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ハビタット,バス,TRON(月刊ASCII 1991年3月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ヴァーチャルリアリティは33年前からあった。別に新しいものではない。というか古いものだ。10年ひと昔なら3昔前だ。なんと古いくさいものをさも新しいものかであるかのように言っているのか。セカンドライフやメタバースの原形だと私が思っているハビタットの記事があった。
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ハビタット
 今まで紹介した有力企業以外でも,人工現実ビジネスに携わる人々が多彩なアプリケーションを展示して,サイバーソンの参加者の目を楽しませてくれました。その中から,いくつか面白い例を紹介しましょう.
 ハッカー・コミュニティ仲間のひとり,チップ・モーニングスターが,ハビタットという人工現実風のゲームを展示していました。チップはベテランのプログラマでハッカーズ会議の常連であり,ゲームプレイヤーの行動それ自体によって進行していくコンピュータゲームに深い関心を抱いています。チップとF.ランドール・ファーマーは,現実世界のロールプレイング・シミュレーションに最適な環境,ハビタットを協力して作り上げました.ハビタットは,コンピュータを仲介役としてプレイヤー同士がコミュニケーションできるシステムです.自宅のコンピュータの前に座っているプレイヤーは,ホストコンピュータを通して別のユーザーとつながるのです.ハビタットのプレイヤーはいくつかの「実体」を直接コントロールでき,あるプレイヤーの「実体」はほかの全プレイヤーの「実体」とコミュニケーションできます。ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(TM)のようなロールプレイングゲームにちょっと似たところがあります.
 ハビタットは,もともと1985年に「クラブ・カリービ」として世に出ました。これはCommodore 64をプレイヤーのフロントエンドに使っていましたが,新しいバージョンではFM TOWNSが使われています。ハビタットの画面は2つに分かれていて,大きいほうがプレイの進行を人工現実のグラフィック・イメージによって表示するために使われ,小さいほうがコマンド入力用で,プレイヤーはここでコマンドを入れたりメッセージを読んだりします。プレイヤーを表わすイメージは,アバタと呼ばれます。アバタは,人工現実の中の物体をプレイヤーコマンドの指示どおりに取り扱います。ハビタットの世界の中では,アバタが結婚したり離婚したり、会社を作ったり教会を建てたり、探偵になったり公共機関を運営したりするのです.
 チップは,「ハビタットは日本で大人気なんだ。今デモをやってるゲームが,日本のNIFTY-Serveっていうネットワークで現に動いているんだよ」と言っていました。この記事を読んでいる人の中にも,きっと自分でハビタットをプレイしている人がいるはずです.もしそうなら,ハビタットをどう使っているかということと,あなた自身について書いたお便りをぜひハイパー・ハッカー宛にお送りください。

 ハビタットをセカンドライフやメタバースと読み換えても通じるだろう。

TBNの「なんでも相談室」にバスの解説があった。
システムバスと拡張バス
 バスとは,コンピュータ内のある回路と別の回路の間を結ぶ信号線で,データなどの信号が通る道のことです。通り道といっても、通常は信号線が何本かまとまって走っており,その一組の信号線束を指します。1本の線には一つの信号が流れますが,バラバラな速さで流れるのではなく、タイミングをとって,同時に複数の信号が流れています。たとえば,乗り合いバスを考えてみてください。乗り合いバスはさまざまな人が一緒に乗って目的地へ行きます。これと同じように,データやら制御信号やらが一緒に回路まで行く通路がバスというわけです。バス停が接続している回路,乗客がデータや制御信号に当たります(図1).ちなみに,この信号線束の信号の仕様をバスと呼ぶ場合もありますが、ここでは,バスはあくまで通り道のこととして説明していきます.

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 コンピュータシステム内部では,プロセッサやメモリなどを結んで「システムバス」が走っています.これは人間にたとえると脊椎ともいうべき重要な道です。コンピュータ雑誌などで使われるバスという言葉は、主にこのシステムバスのことを指しています。バス構造を中心にコンピュータ内部の概念図を示すと図2のようになります。システムバスが脊髄ならば,プロセッサは人間の脳に当たるでしょう.プロセッサとメモリ間などのデータのやり取りは,システムバスを通して行なわれているのです.そのため,システムバスを(システムの)内部バスということもあります。

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 システムバスに流れている信号は,アドレス信号,データ信号,制御信号の3種類に分けられます。アドレス信号は,プロセッサがどこのデータを使うのかを指定する信号です.データ信号は,アドレス信号で指定されたデータの通り道です。制御信号は,アドレス信号で指定されたデータをどうするのか(読み取るのか,書き込むのか、別の回路に持っていくのか,etc.)を指示します.
 ところで,プロセッサが一時に扱えるアドレス信号とデータ信号の量を数字で表わしたものが,プロセッサのbit数です.32bitプロセッサは,一時にアドレス信号,データ信号とも32個まで扱うことができるわけです。これと同じように,システムバスも一度に伝える量によって,16bitバス,32bitバスという言い方をよくします.このときのバスのデータの伝達量を,バス幅といいます.なお,コンピュータのbit数はプロセッサのbit数ばかりでなく,システムバスの幅によっても左右されます。いくら32bitプロセッサを使っていても,システムバスの幅が16bitだと,本当の意味では32bitコンピュータとはいえないのです。
 さて,コンピュータにはシステムバスとは別にもうひとつのバスが通っています。これを拡張バスといいます。機能自体は,システムバスとほとんど同じで、主にプロセッサとI/デバイスとの接続に使われています。このバスに各種機能拡張ボードを接続することによって,本体にはない機能を利用できるようになるわけです。
 システムバスや拡張バスの仕様はメーカーによって異なるのが一般的ですが,よく利用する信号線種やスロット形状などは,協会などの団体によって規格化標準化されたものもあり,これを標準バス規格といいます。標準バス規格を利用すれば,同じ規格の機材を違うメーカーのコンピュータ上に搭載できたり,開発コストを低く抑えられるというメリットがあります。標準を勧告している主な協会は,ISO(国際標準化機構),IEEE(米国電気電子技術者協会),ANSI(米国規格協会)など.日本国内ではJIS(日本工業規格)が主に標準化を進めています。
 標準バスとして有名なものに,VMEbus(IEEE1014)や,NuBus(IEEE1196)などがあります.VMEbusは,Motorolaが中心となって開発したバスで,エンジニアリングワークステーションによく使われています.NuBusは,マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発されたものです.ともに,システムバスや拡張バスとして利用されています.また,計測器用のGP-IB(IEEE488)や、二次記憶装置用のSCSI(ANSI標準規格)も標準バス規格のひとつです。

バスマスタとスレイブ
 バスに接続される装置のうち,ほかの装置へ命令し操作するプロセッサのようなものをバスマスタといい,バスマスタに制御されるメモリなどのものをスレイブといいます.スレイブは,バスマスタからの命令(アドレス信号,制御信号)があったときに初めてデータ信号の送受を行ないます。自分からほかのスレイブに命令したり,バスマスタを無視して勝手に動作することは決してありません。図2の例では,システムバスから見た場合,プロセッサがバスマスタ,メインメモリがスレイブになります.また,拡張バスから見ると,バスコントローラより上のシステムがバスマス夕,I/Oデバイスがスレイブになります.
 システムバスと拡張バスとの違いは,その名のとおり,システムバスはコンピュータシステム内部の閉ざされた中でのデータのやり取りを行ない,拡張バスはコンピュータと外部インターフェイスとのデータのやり取りに使われる点です。また,システムバスと拡張バスでは,システムバスが明らかな優先順位を持っています.システムバスのバスマスタであるプロセッサは,拡張バス上の制御装置を操作できますが,拡張バス上の制御装置は,プロセッサなど,システムバス上のチップを制御できません.この部分がシステムバスと拡張バスの最も大きな違いです。
 ただし,実際のコンピュータの構造の細かい部分は機種ごとに違ってきます。I/Oデバイスをシステムバス上に設置しているコンピュータもありますし,システムバスと拡張バスの区別が曖昧なコンピュータもあります。中には,拡張バスのないコンピュータも存在しますので,これまでの話はあくまで一般的なものだと考えてください.

32bit拡張バスとは何か?
 さきほどバス幅の話をしましたが,32bitプロセッサがパーソナルコンピュータに搭載されるようになっても,メーカーは,依然として拡張バスは32bitではなく16bitを利用していました。なぜかというと,従来の16bit拡張バス仕様の拡張スロットに対応しているボードの互換性を保つためです(それに対して,システムバスのほうは32bitプロセッサの搭載とともにほとんどのメーカーが対応し,現在では完全に32bit化されているようです)しかし、最近になって拡張バスも徐々に32bit化され,各メーカーは次々に新しい32bit拡張バスを搭載したコンピュータを送り出しています。その拡張バス規格が,宮崎さんのご質問にあるNESAやEISAですNESAは日本電気が発表した32bit拡張バス規格,EISAはCompaq ComputerIBM PC互換機メーカーグループが発表した規格です.またこれより早い時期に,IBMはMCAという規格を発表し,Apple ComputerはMacintoshIIシリーズ用の拡張バスとして,前述したNuBusという標準バス規格を採用しています(表1).

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 Apple ComputerのNuBus(AppleNuBus)は,1987年という早い時期に発表されました.そもそもMacintoshには拡張バスがなかったため,標準バスであるNuBusを採用することによって,拡張ボードを開発しやすくするといった意図があったのかもしれません。なお,Apple NuBusは,標準バス仕様のNuBusと比べて,基板サイズが縮小され,機能が若干省略されています.そのため標準バス仕様の拡張ボードを利用することはできません.
 同じく1987年発表のIBMのMCAは,従来のIBM PC/ATの16bitバス規格(ISA)との互換性を捨て、まったく新しい規格として発表されました。ですから,従来の16bit拡張バス対応の拡張ボードを利用することはできません。従来との互換性よりも,32bitの高性能を選択したのでしょう.
 対するCompaq ComputerなどのIBM互換機メーカーのEISAは,従来のISAと互換性のあるものになっています.つまり,拡張スロットに,従来の16bit拡張バス対応の拡張ボードと32bit拡張バス対応の拡張ボード両方を設置できます。その分,技術的にかなり大変だったのか。規格の発表は1988年でしたが実際に市場に出回るまでにはさらに1年以上かかりました.
 NESAは,日電がPC-9801の32bit拡張バス規格として1989年に発表したものです。EISAと同じく従来のPC-9801シリーズの拡張ボードも利用できるようになっており,その仕様にはEISAと似ている部分も見られます.

32bit拡張バスはどのように優れているのか?
 Apple NuBus,MCA,EISA,NESAの4つのバス仕様に共通している特徴は次のようなことです。
 まずバス幅(アドレス信号の通るアドレスバス幅,データ信号の通るデータバス幅のそれぞれ)を32bitにしたことです。これによって単位時間当たりに処理できる情報量が16bit拡張バスの2倍になりました.また,最大データ転送速度を20~33Mbytes/秒と,高速化しています。今までの最大データ転送速度が2~10Mbytes/秒程度ですので,メーカーによっては最大で10倍以上高速化したことになります。
 次に自動コンフィギュレーション機能があります。これは,拡張ボードの設定をボード側が自動的に行なってくれる機能です.今までの16bit拡張バスでは,拡張ボードの設定をユーザーが自分で行なわなければなりませんでした。読者の方の中には,マニュアルを見ながら拡張ボード上のディップスイッチやジャンパ線を切り替えた経験があるかと思います.拡張バスは,このようなスイッチがボード上からなくなり,ほとんど本体任せにできます.
 最後に,バスマスタ機能があります。これは,拡張ボードが拡張バスのバスマスタになれるという機能です。これによって,スレイブの制御などの仕事をほかの拡張バス上の回路で行ない,プロセッサへの負担を軽くすることができます.そしてシステム全体を高速化できるのです.たとえば,特定の仕事を拡張ボード上のアクセラレータに任せたり,I/Oデバイス自身にI/O制御をさせたりできます(図3)。また,複数のバスマスタが同時にバスの使用を要求したとき,どのバスマスタを優先させるかを決定する機能(アービトレーション機能)も持っています.


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 バスマスタ機能を搭載した代表的なものとして,MacintoshIIシリーズのビデオボード「Apple8・24GCビデオカード」が挙げられるでしょう.MacintoshIIシリーズでは,ビデオ回路はNuBus上の拡張ボードで(ci/siは内蔵),ボードを替えることによってディスプレイの表示能力を選択できるようになっているのですが,その中でもApple8・24GCビデオカードにはAm29000RISCプロセッサが搭載されており,バスマスタとして機能します。これによってグラフィックス処理をメインプロセッサ上で行なわず,ビデオボード上で行なっているのです.
 なお,バスマスタ機能および自動コンフィギュレーション機能を持つバスをインテリジェントバスと呼ぶこともあります.
 これらの拡張バス規格は,パーソナルコンピュータばかりでなく,ワークステーションなど,マルチタスクが可能な上級機種用の拡張バス規格としても利用できる性能を持っています。実際にNuBusはTexas Instruments社などのワークステーションにも採用されていますし,EISA,MCA,NESAもRISCワークステーションやオフコンなどの上級機に利用される予定がありますMCAに至っては,機能拡張でメインフレームにまで利用できる性能を持たせようという計画があるそうです(目標とする最大データ転送速度は160Mbytes/秒!).現在,ワークステーションの低価格化で,パーソナルコンピュータとワークステーションの区別がなくなってきつつある,と言われています。拡張バスひとつ取ってみても,パソコンの高性能化がかなりの速度で進んできているようです。     (加藤)



死んだと思っていたTRONがどっこい生きていた。
▲BTRONを買いました。突然こんなことを言っていいのかどうか分かりませんが,取材にきてください!
△……という手紙が編集部に届いた.いきな「取材にきて」というのも凄いが,なんといっても「BTRON」。これにはインパクトがあった.
 いまさら説明するまでもないが,BTRONは新しいコンピュータの規格を作る「TRONプロジェクト」のパソコン関係の規格である.数年前は,MS-DOSのような輸入文化一色のパソコンの世界を変えるものとして,かなり期待されていた.ところが,「来年には発売されます」と提唱者の坂村健さんが毎年言うものの「BTRONマシン」はなかなか発売されない。だから、いつのまにか「BTRONなんて永久に出てこないんじゃないか」という気分になっていた。そこへ、この手紙がやってきた.」
 編集部内での反応は「ヘー!BTRONって発売されてたんだー」「そういえば,この前聞いたなー」などさまざま。「いったい、何に使っているの?」という疑問がふつふつと湧いてきて、「せっかく呼ばれたんだから,行ってみよう」ということになった.」

 手紙の主さんは,中学校高等学校の物理科の助手をしている男性.BTRONマシンは物理準備室にある机の上に置いてあった(写真1).一見したところPC-9801UV11をひと回り大きくした感じ。」
「これが,BTRONですか」
「ええ.というかハード自体は松下のPanacom M550という普通のパソコンです。CPUは80386SXで40Mbytesのハードディスクを内蔵しています。だからMS-DOSのフロッピーを差せば,MS-DOSマシンになります(といってMS-DOSを走らせてみせる)」
「この上で80286用のBTRON-OSを走らせているわけですね」
「そうです.ただBTRONという名前じゃなくETマスターという名前になっています(今度はBTRONというかETマスターを起動してみせてくれた)」
 初めてみるBTRONの印象は,「MS-Windowsみたい」だった.画面上でアイコンやウィンドウみたいなの(本当は「仮身」「実身」というのだ)が複数表示されてマウスで操作する。
「どんなソフトがあるんですか?」
「ワープロとグラフィックソフトの2本が入った基本エディタとBASIC/98を買いました」
「MS-Windowsとどこが違うんですか」
「仮身(アイコン)を実身(ウィンドウ)の中に埋め込んで、入れ子構造にできることが違うんです」
「OS上でハイパーテキストを実現しているようなものですね。ところで,なぜBTRONを買ったんですか?」
「以前からずっと欲しかったんです.私は最初MZ-700のユーザーで、その後MZ-1500を使っていたんですが,そのころ『Oh!MZ』でTRONの記事を読んで以来欲しかったんです」
「MZのほかにどんなマシンを?」
「その後ソードのM68000を中古で買ってCP/M-68Kを使ったりPC-286Lを使ったりしたんですが,98はどこにでもあるので286Lを売ってこれを買ったんです」
「筋金入りのマイナー機種ユーザーですね(笑)。実際使ってみてどうですか?」
「いや,いいですよ!ただ問題も多いですけど.現在,1Mbytesのメモリに2Mbytes増設して3Mbytesで使っているんですけど、すぐにメモリが足りなくなります。漢字変換の辞書をメモリ上に置いているせいらしいんです.あと印刷が汚い.BTRONはプリンタの内蔵フォントを使わないので本体の16ドットフォントで印刷してしまうんです.この2点は辞書ROMやフォントを内蔵した教育用カードを買えば解決するんですが20万円もするんです。あと、情報の公開が少なくて,MS-DOSのconfig.sysに当たるファイルさえ書き換え方を教えてもらえないんですよ」
「やはり,苦労も多いですね。最後に一言どうぞ」
「とにかく早くアスキーのカラーページで紹介してください。最近のアスキーはTRONに冷たすぎます」

 発売元の松下にも問い合わせてみた.ETマスターはちゃんとしたBTRONだが,現在はCAIツールと一緒に教育用セットとして発売しているそうだ。BTRONならではのマルチメディア,マルチタスクが売り物で,MS-Windowsと違って80286マシンでもストレスなく使えるそうだ(渡辺さんは386SXのM550だったが,本来の推奨セットは286のM530).現在,北海道,九州,および都内のいくつかの学校で導入が検討されているらしい。
 ちなみにお値段は先生用1台+生徒用20台が基準で基本セットが2000万円,フルセットで4000万円だそうだ。渡辺さん自身は同クラスのPC-9801の実売価格よりもやや高い金額で購入したというが、基本的には個人に対する販売は当分行なわないそうだ。興味のある人は新橋にあるPanacomAVセンターに行ってみてください。   (根岸)


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 マイナー機種のユーザはトラブルシューティングが趣味の傾向があると思う。情報を探し、試行錯誤しながら使っていく。問題解決した時の快感はゲームに優るとも劣らない。

編集室からをスクラップする。
ソフトウェアプレイヤとしてのパソコン
▲480×640.これはパーソナルコンピュータの画面を構成する縦横のドット数(解像度:レゾリューション)である.IBM PS/2が採用するVGAのそれに等しい。この解像度はいま2つの理由で注目されている。1つは,今年の最大のエポックとなるはずのMS-Windows3.0が,このVGAのグラフィックスで,まず,我々の目に入ってきた点。もう1つは,この480という縦の解像度が,ビデオのデータを扱うのに具合がよいとされる点だ.MS-Windows3.0には,マルチメディアのプラットフォームとしての役割も求められている。
▲渋谷のパソコンショップに行って,ソフト売場の壁一面に並んだパッケージを見ると,パソコンはすでに「ソフトウェアプレイヤ」の領域になっているのを実感する.パッと立ち寄って気に入ったソフトを買って帰り,自分のマシンに「かけて」みるという使い方もすぐそこだ.
 コンピュータとメディアの境界線が解かれるポイントは,膨大な設置台数やサポート環境を持つDOSマシン+Windows3.0なのか、マルチメディアに積極的なMacintoshなのだろうか.
▲480ドットといえば,日本アイ・ビー・エムが突如発表したオープンアーキテクチャディベロッパーズグループも波紋を呼んでいる.DOSJ/Vという日本語DOSの提供を軸とするこの発表は,それまで独自にIBM PC互換マシンの日本語化を行なってきたJ-3100シリーズやAXに判断を迫っている.これも480×640ドットのVGAにおける日本語の表示についてのものだ。
 遅まきながらWindows2.1をリリースした日本アイ・ビー・エムは,3.0についてはDOSJ/Vからのリリースとなるようだ。国内のIBMアーキテクチャの世界がこの方向でまとまってくることは,ほぼ確実ではなかろうか.
▲特別付録の「お楽しみディスクvol.5」は,MS-Windows3.0とは対極にある世界を,つまり,MS-DOSの世界もまだまだ続くということを,偶然にも表わすような形になった.DOSの世界のあっけらかんとした自由さが伝わってきて楽しい。ユーザーにとっても微妙な季節である.
   (遠藤諭)

 このときはまだDOS/Vがどれだけ普及するか分からなかった。結局98とMS-DOSの天下が続くのだろうと思っていた。日本の640×400ではWindowsは使い物にならない。結局ハイレゾマシンを買うしかなかった。そうして私はPC-486GR5PC-486GR3を買ってWindowsを使い始めた。

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