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HDD騒音,表示色,ASCII誌重量,ハンドル名他(月刊ASCII 1992年2月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

DMAからHDDの騒音についてスクラップする。

ええ~い,うるさい!静かにしろ!
 深夜,静かな環境でパソコンを使っていると,本体や周辺機器に組み込まれたモーター類のノイズが意外に気になるものです。ここでは特にデスクトップ用ハードディスク(HDD)について伺います.システムやアプリケーションをHDDから起動後,ドライブやクーリングファンから出るノイズを止めるために,外付け型のHDDの電源をいったん切り,ファイルの読み書きなどの必要が生じた時点で再びユニットの電源を入れるといった使い方はできるでしょうか。また,一定時間アクセスがないときドライブの回転をデバイスドライバなどで停止できるのか教えていただけないでしょうか?できれば,2~3の主要製品についての実験もご考慮ください.
 オフィスなどの比較的騒々しい場所で使用しているときは気にならなかったパソコンなどの発生する音も,深夜自宅など静かなところでは思った以上に気になるものですね。使わないときは電源を切っておけばいいのですが,レイトレーシングの計算やBBSのホストとして利用している場合はなかなかそうもいきません。私も,BBSのホストとしてPC-9801Fを改造して使っているのですが,枕元で騒がしい音を立てるパソコンに金槌を振り上げそうになったことは数知れず……とはちょっと大げさでしょうか.
 それでは,まずハードディスクの構造を簡単に説明しましょう。ハードディスクの内部は,大別すると図1のように「ハードディスクドライブ部」,「ハードディスクコントローラー部」,「電源部」の3つで構成されています(写真1)ハードディスクコントローラ部はCPUとメモリを持っており,ハードディスクインターフェイスからの命令に従ってハードディスクドライブ部をコントロールします.ハードディスクドライブ部は,実際の記録媒体の磁気ディスクやヘッド,それらを駆動する部分などから構成されています。


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 ご存じでしょうが,ハードディスクドライブ部のユニットの中では,その名のとおり硬い円盤(アルミニウムやガラス製)が数枚,高速で回転しています.1分間に3600回転,つまり回転速度は3600rpmということです(ICMのINTER-300Wなどでは4500rpm).ちなみにフロッピーディスクの回転速度は,ハードディスクの10分の1程度の360あるいは300rpmです.その磁気円盤の引き起こす風圧でヘッドをほんの少し浮かせて,ヘッドとディスク面が接触しないようになっています(一般にその隙間は0.2~0.5μだそうです).万一,ヘッドとディスク面が接触するとディスク面が傷付き,ヘッドも壊れてしまいます。そのためハードディスクの電源を落とすときには,ヘッドがディスク面に接触しない安全な場所にヘッドを移動させる必要があります。このヘッドを安全な場所に移動させることを“リトラクト”と言います.初期のパーソナルコンピュータ用のハードディスクは,コンピュータからリトラクト命令がきて初めてリトラクトしていました.これでは,停電などで電源が落ちると確実にハードディスクは壊れました(磁気ディスクの表面に傷が付けば、当然データも壊れます)。しかし,最近のハードディスクでは,一定時間アクセスがないと自動的にリトラクトしたり,電源が落ちるとバネの力などですぐに(ディスクが回っているうちに)リトラクトするように改良されています.ですから,電源が落ちてもディスクに傷が付くことはありません。
 さて、前置きが長くなりましたが,それではいよいよ本題に入りましょう.
 まずは,使用中にハードディスクの電源を落とせるかどうか実験してみました。実験方法は,コンピュータの使用中に“STOP”キーを押してリトラクトさせます.そして,ハードディスクの電源を落とします.しばらくしてハードディスクの電源を再投入します.ハードディスクが安定した後,コンピュータの使用を続けます。実験の結果は、表1のとおりです.
 結果から言えば,実験を行なったすべてのハードディスクで、使用中にいったん電源を落としても問題はありませんでした。ただし,同一の組み合わせであってもBIOSのバージョンや各機器の組み合わせなどでうまくいかない場合があるかもしれません。また,ハードディスクのアクセス中に電源を落としたり,電源の再投入後ハードディスクがまだ安定していないときにアクセスにいったりするとハングアップしてしまうことがありました.この結果だけで,ハードディスクは使用中に電源を落としてよいと考えるのは早計でしょう.リトラクトせずに電源を落とすと故障の原因となる可能性がありますし,書き込み中に電源を切ればほぼ確実にデータを失うことになります.ですから,あまりお勧めできる方法とは言えません。
 もし、ご自身のシステムで同様な実験をなさるときには,ハードディスクのバックアップを取ってご自身の責任において行なってください.
 次にノートパソコンの内蔵型HDDのようにモーターをアクセスがないときに一時的に停止させる方法ですが,一言で言ってしまうと,無理です。通常の外付けHDDは,ハードウェア的に停止させる機構がありません。それなら,そのための仕掛を作ってしまえば,とも考えられますが,ハードディスクの機構やBIOS,さらにデバイスドライバまで作り直さなければならないので現実的ではありません.
 では、このうるさいハードディスクを静かにさせる方法はまったく存在しないのでしょうか.次にいくつかの方法を紹介します。いささか無責任に聞こえるかもしれませんが,ご自身の責任と能力において,試してみてください.
1.静かなハードディスクに買い替える.
 最近のハードディスクにはかなり静かな製品もあります.お金に余裕のある方にはこれをお勧めします(でも,これができるくらいならこういう質問はしませんよね).
2.ハードディスクを離れたところに置く.
 なにも,ハードディスクはパソコンの横に置いておかなければいけないということはありません。アクセスランプが見えなくなったり,電源スイッチが操作しにくくなるだけで,ほかに障害はありません。足元や,モニタの後ろなどケーブルの届く範囲でいろいろな場所に移して一番静かなところを探してください。電源スイッチについては,本体と連動したコンセントを使ったり,別にスイッチの付いたテーブルタップを使ったりすれば問題ないでしょう.ただ注意しなければならないことは,水平に置くことと風通しの良い場所に置くことです.
3.ハードディスクを箱に詰める.
 ちょっと前にプリンタを詰め込む箱がありました(今もあるかもしれません)。その箱も同様に,騒音防止のための箱でした。ドットインパクト方式のプリンタが耳をつんざくような騒音を撒き散らしていた時代には重宝したものです.それと同じように,内側にゴムや布切れを貼ったりして工夫してみてください。実際試してみると分かりますが,段ボール箱で作ってもかなりの効果があります。密閉したほうが防音効果は高いのですが,風通しが悪いとドライブ筐体内の温度が上昇するので,箱を大きくしたり,換気口を開けたりして,換気には気を付ける必要があります(本誌ではハードウェアの工作記事が珍しくなっていますが,誰か,ハードディスクケースの工作レポートでも書いてくれないものでしょうか?).
4.冷却ファンを静かなものに交換する.
 この方法を取ると確実にメーカーの補償とサポートを受けられなくなります.ですからこの方法を試みるときは,ある程度の覚悟が必要でしょう.私もアスキー本誌も責任は負えません。ごく最近のハードディスクに付いているファンはかなり静かなものですが,ちよっと前のハードディスクに付いているファンは,かなり音の大きなものが大部分を占めていました。こんな場合は,秋葉原などで低騒音ファンを買ってきて交換するとよいでしょう.ちなみにファンの音は最近特に静かになってきています.パソコンなどの機器が家庭に入り始めたためでしょうか?
 これ以外にも,ファンからの風の吹き出し口のスリットが鳴ったりすることがあります.このような場合は,スリットを切り取ってファンの全体が見えるようにするのもひとつの方法です.ただ,ケースやシャーシに大穴が開くことになりますから,異物の侵入には,十分気を付けてください。また,筐体が共振して鳴ることもあります。このような場合は,ケースを外したり,補強するのがいいでしょう.
 なお,私の場合は,コンピュータ本体とHDD共に押し入れに押し込めて,モニタとキーボードだけを引っ張り出して使っています(図2).方法2と3の組み合わせというわけです.    (Kuma)


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懐かしい。ハードディスクを使っているときは神経を使ったものだ。

単語テーブルをスクラップする。

4096色中16色表示可能 16 colors out of 4096 colors
 なんだか妙なタイトルですが,パーソナルコンピュータのカタログや宣伝文句の中でよく見かけるフレーズです。パーソナルコンピュータの機種によっては,「4096色中16色」ではなく「32768色中256色」だったり「1677万色中256色」だったりしますが,ここでは「4096色中16色」を例に説明しましょう.
 さて,この文句が意味しているのは,このコンピュータは4096種類の色を発生させる能力がある,けれど,1つの画面の中に混在させられる色は16種類だけですよ,ということです.
 たとえば,4096色のクレヨンを持っていて,その中から16本のクレヨンを自由に選べるけれど,1枚の画用紙の中で使えるのは,選んだ16本だけというわけです。ただし,別の画用紙に別の絵を描く場合は、また別の16本を選び直せます.
 なぜこんなやっかいな制限があるのかというと,コンピュータの画面に保持しておける情報に限りがあるからなのです.コンピュータのディスプレイの映像は,ビデオとは違って半導体のメモリに記憶された画像の情報です.メモリをたくさん搭載しておけば,さまざまな色を記憶できますが,コンピュータの画面表示に使われるメモリは比較的小さく,一度にたくさんの色の情報を記憶しておけません。言い換えれば,「○○色中△△色」といった場合の「△△色」の数が多ければ,それだけ多くの表示用メモリを搭載しているということです.「○○色」のほうはどれだけ最初に選ぶ色を用意できるかを表わします.ちなみに,4096色の情報の中の,どの色を使って画面を表示しているかを記憶しているのがパレットレジスタと呼ばれる小さなメモリです.これはその名のとおり,コンピュータが光の3原色,つまりブルー,シアン,マゼンタを使って調合できる色の中から,画面に表示する色をのせておくパレットの役割を果たしています.
 ですから,一度に表示できる色数は限られていても、画面ごとにパレットレジスタの内容を書き換えることで,さまざまな色あいを使い分けられるのです.    (安田 幸宏)

 「○○色中△△色」懐かしい言葉だ。

ASCII誌は年々重くなっていた。創刊時と比べて10倍にもなっていた。
ASCII1992(02)e02ASCII重量_W520.jpg
広告がそれだけ増えたということだ。

パソコン通信情報ボックスの扉をスクラップする。
ASCII1992(02)f02ハンドル名_W520.jpg
「ハンドル名」という用語が懐かしい。
 アスキーネットPCSのpool.pddにアップロードされているハンドルリスト('91年10月30日付け,総数8326ハンドル)から,同じハンドルがいくつあるかをAWKを使って集計した.アルファベットの大文字小文字や1/2bytes,ひらがなカタカナ/1byteカナはそれぞれ同じものとみなした.最も多いのは24名の「hiro」(「HIRO」や「HIRO」「Hiro」など)であった.カタカナ/ひらがなの「ヒロ」も含めれば31名の同音のハンドルがあることになる(「masa」,「マサ」も同様).
 重複の多いハンドルには、本名から取ったと思われるハンドルが多いことが分かる.本名の一部をハンドルとするのは本人もニックネームのように親しめるであろうが、同じようなことはほかのネットワーカーも考えているようだ.今回資料に使ったリストのようにハンドルの一覧があれば,すでにあるハンドルと同じになることを避けることができるだろう(ホスト局によっては本名が自動的にハンドルになったり,すでに使われているハンドルは登録できないところもある)
 書き込みやメールを書いたのが誰かを識別するのはIDとハンドルであり、同ハンドルは不要な誤解を招くことにもなりかねない.なによりも、ハンドルはパソコン通信上での名前であり顔であるので、オリジナリティのあるハンドルが良いようだ.

 凝ったハンドルを考えるのはなかなか難しい。ついつい実生活で使われているあだ名を使ってしまう。

「なないろのディスプレイ」という連載漫画があった。
ASCII1992(02)f01なないろ_W520.jpg

長期ロードテストの第27回の扉にある文が当時の私が使っていたソフトウェア環境に似ているところがあったのでスクラップする。
 このところ誌面には登場していないが,テストマシンが死んでいるわけではない.VJE-βとVZエディターの2つがあれば,日常業務(原稿作成など)のほとんどができてしまい,新たなアプリケーションの導入などはしていないのが現状だ。しかし,バージョンアップされたMS-DOS Ver.5.0やVJE-β Ver.3.0(とVJE-Pen Ver.3.0)の機能は魅力的だ。実はDOS5については発表と同時にショップに注文して,すでに入荷を確認しているのだが,忙しくて取りにいけないでいる.
 とはいえ,システム構成が全然変わっていないわけではない。最も使っているVZエディターはパソコン通信サービスで入手した差分ファイルでVer.1.57になっているし、定期的にノートン・ユーティリティでディスクのメンテナンスも行なっている.これらの経緯については,DOS5やVJE-βのバージョンアップなどと一緒に,機会を見て紹介させていただくことにしよう.



編集室からをスクラップする。
超高解像度視窗環境
▲1年間,あまりにも家庭サービスをしていないというので,この暮れになってスタッフの冷ややかな視線を背に香港へ上海蟹ツアーとなった。本文の「蟹喰猿的香港電脳購物班」にもあるが,価格が「毎週下がっている」と言われた時期だけに,IBMPC互換機の本体,周辺ともに「激安」である。単純にCPUスペックだけで比べてしまうと、国産の同クラスのマシンとの間には,かなりの価格差がある.もちろん,CPUスペックだけで、こちらがコストパフォーマンスが優れるなどとはいえない。現在のシステムとの互換性やメンテナンスを含めたシステム全体のコストは簡単にははじき出せないからだ。
 今月から長期ロードテストに追加した486DX33MHzのIBMPC互換機は,台湾製マシンの輸入販売店での購入となった。まだまだ,香港や台湾でパソコンを買ってくるとか,ファクスオーダーで取り寄せるというのは、ごく普通のユーザーには勇気のいることだろう.実際,リスクがあるのは誰の目にも明らかである。長期ロードテストでは,そこまでは踏み切れないケースを想定したものとなっている。
▲IBM PC互換機は、いうまでもなくDOS/Vベースで使うことになる.MS-Windows環境,あるいはLANサーバーなどとなる。このあたりが、数年前には,かなりマニアック(あるいは専門的)な人たちだけの話題だったピュアなIBM PC互換機を、リアリティのあるものにしている.とくに,DOS/Vの上で直接アプリケーションを動かすということよりも,IBMマシンのXGAやIBM PC互換機のSVGA,Windowsアプリケーションが使えることがポイントとなる。DOS/Vの「V」の字は,もともとたいした意味はなく,DOS/V=XGAの1024×768ドットやSVGAの高解像度Windows環境のためのものとなりつつあるのだ。高解像度での日本語対応も進むだろう.
 IBM PC互換機は,ブルブルとエンジンを震わせて待っている速くてデカい車のようなところがある。さて,乗り心地はどうか?    (遠藤諭)

 CPUの高速化もさることながらWindowsを使うのはなにより高解像度の画面が必要だった。640×400ドットの画面でWindowsなんて正気の沙汰ではないと思っていた。

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