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PC-H98,PC-286NOTEF他(月刊ASCII 1990年4月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASE他をスクラップする。

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NESA搭載の次世代98マシンだが成功したとは言えなかった。
model70-002が99万5000円、model70-100が168万円と一般ユーザ向けではなかった。
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表1 PC-H98model70の基本仕様(抜粋)
ハイレゾモードノーマルモード
CPU i386 クロック周波数33MHz
33/20MHz33/20/8MHz
漢字24×24ドット 40字×25行16×16ドット 40字×25/20行
グラフィック1120×750ドット640×200/400ドット
表を抜粋して改めて感じたのはノーマルモードで640×200ドットがあったこと。ここまで互換性にこだわるかと思う。ゲームならこのCPUでは速すぎて遊べないと思う。遊べてもごく少数だろう。BASICで作ったプログラムを動かしたいというのなら作り直せといいたいぐらいだ。ごく少数しかいないであろうユーザを守ったというのだろうが、先進ということは昔を捨てるということだと思う。昔のソフトを動かしたいのなら昔の機械を確保するのが吉だと思う。
 価格は高いが、MS-windowsやOS/2、プレゼンテーションマネージャ上でアプリケーションをどんどん利用するというユーザーは,ぜひ手に入れたいマシンである。
まとめの部分だが、これはない。提灯記事もいい加減にしろという思いだ。

PC-286NOTE F
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表1 NOTE Fの主な仕様(抜粋)
CPUV30(クロック周波数10MHz)キーボード操作により8/5MHzに切り替え可能
ROM1.2Mbytes
バンドルソフトMS-DOSVer.2.11(通信機能付き),EGBridge
ICカード1スロットICカード(128/640Kbytes),RAMドライブカード(1.25Mbytes),アプリケーションICカード使用可能
電源ACアダプタまたは内蔵NiCd電池
内蔵NiCd電池で最大3時間使用可能
外形寸法315(W)×254(D)×42(H)mm
重量2.5kg
消費電力10W(最大16W)
価格19万8000円

 NOTE FはアプリケーションICカードやMS-DOSと通信ソフトんのバンドリングなど、SSや98NOTEにはない魅力がある。本体の重量もSSや98NOTEより200g軽い。液晶ディスプレイにバックライトがないのは好みの分かれるところだが、バッテリで最大3時間の使用ができるのは魅力だ。アプリケーションICカードを差せば、パーソナルワープロ的な使い方もできるので、初心者にも勧められるマシンだ。
このまとめ部分も微妙だ。欠点を好みの分かれるところだと書き、〇〇をすれば初心者にも勧められると書けば否定的な記事であることを隠すことができるという点で文章を書くときの参考にできる。

PC-386M
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 価格は、STDで32万8000円と安く、286VXより2万円安く、286VF(80286 12MHz)よりも3万円高いだけである。同じ80386SXマシンである9801RS、ESと比較しても、それぞれ7万円、12万円も安い。スキャナのインターフェイスとFM音源の内蔵、256色表示のスペックでありながら、この価格はお買い得である。ホビーユーザーにはお勧めのマシンだ。
やっと普通の評価によるまとめがあった。ホビーユーザーとは私のいうところの一般ユーザのことだ。家庭にあるPC-9801をホビー以外つまり業務に使っている人はあまりいない。

PC-286VX
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386Mと286VXのCPUと価格は
PC-386M STDが80386SX(16/40-6MHz)で32万8000円
PC-286VX STDが80286(20/10/6MHz)で34万8000円
286マシンの方が高い。
 286Mの速度は乗算が速いためであり、ワープロなどのアプリケーションレベルの速度を優先するのであれば286VXとなる。286Mがホビーユースであり、286VXがビジネスユースであることを考えると、速度よりも目的に合わせて購入するのがよいだろう。
このまとめも変。386Mの方が良いのは明らかだろう。評価記事には困ったものだ。
コラム記事をスクラップする。
MS-DOS Ver.4.01
 セイコーエプソンより,MS-DOSのVer.4.01が発売された。同社のMS-DOSは,Ver.3.1が最新版であったため,日本電気のVer.3.3ではすでにサポートされているEMSやSCSIはサポートがされていなかった。今回のVer.4.01により,初めてEMS,SCSIがサポートされたわけだ。
 EMSは,LIM4.0に準拠したもので,ページフレームはC0000hまたはD0000h以降この空間に開けることができる。日本電気のMS-DOSVer.3.3は,D0000hから開けることができないので,拡張されていることになる.また,RAMディスクドライバも付属する.
 SCSIは,Ver.4対応になっており,Ver.3.3のMS-DOSが1ドライブ128Mbytesが上限であるのに対し,Ver.4.01では2Gbytesまでを認識できるようになった。SCSIは4台までのハードディスクをつなげることができるので,8Gbytesもの外部記憶が可能になったわけだ。
 これ以外のVer.3.1とVer.4.01の主な違いは,graph.sys,font.sysのサポート,各コマンドの強化などである。
 IBMPC用のVer.4には付属しているDOSシェルは残念ながら付属しない。
 Ver.4.01は,Ver.2.1およびVer.3.1/3.3とディスク管理の方法が一部変更されており,アプリケーションの中には動作しないものがある.そのため,epsondというコマンドが付属しており,アプリケーションの起動前に,ディスク管理情報をVer.2.1,Ver.3.1/3.3のものに変更している.アプリケーション終了後は,再びepsondを使い,ディスクの管理情報をVer.4.01のものに直さなければ,コマンドの実行ができない。面倒ではあるが,アプリケーションが対応するまでは仕方のないところだ.
 これらの改善により,セイコーエプソンのMS-DOSはVer.4.01で,やっと日本電気のVer.3.3に追い付いたという感じである.

昔からOSのバージョンアップに付き合ってきたがWindowsと違って見た目が変化していないので意に沿わないバージョンアップだった。

CompaqLTE/286
写真だけスクラップする。
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98NOTEとDynaBookの比較記事はアプリケーションについてだった。
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一部を抜粋してスクラップする。
J-3100SS

ハードRMとレジュームの威力

 98NOTEと同様に,1台のFDDと,内蔵のハードRAMをフルに利用する.ハードRAMは標準で896Kbytesだが,さらに2Mbytes増設可能.ATOK7用の辞書がROMで搭載されている.増設したハードRAMがバッテリでバックアップされることと,MS-DOSが添付しているなど,98NOTEより使いやすい点は多い。
 レジューム機能もその1つで、電源のON/OFFでもMS-DOSを再起動しないですむ.つまり,IO.SYSといったシステムファイルやATOKのドライバなど,メモリに常駐してしまうものは,FDで起動後,ハードRAMに置いておく必要がなくなる。その分,プログラムファイルを入れられる.
 アプリケーションは,ハードRAMの使い方によって,大きく2種類に分けられる.

 レジュームがなければ買わなかった。98NOTEを買った知人は家にPC-9801デスクトップを持っていなかったので98NOTEを買ったのも納得できる。でもレジュームを使ったらもう98NOTEなんて目ではなかった。
転送ユーティリティ

 ノートパソコンはハードディスクや5インチFDDを内蔵できないものが多い。これを補うのがRS-232Cポートなどを利用したファイル転送ユーティリティだ。最近は外部ドライブも低価格化したが,ケーブルのように持ち歩けないのでこれらのソフトは重宝するだろう.
 この分野で代表的なのは,MAXLINK((株)メガソフト1万8000円)だ.
 パソコン同士のRS-232Cポートを付属のケーブルで接続し,高速なファイル転送や相手のディスクを自機のドライブとして使用するなどの機能を持つ.
 画面に一覧表示されたファイルをカーソルキーで複数指定し,40000bps以上という高速で転送することができる.PC-9801用とSS用がある.PC-9801用は98同士をつなぐためのもので,他の機種とつなぐ場合はその機種用のMAXLINKが必要だ。SS用はSSとPC-9801をつなぐためのものでSS用の3.5インチと98用の3.5と5インチの3枚のディスケットが付属する.

 MAXLINKは実に良かった。専用のケーブルが付いていたが、より長いケーブルを自作し使っていた。そうするとDynaBookを机上に置き、パソコンラックにあるPC-9801に繋ぎ使うことができた。ワープロで読み込み印刷するときDynaBookを移動する必要がないので便利だった。










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ソフト、その他(月刊ASCII 1990年4月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSからソフトその他の記事をスクラップする。

一太郎/Lotus1-2-3がソフト・オブ・ザ・イヤーに
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一太郎とLotus1-2-3は売れに売れたソフトだった。

ジャストシステムがジャストウィンドウ上の通信ソフトを開発
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ジャストシステムはワープロだけではなく各種周辺機器を発売していたが通信ソフトまで手を出していた。

三井銀ソフト,企業用ソフトのライセンス販売を開始
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三井銀ソフトウェアサービスは聞きなれない会社だった。

松下電器が日本語ワープロとデータ通信できる電子手帳などを発売
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エプソンが手書き入力できる電子手帳を発売
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CYBER MEDIA PRO-500N 価格は2万4800円

松下電器,ハンディタイプのコピーマシンを発売
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KX-Z61 価格は3万3000円

インターニックス,PC-9800用ELモニタを発売
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ELM640 価格は16万8000円

エプソンがA4対応のフルカラーイメージスキャナを発売
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GT-6000 本体価格は17万8000円
GP-IBインターフェイスボード GT40GP-IB が3万5000円。
GP-IB懐かしい。コネクタがごっつい奴だった。スキャナ以外では使わなかった。

東京ユニテック,Macintosh用低価格レーザープリンタを発売
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LZR650 価格は23万5000円。 これで低価格だった。

マクセル,磁気テープカートリッジを発売
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職場で使っていたのはこれだったかな?

メイビス,J-3100SS用外付け3.5インチFDDを発売
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MFD-11 価格は3万6800円。FD→FDコピー以外の利用法が分からない。第一FD→FDコピーの必要性が分からない。DynaBookのみでFD→FDコピーをしたことがない。Maxlinkを使って98経由でコピーしたことがあったかもしれない。

化成バーベイタム,テフロンコーティングのFDを発売。
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I・Oデータ,内蔵メモリボード6種類を投入
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日本電気がアクセス時間15ナノ秒の4MbitSRAMを開発
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三井銀ソフト,アクセス時間20nsの4MbitSRAMを開発
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日電が15ns,三菱が20ns

三菱電機,2MbytesのSRAMカードを開発
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30万円

日立マクセル,3MbytesSRAMカードを開発
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35万円

AMDがRISCチップAm29000シリーズに対価格版を投入
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AMDがインテル互換CPUで市場を獲得するのはまだまだ先のことだった。

IBM,i860搭載の高速演算ボードを発表
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失敗作のCPUであるi860がこうして平然と記事になっている。記事で未来予測することは無理だという例だ。

H・Y・アソシーエーツが米Cyrix社の80386互換コプロセッサの国内販売を開始
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Cyrix社ははじめは数値演算コプロセッサの互換製品で商売していた。
以前は8086嫌いのせいでインテルも嫌いだった。Cyrixのインテル互換CPUも使った。
記念にCPUを取ってある。
CyrixMII-300GP66MHz表裏文字明度50up_W520.jpg
ただこのMIIシリーズも残念CPUだった。
ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第187回 CPU黒歴史 Cyrix最後の製品になるはずだったGobi

米Intel,80486に設計不良箇所を発見
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Intel CPUのバグはPentiumのときが有名だが、80486にもあった。

富士通がジョセフソン素子を使った8bitDSPを試作
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ジョセフソン素子を使ったCPUは日の目を見なかったが前段階での試作はあった。

千代田情報機器,国際間テレビ会議システムを発売
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今ではスマホでできるがこうして33年前の機器を見るとほのぼのとする。

FBIがウイルスディスク配布者を逮捕
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このころはディスクにウイルスを含ませディスクを配布していた長閑な時代だった。当然犯人は逮捕された。

コンピュータウイルスの脅威,ウイルス作成者を処罰
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作成者も特定されて処罰されていた時代だった。

米Adobe社のPostScript,著作権保護対象に認定
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文字フォントも著作権保護されるという当たり前のようなこともいちいち決めなければならなかった。

米メーカーが日本のチップメーカーを非難
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安ければダンピングだといい、高ければ値段を吊り上げているという。この頃のアメリカは日本を目の敵にしていちゃもんを付けまくっていた。

IBM,大型コンピューターで疑似脳波を発生
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シミュレーションには大容量のメモリと高速CPUが必要だが、33年前は大型コンピューターでしかできなかった。

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パソコン、ワープロ(月刊ASCII 1990年4月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からパソコン、ワープロの記事をスクラップする。

東芝がHDD搭載のDynaBookなどJ-3100シリーズに4機種を投入
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広告にあった。再掲する。
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私はDynaBook J-3100SS以外は興味がなかった。

日本電気がPC-9800シリーズにラップトップマシンの最上位機種を投入
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PC-9801T W2が54万8000円。一般ユーザ向けでなく事業所用か。

IBMがRISC技術を採用した高速処理WS6機種を発表
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当時はワークステーションなんて夢のまた夢だったが33年後ワークステーションどころかスパコンを使ている。なんとも幸せなことだ。

キヤノンがNeXT Computer Systemに40MbytesHDD内蔵モデルを投入
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ソニーがX-Windows対応のNEWSグラフィック端末を発売
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X-Windowsといえば目の玉だ。まだWindowsもないころだったから憧れがあった。今思えばなんであんなつまらないものに憧れたのかと思う。98のNEKOの方が可愛かった。

リコー,マイツールシリーズにA4版ノートマシンを投入
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Mr.マイツールMAGUS で 28万8000円。

情報工場,Macintosh互換ラップトップマシンを発売
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Macユーザは互換機でも満足できるのか?Appleのブランドが好きな人たちがMacを使っていたという認識だ。

キヤノンが通信/印刷機能を備えたAiノートを発売
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IN-5000が7万5000円

ソニーが手書き文字認識を行う手のひらサイズコンピュータと周辺装置を発売
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MSX出荷数が400万台を突破
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MSXがこんなに成功したとは認識していなかった。おもちゃだと思っていたがそうではなかったようだ。

沖電気,RDB専用マシンを発売
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ASTリサーチが16MHzの386SXを採用したPC/AT互換機を投入
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ブラボー/386SXモデル1/5Vが41万8000円。互換機と言っても決して安くはなかった。

ソニー,QuarterLにサーバータイプを投入
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キヤノンがバブルジェットプリンタ搭載の日本語ワープロを発売
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キヤノワードα50 価格は19万8000円。この価格で綺麗な文書を印刷できるのであれば、PC本体+モニタ+プリンタ+ソフトよりも圧倒的にコストパフォーマンスが良かった。結局当時はパソコンがあればなんでもできるという夢を買っていた。
以下ワープロの記事が続く。

東芝が初心者向けのラップトップ型日本語ワープロを発売
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Rupo JW88F 価格は16万5000円

リコーが印刷時間を短縮した日本語ワープロを発売
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リポート2400 価格は22万8000円

三洋電機が2インチFDD搭載の日本語ワープロを発売
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ES-E15 価格は9万円

日本電気が文豪miniシリーズにラップトップ型の新機種を投入
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文豪mini5RD 価格は18万8000円

ワープロの時代はまだまだ続いていた。

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パソコン広告(月刊ASCII 1990年4月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。
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この号も裏表紙は前号の使いまわし。

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98noteと大江千里。

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NECはPC-8801mcで未だに8bit機の広告だった。NECはブランド力があったので低性能のCPUでも売れたということか。

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NECのPC電子手帳ET。NECはPC-9801は黙ってても売れる客が指名買いしてくれるのでPC-9801の広告は減った。逆に富士通はTOWNSで懸命に広告をだしていた。

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左頁がPancomM LAPTOPの広告で前号の使いまわし

ASCII1990(04)a04X68000_W520.jpg
X68000は前号の使いまわし。

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X68000の周辺機器。

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IBMのPS/55Zは前号の使いまわし。

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シャープのポケコンPC-E 500。

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DnyaBook286 (J-3100GS021) 498,000円。
J-3100SS001(ボディカラーホワイトJ-3100SSW01) 198,000円
J-3100SS02E 328,000円
発展させたのだが魅力は全然なかった。最初のでいいんだ。

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本家のJ-3100は性能も価格も高い。
J-3100SGX 1,280,000円
J-3100GL 698,000円
J-3100SGT101 1,180,000円
J-3100GX 848,000円
J-3100GT 021A 648,000円

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右頁がOMRON LUNA

以下富士通TOWNSとFMRの広告で見開き12ページだった。
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前号の使いまわし。
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左と右は前号の使いまわしだが、それぞれ別のページにあったものを組み合わせたもの
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左頁は新しいが、右頁は前号の使いまわし。
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前号の使いまわし。
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電脳遊園地の広告。
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FMRは前号の使いまわし。

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Appleの広告。
Macintosh Plus
Macintosh SE
Macintosh SE/30
Macintosh Portable
Macintosh II
Macintosh IIx
Macintosh IIcx
Macintosh IIci
価格は出てなかった。

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EPSONは中島悟をイメージキャラクターに登用した。PC-286NOTE F

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左頁はPC-386M

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右頁がWORD Bank NOTE2で前号の使いまわし

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NeXTの広告は毎月おしゃれだ。

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LASER SHOT

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Apple と Cannon によるMacの広告

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キヤノンのNAVI。前号の使いまわし。

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キヤノンのバブルジェットプリンタ

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キヤノンのAXパソコンの広告は前号の使いまわし。

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SONYのパソコン広告

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SONYのクォーターエルの広告。

ASCII1990(04)a29NEWS_W520.jpg
SONYのNEWSの広告

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ASCII1990(04)a31一太郎_W520.jpg
一太郎の広告

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花子

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一太郎dash

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ジャストシステムのパソコン通信ソフト「かたろう」の広告

ASCII1990(04)a35TURBOPASCAL_W520.jpg
左頁はTURBO PASCAL

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Windowsの広告。Versionが書いていない。

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ロータス1-2-3 R2.2J

ASCII1990(04)a38マイクロデータ_W520.jpg
ASCII1990(04)a38瞬間AXE1_W361.jpg
ASCII1990(04)a38瞬間AXE2_W351.jpg
マイクロデータの瞬間AXE。実行ファイルを自己解凍形式で圧縮するソフト。後にフリーソフトで類似ソフトが出た。
容量が少ないDynaBookとか98-noteで使った。便利だった。

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ASCII1990(04)a40ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告が見開き4ページあった。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった。

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4月号からFUJI FILMのFDもイメージキャラクターを使った。
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賀来千香子だった。




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ハッカー英語辞典、編集室より(月刊ASCII 1990年3月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNの「近代プログラマの夕べ」にハッカー英語辞典があった。スクラップする。
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表1 キャラクタのさまざまな呼び方
文字ハッカー英語辞典日本のプログラマJIS(X0201)
!EXCEL,BANG,WOW,SHERIEKエクスクラメーション,ビックリ,オッタマ感嘆符
ダブルクォーテーション,ダブルクォート引用符,ウムラウト
#Hash mark,exclam,MESH,CRUNCHシャープ,イゲタ番号記号
$Dollarドル,ダラードル記号
%パーセントパーセント
&Ampersandアンド,アンパサンド,アンパサアンパサンド
'Single quote,forward quateシングルクォート,クォーテーションアポストロフィ,アクサンテギュ
(paren(OPEN)カッコ左小かっこ
)paren(CLOSE)コッカ右小かっこ
*Star,SPLAT,gearアスタリク,アスタアステリスク
,カンマコンマ,セデュ
.Period,dot,pointピリオド,ピリ,ポツ,ドットピリオド
/Slash,forward slashスラッシュ,スラ,シャー斜線
:コロンコロン
;SEMIセミコロン,セミコセミコロン
<Less than,left ANGLE BRACKETショナリ不等号(より小)
>Greater than,right ANGLE BRACKETダイナリ不等号(より大)
?QUES,queryクェッション,ハテナ疑問符
@At-sign,atアットマーク,アット,デンデン単価記号
^Caret,uparrowハット,ヤマ,チビタ,ベキジョウアクサンシルコンフレックス
_アンダーライン,アンダースコアアンダーライン
~TWIDDLE,SQUIGGLE,SQIGGLEチルド,ニョロ,アッパーオーバーライン
|Vartical barバー,タテボウ,パイプ縦線
「!」を若い子がエクスクラメーションと言っていて感心したが、聖闘士星矢のアテナエクスクラメーションで覚えたと言っていた。漫画も役に立つものだと感心した。
「#」はシャープと読んでいたが、今はハッシュタグがあるのでプログラマもハッシュと読んでいるのだろうか。
「()」カッコとコッカか。流石にそれは知らない。職業プログラマではないから仕方がない。
「*」をハッカーはアスタリスクと言わないのか。
「<>」は簡単にいう表現がないのか。
「?」をハッカーはQUESとな。クエスチョンから大して省略されていないのにそれを使うか。
「~」TWIDDLEだと。なぜチルドじゃないのか。素人はニョロと読んでいたが、私は素人なのにチルドと読んでいた。どこで覚えたのだろか。

「FROM THE EDITIORIAL OFFICE」の記事にPC-9800シリーズの特集記事関係の補足のようなものがあった。当時の自分を重ね合わせることができた。スクラップする。
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PC-9800シリーズへの期待

▲先月号からアンケートハガキのフォーマットを変更した結果,編集部に届けられる枚数が従来の5倍近くになった。マークシート方式に対する感想はさまざまで必ずしも好評ではないのだが,プレゼントコーナーの応募をアンケートハガキで兼ねたのが枚数増加につながったようである.が,それはともかくとして、読者の方々のご意見が自由に記入できる欄も広くなり,さまざまな,多くの感想をお寄せ頂いた.
▲そうした自由記入欄で従来から目立つパターンの1つに,「PC-9800シリーズの××が気に入らない.日電なんかだ~いっ嫌いだよ(といいながら98ユーザーの私。とほほ)」といったタイプのものがある.
▲今や日本のパーソナルコンピュータの代名詞的な存在であるPC-9800シリーズ。アンケート・ハガキによると,読者の過半数も98ユーザーであり,当編集部では編集スタッフのワークマシンにも,このシリーズを採用している(デザインスタッフはMacintoshIIシリーズを利用).ソフトウェアが豊富であることはいうまでもないが,周辺機器,各種ボードの類も充実しており,パーソナルコンピュータを気楽に楽しもうという人にも,無難に勧められるマシンといっていいだろう.
▲今月号では,そんなPC-9800についての特集をお届けした.他メーカー,他シリーズに比べて互換性の堅持を優先して開発されてきた98にも,いよいよ過渡期が訪れつつあるのではないか?新しいアーキテクチャとして期待されるH98は,いつ頃までに普及していくのだろうか?そうした疑問に少しでも答えられるように,日本電気,サードパーティの方々などの協力も得て,まとめてみた。
▲ワープロやパソコン通信での利用が多いぼく自身が一番気になるのは,漢字表示のドット数である。ハイレゾモードの98があるとはいうものの,それが主流と感じられるにはほど遠い状況だ.日本を代表するパーソナルコンピュータとして,PC-9800シリーズの今後に期待したいことは多い。  (土田米一)

「日電なんかだ~いっ嫌いだよ(といいながら98ユーザーの私。とほほ)」がまさにこれ。8bit機のマイコン時代から3機種目でPC-9801VX2を買ったが、まさに「とほほ」だった。この後PC-9801から離れ、ダイナブックを買って大満足したが、日電でなければいいのだとEPSONのPC-486GR5PC-486GR3を買ったのがまた「とほほ」だった。PC-9801シリーズは私には合わなかった。

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PC-9800シリーズ座談会(月刊ASCII 1990年3月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?の矢部 和博氏、兵頭 喜彦氏、日笠 健氏の座談会の記事をスクラップする。
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特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?の矢部 和博氏、兵頭 喜彦氏、日笠 健氏の座談会の記事をスクラップする。
パソコンはコンピュータの異端児である
――(本誌):最初に現在の98,あるいはパソコンとは何かというところから話を始めたいのですが.
矢部:よくいまのパソコンは一昔前のミニコン以上の性能を持っているといいますけど,これは少し語弊がありますよね。演算速度については,たしかにスーパーミニコンといわれたVAX-11も全然めじゃないわけです.ところが,それよりもずっと性能の低い1Mwordsしかメモリを搭載してないようなミニコンでも,端末を何台もぶらさげて動いていたわけですよね。あまりCPUパワーを要求しないようなユーザーインターフェイスがスタイルだったとかいろいろあるでしょうけど….
日笠:98などのパソコンとそうしたミニコンでは作られ方が違うということですよね。独立したアーキテクチャのマシンなら,そのときのCPUに応じたI/OやOSをバランスよく採用することができる.しかし,98などの場合は,ハードウェアもOSも10年近く前のを引きずっているわけですよ.
――: 仮想記憶や同じルーチンはメモリ上で共有化するといったことが行なわれれば,1Mwordsでもいくつものタスクが動くということですね。
矢部:CPUだけがやたらにパワフルで,やっている仕事は1人でワープロをポチポチ打っているという光景も珍しくない。
兵藤:しかし,パソコンは一般のユーザーが使い続けるものだから,それじゃというので,最高のバランスになるように,何もかも新しくしましたというわけにはいかない.
矢部:そうなんですが,そろそろ…,何らかの手を打ちたいという時期にきているわけです.

いやいや、それでも待たされることが多かった。ポチポチ入力が終わってからリターン実行とするとなかなか制御が戻ってこない。思わずハングしたのではないかとリセットボタンに手が伸びたことが何度もある。
IBMPCというよりもPC-8800の影を残す
矢部:98のアーキテクチャがなぜ,IBM PCのようにならなかったか,という点についてはどうですか。特にグラフィックスまわりは違いますよね。
兵藤:IBMPCが'81年,98のほうが'82年と後から発売されたんですよね。
日笠:その辺は,日電の場合,IBM PCというよりもPC-8800が先にあったわけです.それで,どうしても最初から高解像度のグラフィックスを標準搭載しなければならなかったと.もちろん,漢字の問題もあるでしょうね。パワーもいるので,というか漢字が16bitなのでバスも16bitのほうがよかろうということで,CPUは8088ではなく8086にしたと….
矢部:キャラクタVRAMの話ですが,画面のバックグラウンド,フォアグラウンドの色とかも88からきていて、いまの98になっているんでしょうね.漢字とか使うと(VRAM上の1文字あたりの)ビットに余裕がないんでしょ.
兵藤:空いてますよ。テキストVRAMは,漢字表示のためIBMの倍ありますから.アトリビュートも倍とれるはずなのに,半分しか使っていない。空いてるところに背景色を持たせていれば,IBMのように綺麗な画面になったのに.
日笠:FMRなんかは,完全にアドレスが分かれてますね。キャラクタ用,漢字用とアトリビュート用と...それがかえって混乱を招くこともあるけど.
――: アトリビュートについては,H98でやっと実現されましたね。
兵藤:98は,VRAM上では漢字を4bytesで表現してますよね。ところが,何か半角のデータを書き込んで半角ずれるとするでしょ。そういうときに,98はちゃんとずれてくれますよね。あの4bytesの構成がそういうふうにうまくできている.AXだとこういうことやるとドカッと化け てしまう。やっぱり,あの時点であれだけのものを出したというのは凄いと思いますね。
同感。98の悪口を書いてきたが、初期のころはそれは8086の悪口であって98のではない。8086がダメだから98はテキストVRAMやGDCを使って16bit機は8bit機より凄いんだぞと売り出した。8086ではこうまでしなければ8bit機との差別化が図れなかった。
ゆったりした大きなディスプレイが欲しい
矢部:しかし,テキストVRAMで漢字を表示するメリットはあったのかな?という気もしますが.
兵藤:いや、だって,エディタとかワープロとかを作るほうから見れば,やっぱり必要だと思いますよ。速度が全然違ってくる.
矢部:いままで日本でフルビットマップ方式を採用してメジャーになった機種はないですからね。
――: 98のようなテキストVRAMによる方式というのは特殊なのですかね.
兵藤:IBMPCは,漢字はないけど,VRAMにコードを書き込めばキャラクタジェネレータ経由でハードが表示してくれますね。モードを変えてフルグラフィックスにもできるけど,重ね合わせはできない,で,98では,それが両方できると….
日笠:単純な話,CPUのパフォーマンスがそれほど高くないときには,テキストVRAMも必要ということでしょうね。でもそれが386なみになってくると,ビットマップでもいいんじゃないか,と.ビットマップでやっているWindowsも,スクロールなんかは思ったより速く動きます.
――: CPUは,80386が当たり前になって,WindowsやOS/2のPMが普通に使われるようになったら,テキストVRAMの意味はなくなってしまう.
日笠:速度の面はいいと思うのですが,いまの98のディスプレイじゃね。漢字が16ドット表示でしょ。640×400ドットの画面ですからね。ちょっと悲しい。ハイレゾだと満足感は段違いですよ.もっとも,ハイレゾでも1画面に表示できる文字数は同じだけど.
――: ワープロの高級機なんかだとA4縦がそっくり入るようなディスプレイが付いているものがありますよね.WindowsやPMでは,そういうディスプレイも接続できるのですか?
矢部:問題ないと思います.その辺は自由ですよ。もちろん,OS側にそれをサポートするだけの機能を付加する必要はありますが….たとえば,大きなディスプレイ用のデバイスドライバなどを付加すれば,これまでのアプリケーションは,ディスプレイの大きさに関係なくそのまま動くはずです.
兵藤:大きなディスプレイを接続するという話の前に,PS/2やATで動いているWindowsやPMのソフトは,問題なく98で動くのですか.
矢部:有名なSIDEKICKという製品があるでしょ。あれのPM版を98のPMで動かしてみると、行間の設定がまずくて文字が3分の1くらい消えちゃうんですよ。あるいは,開いたウィンドウが,画面のサイズより大きかったり… 兵藤:実際には,ディスプレイに依存しちゃってるということですか。
日笠:IBMのEGAが350ラインで98が400ラインという違いのせいかな。でも,SIDEKICKがちゃんとやっていないからでしょ.行儀が悪いというか.
矢部:ドット数をちゃんと調べてから処理できるシステムコールは用意されているわけですから,お行儀が悪いのですね. ――: とすると,ソフトウェアメーカーがちゃんと作れば,WindowsやPMで機種に依存しないアプリケーションができると.
日笠:そうですね。将来的には,ユーザーは好みで,というか予算に合わせた大きさのディスプレイを選択できるようになると思います。
矢部:Sunの大きなディスプレイで,ウィンドウを4つくらい並べてみると98の貧弱な画面は見たくなくなりますよね。今後,ウィンドウ環境が中心になってくると,98にも,大きなディスプレイをという選択は,当然,出てくるべきです.:同じことは,ビジネスユーザーのほうは,もっと強く持ってくるでしょうね。
兵藤:そういう意味では,98もワークステーションに太刀打ちできるものが主流にならないといけない.

矢部氏はだめだ「しかし,テキストVRAMで漢字を表示するメリットはあったのかな?という気もしますが.」OSとかの仕事をしているから末端のユーザの思いが分からない。当時ユーザに訴えるには8bit機とは違うところだ。それは漢字表示の速度だった。8086では実現できないのでテキストVRAMを使った。
兵藤氏は良く分かっている。「いや、だって,エディタとかワープロとかを作るほうから見れば,やっぱり必要だと思いますよ。速度が全然違ってくる.」
日笠氏の「いまの98のディスプレイじゃね。漢字が16ドット表示でしょ。640×400ドットの画面ですからね。ちょっと悲しい。ハイレゾだと満足感は段違いですよ.もっとも,ハイレゾでも1画面に表示できる文字数は同じだけど.」も同感だった。しかしながら、知人で同じ思いをする人は少なかった。皆16ドット表示を受け入れていた。なんだろうな。この感覚の違い。
80386CPUが普通になるとき初めて変わる
――: さきほどからマシンのパワーにかかわる話が少しずつ出てきてますが,80386ということですよね。
日笠:386を使うメリットは,まず高速なこと.16bitデータの処理では80286とほぼ同じなのですが,当然のことながら32bitで処理すれば速いにきまっている.それから,プロテクトモードでは1セグメントが4Gbytesまでとれる.あと忘れてはならないのが仮想86モードでしょうね。
兵藤:去年あたりから386の仮想86モードを使って,EMSやバンクメモリのエミュレーションをやるソフトなども出てきていますね。これはノーウェイトの内部増設メモリで実現できるので,拡張スロットのメモリボードに比べてずっと速いし,スロットも食わない.
――: いま286マシンを買おうか386にしようかと迷っているユーザーも多いと思うのですが,286マシンは安いですからね. 兵藤:98なら何でもいい,というなら別ですが。いま買い換えるなら絶対386にすべきだと思います.
矢部:よくいわれるように,現在のところ286も386も「速い86」に過ぎないわけですよ。でも,ソフトを作る側からすれば,OS/2やPM用のアプリケーションを作れば機種依存しないわけですから,どんなマシンでも動くものが作れるわけですよね。つまり、市場を日本に限定する必要がなくなるわけです.その辺を考えると,やはり,今後は,386マシンのほうが有利ではないでしょうか.世界中に広がりつつある386マシンをターゲットにしたアプリケーションが増えることは十分に予想できます.
――: 現在のOS/2は,286を前提としているわけですよね。
矢部:OS/2も本命は386用だと思います。アメリカでは,間もなくOS/2の386対応バージョンが出てきます。386の後ろに486も見えてますけど,アプリケーションから見れば,386と486の差はまったくと言っていいほどないんですよ.まずソフトウェア開発キットが登場して,その製品版,日本語版というふうに考えると,我々がいろいろとアプリケーションを選べるようになってくるのに2年…,'93年には見えているでしょう.
日笠:あと,386の仮想86モードを使う環境として,WIN386(MS-Windows/386,もしくは今後の386対応のWindows)にも期待できますね.ウィンドウの中で従来のMS-DOSのアプリケーションが動いちゃうわけだから.ウィンドウの数だけ8086を積んだマシンとして使えますね。
矢部:ただ,WIN386だと結局86だから.
――: WIN386だと,386のネイティブな性能を生かせない?
日笠:仮想86だと結局はリニアにとれるメモリが1Mbytesだから,極端な話,1Mbytesを超える配列は宣言できないということでしょ。その辺で,OS/2にPMというセットとMS-DOSにWIN386というセットが差別化されてくるわけです.というかPMのほうは特定用途向けの業務用で、いまの普通のユーザーはWIN386のほうに行くんじゃないかと.
兵藤:ハードを直接触ってるソフトも,そのままWIN386の上で動くんですか?
日笠:危ないというか,I/Oいじったり,割り込みベクタとっちゃうようなアプリケーションでも結構よく動きます.シリアル通信には弱いですけど….
矢部:そういうのは,普通のMS-Windowsじゃできないですよね.WIN386ならいまのMS-DOSを延長しつつWindowsも利用できると.
――: WIN386の提供する世界が,現在の個人ユーザーをいちばん幸せにする世界だということですね。
日笠:ただし,OS/2にしろ,そのWIN386にしろ,実行するにはかなりのメモリとディスク容量が必要ですよね。メモリが8Mbytesくらいが標準になってくれないと.WIN386のほうは,4Mbytesくらいかな.Windows系とPMの操作性は共通化されるようですから、結局ユーザーはハードウェアにかけるコストで選ぶようになると思いますよ。
――: そこまでくるとマシンに依存しない環境なわけですから,マシンを選ぶのではなくて,マシンパワーを選ぶという形になるということですか.
日笠:そう思いますね。もっともWIN386上なら他のハードウェアに依存しているソフトが動くかといえばそれはだめですけど。
兵藤:とはいっても,Windowsがすべてではありませんから。ゲームもやりたいし.
矢部:さきほど出た話ですけど,ディスプレイなどの表示系を何とかしないと98 も安穏とはしていられないですね.
兵藤:それでようやくH98が出てきたと.
日笠:いまのところ,ハイレゾのディスプレイが付いて中身はPS/2のIBM 5530Zあたりは、面白いですよね。価格も安いですし.
――: ここまでの話をまとめると,WindowsでもOS/2でも大きな動きはないが,386が普通になったときをポイントにして変わってくるということのようですね。'92年頃には386の価格が286の価格と逆転するという予測もあるといわれています。
矢部:さきほどの386対応のOS/2の普及時期とほぼ同じです.

この特集記事もここにきてようやくまともになってきた。アスキーのOS/2推しとかNESAにおもねた記事とは違う。部外者の発言が未来予測ができている。アスキーは未来予測ができていなかった。
10年でオモチャが事務機になった,こんどの10年ではどうなる
――: ハードやOSについては,形がある程度見えてくるわけですが,もっと全体的な展望みたいなところはどうですか.
矢部:現在の98は,ビジネスというかデータ処理のためのマシンという性格ですよね。これからどういう方向を指向していくのかですね。
日笠:ゲームやるには色は出ないし,音も出ない。家で98持っている人は,何やってんでしょうね。
矢部:やっぱりDOSの文化というか,ワープロなどの文字ベースの処理でしょうね。
日笠:パソコン通信している人もいるけど,まだ少ない.
矢部:WindowsやPMがちゃんとすれば,使う側,つまり買う側にとっては,どのマシンであろうが関係なくなってきますよね。極端なこと言えば,98であろうがMacintoshであろうが関係なくなると思うんですよ.結局,ソフトを作るのはハードメーカーじゃなくて,ソフトハウスなんだから,操作性などに問題がないのなら,市場が大きいとか,ソフトが載せやすいマシンがいろんな方向に展開していくんでしょうね。
日笠:たとえば,ホームコンピュータとか,マルチメディアとかありますけど,そこに現在の98が関係しているとは思いにくいんですよ.Macintoshなどは,ナレッジナビゲータのような形で将来のビジョンを示してくれていますけど,日電は,何もビジョンを示していないんじゃないかと.とりあえず求められるマシンをパワフルに開発しているのは分かりますけど….日本でリーダーシップをとっているメーカーなんだから,少しはビジョンを見せてほしいですよね。
――: 我々ユーザーはバラバラにいろんなこと言っていると思うのですが,メーカーが夢を形として語ってもいいんですよね。
兵藤:ホームコンピュータというのなら,10万円以下で,3.5インチFDDと1Mbytes程度のメモリを持っていて,色も音も豊かで,しかも家庭用テレビにつなげられる。ちょうどAmigaのようなマシンが何で出てこないのでしょうか?TVゲーム機から一歩も進んでいない.
日笠:本格的なマルチメディアというのが,いろいろ言われていますけど、何とかなるのは今世紀末というレンジで見ると,まだ何ともいえませんが.
――: それは,もはや現在のパソコンとはまったく別の製品でかもしれませんね。
矢部:もともと,我々にとって10年くらい前のマイコンやパソコンはオモチャだったわけですよ.それが,いつのまにか事務機器になっている.これからの10年で,こんどはどんなものになるかということでしょうか.無責任な言い方をすれば、いまのパソコンが,この10年でどう変化すべきか、非常に興味がわきますね。いずれにしても,単なる事務機ではすまないでしょうね.
日笠:また,オモチャになってほしいなという部分もありますね。機械いじり的な楽しさじゃなくて,もっと別なものですけど。そのためには,音や絵が出るとか喋るとかというのは最低限の条件として,いろんな通信メディアとの関係もあるでしょう.98が示せば,いまでもどうにかなる部分はあるかもしれません。 ――:
そういう部分でも思い切って引っ張ってほしいですね.

DOS/Vの成功を除くと、他は10年後の2000年も大して変化なかった。OSはOS/2が消えWindows2000とWindowsMeだった。CPUは486だった。ゲーム機も任天堂のスーパーファミコンがやっと出たところだった。PentiumもWindows xpもプレステもセガサターンも無かった。
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PC-9800シリーズサードパーティアンケート(月刊ASCII 1990年3月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?のサードパーティ・アンケートの記事をスクラップする。
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当時のサードパーティのNESAに対する感触を知ることはNESAの今後を予測できたのかどうか分かるかもしれない。


PC-9800のメインターゲットは,RAとRX
1:製品開発時に,最もターゲットとするシリーズ中の機種は?(複数回答)
 他機種を大きく引き離してRA,RXという現行のメイン機種がだんぜん多い.これは当然だろう.UV,CVは,1年以上もモデルチェンジがないためか,対象から外されていることが分かる.
 特徴的なのは,LTがまったく無視されているのに対して98nには積極的な点だ.LTに人気がないのは,やはり互換性に問題があるためだろう。一方の98nは互換性をクリアしているだけでなく,ノート型が時流に乗っているためだ。n松や一太郎dushのような,RAMディスク+1FDDで動作可能な“軽い”アプリケーションが,98nをメインターゲットにして数多く登場してきそうだ。今年の注目点は,軽いアプリケーションかもしれない。軽いという言葉には,プログラム容量が小さく価格が低いという両方の意味が込められている。98nをメインにした軽いアプリケーションのブームが到来すれば,拡張メモリやHDDにも多少の波及効果が生まれるかもしれない.


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「特徴的なのは,LTがまったく無視されているのに対して98nには積極的な点だ.LTに人気がないのは,やはり互換性に問題があるためだろう。」これはもっともだ。いまさら何を言っているのか。アンケートととるまでもないだろう。どうしてPC-98LTが受け入れられると思っていたのか。98という名前の威力はあったが互換性が売りで販売を伸ばしてきたのだから、たとえ性能が良くても互換性がなければ売れない。そんな市場にしたのはユーザとNECのせいだった。

現行マシンは遅い,グラフィックがダサイ,仕様が少しずつ違う
2:スペックにおいてネックとなる部分があるか?
問題ありと答えたメーカーが圧倒的に多い.
3:ネックとなる部分はどこか?
 意見の多くは,「標準で搭載しているメモリが少ない」,「ディスプレイの拡張性がない」,「グラフィック能力が低い」,「シリーズごとにスペックが少しずつ違う」,「処理速度が遅い」などに集約された。中でも,拡張性やグラフィック能力の低さ、互換性を指摘した声が多い.これらは,特集の冒頭で指摘した点とほぼ同じ内容で,各社ともNESAバスがこれらの不満を解消してくれると考えているようだ.
 周辺機器メーカーでは,DMAまわりの能力不足を指摘しており,NESAバスに対する期待が大きい。代表的な意見は,「I/Oスループットが遅すぎる。特にDMA周辺は時代遅れ。CPUもまだまだ遅い.クロックを上げ,命令+データキャッシュ型のCPU(たとえばH98)のようなマシンがほしい」(アイシーエム)だろう.今後登場するマシンには,グラフィック能力やバスの強化と標準搭載メモリの増量が望まれているようだ。


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NESAバスに期待していたのか。私がNESAの記憶がないのはDOS/Vに移ったからか。PC-9801に関心なくなったからだろう。

32bitマシンとしてNESAは当然のバス
4:NESAバスをどのように評価するか?
 「PC-9800シリーズの32bitバスとしては妥当」(ダイナウェア)に代表される基本的に賛成という意見が多く,期待が集まっているようだ。「32bitマシンでは当然のバス。これを基準にして次第に良い環境に向かうと考える」(エー・アイ・ソフト)が代表的な声だろう.中には,「マルチCPUなどは評価できる」(京都マイクロコンピュータ)の意見もある.しかし,「良いと思うが,基準仕様の公開という点に問題あり。セカンドメーカー(エプソン)にどんどん公開すべき」(アイシーエム)という条件付きで賛成という意見もある.
 否定的な意見では,「(日電は)意欲的だが,現行バスの影を引きずっているのが残念」(メガソフト),「スループットのスピードは魅力だが,仕様としてはあまり興味がない」(ハドソン)などがある.総合的には,まだNESAバス自体の全体像を把握していないためか,技術的な評価は見られなかった.


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日電が本腰を入れれば,NESAはスタンダードになる
5:将来,NESAバスはPC-9800シリーズの標準となるか?
 標準となる具体的な時期については,ばらばらだった.これは,PC-H98がまだ発売されておらず,評価ができない点も考慮する必要があるだろう.4の設問で明らかなように,期待が集まっているにもかかわらず,スタンダードになるかは疑問という意見が多い.
 「『なる』と答えましたが,それは価格やラインナップの点で日本電気が本気になればということ.そうでなければ現行マシンにおけるハイレゾマシンと同じ運命でしょう」(ブロダーバンドジャパン)という意見に代表される.大多数は,日本電気の出方を待って判断しようとしている.
 また,「いわゆる一般ユーザーが今のバスより速いバスを必要としているとは思えない」(デービーソフト)という意見もあり,32bitマシンの中でもNESAモデルと現行モデルのように二分化が行なわれると見る向きもある。また,「NESAとOS/2を使うのは企業レベル,個人レベルでは不要と思われる」(ライフボート)という意見に代表される考え方があるのも事実だ.
 メーカー各社が,NESAのスタンダード化に少なからず疑問を持っている限り,対応する周辺機器の登場は遅くなるだろう.しかし,日電インタビューでも明らかなように,年内に発表されるNESAマシンのバリエーションによっては,この姿勢が大幅に崩れることが予想される.


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OS/2は'92年以降Windowsl'91年後半に本格化する
6:OS/2(PM)やWindowsの使用が本格化するのはいつごろか?
●OS/2
 大半は,'92年以降と見ている.つまり,予測できないというわけだ。PMがやっと発売になったという状況だから,本格化にはまだ時間が必要ということだろう.本格化しないという意見は,「現行マシンには重すぎ,OS/2のメリットがない」(アイシーエム)や「現行の80286レベルのマシンでは重すぎる」(ライフボート)というもの.NESAマシンが市場に投入されていないだけに,こうした意見が出るのはもっともだ。プログラムマナーの修得に1年,応用開発に1年と考えれば,'92年以降という時期は妥当なところだろう.しかし,NESAマシンの大量発表が順調に進めば,'92年中にもOS/2は本格化するかもしれない
●Windows
 約半数が,'91年後半までに本格化すると答えた.Excel,PageMakerなどのアプリケーションがすでに販売されていることもあり,OS/2よりは本格化する時期が早そうである.中には,'90年前半という意見もある。これは,すでに販売されているアプリケーションがあることを前提にしているようだ。アプリケーションの充実によっては,本格化の速度が急速に高まることも考えられる.本格化しないとする具体的な意見はなかった.


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アンケート結果は妥当だったが、ここでもアスキーのOS/2贔屓が目立つ。いい加減にしろという感じだ。アスキーはこんなに予測がダメだったのかとあきれてしまう。

機種依存はある程度脱却できる
7:OS/2やWindowsによって,PC-9800シリーズの機種依存から脱却できるか?機種依存がなくなった場合,差別化は可能か?
 「脱却できる.メーカーに関係なくコストパフォーマンスの優れたマシンが支持される」(デービーソフト),「MS-DOS上のほとんどのソフトがOS/2で動けばあり得る」(ライフボート),「OS/2では標準的な開発をすれば機種依存できないと思う」(ブロダーバンドジャパン)などが脱却派の声だ。しかし,日電がソフトウェア資産の継承を前提に付加機能(機種依存)の方向性を示唆していることは確かだ。「周辺機器の問題が大きい,パフォーマンスを上げようとすれば機種依存する」(ダイナウェア),「限られたソフトについては脱却できるが,移植されないソフト資産がある限り無理」(エー・アイ・ソフト)などが現行維持派の見方だ。否定的な意見の大半は,GUIによって依存性は脱却できても,ハードウェアによって差別化がなされるというものだ。
 しかし,ハードウェアの差別化は,すでにNESAバスによって始まっていると もいえる.


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 「MS-DOS上のほとんどのソフトがOS/2で動けばあり得る」はOS/2をWindows95にすれば合っていた。Windowsでなければ動かないソフトが市場に溢れ、Windowsに移植されず、MS-DOSのみで動くソフトは使われなくなった。

ソフト/ハード資産がある限り,PC-9800の寡占状態は続く
8:PC-9800シリーズの市場寡占状態は今後も続くと思うか?
 圧倒的に寡占は続くと見ている.現状のソフト/ハードの豊富な量が続く限り,市場寡占状態は変わらないというのが大方の見方のようだ。機種依存については意見が分かれたが,依存性は薄れても寡占状態は続くと見ている。大多数のサードパーティが,寡占状態は続くと見ていることからも,ソフト/ハードの豊富さは,今後とも変わることがないと思われる.つまり,PC-9800シリーズは日本の標準マシンであり続けるというわけだ。

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「ソフト/ハード資産がある限り」とあるが当時から不満を抱えながらPC-9801を使っていた。ソフトの資産?そんな立派なものだったか?事務処理関係のソフトは使いながらもうちょっとなんとかならんのかとイライラしながら仕事をしていた。美少女ゲームソフトは資産かもしれない。シムシティなどの移植ソフトは98でなくてもいいし。ゲームならゲーム機の方がいいし。残るは自作ソフトなのだが、それは資産と言えなくもないが、素敵な機械に変われば移植することは楽しみにもなる。ハードも資産とならないだろう。5年もたてば燃やせないゴミだ。昔は金をどぶに捨てるような買い物をしてさらにその処分にも手間がかかるという時代だった。今の仮想化された状態の方が良い。手元にハードを置かなくてもネット上にありふれるほどある。このブログもネット上にある環境(自分の所有物ではないが資産といってもいいだろう)で作っている。

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PC-9800シリーズ日電インタビュー2(月刊ASCII 1990年3月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?の日本電気(株)情報処理製品計画本部第二製品部計画課長 小澤 昇 氏、第二製品部主任 依田 高志 氏、日本電気ソフトウェア(株) OAシステム事業部主任 原 豊氏のインタビュー記事をスクラップする。
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 PC-9800シリーズの商品開発を担当する小澤 課長を中心に,NESAバスとPC-H98model70の周辺状況についてインタビューした.「NESAの開発時に,MCAやEISAはほとんど参考にならなかった.最も重点を置いたのは、資産の継承というポイント」と語る.

OS/2で通信をすればNESAの威力が体感できる
――Windows386とかOS/2+PMといったプロテクトモードの環境に対応するNESAバス対応ボードには,どういったものが考えられるでしょうか?
小澤 NESAバスではバスマスターの機能をサポートできたため,インテリジェントな拡張ボードの装着が可能になりました。つまり,ボード独自の効率的な処理が可能になるわけです。たとえば,ページ記述言語とかアウトライン処理を行なうような場合に使うモニタ用ボードとか,PC-H98model70でお見せした高機能860CPUボードとか,マルチメディア対応のAVボードなどが考えられます。当然,それらは現行より使いやすくなると思います。また,ソフトウェアを作られる方にとっては,作りやすいユーザー環境になるでしょうね。
――現行のPC-9800シリーズでは,マルチメディアの条件になるようなサウンドとカラーが課題として指摘されると思うんですけれども,NESAバスはそれを向上させるポイントになります?
小澤 NESAバスを使う有効性という点では,ビデオを扱うような分野ではかなり期待ができると思います.VP-1000のようなAVボードをNESAバス対応にして,もう少しいろんな機能を入れていくということが,方向性として考えられます.それからマルチメディアということでは,オーディオも重要な要素であると思いますから,考えなければいけないでしょうね。ただ,使いやすさという条件の他に、作りやすさというまた別の条件も出てきますから,すべてをひっくるめて考えなければいけないでしょうね。通信系では,高速回線アダプタやISDN対応ボード,Ethernetボードを5月から出荷する予定です。
 この他にも,サードパーティ製のボードがいろいろと出てくるでしょうね。PC-H98mode170は,サードパーティからも高い評価を受けておりますので,各種のボードが出てくるんじゃないかと期待しています。

――ユーザーが体感できるNESAマシンの使い心地はどうでしょうか?
依田 セットアップがしやすいという点が特徴としてあるでしょうね.NESAバスはセットアップを自動的にやってくれるわけですから.現行のように,ボード上でカチャカチャとディップスイッチを設定する必要はなくなります.
 体感という点では,通信なんかやってるとメリットが一番分かるのかなと思うんですが.どんな感じかを言葉で表現するのは難しいですね(笑)。本当に体感できる環境は,OS/2やWindows386でしょうね。ある程度高度なOS環境で利用すると,より目立ちやすいということはあるでしょうね。

――やはり80386のプロテクトモード環境で使うことがお勧めでしょうか?
小澤 いや,別にそういう制約を設けているわけじゃありません。マシンに高度な使い方を求める場合は,ソフトウェアの処理がかなりヘビーになるわけですから、円滑に動かすならNESAマシンがベストということです.つまり,アプリケーション側の要求を満たそうとすれば,自ずと環境は決まると思うわけです。
――ボードメーカーやソフトメーカーの多くは,'92年くらいからNESAバスは面白くなってくると見ています.それは多分,OS/2などの普及と絡めて考えていると思うのですが,NESAマシンが本格化するのは,そのくらいからとお考えですか?
小澤 あと2年待たなければ普及しないだろうとは思っていません.もっと早く普及してもおかしくないと思います。実際には,そのつもりで製品化をしています.
――H98model70のイメージは、IBMのPS/2モデル70が出てきた時と妙に重なってしまうのです.PS/2シリーズでは,モデル70の下にラインナップがありました.それとオーバーラップして考えると,今後,40万円台のNESAバス搭載マシンが,すぐに出てくる可能性はないのでしょうか?
B>小澤 ご指摘のように,NESAバスの課題は低価格化と高機能化です。しかし、具体的に40万円か60万円かという価格のレベルは今はお答えできません(笑)。ただ低価格化というのは重要な要素です.それから,パーソナルエンジニアリングワークステーションみたいな高機能化というのも重要な要素だと思います.NESAマシンの利用形態としてまず考えられるのは,現行のPC-9800シリーズでは機能的には必ずしも満足できなかった方が,より高度な利用形態を求めるためにPC-H98model70を購入すると考えられるわけです。だから,高機能化という点ではすでに動き出しているし,それが低価格化の方向に動けば,新しい文化として開かれる可能性を持っていると思います。

――現行シリーズの中心をNESAマシンに移行する.長期的にはそうだと思うのですが,短期的にはどうでしょうか.
小澤 短期的には,たとえばノート型マシンがNESAバス対応になるかというと,それは現実的ではないでしょうね。そういう意味では,現行のPC-9800シリーズのアーキテクチャとNESAバスアーキテクチャとは併存するというのが事実だと思います.ある日突然に,NESAでPC-9800シリーズを固めて,アーキテクチャをつぶしちゃうなんてことはあり得ません(笑)。
――NESAマシンを次々に発表していくという計画はあるわけですよね。
小澤 もちろんどんどん発表していきます.H98model70だけで止めるつもりはまったくありません.それは,発表時から申し上げていますよ(笑)。もちろん,下方展開があることは明らかです.ただし,下方展開と言っても,性能を示す時の下方と,価格を示す時の下方という2つの意味があるわけです.これらの要素を考えると,少なくとも80286マシンでNESAバスに対応するということは,要求される性能レベルでは難しいでしょうね。じゃ,価格ではどうですかというと,これは,現時点では申し上げられないというのが実情です.ただ,NESAバスが普及するためには,価格は大きな要素でしょうね。それは認めます。
NESAが「あと2年待たなければ普及しないだろうとは思っていません.」と書いてあるが、NESAマシンは実機を触ったことも見たこともない。だいたいどんな製品が発売されたのかも覚えていない。
前のインタビューで「PC-9800シリーズだけで300万台近く普及しているわけですから」とあるがNESAマシンはその何%出たのだろうか。1%の3万台でたのか。
高額なNESAマシンはUNIXマシンに対してアドバンテージがあるのだろうか。98のソフトの一部が使えるなんてアドバンテージにならないと思うのだが。
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NESAバスのコンセプト作りでは資産の継承を第一義に考えた
――MCAとかEISAとNESAバスを比較した場合,明らかに違う点はどのような点でしょうか?
原 MCAと比較すると、互換性が最大のポイントですね.現行シリーズの資産をそのまま継承しているわけですから.また,データバスやアドレスバスという点で見ると,MCAはデータバスが16bitでした。そのあとで32bitバスも発表しましたけれども.一方のNESAバスは,最初から32bitバスを採用しています。転送能力は,MCAが20Mbytes/秒ですが,NESAバスは33Mbytes/秒と高速ですね.
――コネクタの形状は,MCAやEISAと比べてどうでしょうか?
依田 現行シリーズとの互換性ということを考えてボードの大きさを変えていません.MCAでは,ボードのサイズやコネクタの形状も完全に変えていますので,開発側からすれば,最初からやり直すという感じになると思いますよ。
――NESAバスを企画する際に,EISAのコネクタ形状とかを参考にしましたか?
小澤 EISAのことはあまり考えませんでした。我々は,PC-9800シリーズの資産を継承することを第一義的に考えますから,コンセプトとしてのMCAやEISAはほとんど見ていないのです。でも,偶然の所産としてスペック的に似ている部分は多少あるかもしれませんけれども。EISAのポイントになっているPC ATバス(ISA)のボードを継承するというコンセプトは,PC-9800シリーズでも同じように重要であると考えていますから.
――80386CPUを搭載したPC-9800シリーズにNESAバスを搭載して発売するとしたら,価格を含めて整備していかなければいけない問題はどのあたりにあるでしょうか?
小澤 当然ですが,安くするという路線はあります。メーカーとしては生産性の効率化がとても重要ですから.それと,トータルのサポート体制の充実,これをとにかく考えるということが必要なんじゃないかと思います。
――将来的に,現行シリーズのBIOSまわりはどういう形になっていくんでしょうか.NESAバスとOS/2の環境になった場合は,ダイレクトにハードウェアにアクセスするということがなくなるわけですよね。そうなってくるとBIOSの中身がどうかという話とは別に,BIOS自体を根本的に書き換えてしまうという発想もあると思うのですが.
原 NESAバスの性能を生かすために書き直すということはあり得ます.ただ,その場合にも資産の継承性と連続性ということがポイントになるわけですから,過去のシステムコールとNESA固有のシステムコールのどちらかを選ばなければいけないというケースが,今後は出てくるかもしれません。しかし,あくまで継承という第一義があるわけですから,それは当然,両方残すということになると思います.
――たとえば,現行シリーズから完全にNESAシリーズに移行した時に,BIOSをガチャンと変えてしまうという計画はないのですか?
原 そうですねぇ.例を言いますと,現行の16bitバスに対してNESAバスではDMAのチャネルが拡張されているわけですが,実際にはそのあたりのBIOSを直接使ったアプリケーションが世の中にいくつかあるわけです。だから,NESAマシンには従来のインターフェイスをそのまま残してあります.その上で,DMAを8チャネルに拡張して,それに対応するインターフェイスもわざわざ用意しています.あとは,サードパーティの方々に,できるだけBIOSを直接コールするのは止めてくださいとお願いしているんです.そういう方法で少しずつ変わっていかないとダメでしょうね。だから,現状では大きくガラッと変えることは考えておりません。将来的にシリーズがNESAマシンになってしまうとしたら,それまで徐々に徐々に変えていこうというわけです.つまり,NESAバスもあるけど,16bitバスもずっとあり続けるという感じでしょうか。たとえば,ノート型マシンではNESAバスはなかなか難しいわけですから.
 それよりも,OS/2+PMとかWindows386によって吸収される部分もそうとうにあるでしょうし,結局,NESAバスはそれらとの組み合わせが重要になってくると思うわけです。

――そうなると,差別化という問題が出てきますよね。基本的には,すべてのコンピュータで同じソフトが走るというわけですから.そこで,日電が差別化をしようと思えば,たとえばOS/2とPMの環境で日電固有のシステムコールを用意することが考えられるわけです。NESA対応のモニタボードがあるとしたら,それをコントロールするドライバを付け加えて,そのモニタをフルに使うためには,ドライバを使うほうがいいということにする。そういうことでハードウェア側から差別化してしまうと,日電のOS/2マニュアルを読んでいるだけではどこが差別化されてるか分からないわけですよね。そういう点は,どう考えられますか.
小澤 基本的には,共通基盤が増えれば増えるほど,メーカー各社はカスタムLSIのレベルでソフトウェアを高速化しようとします。まったく共通基盤になったら,メーカーとしての商品の独自性というのは何もないということになってしまいますから.処理能力の向上を目的にしてハードウェアまわりで頑張るということですね。それは別に否定するものではありません。ただ,OS/2にしろ,Windows386にしろ,UNIXにしろ,プラットホームというところを逸脱してまで曲げようとは考えていません。
――次世代のPC-9800シリーズはこういうものにしたいと,NESAバスによって暗黙のうちに語っていると思うのです。実際的には,よりコンパクトなボディにしていくとか,よりカスタマイズして基板をシンプルにしていくとか,供給するOSをより効率的に動かせるようにしていくとか,いろいろなタームがあると思うんですけれども,その中で特に重点を置きたいというポイントは何ですか?
小澤 それ全部(笑)。
――イヤー,プライオリティーを付けるというのは、なかなか難しいというのは分かりますが(笑).
小澤 答を先に言われちゃって,さあどうだと言われてもそうですとしか,ネェ(笑)。
依田 そのためにNESAで基盤を整えたということなんで,分離して進むものじゃないわけですよ(笑)。


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多機能マシンやマルチメディアは現行のPC-9800シリーズでも可能だ
――NESAバスをきっかけにして,たとえば多機能マシンのような方向性は考えられませんか?電話とかファクスとかいろいろなものを装備して,マルチメディアの環境も取り込んでいくような.
小澤 うーん。電話とパソコンを物理的に組み合わせて多機能ナニガシというコンセプトと,マルチメディアというのは本来違いますからね。
 マルチメディアというのは,少なくとも我々の認識では,複数のメディアをお互いに関連付けて取り扱えるものだと思うのですよ。ただ、ある時は電話が使えます,ある時はファクスですというのでは,それは機能が合体しただけですからね。
 ただ,多機能ナニガシにNESAバスが必要かといったら,どうも必要なさそうだという感じがします。つまり,独立したコンポーネントが組み合わさればいいという話だったらNESAバスの必然性はあまりないですからね.
 一方のマルチメディアについては,現行のPC-9800シリーズでもアクセスができるかもしれないし,よりパフォーマンスが求められるようであれば,NESAバスが登場するかもしれない.そのあたりの判断は,マルチメディア自体がどこまでやるのかというレベルになると思いますよ.しかし,正直に申し上げれば,現行のPC-9800のアーキテクチャでマルチメディアができないとは,我々は決して考えていません。PC-9800のアーキテクチャが古くなってるとか,陳腐化したとは思っていませんから。
 マルチメディアが,すべてNESAバスでなければ実現できないということはないでしょう.ただ,NESAバスが,そういう事象に対応できる可能性を十分に秘めているのは確かです。逆に,NESAバスでマルチメディアをどのように具現化するのかという課題はあります.

――たとえば,サンプリングもできるようなサウンド機能と動画を含めたビジュアル関係が全部処理できるAVボードや通信関係をほとんどサポートしたコミュニケーションボードがNESAバスにささったマシンと,それに対応するハイパーテキスト風のソフトウェアがPM上で動いていて,その他にハード的に留守番電話やファクスなんかも付いているとすると,ホームユースではけっこう面白いのではないかと思うのですが.
小澤 そういう製品は面白いですね。ただ、我々はそこに1つの状況負荷を入れたい。ああ、やっぱりPC-9800のソフトを使っていたんだというのをね。結局のところ,マルチメディアにしても多機能ナニガシにしても、現在の豊富な資産の延長線上にあるものだと思うわけです。決して,降って湧いたものではない.今,描かれた世界は確かに素晴らしいでしょうが,PC-9800の資産は,そこに当然吸収されているべきだと思うんですよね。そういう点では,シリーズで蓄積した資産をベースにしてそこまでいかなければどうしようもないと考えます.
結局NESAによるパソコンの未来は無かった。

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PC-9800シリーズ日電インタビュー1(月刊ASCII 1990年3月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?の日本電気(株)情報処理製品計画本部長の発田弘氏のインタビュー記事をスクラップする。
当時天下を取っていたPC-9801シリーズの今後の展開について業界の今後をどのように予測していたのかを知ることができる。また、予測が外れた部分はどこでどうしてなのか分かると良い。パソコン業界のことだから数年先は予測できるとしても10年先は無理だと思う。2000年のOSはWindows98 Second Editionだった。PC-9801の互換性維持は足かせでしかなかった。PC-9801はブランドイメージだけで市場を獲得していた。Windows98でPC-9801でなければならないところは何もないということを私の周辺は思っていた。
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予測は外れるものだとスクラップして確認した。ということは現在の色々な予測もきっと外れるだろう。このスクラップは鵜のみにしてはいけないという教訓となる。
「PC-H98model70は,現行のPC-9800シリーズの高機能版ではない.まったく新しいアーキテクチャとして考えてほしい」と語る発田本部長に,'90年代のシリーズ展開を中心にインタビューした.

やはり,OS/2は32bitマシンの中心OSだと思う
――NESAマシンの発売によって,'90年代のPC-9800シリーズはいよいよバリエーションが豊富になってきました。'90年代のマシン展開は基本的にどう考えていますか?
発田 現行のPC-9800シリーズ上で流通しているMS-DOSを中心とした1万本弱のソフトウェアは大切な資産ですから,'90年代を通してこれらを継承していくという立場は変わりません。ただ,32bit時代とともにOS/2が要請されており,我々も力を入れてやってるわけです.パーソナルコンピュータが次第に高性能なもの,特に32bitになってくると,一般家庭は別として,企業では使い方がずいぶん変わってきているわけです。スタンドアロンの環境ではなく,いわゆるネットワーク環境で使いたいとか,あるいはホストコンピュータとリンクして使いたいとか,新しい要望が強く出てくるようになりました。従来のPC-9800ではあまり使われていないそうした環境に対応していくには,MS-DOSではなくOS/2くらいの機能が必要だと考えています。ですから,32bitマシンに求められる本来の要望に応えていくという意味では,OS/2は重要な位置にあると考えています.
――OS/2の現在の状況はどうですか?
発田 今は予想より普及率が低いようですね。伸びも予想より低いです.
――どのぐらいでしょうか.
発田 出荷しているのは,累計で1万本足らずです.ただ,この数字は今後急速に増えていくと思いますけれども,現状では,まだアプリケーションソフトが十分でありません。OS/2だけでは仕事になりませんから。米国を見れば分かるとおり,予想より若干アプリケーションの登場がずれこんでいますから.

――アプリケーションのリリースの遅れの原因はどこにあると考えますか?
発田 まず,肝心のPMが出てきたばかりだという点があります.また,OS/2を動かすための環境がまだ完全に整っていなかったということもありますね。たとえば,メモリやハードディスクなどは,MS-DOSに求められる以上のものが必要だということが徐々に明らかになってきていると思います.
 最初は高スペックばかりが目についたOS/2ですが,実際に使ってみると十分に実用に耐える性能を出そうとすれば,やはりメモリがたくさん必要だし,ハードディスクは大容量でなければいけないということがやっと分かり始めているのではないでしょうか。もちろん,OS/2が,長期的に見て駄目だということではありません。我々としては,32bit時代の中心OSだと思っています。

――そうすると,MS-DOS+Windows386という組み合わせより,OS/2+PMの比率が多くなるとお考えですか?
発田 それは分かりません。機種展開によって使われるシーンも違いますしね。いちがいには言えません。
――PC-9800で本格的にOS/2が使われるにはどのぐらいかかるでしょうか.5年くらいですか?
発田 2000年になったら本格的に使われているでしょう.しかし,3年先なのか5年先なのかというと,いろいろな調査会社の報告がありますが、なかなか特定できないと思います。ですから,我々としてはぜったいに普及すると考えて製品強化をしているわけです。アプリケーションがなかなか出てこないという背景には,もう一つ,MS-DOS対応の優れたアプリケーションを作っているソフトウェアメーカーが,OS/2のAPIマナーに従ったソフトの作り方を勉強中だという点もあります。OS/2用ソフトは基本的に大規模なものですから,APIマナーを熟知して作るにはMS-DOS用ソフト以上に時間が必要でしょう.だから,ソフトウェアメーカーは,OS/2にネガティブになっているとは思いません。逆に,どうせ対応ソフトを出すならいいものを出したいという思惑が働いていると思います.
――そうすると,OS/2の衆知徹底期間にもう少しかかると……
発田 実は,今年中にけっこう揃ってくるんではないかと期待してるんです.我々のPMは昨年秋に出荷しましたし。
――それでは,どんな対応ソフトが出てくるか,今年の大きな楽しみでしょうね。
発田 いろいろ出てくると思います,非常に楽しみにしています。
――なるほど.PC/UXはどうでしょうか.
発田 UNIXとなるとOS/2より1ランク上.マルチタスクでマルチユーザーになりますが,我々としては,OS/2と並んで大いにやっていきたいと思っています.PC/UXは,すでに1万本近く出荷しています。UNIXとして見ればいい数字ですが,32bitマシン対応ということで考えると,今まで以上に力を入れていきたいところです。特に,高性能のPC-9800をサーバとして使う場合にPC/UXを望む声が出てきているのは事実ですから.
――MS-DOS+Windows,OS/2+PMと考えると,ハードウェアとして同じプラットフォームを使っているわけですから,PC/UXのGUIもインターフェイスとして整合性を持つようなものが要求されてくるのではないでしょうか?
発田 UNIXの標準的なGUIが何になるのかという点はまだ見えないところがありますので,UNIXはUNIXとして主流に合わせていくということになると思うんです.OS/2のPMとは,できるだけ似たような環境がいいというのは分かるのですが,無理に合わせようとは思いません.それよりも、個々のオペレーティングシステムの標準的なものを重視していきたいと思っています。万一、それが違っていても仕方がないですね。
どうしてソフトウエア資産が継承していくのが大事だと考えていたのだろうか。私はアマチュアなので常に自分のプログラムは改良すべきだ、より安定してより高速にせねばならないと思っていた。だから、製品のプログラムもバグ付きで販売しておいて、それを継承だと!作り直せ!設計を見直せ!アルゴリズムを見直せ!とソフトを使いながら呪っていた。どうしてソフトを作り直すのを嫌がるのだろうか。経済優先という姿勢が嫌いだった。だから今Linuxを使っていると凄く心地いい。
 発田氏はOS/2に対しダメとは言っていないが、良いとも言っていない。ダメとは言えない立場だろう。しかし、インタビュアーの姿勢が気に入らない。OS/2推しということが明らかで目に余る。インタビュアーは今後の展望がいかに外れていたか知ったときどう思ったのだろうか。反省はしたのだろうか。
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――PC-9800シリーズは,すでに一言では語れない多様性を持っていると思います.しかし,ホームユースという点では,まだ特定された環境が見えない。現行のPC-9800シリーズが家庭に入るとしたら,整備しなければならない条件は何でしょうか?
発田  ワーク・アット・ホームという考え方は分かるのですが,ゲームユースだけとなるとこれはもうPC-9800の守備範囲を逸脱していると思います。ホームという言葉が非常に難しいのは,曖昧模糊としているからでしょうね。
――ゲームマシンならゲームマシンだけというセグメント化ではくくれないものがホームユースだろうと思うのです.そういう多様性は,PC-9800では見えませんか?
発田 たとえば,先般発表したノート型マシン。これは家庭へ持って帰って仕事の延長で使うということが十分できるわけです。そういう携帯性の良さというポイントで見れば分かりますが,本当のホームユースという点では,我々はPC-8800シリーズやPC Engineでカバーしているわけです。だから,現時点では,PC-9800ではホームユースをビジネスとして考えていません。
 ただ,マルチメディアというものが注目されていますから,CD-ROMを搭載したマシンみたいなものがたくさん出てくるという可能性はあると思います.そういうAV機能を取り入れたマシンは,価格設定を考えてやれば,会社でも家庭でも使われると思います。
 一方の企業ユースでは,300人以上の会社ではパソコンの普及率は80%以上だと思いますが,300人以下の企業では20%くらいに落ちるんです.家庭となるとまだ10%くらいといわれてますね.だから,家庭での本格的な普及はこれからだと認識しています。

――なるほど.どちらにしても,これからやはり家庭の中に入っていく…….
発田 そうですね。家庭もおそらく16bitになってくるんでしょうね。
――その時には,MS-DOSマシンとして入っていくわけですか?
発田 まず,MS-DOSでしょうね,OS/2でというわけにはちょっといかないでしょう。将来的には分かりませんが.
はやりインタビュアーがいまいちだ。今までスクラップしてきたインタビュー記事はそこそこ面白かったのだが、今回はいちいちい腹立たしい。何を聞いているのかという感じだ。自分の予測を元にしてインタビューしているからそれと違ったというか、積極的に支持する回答が来てないのにしつこい質問を繰り返している。当時は分からなかったが、こうして外していることが分かって記事を読むと腹立たしい。
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NESAバス対応のノート型で1600万色表示を実現するのが夢
――現行のPC-9800シリーズは,ノート型,ラップトップ型,デスクトップ型でバリエーションを展開されていますが,各形状で主流となるスペックは短期的に見てどのようなものになるでしょうか?
発田 ノート型はこれからの製品だと思いますが、現在のサイズだとか重量はもっと改良していくつもりです.より軽く,より薄いという方向の発展はあると思います。欲を言えばフロッピーベースだけではなく,ハードディスクベースにしたいといった夢はあるんです.しかし,そんなに軽くて小さいハードディスクができるかまだメドが立っていないのが実情です。まぁ,夢としては現行のラップトップマシンのスペックくらいはノート型に持たせたいと思います。ただ,ノート型がそういうことでどんどん高機能化した時に,ラップトップ型がどうなっているのか見えないですね.やはりノート型にはない何かを付加して,差別化できないと駄目かもしれません。そのポイントをどこに置くかというのが,ラップトップ型の課題ではないかと思います.
――重装備のラップトップマシンを使って思ったんですが,40とか80MbytesのHDD内蔵タイプを使っていると,本当はこれが,デスクトップ型なんじゃないかと.そもそものデスクトップマシンは,大きくて各種の拡張ボードが入るというメリットもありますが,ラップトップ型のサイズは実にいいなぁと思うのです。そう考えると,現行のデスクトップマシンが占めるシェアは減少していくのではないかと思うのですが.
発田 それはディスプレイの問題が大きいでしょうね。CRTディスプレイに匹敵するようなカラー液晶のディスプレイができるような時代になるとそんなことがいえるのかもしれません。しかし,現行のCRTベースがある限りは,ラップトップ型が主流になるというイメージがつかめませんね。デスクトップ型がそう簡単になくなる,ということはないと思います。
――両モデルは,現行のシェアと変わらない程度で推移するとお考えですか?
発田 そうです.デスクトップ型もずいぶん伸びていますよ。やはり,拡張性という点がある限り,デスクトップ型の市場はあるでしょう.
 カラー液晶でサイズが非常に大きいものが製品化できて,CRT並みに使えるようになれば話は少し違いますが.

――TFTカラー液晶の商品化のメドは,年内になんとかなりそうですか?
発田 大丈夫だと思います.ただ,サイズとか色の鮮やかさなど,いろいろな面でCRT並みとはいえないでしょうね。
――ご覧になられてどうでしょうか.
発田 もちろん非常にきれいです。これならば十分使えると思ってますけれども、まだサイズが小さいんです.
――デスクトップ型では,やはりNESAマシンだと思うのです.32bitバスということでは,MCAとかEISAがすでに発表されていますが,NESAを他メーカーにライセンス供与する考えはありますか?
発田 検討中で結論が出ておりません。ボードを作りたいという方には,当然ですが公開してます.ボードメーカー以外でNESAバスを使いたいというのは,互換機を作りたいということだと思うのですが.
――具体的には,セイコーエプソンさんが要請してきたらどうします?
発田 うーむ.そういう想定問答にはやはり答えられませんね。具体的にそういうご要望があったら考えることだと思いますが,現時点では,皆さんおやりくださいと言って協力してもらおうとは考えておりません。また,具体的なお話もきていませんしね。
「NESAバス対応のノート型で1600万色表示を実現するのが夢」確かにその夢は10年以上必要だった。2000年のノートパソコンはどうだったか。スクラップは楽しい。
――BIOSを含めて現行のPC-9800シリーズの根幹的な見直しというのはお考えになっていないのでしょうか。たとえば,NESAバスにフィットした環境作りみたいなものですね。
発田 我々のスタンスは,従来の資産を引き継ぎながら,少しずつ拡張していくということです.NESAバス搭載のPC-H98model70は,単にバスを32bit化しただけの話じゃなくて,あくまでもアーキテクチャとして発表させていただいたわけです。バス以外にも,グラフィックの性能などは現行のPC-9800シリーズより高度にしようということで全部見直しまして,1ランク上のスペックになっているわけです.
 PC-H98model70には,将来のAV対応に向けて自然色にほぼ近いような画像が出せる機能まで持たせてあるわけです。NESAバスというのは,そういうアーキテクチャを含めた総体として発表をさせていただいたわけです.PC-H98model70は,それをベースにしたマシンの1号機という位置付けですね。このマシンは,現行のPC-9800シリーズ用ソフトが動きますけれども,それでは新しいアーキテクチャが持ってる機能を全部は生かせない.PC-H98model70用のソフトは,本当に新しい機能を生かそうと思ったら現行シリーズとはまったく別に作らなくてはいけない。そういう意味では,単にNESAバスとして見ていただかないでもっと大きいアーキテクチャとしてPC-9800シリーズが変わったんだという認識で見ていただきたい.現行アーキテクチャとの互換は保ちながら,もう一回り大きい新しいアーキテクチャになったという位置付けですね。

――NESAバス対応のアプリケーションが増えれば,現行機種では当然動かなくなるわけですが,そうなると自ずと世代交代が行なわれていくようになりますね。
発田 これは仕方がないと思うんです.長期的に見れば,どんどん世代交代が行なわれて,何十年か経ったら今のPC-9800シリーズのBIOSが必要なくなる時代がくるかもしれません。そうなったら,今のBIOSはもちろん止めますよ(笑)。
――そういう意味では,これから移行期にあたるということで,市場に現行シリーズの16bitバスのアーキテクチャと,NESAバスアーキテクチャの両方が共存するわけですね。そして,徐々にNESAがPC-9800シリーズの中心になっていくと.
発田 そうです。それが結局,32bitの新しい時代のパソコンにPC-9800シリーズが生まれ変わっていくということだと思うんですよ.
「――そういう意味では,これから移行期にあたるということで,市場に現行シリーズの16bitバスのアーキテクチャと,NESAバスアーキテクチャの両方が共存するわけですね。そして,徐々にNESAがPC-9800シリーズの中心になっていくと.」
この予測は外れた。Windowsがそうはさせなかった。PC-9800シリーズは消えてしまった。
「現行シリーズで培われた1万本近いソフトウェアが流通してるわけです.私はそれが完全に32bit対応になるには,'90年代いっぱいかかると思いますけど」それはWindowsに対応していないソフトのことでそういったものはWindowsに対応させることができたものが生き残り、そうでないもは古いPC-9801で使われていった。NESAが乗ったPC-9801用になんて作り直さなかった。
「PC-9800シリーズだけで300万台近く普及している」アンチ98は歯ぎしりしていた。なんでこんなスペックのマシンが売れ続けるのか。進歩という言葉はないのか。
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――ユーザーもそんなに急激に変わられては困ると思うんですけれども,一方で80486CPUを搭載したマシンもぼちぼち出てきています.日電も年内だと思うのですが,いちおうCISCマシンは80486でそろそろ打ち止めかなという話もありますね。その先はどのようにお考えですか?
発田 80486の先ですか?80586の世界があると思いますよ。80686という話はまだ聞いていませんが.CISCチップがなくなる理由は何もありませんからね。ただ,我々がPC-H98model70で発表したように,CPUボードとして860を装着するということはあります.RISCチップの特性を生かしたアプリケーションの世界があるわけですから.NESAバスを介して,CISCとRISCが共存するようなことも考えられるでしょう.目的や用途によっては,棲み分けがあるということです.
「CISCマシンは80486でそろそろ打ち止めかなという話」この当時、CISCとかRISCとかにこだわりすぎていた。未来予測とは難しい。こうして古い記事を読み返すと、読んでいるこちらの方が恥ずかしくなる。書いた本人はどうなんだろうか。仕方がなかったと言い訳して心を落ち着かせるのだろうか。それとも的確に予測できなかった己の能力不足を恥じるのだろうか。
 「80486の先ですか?80586の世界があると思いますよ。80686という話はまだ聞いていませんが.CISCチップがなくなる理由は何もありませんからね」発田氏の予測は的確で素晴らしい。それに比べレベルの低いインタビュアーの記事だ。

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PC-9800シリーズはどうあるべきか?(月刊ASCII 1990年3月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集'90年代のPC-9800シリーズはどうあるべきか?をスクラップする。
PC-9801について当時の人たちがどんな考えを持っていたのか、どんな未来を予測していたのか、それはどう外れたのかを検証するためにスクラップしておく。
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リード文
 パーソナルコンピュータを買おうという人は,まず,PC-9800シリーズを念頭に置くだろう.避けて通る人は,マシンの使用目的や嗜好がはっきりしている人に違いない。32bitバス規格NESAの発表とともに'90年代を迎えたPC-9800シリーズ。ベストセラーマシンとしての地位を固めながらも、その将来像は今一つ不明確だ。本特集では,現状の問題点を検証しつつ、日電へのインタビューを交えて,32bit時代のPC-9800シリーズの姿を考えてみる.
そうだった。性能の比較等を抜きにしてとにかく98にあらずばパソコンにあらずという思いを持っている人たちがいた。98という名前に価値を見出していたとしか思えない。いつまでこんな時代が続くのだろうかと悶々としていた。くたばれBASIC、8086だけは許せない、9801なんて売れなければいいのにと心の中は真っ黒なパソコンライフだった。人の98の悪口をいうわけにはいかない、98のせいで知人と疎遠になるのは避けたいという思いもありPC-9801VX2を買ってどんなに私が外れマシンを買ったのかと知人にアピールして98の悪口をいうというひねくれた人間だった。CPUを呪わば穴二つという状態だった。
“キュウハチ”というキーワードが多様化している
 70種類。これは,8年前の誕生から現在までに日本電気がリリースしたPC-9800シリーズのバリエーションの数だ。当初,128KbytesのメインメモリとROM BASICを搭載していた16bitマシンは,MS-DOSを採用して,徐々にファミリーを形成し,年平均8機種という開発・リリースサイクルを経て累計265万台を販売している。セイコーエプソンの互換機を加えると,その数は300万台に手が届こうとしている.普及のペースも加速している.今年度だけでもシリーズで100万台近い販売が見込まれている。某社のコマーシャルにならえば,まさに“国民機”と呼ぶにふさわしい量だ。
 量の充実にともなって,質も向上している。デスクトップ型,ラップトップ型,ノート型というボディ形状の展開によって,使用できるシーンが広がっている.将来的には,これにフロアスタンド型がラインナップされるだろう.これに加えて,各形状ごとにCPUやメモリ,外部ディスクのバリエーションが形成されており,同じボディ形状でもマシンはさらに細分化される.対応するオペレーティングシステムは,MS-DOS(Windows),OS/2,PC/UXの3本柱を中心に,CP/M86や毛色は違うがDISK BASICもある.サードパーティ製品を加えると,サポートしていない環境は数えるほどしかない。これに,ディスプレイ,プリン夕,外部記憶装置,拡張ボード,メモリボード,モデム,スキャナといった約100種類以上の純正・サードパーティ製周辺機器群が加わって、分厚い製品ラインを築いている.
 過去の遺産の継承”を前面に据えた戦略によって,アプリケーションソフトの数は1万種類に達しようとしている.各国語ワープロ,表計算,グラフィック,データベース,人工知能,ゲーム,計測・制御,CAD/CAM,CAI,ユーティリティー星の数ほどある。
 こうした背景は別にして,とりあえず,あなたは最適と思うPC-9800の世界を一つ,ないしは複数選ぼうとする.『将来を考えて386マシンがいい,クロックは遅くても低価格にしよう,持ち運びたいな,でも見やすいCRTかな,待てよ5インチディスクも使うかな,EMSだって必要だし,いいやマテマテ予算はそれほどないゾ,でもOS/2が動くベースは考慮したいし,Windowsでもいいか,デスクトップも捨て難いな,だったらNESAバスはポイントか,まずはワープロが使いたいだけだからなー,やっぱりラップトップだろうか……』
 こうした悩みは,予算や用途が決まっていても抱くだろう。過去と未来のはざまで,どんな仕様のハードウェアとソフトウェアを選択するか.購入者が抱える命題は大きい
 すると,一口に“キュウハチ”といっても,バリエーションによってはまったく違う世界が広がっていることに気付く。もはや一つの言葉ではくくれない多様化がシリーズ内に起こっていると考えても間違いではない.デスクトップ型とラップトップ型,5インチタイプと3.5インチタイプ,386マシンと286マシン,MS-DOSとOS/2など,縦糸と横糸が交差するポイントによって,PC-9800シリーズの多様化はますます顕著になっていきそうだ.
 そして,多様化の最も大きなポイントは,32bitバスアーキテクチャであるNESAだろう.NESAは,単なるバス規格とは違う.BIOSを拡張しただけではなく,21世紀に向けたPC-9800シリーズのアーキテクチャそのものと見なすべきだろう.NESAによって,PC-9800シリーズの一部はまったく違うマシンに変貌しようとしている。その原型は,H98model70に見て取れるだろう.現行の16bitバスにも対応しているとはいえ,徐々に32bitバス対応ボードが普及していけば、2つのアーキテクチャはある期間において併存することになる.すると,同じ“キュウハチ”とはいっても、現在以上にさまざまな選択肢が出現するだろう.その併存期間が始まるのは、間違いなく今年からである.

PC-9801が成功したのはPC-8801のN88-BASICがあったからだ。BASICの互換性があったからPC-8801からPC-9801への乗り換えユーザがいた。そのPC-8801もPC-8001のBASICプログラムの移植が簡単だったから売れた。こうした互換性重視の姿勢がPC-9801が天下をとることになった。だから、BASICが嫌いだった。もう一度アルゴリズムを見直しプログラムを作り直せばいいではないかと思っていた。あんたらの作ったプログラムはそんなに立派なものでないだろうとリストを見て思ったりもした。なぜ、BASICプログラマは過去のプログラムに固執するのか。もっといいものを作ろうとしないのか。くたばれBASICだった。BASICだけでは関数とか再帰とか構造体とかの概念を身につけることはできないのに。

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 PC-9800シリーズが,世に出てからすでに8年が経とうとしているパーソナルコンピュータの代名詞にまでなった「きゅうはちシリーズ」.最近では,初代PC-9801からのアーキテクチャを継承しているがゆえの問題点も目立つようになってきた。
 ここでは、6つの異なった角度(ラインナップ,CPU、メモリ、外部記憶装置,表示装置,拡張バス)からPC-9800シリーズを眺め、その現状を確認しつつ、将来を展望してみよう.


ラインナップ
省スペース・小型化が進むか?
 PC-9800シリーズを使用場所別に単純に分類してみると,(1)常時固定した環境で使うデスクトップ型,(2)設置スペースが小さくてすむディスプレイ一体のデスクトップ型,(3)持ち運びを考慮したラップトップ型,(4)ラップトップ型の携帯性をより高めたノート型――となる(写真1).

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■ラップトップがデスクトップにとって代わるのか?
 最近まで,パーソナルコンピュータといえば、真っ先に思い浮かぶのはデスクトップ型のマシンの姿であった.それが変化しだしたのは,東芝のJ-3100シリーズのヒットあたりからであろうか.前後してPC-9800シリーズにも続々とラップトップマシンが登場することになる(これ以前にもPC-98LTがあったが,デスクトップとの互換性が完全ではなかった)。ラップトップ型マシンが急激に普及した要因には,その携帯性とともに省スペース性のメリットがあげられる.これは,デスクトップの代替としてのラップトップという位置付けだ.
 ラップトップの携帯性を一歩進めたのが,昨年夏からブームになったノート型。その価格と携帯性から,パソコン初心者の入門用マシンとして,またデスクトップ所有者のサブマシンとして,好評を博している(図1).
 ラップトップの高性能化は日々進んでおり,将来的にはカラー液晶の搭載や、長時間のバッテリ駆動も可能になるだろう.ラップトップの高機能化がこのまま進めば,市場比率がデスクトップと逆転する可能性すらある.


図1 外観・メディアサイズで分類したPC-9800シリーズ(縦横交換した)
デスクトップ
5inch
デスクトップ
3.5inch
一体型ラップトップノートタイプ
2kg台PC-9801N
3kg台PC-98LT
5kg台PC-9801UV11PC-9801LV21
6kg台PC-9801LV22
7kg台PC-9801EX2
PC-9801ES2
PC-9801LX2
8kg台PC-9801DO
PC-9801VM11
PC-9801LS2
9kg台PC-9801RA/
RS/RX21
12kg台PC-98RL
13kgPC-H98PC-9801CV21

「これ以前にもPC-98LTがあったが,デスクトップとの互換性が完全ではなかった」
これだよね。互換性重視の98の呪い。例えNECが98という数字をパソコンに付けても売れなかった。性能以前の問題だった。PC-9801という機械はN88-BASICの互換性が必要で、V-RAMの互換性が必要でその他IOポートの互換性が必要でと初期のマシンにがんじがらめになっていた。性能を上げるのは容易ではなかった。日本のパソコンの不幸はそんな98を買い支えてきた私を含めたユーザのせいだ。その根源はBASICだと思っていた。
■5インチから3.5インチへの移行は?
 今後,FDDのメディアサイズはどうなっていくだろうか.5インチディスクよりも3.5インチディスクのほうが携帯性やメンテナンスの面で優れているのは事実だ。信頼性の面ではほとんど差はない.過去には,3.5インチFDのほうが5インチFDよりもはるかに高価な時期もあったが,現在のFD実売価格では以前ほどの差はなくなってきている.ラップトップやノート型がFDDを内蔵しようとする場合,搭載スペースの問題から3.5インチ以下のドライブしか選択は許されないわけで,これに引きずられる形で今後デスクトップ型でも3.5インチ搭載マシンの比率が高まっていくと思われる.
 しかし,PC-9800の次世代スペックを搭載したといえるH98は,5インチFDDタイプのみ。日本電気としては,5インチFDD搭載機種の充実に現在も力を入れているようだ。いつH98モデルの3.5インチFDD搭載型が発表されるのかを注目したい。いずれにしても,5インチFDDマシンは,今後しばらくは生き残るだろう。5インチユーザーにとっては,現在までの資産を切り捨ててまで,いきなり3.5インチに切り替えるのは容易でないからだ.また,長いスパンで見れば,新たに2インチFDDなどの5/3.5インチ以外のメディアの登場もありうるだろう.

「5インチユーザーにとっては,現在までの資産を切り捨ててまで」これはコピーツールにも原因があった。5インチユーザーが多いのでコピーソフトを貰うには5インチマシンを買う必要があった。コピーユーザが駆逐されて初めて3.5インチユーザが増えた。

■ユーザーが仕様を選べたらいい…
 価格に関するラインナップでは,機能を削っても安くするのか,ぎっしり機能を詰め込んで高価格にするのか,という問題がある.パソコン入門ユーザーが気軽に購入でき,かつパソコンに対する熟練度が増すにつれて本体の機能拡張も行なえるマシンであればいうことはないのだが…….今のところ,ユーザーのパソコン熟練に伴う抜本的なグレードアップは,マシンを買い換えることしかない.オーディオ製品がコンポーネント指向で発展してきたように,PC-9800シリーズもCPUやFDDなどの各パーツをコンポーネント化することは考えられないのだろうか?このあたり,CPUをボードとして供給することも容易なNESAバスの登場に可能性が示唆されているともいえる.
 デザイン面でのブレイクスルーが起きないのも気になる.デスクトップは箱型のままであり,ラップトップはどれも似たような形状,ノート型にいたっては,先行した東芝のDynaBookと見分けがつかないこともあるほど。従来の堅苦しいパソコンのイメージから脱却した,家庭の中のPC-9800,ファッションとしてのPC-9800が登場してもいい頃だ。ハデなワインレッドカラーのPC-9800があってもいいのではないだろうか.

「ユーザーが仕様を選べたらいい…」はNECが提示する機種の仕様の中から購入者が選ぶ、それが仕様を選ぶということだった。何を文句言っているんだという感じだ。嫌なら買うなだ。私のように嫌々買って泣くといい。「グレードアップは,マシンを買い換えることしかない」「CPUやFDDなどの各パーツをコンポーネント化」。PC-9801は中古でも人気があるから、下取り価格が高かった。新機種を使いたいときは旧機種を下取りに出して買っていた。ちょうど車の買い替えのような感じだった。FDDは無印のPC-9801のとき8インチを買い足した人はPC-9801VM2の買い替えのとき8インチFDDも下取りに出していた。PC-9801の場合CPUを乗せ替えても動かないソフトがあるためそんなことはできなかった。PC-9801という機械はそういうものだった。

CPU
上位CPUへの移行と従来との互換性
 PC-9800シリーズでは,今までに8086,80286,80386,80386SX,V30,V50をそれぞれCPUとして使用している.初代PC-9801の8086(クロック周波数5MHz)と最新のH98の80386(同33MHz)を比べると,PC-9800シリーズがわずか8年で演算速度では約60倍の性能にまでなったことが分かる(図2).

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無印のPC-9801から80386(33MHz)で60倍の性能アップなら今はどうなるのだろうか。ちょっと古いが2018年の「Core i7-8086K Limited Editionは50年のIntel史上最強のゲーミングCPU!?」の記事を見ると
「Intel 8086互換(Intelからライセンスを受けたセカンドソース品)のNEC μPD8086(5MHz)が搭載された初代PC-9801とCore i7-8086K Limited Edition(最大5GHz)の最新システムをベンチマークテストで比較してみた。40年の時を経て動作クロックは5MHzから5GHzへと1,000倍に高速化したわけだが、はたしてどんな結果になるだろう?」
「実機ベースの比較では『約3,858.41倍(4,745.85を1.23で割って算出)』の性能」」
凄すぎてピンとこない。歩きを時速3kmとすると、比較するとだいたい時速11,574kmとなり時速1万キロ越えとは凄い。マッハ9以上だ。とんでもない機械を今使っているのだ。逆に言えば昔は糞みたいな機械でちまちま仕事をしていたのだ。当時からパソコン環境に不満ばかりだったのは当然のことだったのだ。
 ああまた一つ思い出した。無印のPC-9801が出たときZ80のアセンブラならもっと高速なプログラムを使えると豪語していたものだ。事実BASICは論外でCでコンパイルしたものよりもZ80のアセンブラで書いたプログラムの方が高速だった。PC-9801なんて8086が低性能だったのでTEXT V-RAMやGDCで高速に見せていたマシンのくせにと悪いのは8086だと心の中で罵倒していた。


 現在では,ハイエンドの80386からローエンドのV30まで,マシンに要求されるパフォーマンスと価格に応じてCPUが用意されている.これだけのバリエーションがあるにも関わらず,V50を搭載したLTを除き,ほとんどの機種でアプリケーションの互換性があるのがPC-9800シリーズの大きなメリットだ。
 逆にいえば,互換性を保つために,上位機種ではCPUの性能を十分に引き出していないということになる.今のところ,80386本来の使い方であるネイティブモードを使用するアプリケーションはあまりなく,8086互換モードであるリアルモードを使用するソフトがほとんどだ。せっかくの32bitCPUも高速版8086としてしか使われていないというのが実情なのだ(図2)
 これは,現在最も多く使われているOSがMS-DOSであることによる.MS-DOSがそもそも16bitCPUのIBMPC用に作られたOSだからである。それにも関わらず, 32bitCPUを搭載した上位機種でも使用していることに問題があるのかもしれない(OS/2ですら、現在は80386のすべての機能を使ってはいないが)。ハードウェアの進歩に対して,ソフトウェアが追い付いていけていないのである.
 OSなどソフトウェア側の対応も必要だが、32bitCPUの能力を生かすようなハードウェア側の対応も必要なのは当然だ。PC-9800シリーズでは従来機種との互換性を保つため,大きな仕様の変更がないまま現在にいたっているが,H98ではついにマシンの基本アーキテクチャであるバスが変更された.この新バスNESAを見ると,データバスの32bit化によるデータ転送の高速化や,DMAの効率アップなど,32bitCPUの機能を有効に発揮できるアーキテクチャとなっている.将来的にも,NESAバスの出現で,80486や今後登場してくるであろう80586といったCPUへの対応の素地ができたといって差し支えない.

「高速版8086としてしか使われていない」当たりまえだ。8086が遅くてダメだから高速なCPUが欲しかった。だから「高速版8086としてしか使われていない」は当然だ。何を文句言っているのだろう。
 まだ「ハードウェアの進歩に対して,ソフトウェアが追い付いていけていないのである」はない。どこが進歩だ。遅いダメCPUを高速にしてやっと「遅い」が「やや遅い」になっただけだ。思い出してしまった。記事はユーザを怒らせるために書いているのかと。メーカ側の論理は内向きの論理なんだ。外から見ると言い訳するなと怒ってしまう。何十万円もする機械を数年で買い替えている、いわばユーザがダメ機械を買い支えているんだと思っていた。スクラップの価格を読むとよくもまあ私たちは金をつぎ込んでいたものだと感じる。いまネットでは投げ銭とかスパチャで金をつぎ込んでいるがその方がましだと思う。なぜなら、機械は捨てるとき手間がかかる分だけ面倒だ。

■CPUの違いによる互換性の問題
 8086から80386までCPUをグレードアップして高速/高機能化してきたPC-9800シリーズ。基本的な互換性は維持しているとはいっても、厳密な互換性を保ち続けているわけではない.
 たとえば,V30は80x86の完全互換CPUではなく,一部のアプリケーションの中には80x86CPUでは使用できないものがある.このため,80386や80286を搭載しているRAやRXなどの機種では,V30も搭載して互換性を高める工夫をしている.もっとも,最近ではV30でしか動作しないアプリケーションは減りつつあるため,CPUを2個搭載する必要性は少なくなっている。実際,現在の最上位機種であるH98では,ついにV30は搭載されなかった。8086やV30(8086)を基本としてきたPC-9800シリーズも,ここにきて80286や80386を基本とする時代に転換しつつあるということかもしれない.
 同じPC-9800シリーズとはいっても,V30を搭載した98NOTEと33MHzの80386を搭載したH98では,使用される状況はまったく異なる.PC-9800シリーズに望まれるパフォーマンスも,ユーザーの拡大とともに多様化していくのは当然だ。シリーズ全体としては処理能力の底上げがなされる方向で進んでいくだろう.しかし,個々のモデルを見れば,ローエンドモデルとハイエンドモデルの差はますます広がり,幅広いバリエーションが展開されていくことになるだろう。その中で,H98でのアーキテクチャの変更は,CPUの主流を80386へ移行するための1つの布石になるともいえる.
V30の互換性が必要なのはPC-9801VM2の負の遺産のためだった。とにかく遅いダメCPUの8086ではなくV30ならプログラムの工夫次第で高速化が図れた。私の買ったPC-9801VX2の8086(8MHz)CPUはセグメントレジスタを使うときクロックがより必要でV30(10MHz)のPC-9801VM2より遅いということがGraphic V-RAMを使った動画で分かった。PC-9801VM2の寿命(PC-9801VX2が出るまで)が長かったためV30を利用して高速なゲームプログラムなどが出てきた。PC-9801を買う人はゲームもしたい人がいたためV30の互換性が必要でCPUを2個搭載するのは必要だった。NECは自分で自分の首を絞めていた。価格は高くなるがユーザは9801という名前が欲しかったので買い支えていた。機械を買うのではなく98ブランドを買っていた。

メモリ
より大容量を必要とする時代に
 PC-9800のメモリ容量は,初代では128Kbytesであったがマシンのレベルアップに伴い,640Kbytesが主流となり,現行では1.6Mbytesを標準搭載している機種もある(図3).

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 アプリケーションの機能の増大とともに,640Kbytesのメモリを搭載していても不十分になりつつある。たとえば,MS-DOSの本体に加え,日本語入力FPや常駐型アプリケーションをメモリに常駐させておくことは今では珍しくない。そういった場合ではメモリの残りは400Kbytesあるかないかという状態になってしまう.とはいっても,現在のMS-DOSは16bitCPU用に開発されたOSであるため,基本的には8086がアドレッシングできる1Mbytesまでしか扱うことができない(大部分のPC-9800では,マシンのROM領域やVRAMとの兼ね合いで640Kbytesまでしか扱えない)(図4)。これを解決するために,640Kbytes以上に拡張したメモリをMS-DOSが利用できるようにするEMSや,80386のネイティブモードを使用可能にするDOS-Extenderなどが開発されている.

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メモリを増設しないで済むのはゲーム位ではないか。事務処理に使おうと思ったらメモリの増設は必須だった。増設しないで使うのは時間の無駄でパソコンで仕事をするふりをして遊んでいると言われてもしょうがなかった。これは当時上司らの手書きで早くしろという言を支持した。

 MS-Windowsや次世代OSと目されているOS/2などでは,それ自体が大量のメモリを必要とする.こういった状況では,本体に搭載できるメモリは多ければ多いにこしたことはない。PC-9800シリーズのメモリの拡張には,本体内のメモリ増設専用スロットと,本体背面の拡張スロットが使用できる.しかし,拡張スロットを使用するとバスのウェイトの関係でデータの転送速度が極めて遅くなってしまう。これは,80386などの高速CPUを使っているときに顕著だ。
 こういった問題点を解消するため,たとえば従来のRA2ではメモリ増設専用スロットを使って内蔵できるメモリが4.6Mbytesであったのに対し,最新のRA21では11.6Mbytesにまで拡張することで対応している.
 したがって,メモリ増設の面でもNESAバスは注目される.NESAの32bitデータバスは,拡張スロットに増設した拡張メモリを高速でアクセスできるという面だけでなく,データのDMA転送が効率よく使用できるなど,メモリの使用からみても利点が大きいためだ。

本当に私たちはよくもまあ我慢してパソコンを使っていたものだった。当時640Kbytesしかないのならアプリケーションもアセンブラでゴリゴリ書けばいいのではないかと考えていた。Cで書くのはアセンブラを使えない人間をプログラマとして雇っているからではないかとCで書いている人間は怠け者だと思っていた。まあ私もCで趣味のプログラムを書いていたが高速化を図るために一部ルーチン(グラフィック)をアセンブラで書いていた。
 「NESAバスは注目される」だよね。でも使われる前に消えた。

■半導体記憶装置としてのメモリ
 メモリを拡張して大規模なOSやアプリケーションを実行させるといった使い方がある一方で,ディスクドライブの代替としての使用法もある。いわゆるシリコンディスクとかRAMディスクと呼ばれているものだ。
 98NOTEのような携帯性を重視したノート型マシンのような場合,FDDは搭載できてもせいぜい1台,HDDは小型のものが開発されているから搭載は可能だが,現在のところバッテリの持続時間の問題がある.
 98NOTEでは,標準でRAMディスク専用のメモリを1.25Mbytes搭載している.これがあれば,2台のFDDが必要なアプリケーションでも実行できるし,常時使うユーティリティ類をRAMディスクにコピーしておけばFDDやHDDにアクセスするよりもバッテリを長持ちさせることにもなる.
 98NOTEのようなノート型マシンが,MS-DOS専用であるとしても,デスクトップ型とはまた別の意味でメモリの大容量化が行なわれていくことになるだろう.



外部記憶装置 FDD-HDD
次にくるのは光メディアか?
 最近発表される機種には,必ずといっていいほどHDDを内蔵したモデルがある.初代PC-9801にはFDDさえ搭載されていなかったことを思うと大きくさまがわりしている.携帯性を最重視しているノート型でさえ,HDDの内蔵が望まれている.
■SCSIの登場により混乱も
 HDDのインターフェイス規格は,'88年夏まで,ほとんどがSASIと呼ばれる拡張性の乏しいものであった。その後,通称55ボードと呼ばれるSCSI拡張ボードが登場し,HDD/CD-ROM/光磁気(MO)ディスクドライブなど多様な周辺装置に対応できるようになった(図5)。発表当初は,ボードに日本電気独自の仕様があり,それが公開されていなかったため,サードパーティの周辺機器は使うことができなかった.最近になって情報が公開されたので,今後SCSI対応の周辺機器が増えていくことだろう.

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 他のマシンを見てみると,富士通のFMTOWNSも新機種ではSCSIを標準装備した.Macintoshシリーズでは,早くからSCSIインターフェイスを標準でサポートしている.国産マシンでも,HDDの設置・増設に対する配慮がなされはじめた.しかし,現行のPC-9800では拡張ボードで供給しなければならない。PC-9800シリーズでも,新たにSCSIコネクタを本体に標準で装備する試みがあってもいいだろう.LSI技術の発達でインターフェイス部分の小型化も進んでいる。ラップトップやノートタイプにもSCSIが搭載されればいうことはない。もちろんメーカー純正ドライブだけでなく,他社メーカーのドライブに対応した本来の意味でのSCSIならば、の話である.
 純正品,サードパーティ製品に限らず,HDDは低価格・大容量への道を歩んでいる(図6)100Mbytes以上のHDDも,一般ユーザーが入手できる価格帯にまでなってきている.


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HDDは容量に関わらず10万円を切ったあたりが買いだと思っていた。

11.2MbytesFDDの次は?
 本体内蔵を基本としたFDDの場合,メディアの記録容量は,320Kbytes→640Kbytes→1.2Mbytesと拡大していった.しかし,1.2Mbytesが実現されたPC-9801Mの発表から5年経った今でも,その容量は変化していない。メーカーの姿勢として,8/5/3.5インチメディアのフォーマットを1.2Mbytesに統一しているのは分かるが,新しい規格の登場はないのだろうか?
 最近のアプリケーションは,ますます大型化し,FD数枚組で構成されるものが多い。また,HDD容量の大型化に伴ってバックアップに要するディスク枚数も増加している.画像や音声など,大量のディスクスペースを必要とするデータを扱うことも,今後ますます増えていくだろう.1.2MbytesFDでは、限界に近づいたのではないかと思わせる.東芝が製品化しているような4MbytesFDなどを搭載して,1枚のディスクの容量が増加すればこれらの問題も解決するのだが.IBM PS/2やMacintoshの次世代マシンには,容量4Mbytesの3.5インチFDDが搭載される,との噂もある.国産パソコンの代表的存在であるPC-9800シリーズでは,この手の話は今のところ皆無だ。
 HDDの容量推移に代表されるように,マシンに搭載される外部記憶装置は、年々大容量化が進んでいる.磁気メディアだけでなく,CD-ROMやMOなど,光メディアの利用も気になるところだ。大容量の情報を安価に供給できるCD-ROMなどは,アプリケーションやデータの供給手段としても有効であろう.PC-9800に光メディアドライブが標準で搭載される可能性も大いにある。

「最近のアプリケーションは,ますます大型化し,FD数枚組で構成されるものが多い」何を言っているのか。高々数枚だと。Windows 3.1、Windows 95、Turbo Cとかは十数枚だ。それでもインストールしていた。大容量FDDなんて必要なかった。FDDからCD-ROMというような大幅な大容量化が必要だった。だいたいFDはエラーが怖いだろう。そんななかで大容量化はデータ保存用としても使いたくなかった。

表示装置
時代は,ハイレゾとカラー液晶
 グラフィック機能は,初代より漢字表示を意識した設計となっている.それは,16×16ドットの漢字を40字×25行表示するために640×400ドットという解像度が決められたことで分かる.また,漢字ROMをオプション(PC-9801Fより標準)にし,テキスト表示専用のテキストVRAMを搭載したことにもうかがえる.
 ハイレゾリューションモデルがあるものの,このスペックは初代からRA21までほとんど変化がない.変化らしい変化といえば,途中からVRAMが2枚となり,アナログRGBが標準となった程度である.果たして現在でも,このスペックは妥当なのだろうか?

■デスクトップはハイレゾがいい
図7の機種構成比率を見ても分かるように,PC-9800シリーズのメイン機種はCRTをディスプレイとするデスクトップのノーマルモデルである.
 しかし,MS-Windowsなどのウィンドウ環境では,ノーマルモデルの640×400ドットという解像度は十分とはいえない.特に,漢字を日常使う日本語の表示には,24×24ドットの文字を表示できる解像度がぜひとも欲しい(写真2).


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これには激しく同意する。640×400ドットで満足している人間はゲームで遊んで入ればいいとまで思っていた。よくもま16×16ドットで耐え忍んでいるものだと。640×400ドットでWindowsだと何を考えているんだと思っていた。

 PC-9800シリーズには,RLなどのハイレゾマシンもあるわけだが,現状ではマシン本体の価格と対応アプリケーションの量が問題である。マシン本体の価格が高い割には,ハイレゾに対応しているアプリケーションが,MS-WindowsやCADソフトなどの一部に限られている.つまり,多くのソフトでせっかくの解像度を生かせず,ハイレゾである意味がないわけだ。ハイレゾモデルの普及には,アプリケーションの充実と廉価版ハイレゾマシンの登場が必要だ。
 今後使用目的により,一方では色数を一方では解像度をますます要求するようになるだろう.そのため,すべての要求をはじめからマシン本体で満たすことは難しい.それでなくても,ノーマルモデルのユーザーは,ハイレゾが必要になればマシンを買い換えなければならない.つまり,PC-9800シリーズはグラフィック機能に拡張性がないわけだ.
 次世代マシンともいえるH98は,ノーマル,ハイレゾに関わらず1670万色中16色の同時表示が可能だ。そのうえ,ボードの追加により1600万色中256色表示もできる。この仕様は,今後登場するマシンの標準となる可能性もある。また,NESAバスの標準化などにより,状況が変わることも考えられる.しかし,さらなる解像度と多色表示の要求には応えることができない仕様だ.IBM PS/2のように高グラフィック機能をボードとして独立させることで,拡張性を持たせることも必要ではないだろうか.

これも同意する。私がハイレゾマシンを買ったのはエプソンのPC-486GR3(48万3000円)だからまだまだ先のことだった。

■液晶ディスプレイもカラー化へ
では,ラップトップマシンに採用されている液晶ディスプレイの問題点は何だろうか?液晶ディスプレイは,年々性能が向上しており,表示は見やすくなっている.しかし,モノクロの階調表現ということもあり,黄色と水色の違いをはっきり認識できないといった不満がある.ほとんどのアプリケーションがカラー表示を前提として作成されており,PC-9800シリーズが互換性を“売り”にしている以上,液晶ディスプレイのカラー化は必須である.
 すでに,PC-9800シリーズにはLX5Cというカラー液晶モデルも発売されており、着実に液晶モデルはカラー化に向かっている.しかし,LX5Cは2層STN方式であり,見やすさという点ではまだまだCRTにはかなわない.LX5とLX5Cの価格差の11万円を高いととるか安いととるか,意見の分かれるところだTFT方式のカラー液晶を採用したモデルが登場すれば,CRTと同様の使い心地をえられるが,最初は非常に高価なものとなるだろう.
 カラー液晶は,価格や視認性,多色表示などにまだまだ多くの問題を残している。PC-9800シリーズのすべてのラップトップがカラー化されるにはかなりの時間が必要だろう.
 一足飛びにカラー化とはいかないまでも、モノクロ液晶でも解像度,反応速度,コントラストなどといった点で進歩が望まれている.

カラー液晶はまだまだ先だった。このスクラップではいつ売れたカラー液晶のラップトップが登場するだろうか。


拡張バス

NESAバスの登場で,新たなるステップへ
 PC-9800シリーズがここまでシェアを伸ばした要因の1つに,拡張インターフェイスボードが豊富にあるという点があげられる。背面の拡張スロットにボードを装着することによって,マシンの能力を拡張・向上させ,さまざまな用途に使うことができるようになるわけだ。現在,拡張インターフェイスボードは約600種が市場に出回っているといわれている.
■マシンのスペックを左右する拡張バス
 マシンの筐体の小型化が要望される中、最もマシンのサイズを規定する要素となるのが拡張スロットだろう.メインボードや電源ユニット,FDD,HDDなどの個々の部品は小型化してきているが,スロットに関してはその数を減らす以外小型化することはできない。極端な話,拡張スロットをなくしてしまえば,筐体サイズが非常に小さいマシンを開発できるわけだ。しかし,それではメリットである拡張性を奪ってしまうことにもなる.同じPC-9800といっても,拡張スロットの使い方次第で,あたかもまったく別の機種であるかのように使える。ビジネスからホビーまで,PC-9800の利用範囲が非常に広がっている現在では,拡張性は絶対に必要だ。魅力的な周辺機器もどんどん増えてきており,拡張スロットは多ければ多いにこしたことはないというのが現状である.
 ここ当分,マシンの筐体サイズと拡張スロット数の間で,綱引きが行なわれていくことになるだろう.

■ラップトップマシンの拡張バス
 さて,ラップトップ型マシンの拡張バスはどうなっているだろうか.今のところ,PC-9800シリーズでは標準で拡張スロットを装備している機種はない。ボードを使うためには,オプションのI/O拡張ユニットか専用拡張アダプタが必要となる.I/O拡張ユニットは,デスクトップマシンと同じサイズのボード3枚を使えるようにするもの。専用拡張アダプタは,デスクトップマシンの拡張スロットとは互換性のないラップトップ専用ボードを2枚まで装着できるもの。同アダプタは,マシン本体と一体化して持ち運べるというメリットがある.
 98NOTEのような携帯を第一としたマシンシンの場合、拡張スロットは必ずしも本体内に必要ではないだろう.一方,デスクトップの代替となるような省スペース型ラップトップマシンでは,拡張スロットも一体化されていたほうが便利だろう.セイコーエプソンのPC-386LSのような拡張スロット搭載モデルの登場が待たれるところだ.

■限界にきた現行バス
 現行バスの最大の欠点は,その転送速度の遅さだ.CPUの処理速度は年々向上の一途をたどっており,すでに現行バスの転送速度では処理が追い付かなくなってきている.そこで,本体CPU側でウェイトを入れ,バスの速度に合わせているというのが現状なのである.これは,メモリのアクセス時などに顕著に現われる.拡張スロットでEMSボードなどを使っているユーザーなら,その速度低下を身をもって体験していることだろう.
 また,本体CPUが16bitのV30や80286から32bitの80386にシフトしてきている点も見逃せない.データ・アドレスともバス幅の32bit対応が望まれているわけである.
 このような問題が起きているのは,何もPC-9800シリーズに限ったことではない.米IBM社は,いちはやく高性能のMCAバスを開発し,従来機との互換性を切り捨ててまでも新バスに移行した。米Compaq社を中心とするIBMコンパチメーカーは,従来機との互換性を主張し,IBM PC/ATバスとの互換性を保ったEISAバスを別途開発した.現在米国のPC業界では,MCAとEISAのどちらが標準 バスとなるか予断を許さない.
 こういった状況の中、日本電気は'89年10月,新バスアーキテクチャ「NESA」を発表した(図8)同バスは,EISAと同じく,現行バスとの互換性を保ちつつ、高性能化を実現したものだ。主な特徴は,132bitのデータ・アドレスバス幅,2現行バスに比べて約3.3倍の転送速度を実現,3複数のボードからのバス利用要求を調整するアービトレーション機能を装備などだ。同バスは,登場すべくして登場してきたバスといえる。今後,このバスがスタンダードとなるかどうかは,普及価格帯マシンへの搭載が鍵となる.


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NECもIBMも互換性重視でユーザにアピールしてきたから自業自得というか自分で自分の首を絞めるというか互換性を無くした製品を出しても成功しなかった。互換性重視という呪いをユーザにかけたのが悪い。目先の利益に目がくらんでなばかりの新製品を出し続けてきた報いだ。アップルのように互換性を捨てて行けばよかったのだ。

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