIBMも,OS/2 2.0(以下OS/2)を大々的にデモ。IBMの記者会見にはBORLANDのPhilippe Kahn会長,NovellのRay Noorda会長など有力ソフトハウスのトップが出席し、今後OS/2をサポートしていくと,OS/2の優位性を示そうとしていた.MicrografxやBORLAND,Novellなどの有力ソフトハウスもIBMブースでOS/2対応のアプリケーションをデモしていたが,WINDOWS WORLDに比べると観客は少ない.
 IBMブースでは,OS/2以外にもGO社が開発したPen Computer用OSのPenPointを搭載したThinkPadを出展。これは昨年秋のCOMDEXで参考出品されていたマシンが正式に発表されたものだ.PenPointはOSとしての機能は高いが,新たにアプリケーションを作成しなければならない(WindowsともOS/2とも違う)ことが,普及を妨げるのではないかと考えられている.この部分でもWindowsと互換性があるPen Windowsが有利といえそうだ。
 このほかCOMDEXの会場には,台湾や韓国など東南アジアのPC互換機メーカーがAT互換機のボードを展示即売していたりAT互換機のケースだけを扱っているメーカーなどPC本体から周辺装置(マッサージ機などの健康機器もあった)までが集まり,ままるで秋葉原のガード下にあるショップのような様相.AT互換機は,486の33MHzが主流になり,75MHzをうたったものや,インテルが先日発表したDX2倍速CPU)の50MHzを搭載したものも登場している.価格も486の価格が引き下げられたおかげで,33MHzマシンがフルセットで2500ドル近く,2000ドルを切るマシンも出てきているという.
 さらにAT互換機は,Windowsの画面を高速に表示するWindowsアクセラレータのディスプレイカードをさらに高速に動かすために,CPUと直結した新しいローカルバスを採用したものへと動きだしている.ローカルバスにWindowsアクセラレータの入ったディスプレイカードを差すと,同じディスプレイカードをATバスに差した場合の10倍高速になるという.これなら,遅いといわれていたWindowsが十分にビジネスで使用できるだろう.

 IBM対Microsoftという図式になった今回のショウだったが,すでに普及しているWindowsとこれから普及させようというOS/2では,かなりの差がついているという様子.実際COMDEX側の会場は閑散とした様子だったが,WINDOWS WORLDは人ごみで通路を通るのも一苦労といった混雑ぶり.春のCOMDEXはなくなり,WINDOWS WORLDだけになってしまうのでは,というジョークも聞こえてくるほど.とはいえ来年の春のCOMDEXは,やはりWINDOWS WORLDと同時に,米国Atlantaで開催の予定.


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「コミュニケーションTOKYO'92開催―ISDNも一段落―」をスクラップする。
 通信機械工業会が主催する,ISDNや衛星通信システムなど通信機器と通信技術専門のショウ「コミュニケーションTOKYO'92」が4月6日から9日まで東京・晴海の国際見本市会場で開催された.
 「21世紀へのテレコミュニケーション創造ネットワークの時代―」をテーマに164社が出展(うち海外より43社)入場者数は4日間の累計で10万人強と,共にここ数年増えつづけており,数字のうえでは通信への関心の高まりを示す.しかし,昨年後半からの電子業界不況の影響か,各ブースはほとんどが機器を展示して説明をするのみのシンプルなもの.派手なデモンストレーションなどは少なく,全体に地味な印象を受けた.
 展示の核となったのは,やはり有線の通信機器ISDN関連機器が目立つのは昨年までと同じで,テレビ会議システムや静止画像伝送システムなど特に新開発のものは見られなかった.ISDNも実用化から3年が経ち、新製品の開発も一段落というところか.会場ではあまり目立たなかったが,AT&Tのカラーテレビ電話のように今までISDNを利用して実現していた機能を一般のアナログ公衆回線を使って行なうというものが新鮮だった.
 無線機器のほうでは昨年はNTTのムーバが小型携帯電話のブームを巻き起こし,一般のサラリーマンが街中で小型携帯電話を使っている光景も見られるほどになったが,今年はそれにかわる影響力のある商品は見当たらない.そのなかで電子手帳と携帯電話を組み合わせた携帯テキスト端末が,実用化も間近いようで目をひいた。
 今までは通信機器といえば企業利用が前提であるような製品がほとんどだったが,これからはコードレステレホンやファクスの後に続くような,一般家庭などをターゲットにした製品が出てくるのではないだろうか.


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今も運用されているイリジウムサービスはこのころ計画された。
今はイーロン・マスクのスペースX によるスターリンクが始まっている。
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「マイクロコンピュータショウ'92開催
――ワンチップマイコンから開発ツールまで」をスクラップする。
 4月22日から25日まで,東京・平和島の東京流通センターにおいて日本電子工業振興会主催の「マイクロコンピュータショウ'92」が開催された.
 今年で16回目を迎え,出展社数は66社,昨年に比べて3社の増加となった。今回のテーマは“21世紀への飛躍・マイコン”.
 このショウは,マイクロコンピュータの名前が示すとおり,プロセッサやメモリなどの基本的なデバイスからICE(In Circuit Emulator)のような開発環境までを含む幅広い内容の展示が特徴といえるが,そのぶん地味な印象となるのは避けられない.今年からイメージチェンジを試みるといわれていた割に,展示には大きな変化が見られなかった.
 今回のショウは、特に変わったデバイスや新技術は目立たないものの、従来の技術の延長として,半導体の高集積化,3V以下の低電圧動作,処理速度の向上,リアルタイム処理,LANなどの展示がメイン.そのほか,導入してすぐに使えるUNIXワークステーションを利用した開発環境(ターンキーシステム)や,GUIを取り入れ,さらに統合化した開発環境が興味深いところといえよう.変わったところでは,アナログ回路の動作シミュレーションを行なうソフトウェア,あるいはテレビ電話などに利用するデータ圧縮伸長プロセッサに目新しいものがあった.
 期間中の特別講演は「2000年に向けてのシリコンテクノロジー」や「半導体技術の進歩とインパクト」のほか,提唱者の坂村健氏による「TRONプロジェクトNOW」などが行なわれた.
 なお,来年は,同じ会場で4月21日から24日にかけて開催される予定.


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パソコン、その他ハード、ソフト等月刊ASCII 1992年6月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

ワコムがペンコンピュータ「PenTop modelIV」を発表
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顧客対応のためのプロ用の機械なんだろうけど55万8000円もするのではなかなか導入できなかっただろう。

千葉電子がPB社のIBM PC互換機を発売
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PB486SX-20(i486SX,20MHz)の価格は25万8000円。
千葉電子覚えがない。このころは知らない会社がIBM PC互換機を売っていた。

三菱電機がAX-VGA/H仕様のMAXYNOTEを発売
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MAXYNOTE386E(i386SX,16MHz)2FDDモデルの価格は26万8000円。
このころはNEC,EPSON以外の各社ともまだDOS/Vに移行せず国内基準のわけのわからない仕様のパソコンを売っていた。

ソニーがOADG対応のQuaterLを発売
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PCX-340R1(i386SX,20MHz)の価格は23万8000円。

セイユーシステムズが486(50MHz)のIBM PC互換機を発売
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ToDOSシリーズの486DX-33(i486,33MHz)の価格は41万8000円
i386とi486の価格差は相当あった。

オリベッティがIBM PC互換機を発売
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M300-08(i386SX,20/25MHz)の価格は32万~48万円

東芝がカラー液晶搭載のDynaBookを発売
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DynaBook V 486 J-3100XS 181 VTモデル(i486SX,16MHz)の価格は89万8000円。

ビバコンピュータ,ノート型DOS/Vマシンを発売
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Starlite(386SXL,25MHz)の価格は33万8000円

三菱電機,486/50MHzのサーバーなどを発売
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MIPSがWindows/NT対応のACE準拠RISCマシン「ARCSystem」を発表
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ソニーがR4000SC搭載のNWS-5000/5900を発表
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オランダのPHILIPS社のコンシューマ向けCD-IプレーヤCDI205を発売
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ティアック,3.5インチMOドライブなどを発売
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PH-80が10万8000円

テクサ,PC-9801FA用内蔵MOドライブなどを発売
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TRUST-FA240の価格は14万8000円

日本パーソナルコンピュータ,MOサブシステムを発売
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JP3030の価格は29万8000円

ニューテック,専用I/Fボードを使用した低価格HDDを発売
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DOS-100Aの価格は8万9800円

日立マクセル,8MbytesのSRAMカードを実現
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キヤノン,光カードシステムを実用化
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AMDがアクセス時間45nsのフラッシュメモリを発表
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東芝が「マルチメディア多重・分離LSI」を発売
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キヤノンがMacintoshとシステム化を図れるスチルビデオカメラを発売
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まだデジタルカメラとは言っていない。

富士通が超薄型プラスチックパッケージを開発
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エー・アイ・ソフト,HDD自動圧縮ツールを発売
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価格は1万2800円。このころは有料でも売れていた。

日本データサービス,ビジネスホテル検索ソフトを発売
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価格は3980円。今ではインタネットで無料で検索できるどころか割引まで分かる。

システムポート,一太郎ファイルコンバータを発売
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価格は2万6000円

エー・アイ・ソフト,PC-9801用のUNIXシステムを限定販売
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パソコン広告(月刊ASCII 1992年6月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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裏表紙は前号の使いまわし。

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98 note nc。ビデオがみれるが売りだった。

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FM TOWNS IIは前号の使いまわし。

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左頁はFM R-50 CARD。
右頁はDynaBookで前号の使いまわし。

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PC-486GR,PC-486GF。PC-486GR3をすぐに買った。PC-9801VX2(80286,8MHz)を買ってすぐに(8か月後に)後継機種のPC-9801VX21(80286,10MHz)が出て悔しい思いをしたので次はNECでなければいいとPC-486GR3(483,000円)を買ったが、翌年同じi486SX(25MHz)のPC-486GRP3(383,000円)が出て10万も安くなったと嘆いた。私の8086憎しが招いたトホホな買い物だった。そうはいってもi486(25MHz)のハイレゾDOSマシンは快適だった。プロテクトメモリを使ってプログラミングできて気分が良かった。家のPC-486GRではWindowsはインストールしなかったが、職場のPC-486GRではWindows 3.1 をインストールしてPageMakerをよく使っていた。しかし度々フリーズするので1ページ作るごとに保存していた。Windews 3.1は使えないことはないという程度のOSだった。

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PC-386NOTE WR

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右頁は東芝のワープロRupoで前々号の使いまわし。Lotus 1-2-3が使えるということで生き残ったワープロなのだろう。

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右頁はIBMのPS/55サーバーで前号の使いまわし。

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キヤノンのレーザーショット。

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右頁はキヤノンのBJ-noteプリンタ。

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キヤノンのPJ-colorプリンタ。

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SONYのNEWS。

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NeXTは前号の使いまわし。

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左頁はMac。

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三洋電機のサーバーAXAGE(エクサージュ)。

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メイビスが輸入しているDOS/V Windowsマシン。Slim Station/486(486DX, 33MHz)でSVGA(1024×768ドット)にHDD(100MB)で348,000円と安価だった。

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ソニーのDATA Discmanは前々号の使いまわし。

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ボーランドのdBASEの広告。背景の色とか微妙に変わっていた。

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ボーランドのTURBO C++の広告。

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Windows用Excelの広告は前号の使いまわし。

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Windows用のWordの広告は前号の使いまわし。

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ロータスの広告。

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マイクロデータの広告。

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パソコンショップでASCIIのカラー広告を出しているのはツクモだけだった。

裏表紙裏はFUJI FILMのFDだった。
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前号の使いまわし。

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未来コンピュータ(月刊ASCII 1992年5月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号は前号の続編である「2002 未来コンピュータ」の特集をスクラップする。
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 10年後のコンピュータを考えるとき、現在の技術基盤をそのまま引きずっていくのか,それとも,どこかで変革が起こるのかが気になる.1台のコンピュータには,半導体,電池,液晶またはCRT,入力装置,光や磁気の技術,そして,ユーザーに接するソフトウェア技術などなど,さまざまな最新技術が使われている。これらの関連ファクターが時期を等しく進化してこそ,従来の考え方を覆すような機器が誕生するのだ.
 技術はどこまで進むのだろう?今回は,コンピュータのハードウェアの最新技術を紹介しながら,将来,10年後を展望しようという試みである.CPU,駆動源,記憶メディアが,2002年にはどのようになっているのか?

 10年先を予想するのも難しかったと思う。
すべては高速化を目指す
編集部

 コンピュータの心臓部は、いうまでもなく「CPU」だ.パーソナルコンピュータでは,マイクロプロセッサである.半導体の登場により,シリコンベースの集積回路が作られ,単純な四則演算のみの電卓からその歴史は始まる.
 関数演算,そしてプログラム,ソフトウェアが高度な計算を要求するようになると,それに伴ってCPUの計算能力も向上してきた.現在,パーソナルコンピュータ用のCPUとして普及しているインテル社の80x86シリーズをはじめ,モトローラ社の680x0シリーズ,縮小命令技術を用いたRISCチップ,また,炊飯器や自動車などに組み込まれるマイコンチップなど,現代の電気製品のほとんどにはCPUが使われている.携帯コンピュータの次世代のCPUを考えるとき,キーになるのは「高速化・高密度集積・低電力駆動」である.計算が速くなければ役に立たないし、携帯するためには,より小さく,より長時間使いたい.


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 高速化に限界はないのだろうか?パーソナルコンピュータ用のCPUで,1992年現在,最も高速で汎用性があるのは80486や68040で,30~50MIPS(MIPSは1秒間に10万回の命令を実行する速度)の計算能力を誇る.
 1ランク上のワークステーションになると,モトローラ社の88000や,ヒューレット・パッカード社のPA-RISC,サン社のSPARC,ミップス・コンピュータ社のR3000などRISC勢が強く,100MIPS程度の計算が行なえる.最近の開発状況を見てもRISCが主流で,最高500MIPSの性能を持つRISCチップが,1年以内に市場に投入されるという.
 さらに高速化は進み,4月には日立製作所が,8mm角の1チップで,1000MIPS=1GIPSの演算能力を持つチップを開発したと発表している.まだ研究段階にすぎないのだが,すでに,クレイ社のスーパーコンピュータY-MP4Eを凌駕する性能だ.
 CPUの高性能化はとどまるところをしらない。1971年,世界初のCPU「4004」が登場した.当時の4004の性能は0.07MIPS,それからの20年間でMIPS値は3桁も上がっている.CPUの高速化は美しい対数グラフで表わせるこのグラフをそのまま延長すれば,2002年は1000~5000MIPSの時代になる.
 また,シリコンの信号伝達速度の限界を打ち破るために,ガリウム・ヒ素を用いた半導体,液体ヘリウム温度で動作するジョセフソン素子,高温超伝導体を用いたトランジスタなどの研究が,各メーカーの研究室レベルで積極的に行なわれている.
 これらの超高速動作チップの演算能力は,現状のシリコンベースCPUの限界より1~2桁上になる.


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速度の予想は大体当たってた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/MIPS の表を編集引用する。
1999年 Intel Pentium III(600 MHz)が 2,054 MIPS
2000年 AMD Athlon 1.2 GHz)が 3,561 MIPS
2003年 AMD Athlon XP 2500+(1.83 GHz)が 7,527 MIPS
2003年 Pentium 4 Extreme Edition(3.2 GHz)が 9,726 MIPS
高集積には限界がある
 現在,実用レベルのCPUはすべてシリコンベースである.円盤状のシリコンディスクに複雑な回路を焼き込み,それを30~50個にカットして1チップとしている.最新のCPUでは,1チップに100万個以上のトランジスタが集積されている.
 CPUの回路(1000万個以上のトランジスタと,周辺回路)は,数平方mのフィルムに描かれたパターンを,写真技術を応用して,わずか1cm四方のCPUに焼き込んでいる。現在は,この露出に可視光よりも波長の短い紫外線を用いており,チップ上の配線幅も0.3ミクロン程度になりつつある.ここで限界が生じた.
 回路間の空隙があまりにも小さくなると、量子論的影響が働き,トンネル効果によって電子が配線から染み出してしまうのだ。材質や駆動電圧によっても違いはあるが,高速動作を犠牲にしない3ボルトの駆動電圧で,この限界が0.1~0.08ミクロンこれ以上は小さくできない。

 これは外れていた。限界を超え今や5nm(0.005μm)のプロセスルールでAMD Ryzen 7000(Zen 4)が製造されている(https://www.pc-koubou.jp/magazine/71682)。ただ2002年前後なら2001年のプロセスノードは0.18μm、2004年で0.13μm(https://ascii.jp/elem/000/000/867/867649/3/)でまだ上記の限界には達していなかった。
立体的配線の3次元回路チップ
 小さくできないならば,立体的に積み上げようという考えで注目されるのが「3次元回路チップ」である.従来のCPUのほとんどが平面的な回路構成をとっている.そのため,チップ内の各素子間の配線が長くなってしまい,そこを信号が伝達する時間だけロスが生じていた.
 ならば,チップ内部の信号伝達距離をできるだけ短くしようというのが立体配線による3次元回路チップだ.大規模なビルディングにたとえてみれば,各フロアをエレベータで接続するだけではなく,フロア内部の各部屋,各机ごとに上下階との連絡通路があるようなものだ.
 電子の移動距離が短いと,移動時間が短縮されるだけでなく,信号の減衰も減り、消費電力を抑えることにもなる.
 ところが,従来の平面回路のままでも,次世代のシリコンチップの消費電力は膨大なものだ.1チップで30~50ワット,3ボルト駆動ならば10アンペア以上もの大電流が必要になる.これだけの電流を流すとチップ内部では摂氏500~1000度の熱が発生し,回路を瞬間的に破壊する.構造上,熱を逃がしやすい平面回路ならばなんとかなるかもしれない.しかし,立体回路内部の熱は逃げ道がない.
 徹底的な低消費電力化を図るか,専用の冷却装置を付けるか,それとも、高集積をあきらめるか,となる.携帯コンピュータのCPUとしては,3次元チップの実現性はやや危うい.

 10年後(2002年)にはできなかった。さらに20年後の2022年にはインテルがMeteor LakeというCPUでFoverosという3D積層技術を開発した。
ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第682回
Meteor Lakeの性能向上に大きく貢献した3D積層技術Foverosの正体 インテル CPUロードマップ
2023年には
インテルの新世代CPU 「Core Ultra」特集 第3回
結局「Meteor Lake」って何がスゴイの?技術的ポイントを解説
CPUの技術革新はすんなり行かなかった。
新しい機能を求めて
 そこで,従来とはまったく異なる発想が求められる.その回答のひとつが,生物の信号処理の方法に学ぶ「ニューロチップ」や「バイオチップ」の考え方だ.
 学習と思考能力は,コンピュータをただの計算機から脱却させ,より人間に近い存在にするためには不可欠な機能である。ニューロ技術を応用して,人間なみの画像認識や音声認識ができるようになれば,人間がコンピュータを操作する助けになるだろう.また,タンパク質や人工的な有機物質を用いて計算素子を作ることができれば,電気エネルギーに頼らずともコンピュータを動かすことができるようになる.
 各コンピュータメーカーでも将来性のある技術として,生物の神経細胞の研究が行なわれている.たとえば,日本電気では,体長1~5mm程度の微細な生き物である「線虫」を,三洋電機は「ナメクジ」を,三菱|電機は「アメフラシ」の神経系を研究しているという.さらには,有機物質の電気的な特性を利用した各種センサーが実用レベルになりつつああるし,入力電気信号によって出力電気信号をスイッチングすることので|きる人工タンパク質も開発されている.
 バイオ以外にも研究が盛んな分野はある.それは,光の高速伝達特性,低エネルギー特性を利用する光チップである.ある半導体に光を入射すると,半導体内部には光と電子の両方の特性を持つポラリトンという粒子が生まれる.ポラリトンは,電子のように電気的に制御可能で,光のように高速伝達する粒子であり,半導体内部を高速で移動したあと,入射方向と反対側から再び光になって出てくる.
 このポラリトンの動向は,半導体にかける電圧によって左右される.1989年には,日立製作所がガリウム・ヒ素半導体の内部にポラリトンを導入したスイッチ回路の試作に成功した.ポラリトン素子の演算性能は高く,もし,CPUとして実現できるなら,現在のスーパーコンピュータの1万倍以上,10TIPS(=10000GIPS)の世界に突入する.
 2002年,コンピュータのCPUはどうなっているだろうか?夢を追い求めれば生物機能素子や光コンピュータが登場していてもおかしくない未来である.シリコンベースでの開発が延長されるとしても,現状の100倍近い演算性能をパーソナルレベルで利用できることになる.


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 結局記事にあるような「従来とはまったく異なる発想」は実際には使われなかった。シリコンを使って技術革新を進めるという地道な努力が成功した。発想を変えることが悪いとは言わないが、まだ努力の余地があるのに他に目を向けても成功しない。努力を続けることが大事だという歴史の教訓であると思う。
駆動源は電池が使われるのか?
編集部

 現在,携帯可能な電子機器のほとんどが,その駆動源に電池を採用している。ノートパソコンのバッテリとしては,ニッカド(ニッケル・カドミウム)電池やニッケル水素電池,コンピュータのタイマICを動かすのにリチウム電池,時計やカメラの露出計には水銀電池やアルカリ電池,ヘッドホンステレオにはマンガン電池という具合だ。中には,電卓のように太陽電池を使うものもある.
 太陽電池は,無尽蔵に存在する光エネルギーを,直接,電気エネルギーに変える変換装置であり,厳密な意味での電池ではない.しかし,すべての電子機器が電気エネルギーによって動いている,といっても過言ではない。10年後のコンピュータも,おそらく電池という形で電気を利用しているはずだ.


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現在はリチウムイオン電池一色になったが過去には他の選択肢もあった。
1次電池と2次電池
 ニッカド電池やアルカリ電池などを大きく分けると2つのグループに分類できる.電池内部に化学的に蓄積されたエネルギーを1回しか取り出せない一次電池と,化学物質の可逆反応を利用し,充電によって何度もエネルギーを取り出せる2次電池である.
 携帯コンピュータには,太陽電池が有効に働かない暗闇でも,使わなければならない場面が必ずある.このような場合は,いったん2次電池に蓄積された電気を利用することになる.また,一次電池には,どこでも互換性のある電池が入手できなければならないという流通や普及の問題がある.将来の携帯コンピュータを考えるなら「2次電池」こそが重要なファクターだ.

ニッカド電池に代わるもの
 1992年現在,市場に出回っている携帯コンピュータの80%程度がニッカド電池を利用している。ほかにもビデオカメラのバッテリなど,短時間/大出力の用途に「ニッカド電池」が多く使われている.ニッカド電池は,いまや2次電池のスタンダードになっているのだ.
 これに代わるものとして,ようやく製品が出回り始めたのが、「ニッケル水素電池」である.ニッケル水素電池は,ニッカド電池と比べても、単位重量当たりの電気蓄積量(エネルギー密度)や,一定時間当たりの出力(出力密度),充電回数(サイクル寿命)はさほど変わらない.最近のニッケル水素電池では,水素吸収金属など構造の改良により,同体積のニッカド電池の1.8倍ほどの電気蓄積が可能になった.しかし,コストも同様にかかってしまう.ニッケル水素電池は,高性能というよりも、カドミウムの代わりに水素を用いるという環境への影響の低さから使われ始めているようだ。
 また,携帯電話機などのバッテリとして「リチウムイオン電池」が注目されている.現状の開発状況を見ても、ニッカド電池と同じ重量で約1.6倍の電気が蓄積でき,放置したときに自己放電してしまうロスも少ない。単三型のパッケージに封入しても,ニッカド電池やニッケル水素電池などの約2倍(3ボルト程度)の電圧が取り出せ,繰り返し充電して使える回数も1.5倍ほどになる.ただし,過充電には極端に弱いため,過去の製品の中には,最悪、端子からリチウムが析出して発火するものもあった.
 現在,過充電防止の回路設計や,材質の見直しなどにより安全性を確保した製品が開発されつつある。3年後には,携帯コンピュータの20%がリチウムイオン電池を採用するというデータもあり,将来の2次電池として有望視されている。


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 予測は当たっていた。リチウムイオン電池が主流となった。記事にあるようにリチウムイオン電池は発火する事故が続いていた。危険だから安全対策をして利用している。それでも事故は無くならないが。
2002年,電気は光から取り出す
 さて,近未来ではなく遠未来ともいえる10年後,電池はどのようなものになっているのだろうか?
 太陽電池の光/電気変換効率も年々向上している。最近のアモルファス太陽電池では,太陽光線のエネルギーの10%近くを電気として取り出すことができるという。具体的に数値で示せば,フィルム状の太陽電池シート1g当たり0.5ワットの電力を取り出せるという.これだけの出力があれば,携帯コンピュータを常時動かすだけの駆動源として十分な性能だ.
 また太陽電池以外でも,光エネルギーを有効に利用しようという研究は盛んだ。神奈川大学工学部では,光エネルギーを分子のひずみとして蓄積し,熱エネルギーとして取り出すことができるプラスチックを開発した.また,電子技術総合研究所では,有機分子を膜状に多層構造にしたLB膜(Langmuir-Blodgett film)で,タンパク質様の太陽電池を作り出そうとしている.
 植物細胞の光合成の過程で発生する電子を人為的にかすめ取り,電気として利用しようという研究もある.2枚のガラス板で,藻類細胞の葉緑素をサンドイッチする.ガラス板に導電物質をコーティングしておくとそこに電気が流れるのだ.現在の出力はまだまだ実用に適さないが,将来は分からない.
 さらには,光を当てることで電気を取り出すのではなく,水を酸素と水素に分解するという半導体もある.光で直接分解するほうが,太陽電池→電気電気分解よりも効率がいいのだ.携帯コンピュータでこの技術を利用するのは難しいが,水素もクリーンなエネルギー源である。
 地球資源や環境を考えても、光や水素の利用は最も将来性がある。現在は研究段階にある技術でも,どこかでブレイクスルーが起こる可能性はある.将来の地図は光利用一色になるかもしれない.


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今から10年後の記憶メディアは何か?
鹿野 司

 この問いにドラスティックに答えるなら,「ソリッドに収束する」となる.
 ソリッドとは固体,つまり、シリコンメモリのことだ.既存の記憶メディアである,磁気メディア(フロッピーディスクやハードディスク),光磁気ディスク,光ディスクは、CDがアナログレコードを駆逐したように消えていくだろう.
 シリコンメモリの優位点はいくつかある.モーターのような機械部分を排除し,すべての処理を電気的に行なうことで,信頼性/耐久性を向上させる.また,2次元にしか情報を書き込めない光メディアよりも、体積当たりの記憶情報量を高密度にすることができる.


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この予測は当たっていた。
より小さく、より大容量に
 携帯用の電子機器の記憶メディアを考れば耐久性もさることながら,そのメディアにどれだけの情報が記憶できるか,も問題になる.
 現在のシリコンメモリの状況を見てみよう.量産チップのほとんどは1MbitDRAMだが,ノートパソコンなどでは4MbitDRAMも採用されている.1年前には試作レベルだった16MbitDRAMもようやく量産ラインに乗ろうとしており,ついには,64MbitDRAMも開発されるようになった.
 2000年ごろには,シリコン素子の配線回路の線幅は0.1ミクロン以下になり,チップ1個当たりのトランジスタ数は10億個になるといわれている.4mm四方程度のシリコンチップが1Gbit(125Mbytes)もの容量になる時代だ.もちろん,そこに至るためには越えなければならない技術的なハードルもある.また、研究開発の現場はかなり楽観的だが,経済的に見合わないということで,開発を断念するメーカーもあるという.
 過去30年間のシリコンメモリの高集積化は2年ごとに倍々ペースで進んできた.このまま将来もペースダウンがないのなら,2000年には,まさにGbitの時代がやってくるはずだ.
 たとえば,光ディスクや光磁気ディスクには,最小記憶面積に限界がある.可視光の波長は0.77~0.38ミクロンだが,実際に使われる半導体レーザの波長は,これよりも長い赤外線だからだ.光を使う限り,1bitの情報を記録するには1ミクロン程度の記録面積が必要になる.これは,コンマ1ミクロンを単位に考えるシリコンメモリに比べて,10倍も巨大な面積である.技術的には,より短波長の青色レーザを作り出すことも可能だ.また,光の波長より細い光ファイバから量子効果によって光を染み出させる光STMのような技術を使えば,さらに微細記録もできるだろう.
 しかし,そのためには記録メディアを極限までファインにしなくてはならない。こうなると,パーソナルユースのメンテナンスにおいて,現実性が乏しい.磁気メディアにも同様の問題がある.


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この予測は2002年のアスキーをスクラップして検証しようと思う。
大量生産によりコストも下がる
 シリコンメモリが抱える,現時点での最大の問題は,コストが高いということだ.しかし,たとえギガチップであろうとも、大量生産によるコストダウンは,ほかの記憶メディアよりも効果的だ.
 というのも、ギガチップにはコンピュータ用の外部記憶機器以外にも、|従来とは根本的に異なる巨大なマーケットが存在するからだ。たとえば,音楽用CDを置き換える可能性を考えてみよう.現在の12cmCDに書き込まれている情報は,ステレオ2ch×16bit×44.1kHz=1.4Mbit/秒である.これが最長74分録音できるので,音楽というアナログデータを単純にデジタルに置き換えれば,CD1枚に,およそ6Gbit(750Mbytes)の情報が記録できることになる.
 しかも、データを圧縮しないで6Gbitである。たとえば既存のCDよりも若干の音質低下はあるものの、実用上ほとんど問題がないというPASC方式(フィリップス社と松下電器の共同開発による,デジタルコンパクトカセット用)によってデータを圧縮すれば,情報量がCDの1/4になるし,ATRAC方式(ソニーの2.5インチ光磁気ディスク用)では,音楽情報を1/5に圧縮できる.
 つまり、音楽ならば,1枚のCDを1個のギガチップで置き換えることができるわけだ.音楽という需要だけに限っても,コンピュータ市場の100~1000倍の需要が見込める。1個のギガチップ当たりのコストは現在のCD1枚の原価、つまり数百円のオーダーに近づくはずだ。このチップをクレジットカードほどの薄さ大きさを持ったカードに実装したミュージックカードは,再生機構が単純で、また,カードにCPUやアンプを仕込めば,カード1枚で音楽再生が可能になる.音楽|プレーヤという機器の概念も怪しくなるのだ。これだけのメリットを思|えば、既存の記録メディアが生き残る可能性がきわめて乏しいことが分かるだろう.
では、3年後は?
 10年という長期間には、記憶メディアに関するパラダイム変化が起こるかもしれない.現在、物質の極小単位である原子を加工して記憶メディアを作ろうとしたり、脳細胞のような生物/タンパク質を利用した記憶組織の研究も行なわれている.これらは、いつ実用になるのだろうか……?10年後の予測は、現状の技術開発スパンを延長して考えるのが妥当だ.少なくとも、確信を持って推測できるのは、2~3年後の世界かもしれない。
 1992年現在、磁気メディアや光メディアの状況はまだまだ元気がある.多くのノートパソコンが内蔵するようになったハードディスクも,2.5インチの次はカードサイズの面積で40Mbytes程度の容量を誇る1.8インチHDDが登場する.光磁気メディアも3.5インチが立ち上がったばかりで、次世代の2.5インチ光磁気ディスクの仕様も発表された.
 しかし、シリコンメモリも負けてはいない。シリコンと磁気メディアのコストは,これから5~7年のうちに逆転するといわれている.ギガチップの応用範囲は広い。無圧縮でもハイビジョン程度の静止画を10枚以上記録でき,写真フィルムさえをも置き換える可能性があるのだ.


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 予測通り、シリコンメモリの技術は凄まじいものだった。mp3プレイヤーの登場から、SDカードの容量がMからGへと増大した。128Gとから256GとかのSDカードを使っている未来など当時は想像できなかった。いったいそこに何を保存するのか、その「何を」が想像できなかった。

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アクセラレータ,なないろのディスプレイ(月刊ASCII 1992年5月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「特集II 数値演算コプロセッサ&アクセラレータ入門」をスクラップする。
この当時のCPUは整数演算しかできなかった。浮動小数点演算はソフトウェアでやっていた。当然スピードは劇遅なので数値演算コプロセッサを装着して速度を稼ぐのだが、シミュレーションを行う研究室等でしか導入してなかったように思う。個人の趣味ではなかなか導入できるものではなかった。フライトシミュレータ等のゲームでも数値演算コプロセッサの利用を前提としたものはなかったと思う。
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数値演算コプロセッサは実数計算の専門家
 80286や80386,68020といったCPUには,実数計算のための機能が用意されていない。これらのCPUが「ADD」命令などで直接扱うことのできる数値は,整数に限られるのだ。もちろん,だからといってこれらのCPUでは実数を使った計算ができないというわけではない.そのためのプログラムを作ればいいのだ。人間が基本的には九九の組み合わせで実数演算をするように,コンピュータだって整数計算の組み合わせで実数計算を行なうことができるのだ。
 しかしその場合,要するに実数計算をソフトウェアでエミュレートしているわけだから、当然あまり速くない。実数計算を多用するアプリケーションでは,どうしても処理に時間がかかってしまう.実数の計算をハードウェアで実現できれば,ソフトウェアでエミュレートする場合に比べて数倍から数十倍も高速化できる.
 この「実数計算をハードウェアで実現したチップ」が数値演算コプロセッサである.コプロセッサの頭の「コ」というのは,「共同」「共通」といった意味の接頭語「co-」で,つまり「CPUと共同で仕事をするプロセッサ」ということになる.コプロセッサとしては,数値演算コプロセッサのほかにも,MMU(メモリ管理ユニット)などがある.しかし,実際には数値演算コプロセッサ以外のコプロセッサが話題になることは少なく,単にコプロセッサ(あるいは「コプロ」)といえば,数値演算コプロセッサを指すことが多い。
 数値演算コプロセッサはCPUと一体になって動作するため,ソフトウェア的には元のCPUに実数計算の命令が拡張された新しいCPUがあるかのように見える。プログラムを作るときは,特に数値演算コプロセッサのことを意識しなくても,単にその拡張された命令を使えばいいのだ。
 実際にCPUとコプロセッサが共同で動作する方法にはいろいろある(図1).


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 したがって,あるCPUが使用できるコプロセッサは決まっており,68020に80287を組み合わせるといったことはできない.ただし,同一メーカーの製品で,インターフェイスが統一されている場合には、この限りではない。たとえば,80386は80287と組み合わせることもできる.もっとも,これはあくまでパソコンを設計する段階の話で,80387を使うように設計されたパソコンに,いきなり80287を持ってきても装着することはできない.
 プログラムが拡張された実数計算の命令を使っていなければ,いくら数値演算コプロセッサがあっても意味がない.逆に,拡張された命令を使ったプログラムは,数値演算コプロセッサのないマシンでは実行できない(ハングしてしまう)。そこで一般的なアプリケーションでは,起動時に数値演算コプロセッサの有無をチェックし,ある場合は拡張された命令を使い,ない場合はソフトウェアでエミュレートするように自動判別している.
 なお,市販のCやPascal,Fortranなどのプログラミング言語のコンパイラには,このように数値演算コプロセッサの有無を自動判別してくれるライブラリが付属していることが多い。一般のユーザーが作るプログラムでも,そのようなココンパイラを使用していれば,数値演算コプロセッサを意識する必要はない.
 数値演算コプロセッサに対応している主なアプリケーションには,表1のようなものがある。大量の計算をこなさなければならないアプリケーションは,たいてい対応していると考えていいだろう.もちろん,対応していないアプリケーションも多い。別に対応をサボっているというわけではなく,もともと実数計算を必要としない処理が多いのだ。たとえば,エディタや通信ソフトなどは数値演算コプロセッサに無縁のアプリケーションだ(実数計算までサポートしたマクロ言語でも持っていれば別だが).
 また,対応しているアプリケーションでも,その起動から終了まで,実数計算だけしているということはない。ユーザーからのキー入力を待ったり,ファイルを読み書きするなどの処理が,必ずあるはずだ。だから,実数計算の部分が50倍速くなったからといって,アプリケーション全体が50倍速くなるわけではない.具体的に、どんなアプリケーションでどの程度速くなるかは,最後のベンチマークテストを参照してほしい。

アクセラレータでCPU移植
 前述のように,数値演算コプロセッサは,「実数計算」という特定の機能を実現するためのプロセッサだ。それに対して,アクセラレータはCPU自体をより高速で高機能なものに置き換えてしまう(図2).

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 方式としては,
(1)本体のCPUを抜き取り、そのソケットにアクセラレータを装着するもの
(2)拡張スロットに装着するもの
がある。(1)のタイプは,CPU以外は本体の部品を利用するため,80286を80386SXへ,80386を80486へというようにバス幅の同じもので置き換える必要がある.
 後者の場合は、本体のCPUとボード上のCPUを切り替えて使うことも可能だ。ただし,切り替えるためにはリセットが必要であり,アプリケーションの動作中に切り替えるといったことはできない。
 アクセラレータの意味としては,高速化以外にも,より上位のCPUに置き換えれば一歩先の機能を利用できるということがある。たとえば,80286を80386SXに置き換えれば,Windows 3.0の386拡張モードや,MEMORY-PRO386のようなメモリ管理ソフトが使えるようになる.
 アクセラレータを使えば,CPUのすべての命令が高速化されるから,どんなアプリケーションでもCPUの速度比だけ速くなるかというと,そうとも限らない。速くなるのはあくまでCPUだけで,メモリアクセスや周辺機器との入出力は元のままだからだ。メモリに関しては,キャッシュメモリを使うなどの解決方法があるが(そして実際たいていのアクセラレータが何らかの解決策を講じているが),周辺機器の場合はそうもいかない.たとえば,Windowsの動作が遅いといっても,ハードディスクへのスワップが頻繁に起こって遅いという場合には,いくらCPUを高速にしても効果は望めない。この場合は,メモリを買い足すのが一番の解決法だろう.

 そんなにしてまでWin3を使いたいのか疑問に思う。
8087
 8086/V30用のコプロセッサ.8087自身がバスを監視し,実数計算用の命令を見つけるとCPUに代わってフェッチし、実行する.そのため,バスの管理や命令のデコードなど,CPUと共通の機構を持っている.
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80387
 80386用のコプロセッサ80287の約5倍の性能を持つ。CPUとのインターフフェイスは80287と同じなので,80286に80387を組み合わせたり,80386に80287を組み合わせることが可能だ。しかし,実際にはコストと性能のバランスから,80386には80387が,80286には80287が組み合わされることが多い。
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80287/80287XL/80287XLT
 80286用のコプロセッサ8087とは違い、80286からI/Oチャネルを通して命令を受け取る.
 80286が8086より2倍以上高速化されているのに対して,80287は8087と同じ性能だっため、当初あまり評判が良くなかった。インテルは,後になって約50%高速化した80287XLと80287XLTを発表している.80287XLは,従来の80287と差し替えて使用できる.一方80287XLTは,44ピンのPLCCパッケージを採用し,ノート型パソコン用に省スペースを図っている.

ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287_W490.jpg ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287XL_W358.jpg ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287XLT_W298.jpg
 「80286が8086より2倍以上高速化」そうだったか?PC-9801VM2がV30(10MHz)を使っているからPC-9801VX2(80286/8MHz)が高速化されたという実感がなかった。V30が良いCPUだったということだろう。
80387SX
 80386SX/80386SL用のコプロセッサで80286の約3~5倍の性能を持つ。
 80386SL用のコプロセッサとしては,最近になって80387SLが発表された。これは,使用されないときに消費電力を抑える機能を持つ。80387SXの代わりに使用することも可能だという.

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80487SX
 80486SX用のコプロセッサだが,単独でCPUとしても機能するよう設計されている。機能的には,80486DXと同じものと考えてよい.
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80C287
 AMDが開発した80286用のコプロセッサ.マイクロコードに80287と同等のものを用いているため,完全な互換性がある.性能も変わりないが,CMOSを用いて消費電力を抑えるとともに,価格も低く設定されている
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 AMDは最初互換コプロセッサを作っていた。安いのが売りだった。
CX-83D87/SX-83S87
 Cyrix社が開発した80386DX/80386SX用のコプロセッサ。80387がマイクロコードを使っている機能をワイアードロジックに置き換えることで,80387DXの5~10倍の計算速度を実現しているという.ピン配列が同じなので,80387DX/80387SXと差し替えて使用することが可能.
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 Cyrixも互換コプロセッサを作っていた。Cyrix好きだったがそのうち無くなってしまった。
IIT2C87/3C87
 Integrate Information Technology社が開発したコプロセッサで,2C87は80287と,3C87は80387と完全な互換性がある。差し替えるだけで80287/80387の2~3倍の性能が得られるうえに,拡張された行列演算命令を使えば,より高速化が可能という.
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Turbo-486
 京都マイクロコンピュータ(株)の468アドオンボード.PC-9801RA/DAとPC-98RLに対応している.486SXを使ったものと,486DXを使ったものがある。486DXを使ったものには,本体クロックの2倍で動作する 「倍速モード」が用意される.
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486GT
 エービーエム(株)のアクセラレータ.PC-9801RA/DAとPC-98RLに対応している。拡張スロットに装着するメインボードと、本体の80386ソケットに装着するプローブボードの2つのボードから構成される.2次キャッシュとして,i485ターボキャッシュモジュール(容量128Kbytes)を搭載することができる.
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M3
(株)エム・エス・アイが開発しV33を使ったアクセラレータ。拡張スロットに差して使用するタイプだ。
 V30マシン用で,このアクセラレータによりクロック周波数12MHzの80286に相当する処理速度が得られるという.

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 (株)エム・エス・アイは知らないというか記憶に残っていない。
 V33ならV30マシンに使えるのは納得できるが、PC-9801VM2を高速化するよりもPC-9801RAなどに買い替えた方が早いはずなのにこの製品どんな人たちが買ったのだろうか。

コラム記事をスクラップする。
Rapid CADとOverDrive
 最新の80486や68040は,数値演算コプロセッサの機能を内蔵している.CPU内部で数値演算コプロセッサの機能(実数演算)を実現している部分は,FPU(Floating PointUnit)と呼ばれる.逆にいえば,数値演算コプロセッサというのは「外付けFPU」というわけだ。
 前述のように,80287や80387はCPUから必要なデータを受け取って動作する.68020/68030用の68881/68882という数値演算コプロセッサも同様だ。この方法だと,CPUとコプロセッサのやり取りのために余分な手間がかかってしまう。
 そこで,80486や68040はFPUを内蔵し,この問題を解決している.つまり,FPUはCPUのほかのユニットと同じように,直接バスからデータを受け取れるのだ.そのため、より高速な実数計算が可能になっている。
 この技術を80386DXにフィードバックしたチップセットが米Intel社から発表された(日本では未発表)。これは「Rapid CAD」と呼ばれ,2チップから構成される。RapidCAD-1と呼ばれる大きいほうのチップが,80386DXと80387DXの機能を併せ持つ.小さいほうのRapidCAD-2は,0除算などの例外処理に関して80386DX+80387DXのセットとハードウェア的に互換性を持たせるためのものだ。
 RapidCADは,80386DXと80387DXを1チップにまとめたことにより実数計算の速度が約70%向上したという.ただし,あくまで実数計算の機能向上に限られるため,80486DX/SXと競合するものではないようだ。

 コプロセッサも80486が出てからは用無しになったころだろう。パソコンを買い替えた方が早い。

漫画をスクラップする。
なないろのディスプレイ
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PC-9801NL,LTE Lite,MOBY RICK,X68000(月刊ASCII 1992年5月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「NEW MODEL IMPRESSION」からPC-9801NL,LTE Lite/25,MOBY RICK 486,X68000 Compact XVIをスクラップする。

PC-9801NL
仕様は「パソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年3月号2)」を再掲する。
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 まとめ部分をスクラップする。
 98NLの1.3kgという重量は,パソコンの携帯を考えているユーザーにとってたんへん魅力的なものだ。CPUパワーが必要ならNS/Tを,カラー表示が必要ならNCを,そして携帯性を重視するならこのNLをと、ノートパソコンも使用目的に応じた選択の幅が広がってきた。液晶がバックライトなしの反射型であるため,使用環境にある程度の制限を受けるとはいえ、出張先や取材先から通信でデータをバリバリ送ってやろうというユーザーには,この98NLは見逃せないマシンといえるだろう。    (小日向)
 見逃せないマシンである98NLは見逃してしまった。

LTE Lite/25
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LTE Lite/25のまとめ部分をスクラップする。
ガチャポンでデスクトップマシンに変身
 Liteの最大の特徴は,本体を装着可能な「デスクトップエクスパンションベース」の存在かもしれない。このオプションにはCRTやキーボードなどの端子に加え,2つの16ビットISAスロット,HDD/FDD/CD-ROMを内蔵するためのインターフェイスを持つ。こちらにフルキーボードやマウス,ディスプレイなどを接続しておけば,Liteを前面から差し込むだけで即座にデスクトップマシンとして使え,外に出るときは抜き出せばすぐノートパソコンとして持ち運べる.このようなオプションを他社が発売していないほうが不思議だ.
VGAチップは速いが,漢字表示はあと一歩
 ベンチマークテストの結果を図1にあげる.CPU関係については,同CPU,同クロックのDynaBookV386/25(以下J-3100SLと略)よりはわずかに遅いという結果になった。
 画面表示の速度は,図にはないが386-20MHzのDOS/Vマシンよりも遅い結果になった。ただ,LiteのSVGAチップはDOS/Vのハードウェアスクロールと相性が悪く、普通のDOS/Vマシンでは不要のオプション(/HS=LC)を付けたためスクロールが遅いのはやむを得ない部分がある.
 一方,主に描画速度を計測するDimension International製のフリーソフトウェア「3DBENCH」では,J-3100SLを上回る値が出ており,VGAチップそのものは高速なもののようだWindows 3.0などで使う分にはLiteが有利かと思われる.
 さて、最後に価格を考えてみよう.Liteは,60MbytesHDDを内蔵するモデルが49万8000円.J-3100SLが40MbytesHDDでメモリも2Mbytes少なくて47万8000円であることを考えると割安感がある.98関連では,クロック周波数20MHzのPC-9801NS/Tが80MbytesHDD内蔵で45万8000円だからちょっと悩むが,CPUパワーを考えればLiteに分がありそうだ。加えて,デスクトップエクスパンションベースという魅力的な周辺装置と,1時間充電,3時間駆動のバッテリが心強い.高機能ノートを探している方には今一番お勧めできるマシンだ。     (野口)

 知らなかったと言ってもいいほどにこのマシンも覚えていなかった。

MOBY BRICK 486
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MOBY BRICK 486のまとめ部分をスクラップする。
もう少し安くなれば
 机の上に置いても「コンピュータ」のプレッシャーがなく,重いソフトも快適に動作するMOBY BRICKは魅力的なマシンだ。カラー液晶ディスプレイと組み合わせれば,究極の省スペースシステムといえる.しかしMOBY BRICK486は、本体だけで195万円.安価なDOS/Vマシンなら40万円程度で入手できることを考えると,HDDとメインメモリの容量の多さを100万円と換算するにしても、60万円の価格差をデザイン料と割りきるのは個人にはつらい.予算にゆとりのあるオフィス向けというところだろう。MOBYBRICKには,CPUにクロック周波数20MHzの486SXを採用したバージョンもあり,こちらは95万円とかなり安くはなっているが,それでも個人用としては高嶺の花だ.
 ともあれ,コンピュータのデザインを真剣に考えている姿勢は高く評価できる」パソコンも価格競争だけでなく,そろそろデザインの勝負もしてほしいものである.     (野口)

 尖ったマシンだったが記憶にない。これがアップルだったら売れたかもしれない。アップルだったらもっとスタイリッシュに作るだろうが。

X68000 Compact XVI
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スペック等はパソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年4月号2)を再掲する。
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X68000 Compact XVIのまとめ部分をスクラップする。
 X68000 Compact XVIの価格は29万8000円。36万8000円だったX68000 XVIに比べて7万円下がったことによる価格差は,その大きさとともに魅力的である.とはいえ、欲を言えばハードディスクを内蔵できるようにしてほしかった。せっかく本体が小型化されても外部HDDを接続しなければならないのでは,せっかくの省スペース指向が無意味になるからだ。2.5インチや2インチといったようにHDDの小型化が進んでいるのでぜひとも対応してほしい.
 X68000 Compact XVIは,3.5インチFDDと640×480ドットの画面モード,そしてSX-WINDOWの機能強化で,その延長線上に想定される次世代マシンにつなげたいというシャープの思惑が伝わってくるマシンである。    (古谷野)

 何回も書いてるがX68000はもっと頻繁にモデルチェンジを繰り返したら良かったのにと思う。NECや富士通がやったようにちょっとスペックを上げたマシンを出しても反発を受けなかったと思う。当時のユーザは旧機種を下取りに出して新機種を買うということはよくあった。いまで言えば車だ。乗っている車を下取りに出して新車を買うという感じ。PC-9801の中古パソコンは結構あった。X68000はなかったのが失敗だと思う。

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用語集(月刊ASCII 1992年5月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の「これで分かった PC-9801&MS-DOS」をスクラップする。
今回は「用語集」から残りをスクラップする。

2 16進数
 われわれが普段使う10進数では,数字の末尾に0を付け加えると10倍になる.これが16倍になるような数え方が16進数だ.コンピュータの世界では,16進数が標準的な数字の数え方になっている.
 16進数の10Hは,1H(これは10進数でも1)の16倍だから,10進数で言うと16になる。同様に100Hは,10H(=16)の16倍だから,10進数で言うと256になる.

 8bit機から使っていた者にとってはなじみの深い16進数だが、PC-9801が最初のパソコンだった人達にとっては16進数なんて使ったことがなかったのかもしれない。

4 UMB
 拡張ROM領域は通常,EMSで使うところとHDDのROMを除けば,まだ未使用のままになっている.ところが,386の機能を使うと,プロテクトメモリの一部分を未使用の領域に割り当てることができるのである。つまり,MS-DOSでアクセス可能な1Mbytesの空間内にRAMができることになる.これがUMBである(図3).
 ただ,メモリマップを見るとメインメモリとUMBの間にはテキストVRAMとグラフィックVRAMが存在しているため、この領域のことを特別に意識してプログラムしない限りせっかくのRAMも使われないままだ。ちなみに,現状ではそのようにプログラムされているソフトはほとんどない。
 そこで,ソフトを強制的にここに乗せあるプログラム(UMBローダという)が登場した。これを使って,従来メインメモリ上に居座っていたデバイスドライバや常駐プログラムをUMBに乗せるようにすれば,その分メインメモリは広くなるという寸法だ(図4)
 従来からMEMORY-PRO386など各社からUMBを利用できるソフトが発売されてきたが,DOS 5からはDOSそのものが正式にUMBをサポートするようになった.その結果,プログラム名の前に「LH」を付けるとプログラムが,またDEVICE文の代わりに「DEVICEHIGH」文を使うようにするとデバイスドライバがUMB上にロードされる.

日本電気のDOS5の場合
 できるだけ大きなプログラムをUMBに常駐させたい場合,UMBは連続した領域を確保できるほうがありがたい。しかし,メモリマップで見たように拡張ROM領域はハードディスクのBIOSなどで分断されている。
 MEMORY-PRO386やMELWAREなどのメモリマネージャではハードディスクのROMをA5000Hからの未使用領域に退避させることで,D0000~DFFFFHの64KbytesをすべてUMBと使えるようにしているが,実は日本電気のDOSに付属するEMM386.EXEにも同じ機能がある.EMSの領域をD0000~DFFFFHに強制的に割り当てると同じことをしてくれるのである。この機能は非常に有効であるが,日本電気が正式に公開しているものではないのでHDDによっては使えないものがあるかもしれない。具体的には次のようにする(画面2).
DEVICE=HIMEM.SYS
DOS=HIGH,UMB
DEVICE=EMM386.EXE /UMB /F=D
000-DFFF /P=300


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 こんな面倒な目に会うのは8086がダメCPUだと思っていた。こんなCPUがパソコン界を支配することになったのはメーカーとユーザの両方だと思い嫌っていた。だが、世間と軋轢を生じさせないためにも億尾にも出さなかったけれどもPC-9801を好きだというユーザを……。

6 メモリマネージャ(EMSドライバ,XMSドライバ)
 EMSやXMSなどの手順でメモリを利用しようとするプログラムに対して,実際にメモリを割り振るプログラムのことをメモリマネージャという.386以上のマシンではプロテクトメモリさえあれば,メモリマネージャだけでEMSメモリやXMSメモリを提供することができる.UMBの項で,プロテクトメモリの一部を1Mbytes空間内に割り当てると書いたがEMSも同じ方法で実現することができるからだ.
 メモリマネージャは数社から発売されているが,注意したいポイントは「EMSとXMSを完全にサポートしているか」,である.EMSがなければ一太郎のようなEMS対応ソフトをはじめ,DOS環境の改善は大きく立ち後れる.一方XMSがないと,Windows3.0を快適に動作させることができない.
 現時点でこの条件を満たすのは,(1)DOS 5に含まれる「HIMEM.SYS」と「EMM386.EXE」の組み合わせ,および(2)MELWAREVer.5に含まれる「MELEMM.386」だけである。この両者にも違いがある.(1)の方法では,プロテクトメモリのうちEMSとして使う部分とXMSで使う部分の大きさを,あらかじめ決めておく必要がある。2では,要求されただけをEMSなりXMSなりにしてプログラムに渡す.
 どちらが便利かといえば,もちろん(2)だ.たとえば,一太郎Ver.4を使うときにはできるだけたくさんのEMSメモリがほしい.Windows 3.0を使うなら,EMSはなくてもいいがXMSはできるだけ多くほしい。(2)ならどちらに対してもあるだけのメモリを提供できるが,(1)では容量配分を変えるために一度リセットする必要があるからだ(画面4).


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8 VRAMディスク
 RAMディスクはその名のとおり,RAMでできたディスクドライブである。「RAMディスクドライバ」というソフトを使うと,EMSやXMSのメモリをディスクのように見せかけることができる.しかも、実体はメモリなので非常に高速なアクセスが可能である.ただ,メモリであるから電源を切ればRAMディスク上のファイルはすべて失われる.必要なファイルは電源を切る前にHDDやFDDにコピーする必要がある.
 RAMディスクドライバはMS-DOS Ver.5にも付いてくる。容量1MbytesのRAMディスクを作るには,CONFIG.SYSの中に,
DEVICE=RAMDISK.SYS 1024
という行を追加すればよい。もしその時と,点でA~CのドライブがあったとするとRAMディスクはDドライブとして登場する.
 AUTOEXEC.BATに次の1行を加えてみよう(RAMディスクがEドライブの場合。違う場合は適宜書き直す)。
SET TMP=E:\
 環境変数TMPにRAMディスクを指定すると,多くのソフトが作業用のファイルをRAMディスク上に作成するようになる.VZエディターやLHAなどで,動作速度の改善効果がある.
 ただし,RAMディスクを作ると,当然のことながらプロテクトメモリの容量は減る(ということは,作れるEMSメモリも減る).一太郎やWindows 3.0を使う人は,RAMディスクは作るにしても必要最小限にとどめたほうがいい.



9 ディスクキャッシュ
 ディスクキャッシュは,ディスクのアクセスを高速化するプログラムだ。具体的には,一度読み込んだデータを拡張メモリの「キャッシュ領域」に貯えておき,再び同じところを読もうとするときは,ディスクは読まずにキャッシュ領域から読む,という方法を使う。これにより同じ場所を読む場合,2度目以降の読み込みはRAMディスクと同等の速度になる.キャッシュ領域もメモリでできているから,電源を切れば内容は消えてしまうが,RAMディスクと違いディスクへの書き込みは普通に行なわれるから,ファイルを事前に保存したりする必要はない.FEPの辞書をRAMディスクに置くか、ディスクキャッシュで使うかは,好みの問題だろう.
 DOS 5には,SMARTDRV.SYSというディスクキャッシュプログラムが付いている.2Mbytesのキャッシュ領域を確保するには,CONFIG.SYSに次の1文を追加する.
DEVICE=SMARTDRV.SYS 2048 128
 “2048”がキャッシュ領域の大きさで,その次の“128"は「最小キャッシュサイズ」というものだ。最小キャッシュサイズを指定しておくと,Windows 3.0を利用中にメモリが不足した場合,キャッシュ領域を徐々に最小キャッシュ領域まで減らしてくれる.Windows利用時はできるだけメモリがたくさんあったほうがいいから,メモリに余裕がなければ0にしてもかまわないだろう.

  DOSやWin3時代はディスクキャッシュ一つとってもユーザが指定しなければならず、それもconfig.sysを書き換えるという初心者には難易度が高いものだった。

10 ハイレゾマシンのメモリ環境
 Windowsの普及によりハイレゾマシンが脚光を浴びてきた.1120×750ドットの表示を見てしまうと、なかなか640×400ドットの世界には戻れないものだ。
 メインメモリも、ノーマルモードの640Kbytesに対して,ハイレゾモードでは768Kbytesと,128Kbytesも広い。図5にハイレゾマシンのメモリマップを示す。プログラムが使うことのできる空間は本来00000~C0000Hまでの768Kbytesだが,EMSを使うときはこのうちB0000~C0000Hの64KbytesをEMS用に使用するので,メインメモリは704Kbytesとなる.もっともそれでもノーマルモードやIBM PCよりはずっと多いメインメモリを利用できるわけである.
 拡張ROM領域はE5000~F0000Hの44Kbytesしかなく、ノーマルモードに比べるとUMBの領域は小さい。ただし,SASI HDDのためのROMはBIOS-ROMの中に最初から入っているので,SASIドライブだけしか使わないのならこの44Kbytes全部をUMBに使うことができる.SCSIのHDDを接続するとなると,拡張ROM領域は減ることになる.UMBその他のメモリの使い方については,ノーマルモードとほぼ同じである(画面6).


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「1120×750ドットの表示を見てしまうと、なかなか640×400ドットの世界には戻れないものだ」繰り返し書いているが、まさにその通りだ。

11 周辺機器の接続トラブル
 周辺機器の接続に関するトラブルの原因には、(1)I/Oアドレスが重なっている,(2)INT番号が重なっている,(3)DMAチャネルが重なっている,(4)ROMアドレスが重なっているの4つの可能性を順に吟味しなければならない。ただ,このうち(2)(3)(4)は,周辺機器によって利用されたりされなかったりする.利用されていないのなら,原因から除外してよい。こうしたトラブルは周辺機器どうしが喧嘩する場合のほか,98本体と周辺機器が喧嘩する場合もある。ノートパソコンでは,RAMドライブやレジュームという特殊機能が,普通の98では使わないINTやROMアドレスを要求している.ノートパソコンに拡張機器を接続することはあまりないかもしれないが,接続する場合には十分に注意する必要がある.
  周辺機器の接続の際十分注意するというのは言うは易く行うは難しの典型的な事例だった。すんなり終わったためしがなかった。少なからずトラブルを経験した。

17 コネクタ/ケーブル
 複数のSCSI機器を接続する場合,意外と見落とされがちなのがコネクタの形状だ。SCSI機器でもコネクタはメーカーによってばらつきがあり、細かく分けると8種類ほどもある.
 98用に関していえば,インターフェイスボード,SCSI機器ともに「ハーフピッチ50ピン」と呼ばれるタイプのものが主流になっているので,増設する際もこれと同じコネクタ形状のものなら,本体に付属する可能性もあるし、そうでなくても比較的容易に入手できるだろう.しかしそれ以外の形のものは,なかなかショップでも購入できない場合が多い。
 これに次いでポピュラーなのが,SASIのコネクタと同じアンフェノール50ピンの端子.Macintosh用のHDDなどに見られる.このほか,メーカー独自の形状の場合もある。知人から買う,輸入するなどという場合は,できれば事前にコネクタの手配をすませたい.
 SCSI機器を使う場合は,SCSIバスの両側の末端に「ターミネータ」と呼ばれるものを付けるべきである.通常SCSIインターフェイスボードにはターミネータが内蔵されているので,SCSIボードから一番遠いSCSI機器にもうひとつのターミネータを付けることになる.ターミネータは,SCSIのバスの両端まで正確に信号が伝わるようにするための働きを持つものなので,これがないと,機器が正常に動作しなかったり,動作しても電気的な負担をかけている場合がある.

 HDDを何台も買い足しするとターミネータが余った。記憶ではケーブルも余ったような気がする。

18 CONFIG.SYSの切り替え
 日頃使い慣れた日本語入力FEPをアプリケーションごとに切り替えたり,MEMORY-PRO386のように,Windowsに対応していないデバイスドライバを使用しているユーザーにとって,CONFIG.SYSの切り替えは思った以上に手間なものである.
 CONFIG.SYSによるデバイスドライバの使い分けで,もっとも原始的,かつ確実な方法は,あらかじめ用意した2つのファイルをバッチファイルでリネームし,ソフト的にリセットさせるというものだ(図1).
 このバッチファイルで,ファイルのリネーム後に起動されるHSB(作者:Masao氏)というプログラムは,ハードディスクの高速リブート用フリーソフトウェアで,起動後,一瞬にしてPC-9801のリセット,再起動を行なうものである.CONFIG.SYSの書き換えといった作業には,まさに持ってこいのプログラムといえるだろう.
 また,こうした面倒な書き換え,リブートの手間を省くためのプログラムとして,やはりフリーソフトウェアのCINIT.SYS(作者:Falcon氏)というデバイスドライバが発表されている.
 このドライバは,CONFIG.SYSの先頭に記述されることにより,システムの起動時に9つまでのデバイスドライバの選択ができるというものであり,アプリケーションごとのデバイスドライバの使い分けに頭を悩ませているユーザーには,まさに福音ともいえる操作環境を提供してくれる.
 起動時のドライバ選択はファンクションキーで行なえるようになっており(画面1)DEVICE文の書式にちょっとした手を加えることで,常に組み込むべきドライバも指定しておけるのがうれしい。バッチファイルによるCONFIG.SYSの書き換えなんて面倒だ,というユーザーには、とにかくこちらのCINIT.SYSを使うことをお勧めしよう.


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 CINIT.SYSは使ったことがなかった。面倒でも手作業でRENAMEしてconfig.sysを切り替えていた。

19 SETVER
 鳴り物入りで登場のMS-DOS Ver.5.0.しかし,MS-DOS上で動作するソフトウェアの中には,DOSのバージョンチェックを行なっているものが多く、従来のVer.3.Xでは動作していたプログラムもDOS 5では動かないという現象に見舞われることが少なくない.
 そこで,DOS5に対応していないソフトウェアのために,ダミー用のバージョンナンバーを与える外部コマンドがSETVER.EXEだ.
 SETVERを使うには,まず,デバイスドライバとしての登録をCONFIG.SYSの中で行なう必要がある.
 そのうえで,ダミーのバージョンナンバーを与えたいプログラムの指定を行なうわけだが、ここで注意しなくてはならないのは,たとえばFDのように起動時に2つ以上のプログラムが動作するものの場合,すべてのプログラムに対して指定を行なわなくてはならないという点だ.
 以上の作業を行なった後に,一旦システムをリセットさせて初めて,SETVERに登録されたダミー情報が有効となる.
 ただし,このSETVERコマンドもすべてのプログラムに対して万能とはいかないようで,ごくまれにダミーのバージョンナンバーを認識してくれないソフトウェアも存在する.こうなると,パソコン通信などでパッチ情報を入手するか,またはソフトウェア自体のバージョンアップという形でDOS 5に対応したものを手に入れなくてはならない.

  SETVERなんと姑息な手段だったのか。当時のパソコンは継ぎはぎだらけのマシンだった。

20 削ってもいい外部コマンドとデバイスドライバ
 MS-DOSに標準で用意されている外部コマンドには,ずいぶんムダなものが多い。ハードディスクへのインストール作業は,MS-DOSのインストール用プログラムで簡単に行なえるようになったものの,あとからディスクの中を覗いてみると,中には一生使うことのないコマンドがうじゃうじゃ潜んでいることがよく分かる.
 そんなジャマ者のために,貴重なディスクスペースを占領されたのではたまらない。不要な外部コマンドは,即刻削除といきたいものだ.
 DOS 5の例で見てみよう.図2に示した外部コマンド,およびデバイスドライバのSYSファイルは,どれもごく普通のユーザーには必要のないものばかりだ図を眺めて納得したならば,さっそく削除にとりかかってほしい.
 さらに,MS-DOSで組み込まれるデバイスドライバにも,通常の使用では不要となるものが少なくない.
 日本語入力FEPにVJE-βやATOK7を使っていれば,NECAI関連のファイルはいらないし,市販の通信ソフトを使うかぎりRSDRV.SYSは必要ない.RAMディスクやEMSメモリをサードパーティ製のドライバで動かす場合にも,RAMDISK.SYSやEMM.SYSは無用の長物だ。
 もしも、自分のCONFIG.SYSに必要のないデバイスドライバが登録されていたならば、それだけでメモリのムダ使いになってしまう.いま一度,内容をチェックしてみよう.
 ハードディスクの中には、常に必要なファイルのみを置き,CONFIG.SYSには必要なデバイスドライバしか書き込んでおかない。これこそが,エレガントなパソコンライフを送るための第一歩なのだ.


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 「エレガントなパソコンライフ」とは片腹痛いわ。糞面倒な作業を強いられていた。パソコンを趣味にしている人はマゾだった。「パソコンを趣味にしているというか何をしているのか?」と聞かれ「トラブルシューティングが趣味です」と答えていた。

24 ディレクトリ/FAT
 ハードディスクやフロッピーディスクにデータを保存するとき,関連したファイルごとにディレクトリを切っていると思うが,そのディレクトリごとに,その中のファイルの情報を記録したエリアが設置されている.
 ディレクトリ情報といわれるそのエリアには,ファイル名,拡張子,ファイル属性(可視ファイルか不可視ファイルかなど),時刻,日付,そのファイルの一番頭のデータが記憶されているクラスタ番号が記憶されている.
 MS-DOSは,ファイルの読み出しを行なうときなど,そのディレクトリ情報から該当ファイルが記憶されているクラスタの位置を知る.
 ただ、問題は,ひとつのファイルが連続したクラスタ上に記憶されているとは限らないということだ。ファイルの更新,削除,作成を繰り返すうちに、ひとつのファイルが連続したクラスタを確保できなくなり,ファイルはクラスタ単位に分断されて記憶されるようになる.
 この分断されたデータをひとつのファイルにまとめるためのデータをもっているのがFAT(File Allocation Table)だ。ディレクトリ情報でデータの開始クラスタの位置は知ることができるが,続くクラスタがどこにあるかという情報はFATに格納されている.つまり,FATはディスクの総索引,あるいは住民台帳みたいなものなのだ(図3).
FATは,ディスクの外周に近いトラック上のクラスタに置かれ,また,不慮の事故に備えるために,必ず同じ内容のものが2つディスク上に記録されている.


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コラム記事をスクラップする。
不意の暴走に備えるには
 たとえ月に1度程度でも、繰り返し暴走するようなソフトは使わないにこしたことはないが,それが気に入ったソフトである場合は,なかなかきっぱりやめられるものではない.
 最近は「自動保存機能」を持つソフトもあるから,利用できるならぜひ設定しておきたい。個人的にはVJE-Penの自動保存機能には何度かお世話になった。
 そういう機能がない場合には,安田幸弘氏によるフリーソフトウェア「CORE」を使うという最終手段が残されている.PC-9801シリーズでは,STOPキーを押しながらリセットをかけると,メモリ内容を初期化せずに再スタートするようになっている.そこで,プログラムが暴走してしまったら、まずはSTOPキーを押したままリセットをかけ,ハードディスクの起動メニューが現われる(ないし起動する)まで押し続ける.メモリチェックを行なわないのが分かるはずだ.
 DOSが起動したらCOREと入力すれば,COREプログラム以降のメモリ領域をCOREという名前のファイルにしてくれる.編集中の文書がよほど大きなものでなければ,文章そのものは暴走当時メモリ上に置かれているのが普通なので,COREファイルをこまめに眺めれば,編集中の文書やプログラムを復活させられる可能性は決して低くはない(画面A).


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 暴走は良く経験した。Win95になってもブルースクリーンを良く見た。原因は無理な拡張メモリ管理だと思う。本当に8086には苦労させられた。金を返せという思いだった。

コラム記事をスクラップする。
256色マシンのメリットは?
 98アーキテクチャで256色の表示が可能なマシンには,(1)PC-98GS,(2)PC-H98にグラフィックRAMを増設,(3)PC-386M/Pを挙げることができる.このうち,(1),(2)は,Windows 3.0を利用すれば,256色の表示を楽しんだり,対応ソフトを使って画像ファイルの作成,編集が可能だ。
 問題は(3)である.この2機種が備えている256色モードは,今のところ自分でプログラムする以外に利用方法がない.発売元エプソンのWindows 3.0Aでも,この2機種の256色モードへの対応は見送られた.
 ただし,フリーソフトウェアにはこれらを使ったものも少なくない.NIFTY-ServeのFGALAVには,すでにJPEG,MAG,TIFF,PIC,Q0など,主要な画像ファイルの表示プログラムがいくつもアップロードされている.パソコン通信をしていれば,少なくとも256色表示を楽しむことはできそうだ。


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 256色モードはゲームに適していると思う。

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