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パソコン、ハードソフト、その他(月刊ASCII 1991年4月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

エプソンが80386/SXマシン2機種を発売
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PC-386BOOK Lの価格は37万8000円

日電,32bitラップトップマシン2機種を発売
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N5200モデル03LCの価格は135万円
一般ユーザが買うパソコンのレベルではない。

I・OデータがPC-9800シリーズ拡張スロットを応用した「98セカンドバス」規格を発表
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親亀の上に子亀を乗せてという感じのもの。使ったことはないが、良いと思う。

エプソンが200MbytesのSCSIハードディスクを発売
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価格は34万8000円

テクノジャパンがPC-9800用の低価格ハードディスクを発売
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130MbytesのPD130GSXの価格は16万8000円

アイシーエムが容量40Mbytesの2.5インチHDD製品群を発売
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日本電気が200M}FLOPS達成のベクトルプロセッサを開発
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ベクトルプロセッサという用語には憧れていた。大型コンピューターでFORTRANのDOループでしか使えない機構だということでいつかは使えるといいなと思っていた。今では当たり前の技術になった。

米NS社が100MIPSの64bitRISCプロセッサを発表
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富士通研がジョセフソン素子用の24bit加算器を試作
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まだジョセフソン素子という用語が出てきている。いつになったら消えるのか。この記事あたりが最後かもしれない。

日立が世界最小のDRAMメモリセル構造と開発
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東芝がチップサイズ世界最小の64MbitDRAMを開発
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この時期も日本の半導体技術は世界初というレベルの製品を開発することができた。

メルコが98NOTE用の1.5MbytesSRAMカードを発売
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不揮発性のメモリカードが発売されるようになった。
1.5Mbytesで9万8000円

三菱が大容量メモリカード2品種を開発
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富士通が日本語MS-Windows3.0とNetWare386を発売
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どの位売れたのだろうか。

NKK,OA機器を装備した小型ブースシステムを発表
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この後このタイプのものは駅などに設置されたような記憶がある。そのたびにTVで新しいものだと紹介されていた。全然新しくないって。知らないのはお前だ。

ソニー,米Apple社と提携で携帯型コンピュータを開発
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米国ハイテク産業の動向をスクラップする。
Pen Point from Go
 2月に入ってGo社が異常な注目を集めている.1月末に,同社の新しいOS,「PenPoint」が発表されたからだ.PenPointはその名が示しているようにペンを入力デバイスとした新しいタイプのOS.このOSでは今までのキーボードやマウスにかわって,11種類の「基本ジェスチャー」を組み合わせてコンピュータに動作を指示する.

ASCII1991(04)b18表1PenPointジェスチャー_W520.jpg
 ネットワークに関してはApple社のAppleTalkをライセンスして標準でサポートする。またGo社は同時に2種類の開発プログラムを発表。1つは,2000ドル出せばPenPointとプログラミングツール,開発用資料一式が入手でき,5日間の開発コースにも参加できるというもの。さらに本格的に開発をしたければ,7870ドルの企業向けプログラムがあり,Go社が開発したサンプルハードウェアがついてくる.
 今回発表されたのは286で動作するプロトタイプバージョンだが,最終製品は386以上のみで,特に386SXを用いた低価格のノートブックタイプのマシンをターゲットにしている。最終版の出荷は今年の終わり頃か来年早々を予定.同社は当初計画されていたノートブック型のプラットフォームの販売はあきらめ,OSのOEMに徹することでMS-DOSのように業界の標準OSとなることを目指しているようだ。
 Go社のセンセーションには,同時に発表されたWilliam Campbellの同社社長就任も一役買っている。CampbellはApple社のソフト子会社,Claris社の社長を約3年間つとめた人間で,Microsoft社に次ぐソフトの大手に育て上げた業績は高く評価されている.この大物移籍がGo社のクレディビリティ向上に大きく寄与している点は見逃せない(この移籍には,Claris社のApple傘下再編入事件が影響しているとみるアナリストも多い)。やはりIBMやNCRなど大企業とわたりあうならばそれなりの看板が必要ということで,今のところはGo社の思惑通りにことが運んでいるようだ。
 PenPointに対しては,IBM,NCR,GRiDなど大手PCメーカーも含めてすでに30社以上が導入を考えている.IBM社のJim Cannavinoなどは「これはまったく新しいマーケットであり,まったく新しい方式だ」と,大変な熱の入れようだ。IBM社はPenPoint搭載のノート型マシンを今年後半には一部の限定ユーザーを対象に出荷を開始したいとしている。一部のアナリストは,PenPointの出荷予測を'91年度中に4万5000台,'95年までには125万台とするものもいる。いずれもペンOSが新しいパラダイムとして単独でMS-DOSのようなマーケットを生成することを期待しているわけだが,もちろん期待通りすべてがうまくいくという保証はない.バーティカルなマーケットではある程度の売り上げは期待できるが,汎用OSとして一般に普及するにはアイデア不足という声も根強い。「PenPointはマウスをペンに置き換えただけ。しかもペン入力は何も今始まった話ではない」とか「デスクトップでの利用ではどうしてもキーボードは必須となる」というのが主な意見だ.また競合の動きも気になる.Microsoft社はMS-Windows3.0にペン入力ができる拡張版「PenWindow」をすでに開発中であるしApple社もMacOSにペン入力拡張を考えている.ノートブック型のMacはペン入力ができるようになるという噂もある。こうなると,バーティカルなマーケットでさえこうした既存OSに侵食されてしまう可能性もあるわけだ。


ASCII1991(04)b19図1PenPoint _W378.jpg
 Pen入力の方式は電子手帳の他、ゲーム機のニンテンドーDSで採用されたのが記憶に残る。MS-DOSのようなパソコンのOSに取って代わるものでは無かった。
M&A話2件
 Lotus社が電子メールソフト(俗にいうE-mail)を開発,販売している「cc:Mail社」を買い取ることになった.cc:Mail社はE-mailに関する最大手で,パソコンのE-mail分野では約35%のマーケットシェアを持つ(といっても社員50名程度の中堅企業だが)。今までに80万セット以上を販売しており、昨年度の売り上げ高はおよそ1200万ドル(約15億円)買い取り価格は公表されていないが,大体3000万ドル前後(約40億円)になるという.米国ではLANのインストールがこのところかなり急ピッチで進んでおり,これに伴ってE-mailの需要も急上昇している.
 ちなみに,'90年度でE-mailシステムの総売り上げ高は9400万ドル,'94年までには約4倍の3億5000万ドルもの市場規模の拡大が予想されている.また,Lotus社としてはcc:Mailから,ワークグループソフト「Notes」にアクセスできるようにすることでNotesの機能を拡充したい考え。今年の秋から冬にかけて,cc:Mail-Notesゲートウェイバージョンのリリースを開始する予定だ.
 Lotus社としては2カ月前にWindows3.0対応ワードプロセッサAmiのSamna社を買い取ったばかり(このときの買取価格が大体6500万ドルだったといわれている)。このところ中堅企業を積極的に買い取る動きに出ている.今でも同社の約6割の売り上げを占める1-2-3から,徐々に他のソフトに重点をシフトさせていきたい点が一連の買い取りの主な動機だ.最近正式なリリースが開始されImprov(今のところNeXT版しか出ていないが)もまた同社の重点シフトの一環。Windows3.0の登場で,Excelなど強力な競合が次々と出てきているなかで,スプレッドシートの専業メーカーに終わりたくないというJim Manziの戦略を反映した結果だ.特にネットワークは同社の最大の関心事で,失敗に終わった昨年度のNovellとの合併話もこうした背景を持っている。まあ、Novellを買い取るのに比べれば,一連の中堅企業吸収劇はまだまだ安い買物なのかもしれないが,ネットワークを中心にしたLotus社の戦略展開は今後注目に値する.
 もう1つのM&Aは,Compaq社がSilicon Graphics社と合併するという話.Compaq社はもちろんPCクローンメーカーの最大手.同社がグラフィックスに特化したGWSメーカーであるSiliconGraphics社と合併すれば,業界に与える影響はかなり大きい。両社が一緒になれば,PCからUNIXまで幅広い製品ラインが1社で供給可能になるからだ。
 今のところ両社の製品は競合する部分が少ないので,合併にはかなりいい材料が揃っている.Compaq社はこのところRISCベースのマシンの開発を匂わせるなど,WS分野に進出したい意向だしSilicon Graphics社としてもPC用グラフィックスアクセラレータを開発するなど,PC分野への進出を行なっている.販売網の面からも両社は補完しあえる関係にある.Compaq社の主力は店頭販売だが,Silicon Graphics社はメーカー直売を主力にしているからだ。
 「この話は案外うまくいくかもしれないな」と気楽なことを考えていたら,実はこの合併話は単にPCメーカーとUNIXメーカーの2社間の話に留まらないことに気がついた。PC界の今後10年を占ううえで最大規模の影響を与えるかもしれない,もっと大きな動きの一環として出てきた話なのだ。
 ご存じのようにPCの世界では旧IBMのアーキテクチャが業界の標準として確立している.CPUにIntel社の86系を用いたDOSマシンがそれだ。Microsoft社ではこれにWindows3.0を投入するすることで延命に一役買ってはいるが,IBM PCアーキテクチャ自身はすでに10年以上前のもの.将来的にこのままでいられるとは誰も思っていない。すでにPCよりも性能が要求されるWSの世界では,RISC系の主導のもとで乱戦状態になっている.Intel社は最近,100MHzの486を発表して86系CPUの将来も明るいなどと盛んに騒いではいるが,この点に疑問を持っているのはMicrosoft社にしても同様に違いない。そこで次期PC,とくにハイエンドPCからWS分野のマシンが,どのようなハードウェアアーキテクチャになるのかというと,まだ誰も断言できるものはいないが,少なくともRISCを搭載した現在のいずれかのUNIXマシンがそれに「近い」のではないか、というのが業界の一致した見方だ.
 こうした点をとらえ,現在着々と布石をうっているのがSunMicrosystems社で,SPARCアーキテクチャの拡大路線はこの欄でもたびたび報告している.現在すでに10社以上がSPARCクローンの製造に入っており,Sun自身もSunOSを提供することや,SPARCチップのライセンスをSPARCインターナショナルに渡して第三者がライセンスを受けやすくするなど,積極的。またLSILogic社はこうしたSPARCクローンを製造するためのチップセットを販売している(ちょうどPCクローンの場合のChips&Technology社のチップセットと同様).現在このチップセットは,7個の20MHz版コントロールチップ,SunOSライセンス料,SPARCクローンを製造するためのマスク(マザーボードを設計する必要もない!)を含んで1台あたり1000ドル。まだまだ高いが,多少の初期投資のお金があって,マザーボードを製造する設備を持っていたり,そうした所とつながりがある会社ならすぐにでもSPARCクローンの製造を始めることができるような仕組みができ上がっている.
 このままSPARCが将来のPC/WSのアーキテクチャとして事実上採用されてしまうと困る会社が多数出てくる.DEC,Silicon Graphics,SCO,Microsoft,Compaq社の面々がそれで,将来のハイエンドPC-WSの標準開発に向けて話し合いがもたれているのはもはや公然の秘密。そしてこのグループがターゲットにしているのがMIPS社のRシリーズである.DEC社やSilicon Graphics社にしてみればMIPS社のCPUを採用したWSを出しているので当然と言えば当然の動き.Microsoft社やSCO社などOSメーカーにしてみてもSunOSがWSの標準OSとして確立されてしまっては、彼らの存在そのものも危うくなってくる.このへんの動きがUI(Unix International),OSF(Open Software Foundation)の動きともリンクしてさらに複雑怪奇な様相を示していたが,UI-OSFの決裂によって一挙にMIPS社のCPUを採用した標準ハードウェアの開発を加速したようなのだ。
 こうした業界の大きな流れのなかで今回のCompaq,Silicon Graphics社の合併の噂を見てみると,これが単なるPC-UNIXメーカーの合併話でないことは明らか。合併がうまくいくにせよ,単なる噂に終わるにせよ,対するSPARC陣営にとっては大きな脅威であることには間違いない.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)

 「IBM PCアーキテクチャ自身はすでに10年以上前のもの.将来的にこのままでいられるとは誰も思っていない」でも互換性の呪縛に囚われ徐々にしか進歩できなかった。互換性は進歩を妨げる悪だと思っていた。とっとと古い機械は捨てればいいのだ。PC-9801VX2を買ってしまった私はみんな不幸になれと呪っていた。

Miscellaneous :behindthenewsをスクラップする。

トランジスタの父,82歳で死去
 ComputerworldとSmithsonian Institutionが主催した「テクノロジーを社会のために役立てたことを讃える賞(Computerworld Award for Innovative Use of Information Technology)が発表された.10項目に分かれているが,中でも「政府関連」の2つの受賞がおもしろい。1つは,行方不明となった子供を探すための,イリノイ州立大の「Missing Children Project」.単なるデータベースなのかなと思ったらさにあらずで,行方不明になった当時の子供の顔写真を元に,3,5,10年後の顔を生成するイメージ処理システムという.どんなアルゴリズムで処理するのかは分からないが,受賞したというのだから,結構当たっていたのだろう.
 もう1つは,BIという会社が作った「Home Escort System」.これは,「非暴力的犯罪者」が自宅で刑期を過ごす間,足首に巻いた無線機からその行動を電話回線を通して刑の施行機関が監視するというもの。ハイテクが社会に悪い影響を与えるというイメージを覆すために賞を設立したというが,このBI社のシステムはハイテク管理社会の不気味な感じを受けるのだが.
 暗い話では,トランジスタを発明した3人組みの最後の生き残りだったJohn Bardeen氏が,ボストンの病院で心臓麻痺のため82歳で亡くなった.Walter Brattain,William ShockleyとともにBell研究所で固体物理学を研究,1947年にトランジスタを発明し1956年ノーベル物理学賞を受賞した.その後,同氏は低温超電導の道に進み,世界で初めて同じ分野で2度のノーベル賞を受けた.1908年,ウィスコンシン州Madisonに生まれ,ウィスコンシン大学とプリンストン大学で学位を取得,1951年からイリノイ州立大学で教鞭を取り,現在は同大学の名誉教授となっていた.Brattain氏は'87年に,Shockley氏は昨年他界しており,これでトランジスタ発明の生き証人はいなくなったわけである。
 3人の伝記でも読みたくなるが,こちらはまだ生きている人の伝記。ハーバードを中退してMicrosoft社を起こし,世界最大のソフト会社にしたBill Gatesの伝記が,1992年にDoubleday社から出版される.『Billion Dollar Bill: Gates and Microsoft and How They Grew』と題されたこの本は,PC/ComputingのコラムニストStephen Manesらによって書かれる.同氏によると,第一に分かりやすく,どのようにGatesとMicrosoftがコンピュータ業界と社会に革新的な衝撃を与えたか著すという.「これはまさにエキサイティングなプロジェクトだ。この本に記されるのは,GatesとMicrosoftを通して見たマイクロコンピュータの全歴史である.Gatesはコンピュータ業界のHenryFordであり,現代のアメリカンドリームがいかにして現実のものとなったかを描く」そうだ。

伝記がトランジスタの父とビルゲイツの両方同時期にあった。

ソフトは効率よく作りましょう
 日本のソフト開発力が米国を超えたというレポートが入っている。これによると,日本のソフト会社は米国の会社よりもより生産的でよりバグの少ないソフトを書くのだという。「日本は品質管理において最良の実践を行なっている」と,「日本のソフトウェア工場』の著者であるMITのマイケル・クスマノ助教授は語った.彼によれば,プログラマの不足と客の要求に応えるために,日本の管理者はソフト開発時のプロセスを能率化する必要があったという。同氏は「日本の会社がソフトを書くという行為を芸術から「技術に変えた」と説明する.
 たとえば,日立,富士通,日本電気,東芝などは,標準化されたトレーニング,開発ツール,労働力の重複やエラーを減らす努力を行ない,何千ものプログラマをともに働かせるソフトウェア工場を作り上げている.米国でも同様の方法を採っている企業はあるが,日本の企業はもっと進んでいるという。また,どこでどう調べた数字か分からないが,「日本でもっとも優れたソフト会社は,米国の会社と比較した場合,プログラマ1人当たりの生産性において30~40%高く,ソフトにおいては25~50%もバグが少ない」というのだが,私は信じないぞ。
 ただし,単に経験と自由度という点からすれば,疑うべくもな<米国のほうが才能に恵まれ創造的なプログラマが多く,創造性はパソコンソフトの開発において重要なのだが,多くの場合,それが障害なのだという。「もし以前あったのと似たようなものを作ろうとする場合,創造性は必要ない」とクスマノ氏は述べる.日本企業の報告によるとプログラムの70~90%は以前からあるものが使えると説明する。「別に極端に創造的な人間である必要はない。標準的なツールと方法,以前からあるコンポーネントが使いこなせるエンジニアならばよい」わけだ。自動車と家電製品では,日本のやり方に気付かずに手遅れになったが,どうなるのか.
 この話と関係ないが,Borland社は,プログラムを書く技術がなくてもWindows3.0用のビジネスアプリケーションが作れるといVisualProgrammingTool「ObjectVision」を発売した。Borland初のWindows3.0用ソフト.プログラムの段階は3つあり,まず最初に,画面のデザインやボタンの配置を決める。次に,データの表示枠やボタンに「DecisionTrees」というビジュアルプログラミングツールで機能を定義すればいい。また,手持ちのデータとリンクすることも可能という.プログラムの部分がなんとなく難しそうだが,表計算ソフトの計算式を書く要領で記述できるという.ParadoxやdBASE,ASCIIファイルを直接アクセスできるほか,DDEで他のWindowsアプリケーションとデータのリンクができるというのは魅力だ。柔軟性の高いカード型データベースとして使えそうである。価格は,495ドルだが,5月末までは発売記念価格として99.95ドルで販売される(日本でも英語版で発売となる予定).

「日本の会社がソフトを書くという行為を芸術から「技術に変えた」そうかもしれない。昔プログラミングは科学であった。ダイクストラ先生とかの良書が科学の雰囲気を醸し出していた。素人が趣味のプログラミングをするようになると芸術的なコードを書く天才といっても良い人たちが出てきた。コードを見てほれぼれとした。私にはそんなコードが思いつかない。プログラミングを技術として分かりやすく書いてくれたのが林晴比古氏だった。氏の意見は同意する点が多々あった。

2001年と湾岸危機
 これは新聞にも載ったので知っている人もいると思うが,フランスがイラクに売ったエグゾセミサイルには,「Backdoors」というソフトが積まれており,遠隔操作で自爆させられるという噂が飛んだ。ドイツの専門家は,「このような故意のコードがプログラムの中にあるのも無理はない。テスト段階では,自爆装置を遠隔操作して破壊できなければならない.そして,正常に動作しているソフトはなかなか変更しにくい。だから,ソフトの中にそのような部分が残っていてもおかしくはない」というが,そんなことがあるのだろうか.フランスがイラクに売るときにこのことを秘密にしてあれば可能だが.
 この湾岸戦争を,作家のArthurC.Clarke氏が「世界初の衛星戦争」と呼んだという。「コミュニケーションは力である.残酷な光景を見ることで米国民は戦争に対して反感を抱くだろうし,逆に、捕虜が鞭打たれる姿で戦いを決意する」ということで,湾岸危機で発揮されているような衛星通信の威力は世界をもっと平和にすることもできると述べている。同氏は50年前,すでに衛星通信を想像していたが,現在,個人的な通信史を書いている最中という。この本は1945年に科学雑誌に彼が書いた記事から始まり最後の章は湾岸危機で活躍している技術までたどり着くお話だそうだ。とにかく,地球規模の衛星通信ネットが構築され,電話やファクス,テレビで情報が自由にやり取りできるようになれば,地球はひとつの大きな家族になるということらしい。

戦争をTV中継で見たというのが衝撃だった。だんだん現実がゲームの世界に寄って行った。ゲームをするように端末を操作して人を殺す時代になった。

結局みんな無線パソコンになるのか
 だからというわけではないが,NEC America社が「Portable Cellular Workstation」を発売した。同社のP300という携帯電話とセルラーインターフェイスをノート型パソコンとセットにしたもの.12MHzの286に20MbytesのHDD,VGAディスプレイを積んだUltraLite286V/Fをベースに,ファクスの送受信や電子メールなどを可能にするソフトを搭載するという.ただし,電話機能と一体というわけではなく,ジャックに接続するようである。
 米国ではすでに携帯電話にシリアルインターフェイス(RJ-11という)が搭載されており,専用のモデムがMicrocomなどから1000ドル前後で発売されている.MNPクラス10というエラー訂正・データ圧縮プログラムプロトコルを搭載し、実効19200bps出るという.昨年のComdexでも無線内蔵のノート型はすでに発表されているし,AT&Tは丸紅と共同でセルラー内蔵のノートパソコンを出そうとしている.PenPointのGo社が最初に自社で発売しようとしていたコンピュータのスペックにもセルラーモデムが入っていた.AppleもFCC(連邦通信委員会)にパソコン用の周波数をとっておいてくれと申請している.
 セルラーといえばMotorolaだが,こちらは「Wireless Inbuilding Network:WIN」を発表した。つまり,LANの代わりに無線を使おうというもので,Altairシステムと呼ばれ,携帯用無線電話と同様の概念が採用されているほか,現在のワイヤレスコンピュータネットを改善するいくつかの新技術も利用し,1.5Gbps程度の速度を実現。32台までのパソコンやプリンタを5000平方フィート内で使えるようになる.黄色いケーブルが這っているとナウいという時代は終わり,ケーブルなしの時代が来るのだろうか.
 日本でもIBMや日本電気が無線パソコンを開発中という.ともに最初は携帯電話に接続するのではなく,日本シティメディア社が都区内14カ所に設置しているデータ通信専用の中継システムを利用するようだ。春には,郵政省が法改正を予定しており,携帯電話と合体したノート型も期待できる。ハードは多少高くなってもいいから,通話料金をなんとか欧米並みに下げてほしいものだ。最後にIntelの話題を一気に紹介しよう.まず,1990年はIntelにとって売り上げで25%,純益は66%の伸びという記録的な年になったという。同社は,ユーザーが386/486マシンに動いたことを理由としている.
 2つめは,次世代のアーケードゲームとしてIntelのDVI技術を使ったマシンをDataEast社が開発中という。「初めてアーケードゲームが映画の緊張感や現実感を備える。プレイヤーはあたかもゲームの中にいるような,味わったことのない衝撃を受けるだろう」という.
 3つめはMacOSが86系マシンに移植されるのではという噂.Apple社がライセンスを供与するというが,どうなるのか.i586は複数の386を内蔵して33MHzの486より4倍速いというから,68000のエミュレートくらいできそうだ。
4つめは,386SXの品不足で,Compaqのノート型パソコン「LTE386/20」の出荷が遅れているという。まあ,悪いのはCPUだけでなく,Connerの2インチHDDや,SharpのLCDも原因という.ノート型では日本のほうが競争が進んでいるが,DOS4/Vのアプリが揃ってくれば,あちらのノート型も購入対象になるわけで,ドーンと量産して安く供給してほしいものだ。

「i586は複数の386を内蔵して33MHzの486より4倍速い」そんな話があったとは記憶にない。

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ソフトウェアの日本語化
 現在日本で流通しているパーソナルコンピュータのソフトウェアの中には,かなりの割合で,英語用ソフトを日本語用に移植したものが含まれている.ソフトウェアの日本語化作業は,単にメニューやメッセージを日本語に翻訳するだけではすまない。実際に,どのような作業が必要になり,どのような問題点があるのだろうか.
文字コード以上に難しい「文化」の違い
 英語のソフトと日本語のソフトの違いで,まず頭に浮かぶのが,文字コードの違いだろう.英語では,アルファベット26文字と若干の記号だけで,たいていの文章表現は十分間に合う.しかし,日本語の場合は、数千もの漢字が必要になる.このため,英語圏では文字は1byteのコードで表現できるが,日本語の場合は2bytesのコードが必要になる.
 英語圏で作られたソフトウェアは,文字コードが1byteであることを前提に作られているので,まったく手を加えずに日本語が使えることはまれである。ソフトを日本語化するためには,まず,2bytesの文字コードに対応させる作業が必要になる.
 それでも,文字コードの違いについては,OSが提供する文字入出力ルーチンだけを使用していれば,比較的簡単に移植を行なえる.文字コード以上に難しい問題は,各言語における,さまざまなマナ一の違いだ。たとえば,日本語には,句読点を行頭に置かないなどの「禁則」というマナーがあり,ワープロソフトなどの移植をする場合には,禁則処理のルーチンを新たに追加しなければならない.
 禁則の場合,さまざまな流儀があって,これが正しいという決定的な方法が存在しないのも問題だ。このほかにも,金額や日付の表記など,マナーの違いは多岐にわたるため、マナーに関する変更部分は,文字コードに関する変更部分よりはるかに多いという。また、将来OSの機能などが強化されたとしても,言語のマナーに関する移植部分がなくなることはないだろう.

FPのインターフェイス整備が最重要課題
 日本固有ともいえる,日本語入力FPの存在も,アプリケーションの移植作業に多大な影響を与えている。日本語入力FPは,OSとハードウェア,OSとアプリケーションの間に,言葉は悪いが強引に割り込む形で存在している.アプリケーションを日本語化する場合には,文字コードや禁則処理などに対応するだけでなく,日本語入力FPとのインターフェイス部分も新たに付け加えなければならない.
 現在、日本語入力FPは,多種多様のものがあり,アプリケーションとのインターフェイスもまちまちだ。日本語対応ソフトでも,使えるFPと使えないFPが存在するのは,これが原因になっている.
 FPとアプリケーション間のインターフェイスを統一するという動きもある。たとえば,MS-DOSでは「MS漢字インターフェイス」という共通規格が提唱されている.しかし,現在存在しているFPのうち,MS漢字インターフェイスをサポートしているものは,それほど多くはないMacintoshの場合も、アップルジャパンを中心に,統一に向けての動きがないわけではないが,具体的な作業はまったく行なわれていない.
 したがって,現状では,各アプリケーションが、個別に各FPに対応する場合が多い。複数のFPに対して,矛盾が生じないようにインターフェイスを設計することは非常に難しく,日本語化作業のボトルネックになっているという。共通のFPインターフェイスの制定と普及が、速やかに行なわれることを期待したい。(竹田)
取材協力(株)システムソフト,マイクロソフト(株)(順不同)

日本語化での問題は8bitの頃もあった。英語版ソフトは7bitで足りたので最上位ビットをフラグにとか使っていたのものもあった。英語とカタカナに対応するには8bit使うのでコメント欄にはローマ字でメッセージを書いたことがあった。英語で書けよと思われるかもしれないがそんなところにあやふやな英語メッセージを使っても信用できない。信用できるのはコードだけだ。

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