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PC-9801CS,PC-386P,FM TOWNS II,PS/55Z(月刊ASCII 1992年1月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

省スペースマシンの評価をスクラップする。
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PC-9801CS
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PC-9801CS
 ただ、メモリは標準で640Kbytesである。せっかくの80386CPUなのだから,同時に発表されたMS-DOS5を考えても,DAのように1Mbytesのプロテクトメモリが欲しいところだ。
 なお,FDDモデルのPC-9801CS2のほかに,40Mbytesハードディスクを内蔵したCS5(54万8000円),およびCS5のハードディスクにMS-DOS5とWindows3をインストールし,メモリを3.6Mbytes実装したCS5/W(67万8000円)も用意されている.

 メモリが640Kbytesなんてマシンを未だに出しているNECには恐れ入る。

PC-386P
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PC-386P
 こちらは80386SX(クロック周波数16MHz)を搭載している。26万8000円という価格は、ほぼ同スペックのPC-386Mより6万円安く,PC-286UX(80286,12MHz)と同価格,PC-9801UR/UFとは5万円違うだけだ。コストパフォーマンスの高いマシンといえるだろう.


FM TOWNS II モデルUX
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FM TOWNS II モデルUX
 いずれにせよ,ドットピッチ0.26mmのトリニトロン管とCD-ROMドライブを内蔵して,モデルUX10で26万3000円,モデルUX20でも28万8000円というのは、群を抜くコストパフォーマンスである.


PS/55Z 30U
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PS/55Z 30U
 30Uは,ディスプレイモードとして,国内で初めてXGAを採用した点も特徴である.XGAはVGAの上位互換で,1024×768ドットで26万色中256色,640×480ドットで65536色の表示をサポートする

4機種のまとめ部分をスクラップする。
 今回紹介した4機種は,どれもCPUに80386SXを搭載している.クロック周波数もPC-9801CS,PC-386P,FMTOWNSIIモデルUXはどれも16MHz,PS/55Z30Uは20MHzとほぼ一線に並んでいる。にもかかわらず,実際に各マシンを見ると,デザイン的にも機能的にもそれぞれ異なっており,興味深い。
 マルチメディアに興味があるなら,文句なくTOWNS IIモデルUXだろう.確かに他社からもマルチメディアパソコンは発売されているし,WindowsでもMultimediaExtensionがある.しかし,最初からCD-ROMやPCM音源など必要なものがすべて揃ってこの価格というのは大きな魅力だ。アプリケーションも徐々に揃ってきているようだ。
 IBM PCのアプリケーションに興味があるなら,PS/55Z 30Uもいい。1024×768ドットのXGAも,特にWindowsで威力を発揮する。最近注目の3.5インチMOを内蔵できる点も魅力だ.
 PC-9801CSとPC-386Pは,ハードウェア自体のスペックでは,他の2機種に見劣りするものの,豊富なアプリケーションや周辺機器が魅力だ。ノウハウなどの情報を入手しやすいという点も大きい。結局,どんなアプリケーションが使いたいかが購入の決め手といえるだろう.

 PC-9801のゲームは米国ゲームとは違う98ならではのゲームがあり、市場における98の勢力を崩すことは難しかった。

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PC-9801NS,PC-386BOOKLC,LC-10C1(月刊ASCII 1992年1月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「最新機種徹底比較」をスクラップする。

「新製品概況」のリード文。
 1991年の末は近年まれに見る新製品ラッシュとなった.Appleが秋のショウに合わせて新型マシンを一気に発表したためかもしれないが,国内でも,ほとんどのメーカーが,単なる値下げマシンやCPUを変えただけといった製品ではなく,新しい発想のマシンを発表したので「にぎやかだ」という印象になったのである。
 今月の特集では,そんな新製品をジャンル別に比較していく.


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新製品概況
カラー液晶はノート型で身近に
 TFT液晶搭載機は,省スペース型ですでに発売されていた。今回の発表で新しいのは,ノートやブック型に搭載されたことである.
 出たものを見て驚いたのは,カラー液晶なのに,白黒液晶モデルとほとんど変わらないサイズであった点だ.これまでカラー液晶を搭載していたPC-9801TシリーズやエプソンのPC-386LSCを見なれていたため「カラー液晶はモノクロより厚いもの」という印象が強かった。そのままノート型に搭載すると,高さが倍になるのではと思えるものばかりであった.
 ところが,日本電気もエプソンも従来のノート型やブック型とほとんど同じサイズで出したのである。出てしまえば,当たり前の感じもするが,PC-9801NCを使っていると,ノート型であることを忘れてしまう。大きめの9801Tを使うのとは格段の違いを感じる。人が使っているのを見ると,液晶の裏に回って,それがCRTでないことを確かめたくなる.そんな新しさを持ち込んでくれた。
 もう1つの新感覚は,ノート型に搭載されたためもあるが,価格が身近になったことだ.TFTを初めて搭載したPC-9801TのmodelF5は115万円であった.他社の製品もみな100万円を超えており,ハードディスクを搭載していたとはいえ「TFTカラー液晶マシンは100万円以上」という印象を植え付けられたのである.その後,次世代モデルとしてF51が発売となったが,それが85万円といわれると,まだ個人で買おうという気になるものではない。
 今回のNCは60万円を切った.実物を見て,50万円台と思うと,食指が動く値段である.今,各メーカーはカラー液晶の生産ラインを増強している最中だろうが,DRAMと同様に,元がとれれば安くなるはずだ。そうなれば,カラー液晶がモノクロ液晶にとってかわるだけでなく,CRTをも凌駕していくことになる.

一体型に魅力ある機種が揃う
 ディスプレイ一体型というとまずMacが思い浮かぶが、日本でもキヤノンのNAVIや日立のProsetなど,電話との統合を狙ったものがある.ともにクローズしたアーキテクチャのため,個人で買うというよりも、会社で導入するといった製品だ。
 しかし、今回発表された一体型は,性能的にも価格的にも,個人ユーザーの購入対象として魅力のあるマシンである.
 たとえば,日本IBMのPS/55Z 30Uは,20MHzの386SXとXGAを搭載。30Zでは速度やグラフィックス性能で踏み切れなかった人も納得できる仕様である。下位モデルのセパレート型も同時に発表となったが,30Uは同社の最新PCとして最も魅力のあるマシンに仕上がっている.
 富士通のTOWNS II UXは,その価格が衝撃的だ。16MHzの386SXにメインメモリ2Mbytes,CD-ROMドライブと10インチのトリニトロン管まで入って26万3000円である。同時発表のTOWNS II CX+CRTより10万円安く,なんとノート型のPC-9801NS/Eよりも1万5000円安い。ノート型戦争では,DynaBookが低価格化の牽引車となったが,一体型ではTOWNS IIがそうなるかもしれない。なにしろ,PC-9801CSより13万5000円も安いのである.

ノート型はDOS/Vと386LSへ
 やや安定した感のあったノート型の世界に,またも新風を吹き込んでくれたのは東芝である.
 まず世間を驚かせたのは,DOS/Vの採用だ。当分は,従来のJ-3100アーキテクチャでいくだろうと予想されていたところが,東芝はVGAマシンを発表した.東芝が欧米で発売しているマシンはとっくにVGAマシンだから、日本で発売することはべつに難しいことではないが,やはり衝撃である。
 AX陣営のシャープや三洋電機からもAX-VGAとして,まずはノート型が発表された.今後発売となるAXやDynaBookもすべてVGAになってしまうかもしれない.
 もう1点,これらのDOS/Vノートが新しく持ち込んだのが386SLというCPUである.東芝のJ-3100SLは25MHzという高速版を搭載しているためかバッテリ駆動時間は伸びていないが,シャープのPC-6700は,サスペンド・ツー・ディスクという方式により,レジュームの有効期間を約3ヵ月に伸ばしている.今後,日本電気やエプソンがどんなSLマシンを出すのかが見どころだ。

デスクトップはハイレゾへ行くのか
 まず多くの人が興味を持ったPC-98GSだが,残念ながら発売が11月20日ということで,今回の記事には間に合わなかった.
 ということになると,話題の中心は低価格のDOS/Vマシンということになる.みんなATバスだから,選定の基準はCPU速度やグラフィックスだ。
 それではこれからどんなデスクトップマシンが出てくるかというと,386SXマシンのクロックの上昇,486SXマシンの価格低下といったところか。あとは,エプソンと日本IBMが煽り立てている「ハイレゾ」である.DOS/Vマシンも,SVGAを搭載して当たり前となってきた.
 一度ハイレゾでWin3を使ったら,もう640×400ドットではがまんできなくなるというわけで,(特に日本語の場合)。日本電気のハイレゾマシンがどう出てくるかが見ものといったところだ。


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 やっとまともな文が出てきた。「一度ハイレゾでWin3を使ったら,もう640×400ドットではがまんできなくなる」そのとおり。大体日本でWin3がなかなか広まらなかったのはPC-9801が640×400ドットでMS-DOSのアプリで用が済んでいたからだった。なにもWin3で速度が遅いグラフ画面でワープロや表計算等をする気にはならなかった。しかもWin3で楽しめるゲームはなかった。PC-9801のゲームに足元も及ばなかった。

PC-9801NC
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PC-9801NCの評価をスクラップする。
 価格を見てみると,HDDなしで59万8000円とNS/Eに比べて32万円高い。2Mbytes多いメモリやクロック周波数の向上などの違いがあり,2Mbytesのメモリカードは7万9000円(PC-9801N-02U)であることを考えてもやはり高価だ。とはいえ,カラー液晶の価格が現実的になったことは確かだろう.
 「HDDなしで59万8000円」で現実的という30年前の経済観念が恐ろしい。そんな時代をパソコンユーザは生きてきた。

PC-386BOOK LC
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PC-386BOOK LCの評価をスクラップする。
 操作した感じでは,386BOOK L同様にキートップが高いため少々使いづらい。キャリングハンドルを兼ねたパームレストはあるが,じっくりと使う場合にはちゃんとしたパームレストを使ったほうがよいだろう。キーストロークは98NCよりも深くて押しやすいが,カチャカチャとしたタッチは好みの分かれるところだ。価格は65万8000円と,386BOOK Lよりも28万円高くなっている.2Mbytesのメモリボードが8万8000円なので,液晶ディスプレイの価格差は19万2000円になる。386BOOK LとCRTディスプレイを購入してプラスαと考えればそれほど高くないようにも思える.しかし,98NCに比べると6万円高い。もともと386BOOK Lのほうが98NS/Eよりも10万円高価だが,98NCのほうが高速のCPUを搭載していることを考えると割高感があるのは否めない。
 386BOOK Lの利点である2ドライブのFDD,ネットワーク関係のボードもリリースされたLスロット,数値演算コプロセッサへの対応といった拡張性を必要とする人には魅力のあるマシンだ。また,同社は単純マトリックス液晶であるNTN型液晶を搭載したPC-386BOO KLX(49万8000円)も同時に発表した(出荷は12月)。特にカラー表示の高速性,視認性といった必要性が高くなければこちらを選択するのもよいだろう。

 PC-386BOOK LCの解説がPC-386BOOK Lとの比較になって割高感があると否定的な評価になっている。確かに65万8000円のノートパソコンを買って知人はいなかった。。
 パームレストに反応してしまう。ダイナブックを買って木でパームレストを作った。ノートパソコンにはパームレストが必要だったと思う。

LC-10C1
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LC-10C1のまとめ部分をスクラップする。
 価格は59万8000円と,98NCと同じだ。やはりディスプレイ単体での価格としては高価だが,導入したときのメリットは大きい14インチクラスのCRTディスプレイはコンパクトなものでも幅が約350mm,奥行きが約370mmあり,LC-10C1は幅324mm,奥行き64mmとなっている。本体を少し上向きにするため背面のスタンドを広げても,奥行き180mmもあれば設置できる.机上でスペースを取っていたディスプレイの面積が半分程度節約できるわけだ。価格がそれに見合うかどうかは,購入する人がどれだけ机上スペースを必要としているかによるだろう.
 この当時液晶は本当に高くて一般ユーザが個人で買うことは難しかった。

コラム記事をスクラップする。
液晶ディスプレイの2つの方式
 現在のところ,一般的に利用されている液晶ディスプレイは「単純マトリックス」と「アクティブマトリックス」の2つに分けることができる.
 単純マトリックス型液晶は液晶を格子(マトリックス)状の電極で挟み、電極1本1本を走査するように電圧をかけることにより,交点部分の液晶セルを反応させる.ただし,電極が独立していないので1つの液晶セルを駆動すると隣の液晶も反応してしまい,コントラストを上げられない。この点を解決したのが2層STN(Double Super Twinsted Nematic)型液晶で、コントラストを上げるために液晶分子の向きの変化を大きく(220度もしくは240度)し,透過する光が偏光するのを防ぐためにもう1枚の液晶パネルを組み合わせている.しかし,液晶の向きの変化が大きいため・反応時間が長い,2層構造のため視野角が狭いなどの欠点がある。98NOTEやDynaBookシリーズの白黒液晶において、真正面以外では見にくい、高速スクロールで文字が読めない,マウスカーソルの移動に表示が追い付かないなどの欠点があるのはこのためだ。
 アクティブマトリックス液晶はSTN型液晶よりシンプルで,1層の液晶と電極板で構成され,個々の液晶セルに直接電圧をかける.これはトランジスタもしくはダイオードを電極板に積層形成し,各素子の増幅作用を利用しているためだ。素子がトランジスタのものをTFT(Thin Film Transistor),ダイオードのものをTFD(Thin Film Diode)と呼ぶ.エプソンがパソコンに搭載しているMIM(Metal Insulator Metal)TFD方式に属する.
 液晶板が1枚で視野角が広く,液晶分子の向きの変化も小さい(90度)ため反応速度が速い.しかし,トランジスタやダイオードを集積する製造段階で高度の技術が要求されSTN液晶に比べて製造コストが高いという欠点がある.


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コラム部分をスクラップする。
新技術を採用した液晶ディスプレイ
 STNとTFTを使用した液晶ディスプレイが普及する傍ら,新しい液晶材料の開発も行なわれてきた。期待される技術のひとつが高性能な単純マトリックス方式の液晶パネルであるSSFLC(Surface Stabilized Ferroectric Liquid Crystal:表面安定化強誘電液晶)だ.STNやTFTが使用する液晶が電界による誘電作用で液晶分子の方向を変化させるのに対し,SSFLCではFLCの自発分極を利用して表示を行なうためメモリ特性(電圧を切っても液晶表示が保持される)と高速応答性が利用できあるのが特徴だ。
 FLCの問題点としては,液晶を挟む膜が薄く均一でなくてはならず,液晶分子の配向が衝撃によって崩れやすいといった点があげられる.しかし,液晶パネルの構造としては単純マトリックス方式で,画素ごとにトランジスタを必要とするTFTよりも安価に実現できるという利点がある.メモリ特性により画面内で変更のあった部分のみ書き換えることも可能となるので,高速な描画や省電力が期待できる液晶パネルだ。
 このFLCディスプレイを実用化したのがキヤノンの日本語DTPシステム「EZPS」('92年春に発売予定:写真A)で,FLCタイプの15インチディスプレイを搭載する.モノクロ表示だが,960×1312ドットの高精細表示でA4サイズの用紙イメージをそのまま表示することが可能なディスプレイだ。
 また,16色カラーのFLCディスプレイ(写真B)も発表しており,画面サイズ15インチで1280×1024ドットと高い解像度を持つ。こちらは参考出品のみで市販予定はないそうだが,サンプル出荷が予定されている.


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CG展示会、Intel巨大広告他、業界(月刊ASCII 1992年1月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSの扉のパソコン出荷実績の表が興味深い。
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もう32bitの時代だった。また8bitはMSXがほとんどだった。

「10回目を迎えたNICOGRAPH'91・機器展示」記事をスクラップする。当時の状況が分かって良い。
10回目を迎えたNICOGRAPH'91・機器展示
 '91年10月26日と11月11日~15日にかけて,コンピュータグラフィックス総合展NICOGRAPH'91」(主催:(社)日本コンピュータグラフィックス協会,日本経済新聞社)が開催された.今年で10回目となった同展は,「地球環境とコンピュータグラフィックス─宇宙飛行士が見た地球,NASAのCG映像はどのように生かされたか―」と題されたNRSコミュニケーションズ社長のRossell L.Schweickart氏の記念講演をかわきりに,恒例のCGフィルムショウやセミナーなどが行なわれた.ここでは同12日~14日の3日間,東京池袋のサンシャインシティコンベンションセンターを会場に行なわれた機器展示から,特に目立ったものを紹介する.


FM TOWNS用の3次元CGツール「Cyber Sculpt」
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RISC PCを名乗るデスクトップCG専用マシン「IRIS INDIGO」
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オージーシステム RFX・IV
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日本サン・マイクロシステムズのSPARCstationを使った「VideoPix Solurion」
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サピエンスの「SuperFrame/V」
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インテルの「i860XR」
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フォトロンの「VC/24-Nu」「濃画」
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ソニー・テクトロニクス「4964SX型」
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ディーメックの「メリッドクリエーションシステム」
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凸版印刷のホログラム展示
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「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
Intel社,巨大広告キャンペーンの思惑は?
 COMDEX後の米国のコンピュータ業界は,サンクスギビング,クリスマスと一挙に年末に突入する.コンピュータ業界でもコンシューマーに近い部分では,このクリスマス商戦が年間の売り上げを支配するだけに,製造出荷部門などは大忙しとなるのだが,ワークステーション部門や開発部門などは逆に閑散としてくる.担当者がバラバラと休暇をとりだすので,ミーティングの設定もままならなくなってくる。
 かくして、いつものパターンで年が暮れようとしているが,それにしても1991年は,このコンピュータ業界(だけではなかったが)では,かなりいろいろなことが同時に起こって,何かと話題に事欠かない年であった.とりわけ,'90年代後半を占うといわれるハイエンドのPCおよびワークステーションマーケットでは,その地殻変動は,誰もが予想しなかった方向に進んだ.もちろん,この戦争にかかわっている企業は,Intel,HP,SunMicrosystems,MIPS/ACE,Apple-IBM-Motorolaなどである.
 これに,OSをめぐる主導権争いも加わって戦況はまったく予断を許さない状況になっている.'90年代後半から2000年のコンピュータ業界は,ますます予測不能になってきつつあるようだ.
 もちろん現状では,PCのCPUに関してはIntel社がほぼ100%の独占状態を維持している.そのIntel社が11月に入って,何を考えたのか,総額2億5000万ドル(日本円に換算すると約300億円強.Intel社が支出する分は実はその半分の1億2500万ドル)にものぼる一大広告キャンペーンを開始した.
 2億5000万ドルといってもピンとこないかもしれないが,'91年度前半の広告主トップは,タバコ産業を中心にしたコングロマリットであるPhilip Morrisの6億5000万ドルで,General Motorsが5億1500万ドル,家庭用品のProcter & Gambleの5億ドル,Pepsicoの3億1500万ドル,Fordの2億4000万ドルと続く.これらはいずれも,自動車,家庭用品,清涼飲料品などコンシューマー製品の大企業たちだ.
 IntelのキャンペーンはFordの広告に匹敵するわけで,その額がいかに大きいものか分かるだろう.今までは300位にも入らなかった企業が一躍ベスト10に迫るのだから驚きは隠せない.しかも,コンピュータが一般家庭に浸透し始めたとはいっても,石鹸やタバコなどのコンシューマー製品とはやはりちょっと性格を異にする.IntelがやろうとしているのはCPUチップの宣伝であって,トルティアチップスの宣伝とはわけが違う.今回のキャンペーンの規模の大きさに業界関係者が仰天するのもうなずける.
 実際に放送されたIntelのテレビCMは,PC基板上をカメラが低空で飛ぶように這い回って,最後に486に行き着くというもの.おまけに486の横のコプロセッサ用ソケットには派手な「VACANCY」のサインが付いている.
 VACANCYとは,米国のモーテルなどでよく見かける「空き部屋あり」の意味.すなわち,486はコプロ内蔵だからソケットは空.そして,386なんかもう使わずに486を使いましょうというもの.ちなみに,このCGを駆使したCMファイルは,おなじみLucasFilmのILM社によって制作されたという.業界人なら意味は理解できなくはないが,これをテレビでやってどんな意味があるのだろうと首をかしげてしまう.
 ちょっと前に,DataGeneralがピザボックスに入ったメインフレームというテレビCMを流していた.評判が悪くて最近は中止したようだが,当たり前の話で,いくら「?億円セーブできます」と言ったところで,テレビの宣伝を見て,じゃあ製品を導入しましょうという客がどれだけいるというのだろうか.Intelの今回の第一弾CMも,これに似たものがある.ほとんどの視聴者はこの宣伝を見ても意味が理解できないだろうし,たとえ理解できたとしても486チップをどうやって購入できるのだろう.486が採用されているマシンを紹介するならまだしも、486の優位性を強調してなんのメリットがあるのだろうか.
 もちろん,Intelにとってのお家の事情が分からないわけではない.まず思い付くのは,AMDの高速386クローン対策.386ではなく486を画面に出すことで,消費者に「386はもう時代遅れだよ」という印象を植え付けようとしている.先にIntelが386SXを出し始めたときに,286に×印をつけた広告をしたが、今回のキャンペーンは,規模こそ違え、内容的には同じものだ.Intelは386以降セカンドソースを行なわなくなったが,独占状態を続けることで収益性が非常に好転したのに味をしめたようだ.
 次なる事情は,現在しのぎをけずっている次世代CPU戦争に,「PCのCPUはやはりIntelだ」とくさびを打っておきたいところだ.MIPSにしてもSunMicrosystemsにしても,近い将来的にIntelの強敵になろうことは目に見えている.これにPowerPCが加わったものだからIntelのプレッシャーは相当なもの.独占状態を続ける今のうちに,消費者の大脳皮質にIntelの名前を焼き込んでおこうという考えだ。
 Intelのキャンペーンは今後18カ月続くことになっており、同社のDave Houseは,このキャンペーンがNutrasweet(ダイエット甘味料)と同様に成功を収めると期待しているが,はたして期待どおりに事が運ぶかどうか.

■MIPSが販売業者,インテグレータ対象のセミナーを開催
 一方,MIPS社は,11月14日から,販売業者,システムインテグレータを対象に,西海岸を中心にした巡回セミナーを開始した.セミナーは名付けて「Freedom to Choose」.14日のここシリコンバレーMIPS本社でのセミナーをかわきりに,サクラメント,ポートランド,デンバー,シアトル各所で開催する。
 初日の参加者は100名前後。内容はもちろんACE連合の話にはじまり,他社CPU(SPARC,PA-RISC,intelx86,PowerPC)との性能比較なぜ64ビットが必要になるかといったトレンドの話,Windows/NT,OSF/SCO,SVR4/ACEなどスケーラブルなOSの特徴と,当然MIPSCPUの優位点を強調する内容.
 ACE連合もすでに79社,最近ではNovellとUSL(Unix System Laboratory)の参加発表があったばかり.参加企業の売上高合計は500億ドルにものぼる大規模な連合となった.ただし参加企業が増えれば増えるほど,各社の思惑が微妙にからんで動きが鈍くなることは確か.CompaqのRod Canionが解任されると同社がACEを離脱するのではないかとの噂が流れたり,USLの参加でSCOとの仲が取りざたされたりする.この辺でやはりACEの中心的存在であるMIPS社としてもテコ入れをする必要があったようだ.
 ARC仕様もほぼ固まり,ARC準拠のハードウェアはもとより,OSにしてもWindows/NTやACE UNIXの開発が進むなど,一応の環境は整ってきている.12月には開発キットも発表されるはずで,システムインテグレータや販売業者をそろそろオーガナイズし始めるのにちょうどいい時期なのかもしれない.MIPS社のタイムテーブルによると,'92年はじめから各ソフトウェアベンダーでの開発がはじまり,'92年半ばにはARCシステムの販売が開始される.'92年9月にはACE初の独自エキスポ,International ACExpoが予定されている.今回のセミナー開始は,このタイムテーブルにあわせた行動であることは間違いない(図1).


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■Appleも長期計画を発表
 さて,低価格Macの発表,IBMとの提携,PowerBookの発表などで'91年度の注目株のひとつだったApple社は先頃中長期的な計画を明らかにした.これによると,'90年代中期をめどにApple社は3つのカテゴリーの製品を発表していくという.
 1つ目はパーソナルコンピュータとしての製品系列もちろん現行のMacを中心としたものだが,CPUとしては68000系からPowerPCに移行していく。基本的には現在あるMacラインの発展形である.2つ目は、Macのアップグレードバスとしての製品系列.ワークステーションに相当するパフォーマンスの製品を開発していく。適用分野は,あくまでもパーソナルなワークステーションおよびネットワークサーバ.ここでも68000系CPUは徐々に姿を消し,PowerPCに置き換えられることになる.システムソフトとしては,MacOS,A/UX,それからIBMと共同で開発中のオブジェクト指向OS「Taligent(Pink)」の3系列が考えられている.どちらかというと基礎としてA/UXがあり,そのうえにMacOS,Taligentの両方が走るといった形になる可能性が大.
 3つ目は,John Sculleyが熱意を燃やすAppleのコンシューマー製品.ハード的には,マルチメディアプレーヤとパーソナルコミュニケーションデバイスの2製品に集約される可能性が強い.もちろんこれらの製品は将来的に統合される可能性もある.ソフト的にはMacOSを発展させた形のもの,QuickTimeを発展させたものそしてKaleida(もうひとつのIBM共同のベンチャー)で開発される新しいOSの3系統が考えられている.
 パーソナルコンピュータとしてのMacとワークステーションは,一応コンピュータの分野でApple社がすでに実績を持っている部分.問題は,3番目のコンシューマータイプの製品で,販売経路もユーザーも今までとは異なり,Apple社にとって未知の分野となる.かなり批判的な意見も見受けられるが,Apple社が単なるコンピュータメーカーに終わってしまうのか,あるいはもうひと回り大きな企業になるかの分かれ道でもある。製品の開発は,'90年代半ばまで待たなければならないが,非常に期待されるところでもある。
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)


 そうだったか。IBM PCやPC-9801のCPUはこれから486へとMacのCPUはPowerPCへと移行してくが、この時だったのか。インテルの互換CPU潰しは486でも結局は成功しなかった。モトローラの68000系が使われなくなったのは残念だった。

Miscellaneous をスクラップする。

■ビートルズとAppleが林檎の取り合い
 おなじみApple社(Apple ComputerInc.)とビートルズのApple社(Apple Corps)は,類似した「ロゴマーク」に関して裁判を行なっていたが,今回和解となった模様.
 Apple Corps側の弁護士は,和解条件などは秘密と語ったが,噂では,Apple Computerが2900万ドル(約38億円)を支払うそうだ.Apple Corpsは,1963年にビートルズが音楽の著作権を管理する目的で設立したもの.Apple Computerが,林檎のロゴを音楽機器に付けたことが訴訟のきっかけとなった.ちなみに,Apple Corpsのロゴは,林檎のてっぺんに茎が付いたものである。
 論争の中心になっているのは,Apple ComputerのMIDIインターフェイスである.両社はすでに,同種のビジネスで衝突することを避けるため,Apple Computerがコンピュータ以外には林檎ロゴを使用しないという合意をしていたが,それに反したというものだ.Apple Computerは訴訟を和解するために約3800万ドルを準備していたことを明らかにしているが,ロンドンの消息筋は、両社がこの裁判で弁護士などに費やした金額は1190万ドル以上と見積もられているという.
 なんとなくかわいそうなAppleだが,こちらは明るい話題.マーケティング情報会社のJ.D.Power社が,企業1100社とエンドユーザ-2000人以上を対象とした調査を行なった.それによると,Appleが「ベストパーソナルコンピュータ」および「ベストプリンタ」にランクされたほか,Borland Internationalが「ベストソフトウェア」として認められた.
 調査項目は,パフォーマンス(操作性と互換性を含む),使いやすさ(マニュアルやチュートリアルの良さを含む),拡張性(RAM,速度,記憶容量),サポート(品質とサービス体制,テクニカルサポート)など,ユーザーが重視する項目は,ここに並べた順であるという結果も出た.
 ベストパソコン部門での2位以下はDell,Compaq,AST,Toshiba,HP.プリンタはHP,NEC,Okidata.ソフトウェアはLotus,WordPerfect,Microsoftの順だった.

■ネット上の言論の自由
 Prodigyがまた物議をかもしている.Wall Street Journal紙によると,今回は「反ユダヤ」のメッセージが誰の目にも触れるボード上にあったというもの.Prodigyはこういったノートを人目に触れさせているとして,B'naiB'rith(ユダヤ男子共済組合)のADL(Anti-Defamation League)という組織が非難している.
 ADLによれば,同ネット内のメッセージの中には「ヒトラーにも妥当な点があった.ユダヤ人が影響力と力を持つところには苦悩,戦争,経済的搾取……が起こる」とか「その結果が,ユダヤ人虐殺,迫害,神話上のホロコーストである」などと続くという.ProdigyのHenry Heilbrunn副社長は,社会規範に沿わないようなもの,たとえば偏狭な信念,人種差別,憎悪などの甚だしい表現などのガイドラインを見直しているという.
 ADLはヒトラー関連の7つのメッセージについて苦情を訴えていたが,Prodigyがシステムを調べた結果,そのメッセージはユーザ一間の個人的なメール内にあったことを突き止めた.
 メールの一部がADLに流れたようだが,このメッセージが15回ほどパブリックボードにポストされ,そのたびに拒否されていたとProdigyは説明している.また,同社としては,プライベートメッセージはあくまで個人的なものであり,法によって検閲は禁じられているので手は出せないという.
 ADLの会長Mel Salbergはこれを受けて,ガイドラインの見直しには満足の色を示したものの、ホロコーストの議論を続行させる決定や「イスラエル・バッシング」ともとれるコメントは容認し難いと主張.メッセージに関しては,引用したのはメンバーが受け取った攻撃的なメッセージのサンプルだったと言っており,この中にプライベートメッセージが含まれていたものと述べている.もちろん焦点は,最近のProdigyによるパブリックボード上のメッセージの検閲についてである.市民団体は,ボードの検閲を通常の通話回線の検閲に比喩して非難しているが,Prodigy側は,むしろネットは新聞のようなもので、容認できるものを判断する必要があるとつっぱねている.
 ADLの記事を書いたWall Street Journalのライターは,この出来事が「コンピュータネットワークという新しいメディアの登場で,言論の自由の限界に関するもっと広い意味での問題を提起するだろう」と述べる.Prodigy側は,ネット上で言論の自由を完全に認めることは不可能に近いと考えているようだが,「うまくバランスを取ることができるはず」と自信をもっている.

■COMDEXでCEOの演説合戦
 COMDEXの「CEO Perspectives(CEOが語る将来への展望)」という催しで各社のトップが講演を行なった.
 まずは、IBMのJack Kuehlerが「パソコン売り上げの伸び悩みを解決するには,企業間の協力が一番だ」と主張。同社が最初のPCを10年前に市場に送り出した時点では,製品寿命が尽きるまでに25万台程度の出荷を期待していたものの、現在までに1700万台が販売されている.それでも,1990年代の業界全体の成長は低迷すると明言.IBMもこれまで以上に努力する一方で,優れたコンピュータを開発するために,すべての企業への協力を呼びかけた.まあ,Apple,Motorolaとの協力を「必要不可欠」だったと言いたげである.
 BorlandのCEOであるPhillipe Kahnは「ソフト業界は,コンポーネントベースの開発戦略が必要だ」と語った.「オブジェクト指向はここ10年間,ソフトウェアに力を与えている」そうで,「ソフトに対する膨大な要求に対応するためには,広範囲にわたる活動が必要.これまでの消費者は、急場しのぎの仕上げにごまかされてきた」と述べた。解答は同社の新製品,ObjectVision2.0とQuatroPro for Winにあるという。結局自社の宣伝にもっていくところは,IBMと同じだが,AshtonTateの買収については「国外に対しての流通システムに目を付けて買収した」と語った.
 MicrosoftのBill Gatesは「よりアクセスしやすい情報と,情報をより扱いやすくするツール・技術,統合されたアプリケーションの必要性」を強調.そして,Intelの80x86ファミリーとWindowsは,1990年代もコンピュータの世界をリードしてゆくだろうと語った.彼に「Windowsこそ最もポピュラーで楽しいグラフィック環境」と言わしめたのは,18カ月の間に650万セット以上が販売された実績だろう.しかし,サウンド,グラフィックのスピードと解像度,スタイリングにまだまだ改良の余地があることも認めている.
 将来のパソコンについては,ネットワーク機能の内蔵とマルチプロセッサに期待.PenWindowsのデモを行なった一方,32bitのアプリに対応しているWindowsNTについて「Windows3.0や3.1同様に親しみやすいユーザーインターフェイスを備えつつ,UNIXを超えるものになるだろう」と語った.ほぼ同時に,Windows 32Bit Development KitとWindowsNTのαバージョンを、ディベロッパーに対してリリースを開始した.
 その後の株主総会で,Microsoftは,来年の研究開発費を約40%上げ,3億3300万ドル(約430億円)にすると発表Gates氏は「音楽,アニメーション,その他の情報を含んだコンパクトディスクなど,マルチメディアソフトの生産に力を入れれば,今すぐにというわけではないが,それは将来大きな利益をもたらす市場になるだろう」と語っている。また「現在研究中のソフトは開発が非常に困難であり,この先10年以上をその開発に必要とするようなやりがいのある,かつ挑戦的なものである.しかし,それらのソフトが走るマシンが普及するまでには,何年もかかるだろう」とも.
 それにしても、年間430億円の研究開発費とはまいった.MS-DOSやWindowsがあるとはいえ,昨年度の売り上げ内容を見ると,ExcelとWordによって,51%は「アプリケーションソフト」となっている(OS+言語で36%,マウスなどで13%)単純に2で割っても,200億円以上をかけてアプリケーションが開発できることになる(ちなみにジャストシステムの年間売り上げが100億円)日本でも,古川氏が極東開発本部長となり,R&Dセンターを仕切って,OSやアプリを意欲的に日本語化するという.ほかの日本のソフトメーカーはどうなるのだろうか.
 余談だが,古川氏率いる開発部隊は,'92年末に東京・笹塚の中村屋工場跡の新築ビルへ引っ越すそうだ.今のKビルというのは木村屋ビルだから,よっぽどパン屋さんと縁がある.

■コンピュータが古いチェス問題を解く
 これまで禁止されていた,暗号化機能(encryption capability)を持ったソフトウェアの輸出が認可されそうだ.下院で成立した「Export Administration Reauthorization Act」と呼ばれる法案によるもの.
 この中には,「暗号化機能を持つパソコンソフトの輸出を軍需品扱いすることを禁止する」規約条項が含まれる.ソフトウェア出版協会(SPA)も賛成しており,すでに上院で通過した同種の議案との調整が行なわれ,'91年末には大統領に送られる予定.日本のユーザーも,MS-DOS上のアーカイバであるPKシリーズやMacのHDDユーティリティSUMやMacTools,アーカイバのStuff Itで,海外版では暗号化機能がなくなっているのは知っている(マニュアルにお詫びが書いてあったりする)同じ値段(逆に高い場合もあるが)なのに機能が少ないとは何事かと,ご立腹なさった方もいたはずだが,大統領がサインすれば改善されそうだ.
 「コンピュータがチェスの問題を解く」などというと,10年前からありそうな見出しだが,65536個のCPUを持つ並列コンピュータで,今ごろ解かれた問題があったそうだ.
 ボルチモアにあるJohns Hopkins大学のAI研究室の大学院生Lewis Stiller君(25歳)は,ニューメキシコ州にあるロスアラモス国立研究所にある超並列コンピュータの力を借りて,これまでどんなに速いコンピュータでも複雑すぎて解くことが不可能とされてきた古いチェス問題を解くことに成功した.
 この問題は「キングとルークとビショップで,キングと2つのナイトに勝てるか」というものだが,引き分けにはならずに223手で詰められることが分かった.彼は,プロセッサ間でBoggingDownが起こらない方法を工夫し,1万行のプログラムを作った.この成果はScientific American誌11月号に掲載されており,逆手順解析法(勝つ位置から逆に駒を動かしていく方法)で,このコンピュータが5時間かけて1000億手を動かし解答を得たと報告されている.このアイデアは,彼がBBSで知り合ったHarvard大学の数学教授Noam Elkiesから教わったものだという.Elkies自身もStillerの発見がチェス盤上だけにとどまるものではないことを認めており,彼の研究が何か重要な並列コンピュータの使いみちを示唆してくれたはずだと語っている.


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 よくもまあApple Computerがビートルズのリンゴをパクってパソコンを売り出したものだと、またビートルズ側が当初問題にしていなかったということに驚いたが、マイコン(パソコン)の出始めは矮小な世界であったのでそんなものかと思っていた。
「噂では,Apple Computerが2900万ドル(約38億円)を支払うそうだ.」「ロンドンの消息筋は、両社がこの裁判で弁護士などに費やした金額は1190万ドル以上と見積もられているという.」結局儲けたのは弁護士か。欧米人は裁判が好きだなと思う。シェークスピアのベニスの商人も裁判が落ちの話だと思うし。
「なんとなくかわいそうなApple」いやいやリンゴをパクったApple Computerはかわいそうではないだろう。
 ネット上の言論の自由が「反ユダヤ」なのはなるほどなと思う。今は個人間の誹謗中傷と言論の自由うが問題とされる。なんというか猿に便利な道具を与えるとろくなことにならない見本だと思う。バカでも使えるように便利にしたらそのバカどもがろくなことに使わないのが今のネットだ。
 Windowsは大成功した。「18カ月の間に650万セット以上が販売された」とあるが、日本にいる私はまだまだMS-DOS上のアプリやPC-9801でのゲームに興じていたのでこの当時はWindowsの大成功を予測していなかった。年間開発費が「3億3300万ドル(約430億円)」とは凄いものだ。利益をあげた会社が益々大きくなるのはこの開発費なんだろう。
 コンピュータとチェス問題は並列処理で力任せで解決できるということはこの当時既に明らかになった。今の将棋ソフトが登場するまでにはこの後30年も必要だった。

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パソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年1月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

日本電気がPC-9801シリーズのサーバマシンなどを発表
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SV-H98model 31が223万円と一般ユーザには関係のないマシンだった。H-98をPC-9801シリーズというのには違和感がある。PC-H98シリーズではないか。

関西電機が486(33MHz)搭載のDOS/Vマシンなどを発売
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安いDOS/V機が出てきた。安いといっても48AGのFDDモデルが59万8000円。

金亀電子(株)が486(33MHz)のIBM PC互換機などを発売
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金亀電子は知らない会社だった。EURO-J486/33のFDモデルで39万8000円。

CRAYスーパーコンピュータの最上位機種「CRAY Y-MP C90」発表
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インテルがi860XPを使用した超並列スーパーコンピュータ「PARAGON XP/S」を発表
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「一太郎」累計出荷100万本を超える
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日本サンとジャストシステムがUNIX用ATOKを共同開発
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マイクロソフト,Worksをバージョンアップ
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マイクロソフト,MASM,FORTRANをPC-9801に移植
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インテルがPC-9801用のリアルタイムOSを発表
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DOSRMX-98。これは一体何だったのか。

日電が3V駆動の可能なV41/V51のサンプル出荷を開始
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日電のVシリーズが好きだったが、インテルやAMD等他の互換機メーカには敵わなかった。

テクノジャパン,大容量HDDを発売
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ロジテック,PC-9801シリーズ対応内蔵HDDを発売
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サイリックスが低消費電力の表面実装型数値演算コプロセッサを発表
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インテルCPU製品の互換機メーカはまずコプロセッサから始まった。

アスキーがCS社のPGAと開発ソフトウェアなどの販売を開始
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キャラベル,ノート型とデスクトップ型兼用のHDDを発売
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ニューテック,大容量HDDを発売
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メルコ,100Mbytesのシリコンディスクなどを発売
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100Mbytesで55万円もした。

ランドコンピュータ,光磁気ディスクユニットを発売
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日本エレクトロニクス,NEOSマウスシリーズに新機種投入
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マウスが1万1000円もした。

IBMがキーボード用Pointing Stickを開発
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後にThink Padに付いていた。私はとても気に入っていた。パッドより良かった。パッドは手に触れてしまいカーソルが意図のしないところに動いてしまった。ノートパソコンのバッドはすぐに切って使えないようにした。



クボタシーキューブが画像圧縮伸長ボードを発売
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この当時JPEG画像は専用のハードが必要だった。

カノープス電子,画像圧縮ツールを発売
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アスキーがIITの1チッププログラマブル画像圧縮伸長DSPを発売
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アムスクがECLによる2K×9bit高速STRAMの販売を開始
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東芝が読み出し速度12nsの1MbitSRAMなどを発売
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日立が1Mbitデータキャッシュ専用メモリを製品化
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東芝が円筒形超小型モーターを開発
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シャープが高効率の単結晶シリコン太陽電池を開発
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パソコン広告(月刊ASCII 1992年1月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号は朝日新聞の筒井康隆 新聞連載小説の広告、煙の出ないタバコNICO、アスキーの求人広告があった。
最初から順番にスクラップする。

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裏表紙は前号の使いまわし

表紙見返し
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98LANということでサーバーの広告だった。
最安がSV-H98 MODEL30で2,230,000円。これでパーソナルコンピュータサーバだ。
パソコンで最安がPC-H98 MODEL 80で580,000円

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PC-H98 model 80-90
model 80 CPU 486SX (16MHz) の最安が 580,000円
model 90 CPU 486SX (25MHz) の最安が 895,000円

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右頁はOKIのif486VX510・530

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ASCII1992(01)a03NECWindows動作環境_W520.jpg
NECのWindows 3.0 の広告。PC-9801DAでは使い物ならないと思っていた。
あおり文は
環境問題はこれで解決された。
いや、わが社のパソコン環境の話ですけどね。
98+WINDOWSは、誰にでも扱いやすいと大好評ですよ。

一口に塗料と言いましても、たとえば自動車用でもボディ用、バンパー用、バックミラー用、ホイール用と部品ごとに種類が違うわけです。
色数でも何万種類とあるだろうし、それぞれの組成や製造法も少しずつ違う。だから、うちのような会社にとっては、各製品のデータ管理が大テーマ。
私たち技術部門の情報機器の選定や教育は重要な役割を担っているんです。私はこの面での東京工場のまとめ役をしているんですが、いま注目し、工場内へ普及させていこうと考えているソフトが98の日本語MS-WINDOWSなんです。

いかに多くの社員にパソコンを使いこなしてもらうか。これは私の仕事の中でも非常に大きな課題です。技術系とは言っても、中には得意でない人もいますし、日常の仕事ならワープロで充分と言う人もいます。でも私はパソコンの可能性を声を大にしていいたい。
ただ、それを誰にでも理解してもらい、試してもらうためには、ほんとうに使いやすいシステムでなければいけません。
MS-WINDOWSのユーザインタフェースは、そういう意味でパソコンの普及に大いに役立ってます。
ほとんどの操作がマウスでできる親しみやすさは、僕の側からすれば、教えやすさってことですからね。

一年ほど前、本部は98をハードの標準システムとして選び、60台を一括で購入したんです。よくできたMS-DOSアプリケーションが飛び抜けて多かったことと、全国どの工場でも保守サービスを十分に受けられる点が主な選定理由でした。
いま、業務アプリケーションではロータス1-2-3などが活躍しているんですが、今後は社内のどの98にもWINDOWSを整備して、誰でもアイコンをマウスでクリックするだけでそういうソフトが簡単に利用できる、そんな環境にしようと思ってます。それに、98は社員個人で使ってる人も多いから、WINDOWSで社内の環境が統一できたら、個人個人で工夫している98の利用情報をもっと流通させれば、一層いいシステムに育っていくでしょうね。

 このあおり文は酷い。DOSアプリの一太郎、1-2-3等を使うのにどうしてWin3が必要なのか。それもPC-9801DAで。i386DX(20MHz)だから速度的にはなんとかなるが640×400ドットの画面でWin3は使いものにならない。メニューソフトとしてWin3を使うなんてDOSのmenuでいいではないか。マウスクリックで一太郎や1-2-3を起動するのがそんなに大事か。DOSのメニューソフトでカーソルキーとリターンでいいではないか。25,000円もかけてWin3を使うなんて意味不明だ。
あおり文では98を使う有用性は分かるがWin3を使う有用性が分からない。よくこんなあおり文で広告を売ったものだ。一般ユーザをなめている。

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FM TOWNS

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FM TOWNS

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FM NoteBookのFMR-50NBX, MR-50NB1

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左頁はRupoで前号の使いまわし。
右頁はこれから始まるIBMのアプリケーションソフト群の広告扉。以下見開き8ページ続く。
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以上アプリケーションソフトの広告。

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OS/2の広告。一般ユーザの手にするものとはならなかった。

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IBMのPS/55note

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左頁は関西電機のDOS/V 48AG
右頁はEPSONの広告の扉。ここからEPSONのパソコンとプリンタの広告が続く。パソコンのみをスクラップする。

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PC-386NOTE WとPC-386NOTE AEは前号の使いまわし。

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PC-386 BOOK LCとPC-386GS,PC-386GEは前号の使いまわし。

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左頁がPC-386Pは前号の使いまわし。

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右頁はDynaBook

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アップルコンピュータとキヤノンによるMacintoshとAldus PageMakerの広告は前号の使いまわし。

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キヤノンのBJ-noteプリンタ

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キヤノンのレーザーショットは前号の使いまわし。

ASCII1992(01)a22レーザーショット_W520.jpg
キヤノンのスーパーレーザーショットは前号の使いまわし

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左頁がキヤノンのAXiで前号の使いまわし。
右頁はキヤノンのファミリーコピアでイメージキャラクターは富田靖子。前号の使いまわし。

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X68000

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NexT

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イメージキャラクターが高橋由美子のSEGAのTERADRIVEは前号の使いまわし。

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三洋電機のAXAGE(エクサージュ) NOTE 386SXは前々号の使いまわし。

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イメージキャラクターが松本典子のスター精密のプリンタは前号の使いまわし。

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パッカードベルのDOS/V機

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右頁はVZエディタで前号の使いまわし。

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ソニーのデータディスクマン

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Wordは前号の使いまわし。

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Excelは前号の使いまわし。

ASCII1992(01)a34FORTRANAssembler_W520.jpg
左頁はFORTRAN。右頁はAssembler。前号の使いまわし。

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ジャストシステムがロータス1-2-3と組んだHARMONYは前号の使いまわし。

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右頁はボーランドのSTUDENT PACKの広告。コピーをしない学生さん達にはありがたかっただろう。

ASCII1992(01)a37NIFTYボーランド_W520.jpg
左頁はNIFTY-Serveの広告。
右頁はボーランドの広告。TURBO C++とTURBO PASCALが20,000円。

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マイクロデータのエコロジー、オーシャノグラフィ、ノストラダムス、コロボックルの広告。

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インテルの互換CPUを作っているAMDの広告。

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左頁は朝日新聞の広告。筒井康隆が「朝のガスパール」を連載するという。

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右頁はツクモの広告。以下見開き4ページ続く。
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パソコンショップでカラーページに広告をだしているのはツクモだけだった。

記事なのか広告なのか見た目では勘違いしそうな広告がこの号にもあった。
まずは煙の出ないタバコのNICO。服部セイコー事業開発室の広告。
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快適オフィス空間の強い味方《NICO》
服部セイコー事業開発室

禁煙座席、禁煙車両、そして禁煙オフィス。私たちが生活するすべてのシーンで着実に禁煙化の波が押し寄せてきていると言っても過言ではないだろう。そんな今、有能なビジネスマンに求められている理想の姿も、時代とともに変化してきたのではないだろうか。
かつては勇ましいカウボーイのように紫煙をくゆらすタフガイが、「仕事ができる人間」の象徴だった時代もあった。しかし今日では、タバコを吸わない人も気持ちよく仕事に集中できるように、喫煙が許されている場所においても喫煙マナーを大切にする、そんなクリーン&スマートな心配りが、要求されつつある。だが愛煙家にとって思考の行き詰まったときの一服は、まさに思考を後押ししてくれるものである事も事実だ。禁煙のためにイライラして作業効率が低下する。そんな愛煙家の悩みを解決するのが、(株)服部セイコーから発売されているタバコ〈NICO(ニコ)>だ。

清潔で快適なOA空間を実現。
近頃、コンピュータをはじめとする各種OAを活用している職場で働く人々の間で無煙タバコ<NICO>が話題になっていると言う。その理由としては、なんと言っても煙が出ないこと。煙は間接喫煙や副流煙などの問題だけでなく、OA機器にも影響を及ぼす。タールがこびりついてべとべとしたキーボードやディスプレイ。さらにはHDDやFDにも悪影響が有ると言われている。また、普通の喫煙タバコの場合。うっかりとキーボードに灰をこぼしてしまうなど、どうしてもデスクやパソコンまわりが汚れてしまう。さらに火を使わないという点も安心だ。<NICO>は、まさに人間にもOAにも優しい、待望のタバコといえよう。
大幅に向上した喫煙感覚。
愛煙家にとって、いちばんの心配は喫煙感覚であろう。<NICO>はニコチンの含有量を、これまでの<レギュラー>にくらべて大幅に増量。(1回で吸い込む量=1パフあたりの比較で、<22レギュラー>の5倍、一般の有煙タバコの約10分の1)ニコチンの刺激的な風味がストレートに表現されている。また固形タバコを詰め替える必要もなく、気軽に楽しめる。
商品概要。
<NICO>は、上質のバージニア葉を特殊な方法でかためた固形タバコで、タバコ葉とタバコエキス、フレーバー(香料)から成り立っている。一般の有煙タバコと同様、ニコチンを含んでいるため味も香りもタバコ本来のうまさを満喫できる。喫煙する時は、個装パッケージからパイプを取り出して吸うことによってタバコエキスが徐々に発散するしくみとなっている。賞味時間は、吸い方によって異なるが、固形タバコ一本でおよそ30分間は、おいしい一服が楽しめる。また火を一切使用しないため、燃焼によるタール量はゼロで、ガス成分も発生しない。パイプは、吸い口が偏平型になっており、くわえやすいデザインとなっている。またパイプのカラーには、都会的なベージュグレーを採用。パッケージのデザインにも洗練されたセンスが生かされている。持っていること、それ自体がおしゃれで楽しくなるよう、デザインの面からも十分な配慮がなされているといえよう。5本入り1箱300円。
<NICO>は喫煙派と禁煙派が調和できる唯一のタバコとして、クリーン&スマートなオフィス空間づくりに欠かせない存在となっていくことだろう。

 職場の大掃除ときパソコン周りもするのだけれどモニタ、本体、キーボードはヤニだらけだった。タバコの煙がもうもうとする部屋もある職場だった。

これも記事っぽい広告だった。
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WINDOWs時代の今だから知りたいディスプレイのアレコレ
これまでにない鮮やかなグラフィック画面による快適な操作環境を実現したWindows3.0。
この新しい環境を最大限に活かすには、それにふさわしいディスプレイが必要だ。
とにかく見落としがちなディスプレイの機能を知り、性能にこだわることが、今後ますます重要となる。

 なにを言っているのか。「これまでにない鮮やかなグラフィック画面」だと。Win3にそんなものがあったのか。98のゲームをやっているユーザから見ると「なんだこの荒い貧弱な画面は」というのがWin3の感想だった。「この新しい環境を最大限に活かす」最大限に活かしたって知れたものだ。Win3時代のあおり文は苛立ちを覚えるものばかりだ。要は16×16ドットの日本語表示は綺麗でもなんでもない。アルファベットなら綺麗だろうが。米国でWin3が支持されたのは表示するフォントのせいだったのとTEXT V-RAMを持たなくDOSの時代から文字をグラフィック画面に表示してきたからWin3でも使いものになったのだ。
ポイント1
2WAYコンパチブルでVGAに対応しているか?

 Windows3.0の操作環境は、NECPC-9801シリーズとIBM PS/55シリーズとではまったく同じ。そして画面の表示ドット数は、PC-9801シリーズでは640ドット×400ライン、PS/55シリーズでは640ドット×480ライン。であれば、両方の解像度に対応してくれるディスプレイを使うと便利このうえない。VGA対応DOSであるDOS/Vの日本語表示が利用できるということは、これまで蓄積されたデータが幅広く活用でき、また世界中の数多くのソフト資産が使えることも意味する。画面は、ドットの数が多い(高分解能)ほど精細に表示されるから、グラフィックが重視されるこれからの時代は、高解像度が主流になる。
ポイント2
表示面積を拡げるワイド表示が実現されているか?

 Windows3.0の画面はGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)という、ウィンドウとアイコンやメニューなどで画面を構成し、主にマウスを使ってパソコンを操作する環境になっている。GUI環境の長所は、基本的な操作のすべてがマウスで行なえること。そのためには、何よりもディスプレイ画面の表示はワイドで見やすいほうがいい。
 ワイド表示ゾーンが実現されたディスプレイでは、有効表示面積がなんと10%も拡大する。この結果、14インチのモニタが15インチに匹敵し、VGAに対応するときには、その差がさらに広がるから、GUI環境にはもってこいだ。

ASCII1992(01)a45三菱XC-98V3画面1_W307.jpg ポイント3
ドットピッチ0.28mmで高機能に対応しているか?

 ディスプレイモニタの見やすさは、どの程度細かい絵柄まで再現できるかという解像力にかかっている。同じドット数でも、0.28mmのドットピッチが達成されていれば高画質な表示が約束される。
 とりわけ複数のアプリケーションを同時に駆動するマルチタスク環境のWin-dows3.0を使うには、高解像力は不可欠だ。不鮮明な画面ではせっかくのGUI環境が有効に活かせない。パソコンの高機能化に対応する0.28mmのドットピッチのブラウン管が採用されたディスプレイなら、画面はより精細でリアルとなり、文字どおり美しく多彩なグラフィック表示がくっきりと再現されるのだ。

ASCII1992(01)a45三菱XC-98V3図1_W330.jpg ポイント4目を疲れさせないノングレア処理が施されているか?
 ディスプレイ画面が鮮やかであるほど、目にやさしいブラウン管が必要になる。天井にある照明や屋外からの光が画面に反射すると、画面表示に邪魔が入るから、ディスプレイが見づらくなって疲れやすい。その疲労を防いでくれるのが、ノングレアというブラウン管の表面に反射防止の特殊加工をする処理だ。
 Windows3.0のカラフルな表示を快適に利用するには、ぜひともディスプレイにこのノングレア処理がほしい。ウィンドウ環境が達成した操作の快適さに、反射防止という目にやさしい条件が加わることで、はじめて人間工学的なパソコン環境が実現するはずだ。

ASCII1992(01)a45三菱XC-98V3図2_W334.jpg ポイント5色ムラのない広帯域ビデオ回路が採用されているか?
 ディスプレイの表示ゾーンが拡大されると、ワイドで見やすくなるかわりに画面の中心部と周辺部とのフォーカスの差が生じやすく、画面がゆがんだり色がにじむおそれがある。高画質を保証するためには、画面全域で色ムラのないジャストフォーカスの実現が求められる。
 この問題を解決してドットピッチ0.28mmの実力を最大限に活かす高性能のメカニズムが、広帯域ビデオ回路である。ドットピッチ0.28mmの高解像力にはそれに見合った新設計が望ましく、Windows3.0の高解像度に対応する広帯域ビデオ回路が採用されていれば、ワイド画面のどのゾーンもつねに一定で安心だ。

 綺麗だという画面はたいていアプリを表示するメニュー画面のようなものだった。こんなものが綺麗で何になるのか。金を払う価値があるというのか。
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用語解説
●解像度
ディスプレイモニタの画面に表示される情報の密度。画面の最小単位ドット数が多い高分解能であるほど解像度は高く、グラフィック画面の鮮明さは、この解像度に左右される。IBMのDOS/VにはVGAという640×480ドットの高解像度が実現されている。
●ドットピッチ
ドット(点)の集まりで表示されるディスプレイのブラウン管は、テレビと同じように電子ビームの動きで走査線にそって文字や図形を表示している。このドットの間隔をドットピッチという。数字が小さいほど単位面積あたりの粒子密度が高く、鮮やかな画面になる。
●ラスタレギュレーション
グラフィックが画面に表示されているとき、画面内容を変化させると、ときに画面の寸法や形がゆらぐことがあり、これをラスタレギュレーションという。この問題を解決するエ夫が実現されていると、つねに質の高いグラフィック表示が保証される。
●GUI環境
文字表示が基本のMS-DOSでは、ユーザーが主にキーボードからコマンドを打ち込むことによって操作する。これに対してWindowsのように、グラフィック画面でやさしく操作できる方式のことをGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)という。
●モニタ規格
ディスプレイモニタには、世界各国に安全規格があり、アメリカにはUL規格、カナダにはCSA規格等がある。できるかぎり数多くの規格をクリアしていることが高品質のモニタの条件になる。
●水平周波数
文字・図形などの静止画が中心となるパソコンでは画質の精細さが求められる。これは表示サイズと解像度によって規定され、高い解像度を実現するには、周波数を高める必要がある。2WAYコンパチであるディスプレイでは、水平周波数が2モード設定されている。
●マルチタスク
一台のパソコンで一度に複数のアプリケーションを起動して実行させる機能をいう。Windowsでは、複数のウィンドウを開くことによって、マルチタスクを画面上に実現できる。


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ASCIIの募集広告。

裏表紙裏はFUJI FILMのFDだった。
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前号の使いまわし。

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表紙・裏表紙・見返し広告一覧(月刊ASCII 1992年) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

1992年の裏表紙の広告は、11月号まで富士通が、12月号はAppleだった。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙が新しくなった。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙が新しくなった。

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裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙が新しくなった。

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裏表紙は前号の使いまわし

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裏表紙がAppleになった。どうした富士通。いやどうしたApple。どうしたASCII。定番が変わると色々憶測が生まれる。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。ただ以前と比べて様子が変。

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98LANということでサーバーの広告だった。
最安がSV-H98 MODEL30で2,230,000円。これでパーソナルコンピュータサーバだ。
パソコンで最安がPC-H98 MODEL 80で580,000円

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これはPC-H98の広告。

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これは全機種の広告。
PC-H98S,PC-9801FA,PC-9801CS,PC-9801DS,PC-9801DX,PC-98DO+,PC-9801UR・UF
七変化ということだから全7機種でいいか。

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前号の使いまわし。

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これは2月号の使いまわし。

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98 note nc。ビデオがみれるが売りだった。

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これは一体何の広告として分類すればいいのか。ASCIIと協賛?

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PC-9801FA, PC-9801FS, PC-9801FX。前面ファイルスロットが売り。

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ページプリンタの広告。

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これも変わった広告。パソコンフェアか。

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パソコンフェアの広告。細野晴臣が宇宙人のコスプレをしている。

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98ノートプリンタ。カラー印字ができた。

裏表紙裏はこの年も全月FUJI FILMのFDだった。
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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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新しくなった。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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ヒロコ・グレースになった。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

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前号の使いまわし。

ASCII裏表紙、表紙見返し掲載メーカー・機種


裏表紙表紙見返し
年月会社機種会社機種
1980年1月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年2月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年3月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年9月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1981年1月号NECPC-8001EPSONMP-80
1981年8月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年9月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年10月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年11月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年1月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年2月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年3月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年4月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年5月号if800AppleAppleII
1982年6月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年7月号if800AppleAppleII
1982年8月号富士通MICRO8NECN5200
1982年9月号if800NECN5200
1982年10月号富士通MICRO8NECN5200
1982年11月号if800AppleAppleII
1982年12月号富士通FM-7AppleAppleII
1983年1月号if800AppleAppleII
1983年2月号富士通FM-7NECN5200
1983年3月号if800NECPC-8001mkII
1983年4月号富士通FM-7NECPC-8001mkII
1983年5月号if800NECPC-8001mkII
1983年6月号富士通FM-7NECN5200
1983年7月号if800NECN5200
1983年8月号富士通FM-7NECPC-8000mkII
1983年9月号if800NECPC-8200
1983年10月号富士通FM-7NECPC-8801
1983年11月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1983年12月号富士通FM-7NECPC-9801F
1984年1月号富士通FM-XNECPC-8001mkII
1984年2月号富士通FM-XNECN5200
1984年3月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1984年4月号富士通FM-11NECN5200
1984年5月号富士通FM-11NECPC-9801E
1984年6月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年7月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年8月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年9月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年10月号富士通FM-77NECPC-PR201
1984年11月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1984年12月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1985年1月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年2月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年3月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年4月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年5月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M3
1985年6月号富士通FM-NEW7NECPC-9801M3
1985年7月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年8月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年9月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年10月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年11月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年12月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年1月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年2月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年3月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年4月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年5月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年6月号富士通FM77AVNECPC-9801VM2
1986年7月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年8月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年9月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年10月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年11月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年12月号富士通FM77AV40NECPC-98シリーズ
1987年1月号富士通FM77AV40NECPC-LT
1987年2月号富士通FM77AV40NECPC-98XL
1987年3月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年4月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年5月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年6月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年7月号富士通FMR-30NECPC-9801UV21
1987年8月号富士通FMR-30NECPC-9801VX21
1987年9月号富士通FMR-30BXNECPC-9801UV21
1987年10月号富士通FMR-30BXNECPC-98LT
1987年11月号富士通FM77AV40ENECPC-98XL2
1988年1月号富士通FM77AV40EXNECPC-LT
1988年2月号富士通FM77AV40EXNECPC-98XL2
1988年3月号富士通FM77AV40EXNECPC-98XL2
1988年4月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801UX21
1988年5月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年6月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年7月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年8月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年9月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年10月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年11月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RX2
1988年12月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801LS2
1989年1月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RX2
1989年2月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RX2
1989年3月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RL
1989年4月号富士通FM TOWNSNEC全12機種
1989年5月号富士通FM TOWNSNEC全12機種
1989年6月号富士通FM TOWNSNECPC-9801EX2,ES2
1989年7月号富士通FM TOWNSNECPC-98と88
1989年8月号富士通FM TOWNSNEC全14機種
1989年9月号富士通FM TOWNSNEC全5機種
1989年10月号富士通FM TOWNSNECPC-9801LX5C
1989年11月号富士通FM TOWNSNECPC-98DO
1989年12月号富士通FM TOWNSNECNESA
1990年1月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年2月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年3月号富士通FM TOWNSNECNESA
1990年4月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年5月号富士通FM TOWNSNECPC-9801T
1990年6月号富士通FM TOWNSNECPC-9801T
1990年7月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年8月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年9月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年10月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年11月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年12月号富士通FM TOWNSNECHANDY98
1991年1月号富士通FM TOWNSNECHANDY98
1991年2月号富士通FM TOWNSNEC98NOTEnv,PC-9801DX
1991年3月号富士通FM TOWNSNECWindows3.0
1991年4月号富士通FM TOWNSNECPC-9801UR/UF
1991年5月号富士通FM TOWNSNECWindows3.0
1991年6月号富士通FM TOWNSNECWindows3.0
1991年7月号富士通FM TOWNSNECPCH98
1991年8月号富士通FM TOWNSNECWindows3.0
1991年9月号富士通FM TOWNSNECPC-98
1991年10月号富士通FM TOWNSNECWindows3.0
1991年11月号富士通FM TOWNSNECパソコンフェア
1991年12月号富士通FM TOWNSNEC98NOTEnc
1992年1月号富士通FM TOWNSNEC98LAN
1992年2月号富士通FM TOWNSNECPC-H98
1992年3月号富士通FM TOWNSNEC98七変化
1991年4月号富士通FM TOWNSNEC98七変化
1992年5月号富士通FM TOWNSNECPC-H98
1992年6月号富士通FM TOWNSNEC98NOTEnc
1992年7月号富士通FM TOWNSNECパソコンフェア
1991年8月号富士通FM TOWNSNECPC-9801FA,FS,FX
1992年9月号富士通FM TOWNSNECプリンタ
1992年10月号富士通FM TOWNSNECパソコンフェア
1992年11月号富士通FM TOWNSNECパソコンフェア
1992年12月号Apple漢字Talk7NEC98ノートプリンタ

機種が複数掲載されているときは、原則1写真付き、2写真の大きさ、3写真の配置が上位と思われるものを代表機種として記載した。
NECの全12機種は、PC98-RL, PC-9801RA2/5, PC-9801RX2/4, PC-9801VM11, PC-9801CV21, PC-9801UV11, PC-9801LS2/5, PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT, PC-88VA2/3, PC-8801MA2, PC-8801FE。
NECの全17機種は、PC98-RL, PC-9801RA2/5, PC-9801RX2/4, PC-9801VM11, PC-98DO, PC9801-ES2/5, PC-9801EX2/4, PC-9801UV11, PC-9801CV21, PC-9801LS2/5, PC-9801LX2/4/5 PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT, PC-88VA2/3, PC-8801MA2, PC-8801FE。
NECの全5機種は、PC-9801LS2/5, PC-9801LX2/4/5 PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT。
98七変化はPC-H98S,PC-9801FA,PC-9801CS,PC-9801DS,PC-9801DX,PC-98DO+,PC-9801UR・UF



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DOSエクステンダ,AX-VGA(月刊ASCII 1991年12月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNをスクラップする

メモリ空間の障壁を突破しろ!
DOSエクステンダという言葉をよく聞きますが,これは何をするものなのでしょうか?
 DOSエクステンダとは,文字どおりに解釈すると「MS-DOSを拡張(extend)するもの」になります。具体的には,80286以上のCPUで拡張されたプロテクトモードという動作モードで動くように作られたプログラムを,MS-DOS上で実行できるように拡張するものをDOSエクステンダといいます。
リアルモードとプロテクトモード
 一般にMS-DOSのアプリケーションはリアルモードという8086のCPUの動作モードで動くように作られています.このリアルモードではCPUは最大1Mbytesのメモリしか直接扱うことができず,そのためメモリ不足で大きなプログラムの作成・実行ができないという問題があります.プロテクトモードではこのメモリの制限がなくなり,80286では最大16Mbytes,i386以上のCPUではそれ以上のメモリを扱えるようになります(なお,1Mbytesを超えたメモリのことをプロテクトメモリといいます)。またプロテクトモードでは,ディスクを仮想的なメモリとして使い,実装された以上のメモリをプログラムが使えるようにする仮想記憶という機構を実現します.さらにi386以上のCPUの場合は,複数の8086CPUの動作環境を作り出す仮想86モードや,メモリを任意のアドレスに割り当てるマッピング機能,本来の32bitCPUとして機能させるネイティブモード(32ビットプロテクトモード)が使用可能になります.
MS-DOSでのプロテクトメモリの使い方
 このように数々の優れた特徴を持つプロテクトモードですが,CPUがプロテクトモードで動いているときは,リアルモード用のプログラムを実行できません.そのため,MS-DOSを開発したMicrosoft社は、新しく開発したOS/2というオペレーティングシステムではプロテクトモードを採用したものの,MS-DOSでは従来の8086のパソコンでも使えることを尊重して,依然としてリアルモードを使用しています.
 したがってMS-DOSを使う限りは,80286以上のCPUを搭載したパソコンにどんなにプロテクトメモリを増設していても,このメモリはRAMディスクやディスクキャッシュ,プリンタスプーラ用の単なるデータ領域や,仮想EMSのためにしか利用されず,そのCPUの真価を発揮できません。ただし,MS-Windows3.0を使う場合は,スタンダードモード(80286以上のCPUが必要)やエンハンスドモード*1(i386以上のCPUが必要)で動かすことによって,プロテクトモードを活用することが可能になります。

*1 日電とエプソンは「386エンハンスドモード」,それ以外のメーカーは「386拡張モード」と呼んでいる.
 ところで,MS-DOSアプリケーションが大量のメモリを扱う手段として,EMSとい拡張メモリ方式が考案され,現在非常に普及していますが,アプリケーションがEMSを利用できるようにするにはプログラムの構造を大きく作りかえなければなりません。特にプログラムをEMS上に置くにはかなりの技術力を必要とするため,EMSも単なるデータ領域としてのみ使われる場合が多く,肥大化するアプリケーションのメモリ不足の解消に役立っているケースは少ないようです.
DOSエクステンダのメリット
 さて、話をDOSエクステンダに戻しましょう.DOSエクステンダを使うことによる最大のメリットは,8086で物理的にアドレッシング可能な1Mbytesのメモリの障壁を突破し、より大きなプログラムやデータが使えることにあります(一部には仮想記憶が利用できるものもあります)。またプログラムの開発者にとっては,大量のメモリをごく素直に扱えるため,プログラミングが容易になるというメリットもあります。特にi386のネイティブモード上で動作するDOSエクステンダでは,32bitのUNIXワークステーション用のアプリケーションを簡単に移植でき,これまでワークステーションでしか使えなかった高度なアプリケーションがパソコン上で利用可能になります.
 一般にDOSエクステンダは,プロテクトモード用のプログラムとMS-DOS,BIOS間のインターフェイスや,プロテクトメモリに対するメモリ管理機構を提供することによって,MS-DOS上でプロテクトモード用のプログラムを実行可能にしています(図1).


ASCII1991(12)d02DOSエクステンダ図1_W520.jpg
プログラムの開発方法
 さて,DOSエクステンダを使うには,まずプロテクトモードで動作するプログラムがなくてはいけません。プロテクトモード用のプログラムを開発するには2通りの方法があります。
 ひとつは,プロテクトモード用のコードを生成する専用のコンパイラやアセンブラを使う方法です。このような開発ツールとしては,Phar Lap Software社のHigh C 386や,WATCOM Systems社のWATCOM C/386といった,i386用のネイティブコードを生成するCコンパイラが有名です.これらの開発ツールで作成されたプログラムは,Phar Lap Software社の386|DOS-ExtenderやRational Systems社のDOS/4G,京都マイクロコンピュータのEXE386といったDOSエクステンダ上で動作させることができます。
 もうひとつの方法は,既存のMS-DOS用のコンパイラで生成されたプログラム(OBJファイル)とプロテクトモード用の代替ライブラリとをリンクしてDOSエクステンダ上で動くようにしてしまう方法です。この方法は,80286以上のCPUを対象にしたDOSエクステンダで採用されています.たとえば,Rational Systems社のDOS/16MではLatticeC,MicrosoftC,MS-FORTRANに対応しており,京都マイクロコンピュータのEXE286ではMicrosoftCとTurboC/C++に対応しています.

DOSエクステンダの使い方
 DOSエクステンダを利用したプログラムの実際の使い方としては,DOSエクステンダを別のプログラムとして独立させ,それを実行するときのパラメータにプロテクトモード用のプログラムを指定する方式と,DOSエクステンダとプロテクトモード用のプログラムをひとつのEXEファイルにまとめてしまう方式があります。たとえばEXE286/386では前者の方式に,386|DOS-ExtenderやDOS/16M,DOS/4Gなどは両方の方式に対応しています。当然,後者の方がユーザーにとっては便利であり,Lotus1-2-3といったたいていのDOSエクステンダ対応のアプリケーションは後者のやり方でプログラムが提供されています。
VCPIとDPMI
 ところで,DOSエクステンダを使う際に注意しなければいけないことがあります.それは,すでに仮想EMSドライバやRAMディスク,ディスクキャッシュなどでプロテクトメモリを使っているときにDOSエクステンダを使用すると,プロテクトメモリと競合してそれらのデータが破壊される場合があることです.これは,当初プロテクトメモリの使い方に関する取り決めがなかったため,DOSエクステンダや仮想EMSドライバなどのプロテクトメモリを扱うプログラムが,すべてのプロテクトメモリを自分だけで使おうとしてしまうからです.
 しかし、後になってこの不具合をなくそうと,Phar Lap Software社などが中心になっVCPI(Virtual Control Program Interface)という規格を提唱しました.VCPIはプロテクトメモリの使い方やCPUの動作モードの切り替え方などを規定しています。現在では,ほとんどのDOSエクステンダと,QEMM386,386MAX,MELWAREなどの拡張メモリドライバがVCPIに対応しています.
 ところが,Microsoft社はVCPIではマルチタスクOSで使うには不十分であるという理由で,MS-Windows3.0のリリースとほぼ同じ頃に,DPMI(Dos Protected Mode Interface)という規格を打ち出しました.MS-Windows3.0のエンハンスドモードでDOSアプリケーションを実行するときはDPMIによってプロテクトメモリが管理されるようになっていますが,DPMIはVCPIと互換性がないため,エンハンスドモードではVCPI対応アプリケーションを実行できません(スタンダードモードでは可能)DPMIが発表された当時,すでに米国ではVCPI対応のアプリケーションがかなり普及していました.そのため,DPMIの登場が米国のユーザーやソフトハウスに多少の混乱をもたらしていることは否めないようです.なお,MS-DOS Ver.5.0に付属する仮想EMSドライバ(EMM386.EXE)は,この現実を踏まえたためか,DPMIではなくVCPIに対応しています.
 現在のところ,DPMIに対応したDOSエクステンダや拡張メモリドライバはほとんどありませんが,DOSそのものを開発したMicrosoft社が採用した以上,今後はDPMIに対応したソフトウェアが増えてくるものと思われます.   (笹川)

LaTeXを使ったときにDOSエクステンダを利用しただけだった。他のDOSソフトでは使わなかった。

似ているようで似ていない!?
AX-VGAとDOS/Vの関係について教えてください.
 日本IBMが1990年11月に発表した「DOS J4.0/V」通称「DOS/V」は,VGAと呼ばれるビデオシステムを持つIBM PC/ATおよびその互換機で日本語表示を可能とするディスクオペレーティングシステムです.これに対してAX協議会が1991年4月に発表した「AX-VGAシステム」は,日本語表示機能を持つVGAビデオシステムを搭載したIBM PC/AT互換機と言えます.「AX-VGAシステム」はその実現方法の違いにより,ハードウェアによって実現する「AX-VGA/H」と,ソフトウェアのみによって実現する「AX-VGA/S」とがあります.
 ここでは「DOS/V」と「AX-VGAシステム」の基礎となるIBM PC/ATとVGAおよび「DOS/V」,「AX-VGA/H」,「AX-VGA/S」それぞれの日本語表示機能実現方法と必要とされるハード構成について説明します。

IBM PC/ATとVGA
 IBMが1981年に発表したパーソナルコンピュータIBM PCはその後IBM PC/XT(1983年),IBM PC/AT(1984年)さらにPS/2(1987年)と仕様が拡張されていきます。基本的に上位互換ではありましたが,IBM PC/ATまではオープン・アーキテクチャ(情報公開)であったものがPS/2からは情報非公開となり,PS/2の低価格な互換機は市場に存在できなくなりました。また,PS/2のバス(Micro Channel Architecture)はIBM XT,ATバスと互換性がなく,それまでのIBM XT/AT用拡張ボードが使えませんでした。このためPS/2は数字的には売れなかったわけではなかったのですが,すでに世界の標準となっていたAT互換機の膨大な市場を塗り替えるほどの力はありませんでした。そしてAT互換機の市場はより拡大してきたのです。1984年に登場したIBM PC/ATはCPUに80286を搭載していましたが,その後互換機メーカーからCPUにi386やi486を搭載したより高性能なIBM PC/AT互換機が市場に送り出されています.
 IBM PCにおけるビデオシステムは国内のパーソナルコンピュータに見られるように最初から決まったシステムが搭載されているわけではありません。拡張ボードとして供給され,時代とともに進化し続けています。このため数多くのビデオシステムが存在します(表1).IBM PC/ATと同時期に発表されたEGA(Enhanced Graphics Adaptor)は,640×350ドット,64色中16色同時表示を可能とするもので,IBM PC/ATにおける標準ビデオシステムとしての一時代を築きましたが,その後PS/2のビデオシステムに採用されたVGA(Video Graphics Array)がIBM PC/AT用の拡張ボードとして多数発売され,現在ではVGAが標準的なビデオシステムとなっています.VGAは最大640×480ドット,26万色中16色(320×200ドットでは26万色中256色)同時表示が可能です.


ASCII1991(12)d03AXVGA-DOSV表1_W520.jpg
「DOS/V」における日本語表示
 「DOS/V」は,英語MS-DOSと日本語処理のためのデバイスドライバからなります.日本語の表示はVGAの640×480ドットのグラフィック表示を用いて行ないます.IBM PC/ATは漢字ROMを持っていませんから,起動時に漢字フォントをディスクから読み出しプロテクトメモリに置きます。「DOS/V」は仮想テキストVRAMを持ち,そこに書き込まれた文字コードに従って,日本語処理用のデバイスドライバが適当なタイミングで文字コードに対応したフォントをグラフィック画面に展開します.「DOS/V」が動作するハード環境は以下のとおりです(代表的な機種は日本IBMの「PS55/5510ZJ).
・IBM PC/ATまたはPS/2とその互換機
・VGAビデオシステム
・80286以上のCPU
・1Mbytes以上のRAM

「AX-VGA/H」における日本語表示
 VGAに日本語テキスト表示機能を追加したビデオシステムを搭載したIBM PC/AT互換機が「AX-VGA/H」です.VGAチップ.漢字ROM,外字RAM,専用LSI,ビデオBIO SROMなどで構成され,テキストVRAMに書かれた文字コードに従い,八ードウェアで漢字フォントを展開して表示します(図2)対象となるハードウェアは以下のとおりです(採用機種は日立製作所のFLORAシリーズ)
. ・IBM PC/AT互換機
・AX-VGAビデオシステム
・80286以上のCPU
・1Mbytes以上のRAM


ASCII1991(12)d03AXVGA-DOSV図2_W520.jpg
「AX-VGA/S」における日本語表示
 「AX-VGA/H」が持つビデオシステムのうち,漢字ROM,外字RAM,専用LSI,ビデオBIOS ROMの部分をソフトウェアにより実現するのが「AX-VGA/S」です.「DOS/V」と同様にデバイスドライバの形でソフトエミュレータが組み込まれ,仮想テキストVRAMの内容に従い,拡張メモリに置かれた漢字フォントを使ってグラフィック画面に文字フォントを展開します。
 「DOS/V」と異なる点はこのエミュレーションがi386以上のCPUが持つ機能,仮想8086モードで行なわれるところにあります.「DOS/V」においてはBIOSを経由したテキスト出力のみが保証されますが,「AX-VGA/S」では仮想8086モードでエミュレーションされるため,BIOSに関係なくテキストVRAMにアクセスした場合でも正しく表示されます.対象となるハードウェアは以下のとおりです(主な機種は三洋電機の「AXGEnote386SX」).
・IBM PC/AT互換機
・VGAビデオシステム
・i386以上のCPU
・2Mbytes以上のRAM(漢字ROMなし)
・1Mbytes以上のRAM(漢字ROMあり)

「AX-VGA」と「DOS/V」の関係
 以上のように「AX-VGA」は,VGAもしくは日本語表示拡張されたVGAビデオシステムを搭載したIBM PC/AT互換機です.したがって「DOS/V」を動作させることも可能です.
 また,「AX-VGA/S」はソフトにより「AX-VGA」の日本語表示を可能としています.もし,「AX-VGA/S」のデバイスドライバを含むDOS単体の販売が行なわれれば,i386CPU+VGAを搭載したPC/AT互換機は,「DOS/V」のみならず「AX-VGA」による日本語環境をも実現できることになります.
 将来的にはAXやJ-3100のVGA対応機種で,DOS/V上のアプリケーションが動かせるようにメーカーが対応する可能性もあるのではないか,といわれています。「AX-VGA」と「DOS/V」は世界標準といわれるIBMPC/AT+VGAで実現できる2つの異なる日本語環境ですが,その生い立ちを考えればIBM PCを父親に,日本IBMとAX協議会を母親として持つ異母兄弟と表現するのが分かりやすいのではないでしょうか.    (柴田)

 潔くDOS/Vに統一すればよかったのにと思う。DOS/Vに統一したのはいつだったか。

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宇宙の旅第11話星の色(月刊ASCII 1991年12月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「パソコンで体験する天文学」の「第11話 星の色」をスクラップする。

星の色
東京都立大学 理学部
岡田 理佳

しのぶれど……
 色のつく物といったら,なにを思い浮かべるだろうか?色鉛筆,色紙などの「色」は物の色,一般的な「色」の意味だ.しかし,声色,色めく,色男といえば,物の状態や様子を表わす言葉として使われる。たとえば平兼盛は,百人一首の中で,“忍ぶれど色に出でにけりわが恋は物や思ふと人の間ふまで”と詠っている。この場合の色は「顔色」のことだ。恋しいと思う気持ちを隠してきたのに,『あんた,なに考えてるの?ちょっとへんよ!』と人に聞かれるほど,とうとう顔色にまで出てしまった……と.

 ところで,都会の夜空にもいくつかの星が見えるが,星の色はほとんど問題にされない。しかし,星にも赤や黄や青といった色の違いがある.
 では、この星の色はどうして違うのだろうか?人間の顔色が,赤くなったり,青くなったりするのとは違い,星の色にはなにかありそうだ(注3).とりあえず,中世のお話から始めよう.

注3:宇宙空間における太陽の色は白だ。朝焼けやタ焼けのとき、太陽が赤く見えるのは地球の大気の影響で、太陽が赤く色を変えるわけではない.
錬金術の教え
 ときは中世,ヨーロッパでは,錬金術師たちが「金(きん)」を合成しようと悪戦苦闘していた.彼らは,さまざまな金属を炉で融かし,混ぜ合わせる比率や温度を変化させることで,いつかは「金」が生まれると信じていた.
 錬金術には,炉をどれだけ熱すると,どの金属が融ける,という知識が必要である.しかし当時には,まだ温度計というものはなく,温度を直接「測る」ことができなかった。錬金術師たちは,さまざまな経験を積んだ後,炉の「色」が金属の温度を表わしていることに気が付いた。つまり、温度が高くなるにつれ,炉の色が赤からオレンジ色,オレンジ色から黄色と変化することを知ったのだ。残念ながら錬金術の夢は破れてしまったが「夢破れて色温度(いろおんど)残る」.

色はいろいろ
 そもそも色とはなんだろうか?人は経験的にりんごは赤,みかんはオレンジ,レモンは黄色と知っているが,これらが暗闇の中に置かれていたとしたら,その色どころか物も見えない。色を知るには、その物を照らす光が必要で,その物が光を反射しなければならないのだ.光があたっていても,それをすべて吸収してしまうような物があったら,それは黒く見えるだろう(注4).人は,その物の色を見ているのではなく,物が反射する光の違いを見ているのだ。
注4:黒も色であるというならば,それでも構わないが,とにかく,このように光を吸収してしまうような仮想の物体を,物理では「黒体」と呼んでいる。
 人間の目に見える光(可視光)の波長範囲は,およそ380~780ナノメートルである.もし,単一の波長の光が目に入るとしたら,「長い波長」の光ほど赤く,「短い波長」の光ほど青く見える.
 人間が色を感じるしくみは,日頃お世話になっているコンピュータのカラーディスプレイやカラーテレビでの色の表現方法で理解できるだろう。これらディスプレイの画面は,基本的に赤(R),緑(G),青(B)の3色を用い,その色を組み合わせて多彩な色を表現している.
 実は、人間の目にも同じようなしくみが働いている。人間の目には,この3色(RGB)に対応する3種類の視細胞(赤錘体,緑錘体,青錘体)があり、各々の視細胞は,図4のように,赤の波長域にピークを持つX感度,緑の波長域にピークを持つY感度,青の波長域にピークを持つZ感度を持っている。目に入ったある光は(図5a),3種類の視細胞がそれぞれ分担して感じることになる.感度曲線(図5b)に応じて反応する,赤錘体,緑錘体,青錘体の各々からは,光の強さに対応する刺激信号が発せられる(図5c).人間の目の網膜は,それぞれの刺激値の比率や組み合わせを計算して,色を感じているのだ。


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ASCII1991(12)f05宇宙図5_W520.jpg
 これから分かるとおり,異なる視感度曲線を持つ生物が見る色は,人間の見る色とは異なっているハズだ。霊長類以外のほとんどのほ乳動物には視細胞が1種類しかなく,犬や猫は色を見分けられないという.
星は黒い?
 色は、光を出す(あるいは反射する)物体と,それを見る人の視感度で決定される。星の場合も例外ではなく,色はその星が出す光のスペクトル(注5)によって決定される。このスペクトルは,星の温度と深い関係にある。まず,一般的な光のスペクトルと温度の関係を,簡単なモデルを用いて説明しよう.
注5:ある光の中に含まれる,各波長の光の強さの関係は「スペクトル」という言葉で言い表わされている.
 ある物体の外側の表面が,すべての波長にわたって光を吸収し,いっさい反射(放射)をしない,すなわち黒体であると考えてみよう.そして,この黒体は,中が空洞であるとする。この物体を温めると、物体の内面からは,物体の熱エネルギーに対応する光が放射される.
 外側の表面は黒体なのだから、物体の外には光(電磁波)としてのエネルギーは出ていかない.しかし,物体の内面は黒体ではない.光の放射とともに吸収をも行なうので、時間がたてば物体とその空洞内は等しい温度になるだろう(熱平衡状態).熱平衡状態にある物体の内面では,熱エネルギーから変換された光の放射と,内面でのエネルギー吸収量が釣り合っていることになる.
 物体の空洞内を想像してみよう.熱エネルギーから変換された光が放射されているのだから、当然,なにかの色が見えている。このような黒体内の熱平衡状態での放射を「黒体放射」という.
 星もこの黒体の状態にだいたい一致する。星の内部は空洞ではないが,光の放射と吸収がひんぱんに行なわれ、星全体でみると全体的放射と吸収が釣り合った状態にあるからだ。その証拠に,太陽表面から出た光はたったの8分で地球に到着するのに,太陽の中心から出た光が表面に達するまでには,1000万年もかかる.太陽の中では大量の物質が光を吸収するため、ほとんどの光が太陽の中に閉じ込 められていることになる.
 私たちにとってはまぶしい太陽も,その内部のエネルギーに比べれば真っ黒に等しいということだろうか.
星の色
 黒体の放射スペクトルについては,19世紀末,ドイツの理論物理学者プランクによって厳密に求められ,黒体放射のスペクトルと温度の関係が,さらに,後に星のスペクトルと温度の関係が明らかにされた。黒体放射のスペクトルを,特にプランクの名をとり「プランク分布」と呼ぶ.プランク分布は,温度が高くなるにつれ強度も大きくなるが,同時にピークの位置も波長の短いほうにずれていく.可視光域で考えると,温度が上がるとピークは,長い波長の赤から,オレンジ,黄,緑,短い波長の青へと変化していくことになる.
 星の色がどう見えるかは,もう分かるだろう.星の温度を決め,プランクの分布関数によって星の光スペクトルを求め,これと人の視感度曲線を計算すると,人間の目で見た「星の色」が再現される.

星のスペクトル分類
 夜空に見える星の本格的な分類が行なわれたのは,19世紀末になってからである。1860年,イタリアのセッキは,特徴的な吸収線の有無やスペクトルなどにより,約4000個の星を4つのタイプに分類した.その後,1890年には,北半球の空の8等よりも明るい星1万351個が分類された.ここでは,星のスペクトルを単純なものから,A,B,Cの順でQまで(Jを除く)16タイプに整理している.
 さらに,星の明るさと色を基本にした「ヘルツシュプルングーラッセル図」が作られ,星の色は温度の順に整理された.O-B-A-F-G-K-Mと定められた星のスペクトル型がそれである(注6).それぞれのタイプの星の温度は,表1のようになっている.

注6:B-A-F-G-K-Mの順番を覚えるには,「Oh,Beautiful A Fine Girl, Kiss Me」とでもすればいい……

ASCII1991(12)f01宇宙注表1_W189.jpg
プログラムの実行
 このプログラムは星の温度を与えてやり,その温度を持つ星が,どのような色に見えるかをシミュレートするものだ。星の表面温度は,有名な明るい「星の名前」で指定するのと,0,B,A…などの「星のスペクトル型」で指定する方法を用意した.また,スペクトル型の指定では,任意の表面温度を入力できるようになっている.
 星の表面温度が与えられると,星が画面上に描き出される。画面の右上には,その星のプランク分布(白)と人間の視感度関数(赤,緑,青)が描かれ,右下には,プランク分布と視感度関数を合成したものが表示される.
 最後に,グラフで赤,緑,青の線で囲まれたそれぞれの領域の面積を計算し、RGBの各階調に変換したものが,星の色として画面左に表示される.

 最後に,どんな温度を入力しても緑色の星はできない。緑色の波長はおおよそ530ナノメートル前後で,そのあたりにプランク分布のピークがあるのは表面温度が約5600度(G型)の星だ。どうして緑にならないのか画面を見ながら考えてみてほしい。


ASCII1991(12)f06宇宙画面2_W381.jpg

注:7絶対温度[kT]の黒体中で放射される波長を[λ]として,その波長での光の強度[B]をプランク分布の式で表わすと……,
B = 2hc 2 λ 5 × 1 exp ( hc/ λ k T ) -1 となる.[c]は光速,[h]はプランク定数で,プログラム中では,RGBの比を必要とするため,光の強度[B]を[2hc2]で割ったものを使用している.


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宇宙の旅第10話宇宙ジェットSS433の謎(月刊ASCII 1991年12月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「パソコンで体験する天文学」をスクラップする。
この号は「第10話 宇宙ジェットSS433の謎」
ASCII1991(12)f01宇宙_W520.jpg

宇宙ジェットSS433の謎
大阪教育大学 助教授
福江 純

天空のスプリンクラー
リカ:突然だけど,庭にホースで水を撒いたことある?
……いまどき都会で庭のある家は少ない。
ジュン:庭なんてないよ. リカ:ま、そうね。近頃はマンションとかが多いもんね。じゃあ,とある大学の屋上で,暑さしのぎにホースで水を撒いていると思ってよ。
……実話である.
タカオ:あの一,これはホームドラマではなくて,設定は宇宙だったんじゃ…….
リカ:気にしない,気にしない!
……あくまで強引だ.
ジュン:で?
リカ:えーと,ホースで勢いよく水を飛ばしたときの飛距離は,せいぜい数mから10m程度よね。ホースの直径は1~2cmってとこだから,水流の先のほうではずいぶん広がるけど,水流の太さと長さの比は,1:1000ぐらいでしょ.
ジュン:それで?
リカ:あのね、もし,水流の先が10kmも先まで届いているとしたら……そんなホースって、いったいどんなふうになっているのかなーって?
タカオ:1cm対10kmだから,太さと長さの比率が100万倍かぁ.
リカ:自然界では,実際に存在してる現象なのよね。これが.
タカオ:宇宙ジェットだね。

謎の天体SS433
 夏の星座わし座の中に(冬には見えません,ごめんなさい),SS433と呼ばれる奇妙な天体がある。天空の座標位置は赤経19時9分,赤緯4度53秒で(注1),地球からの距離は約1万6000光年と推定されている。星の明るさは14等級で,残念ながら肉眼では見えない.
注1:地球上の座標でいうと,赤経は東経・西経に対応し,赤緯は北緯・南緯に相当する.
 しかし望遠鏡で観測すると,いくつかの波長できわめて強い光を放射する「特殊なスペクトル(輝線スペクトル)」を持つことが分かった。太陽のような普通の星とは異なった,特異な天体であるわけだ.さらに,同じ場所には,年齢約2万年の古い超新星残骸だと思われる広がった電波源と,X線観測用の人工衛星によって初めて発見された,X線の強度が時間的に変化する変動X線源がある.光だけでなく,電波やX線など,さまざまな波長で観測される天体は,それだけ激しく活発に活動していることを意味している.SS433も,その例外ではなかった(注2).
注2:SS433という名前は、ステファンソンとサンドゥリークが1977年に出版した,輝線星のカタログ(SSカタログ)の第433番に登録された天体であることに由来する.
 このSS433という天体は,通常の恒星と、おそらくはブラックホールが,お互いのまわりを公転している近接連星系らしい。恒星からブラックホールに向かって降り注いできたガスが,ブラックホールの周辺に降着円盤を形成する。この降着円盤のガスは,内部の摩擦によって加熱し、その結果,きわめて強い可視光やX線が放射されて観測されているのだ。ここまでは,ほかの多くの近接連星型のX線星と大きな違いはない。SS433が注目されるのは,中心のブラックホール/降着円盤系から,2方向に,光速の実に26%ものおそるべき速度でプラズマのガスが噴き出しているためだ(図1)。SS433には,この10年くらいの間に少しずつ分かってきた「宇宙ジェット」と呼ばれる現象が存在していた.

ASCII1991(12)f02宇宙図1_W434.jpg
 SS433の宇宙ジェットがさらに特異なのは,ジェットガスの吹き出す方向が一定ではなく,空間に固定されたある軸(歳差軸)のまわりを162日の周期で歳差運動していることだ(図2)。ちょうど,ホースで水を撒くときに,ホースの出口をぐるぐると回しているようなものだ。歳差軸は地球の方向に対して約80度傾いており,また,ジェットの方向は歳差軸と約20度傾いている.

ASCII1991(12)f03宇宙図2_W376.jpg
 いかなるメカニズムがこのような高速のジェットを駆動しているかは,まだはっきりしない。活動銀河中心核や原始星の場合も含め,宇宙ジェットの起源に関しては定説がないのだ。しかし,ジェットそのものの運動は,きわめてよく説明できる.そこで,相対論的な効果を入れてジェットガスの軌跡を計算すると図3のようになる.

ASCII1991(12)f03宇宙図3_W360.jpg
 図3の中心にSS433があり,色のついた円は中心から投げ出されたジェットのガス塊を表わしている。塗りつぶした円は、観測者のほうに向いているジェットで,中抜きのものは観測者から反対の方向に動いているジェットだ.くわしく説明すれば,観測者(地球)に向かっているジェットは,SS433の高速ガスの噴出点が地球の方向を向いているときに噴出されたもので,地球から遠ざかっているガスは,その逆ということである.
 この図では,SS433を中心に,200光日四方(1光日は光が1日に進む距離で,約260億km)を見ている.ジェットのパターン(コルク抜きパターン)をもう少しくわしく見ると,上下で対称になっていないことに気がつくだろう.普通の感覚では,ジェットの上下が対称になるように思える.
 上下ジェットのパターンが非対称になる理由は,相対論的な効果が関わっているためだ。ジェットの速度が,光速の26%にも達する超高速なため,有限である光の速度の性質が影響してしまう.すなわち,遠ざかるジェットからの光は,地球からの距離が遠いため,光が届くのによけいに時間がかかる.言い方を換えれば,光の速度を無限とした場合に見える位置よりも,ジェット噴出点に近い位置にあったときに出た光が見えることになる.そのため,遠ざかるジェットは中心に寄って見え,逆の理由で,地球 に近づくジェットは,中心から離れて見えるのである.
 なお,色丸の色は,適当な仮定を用いた場合の、ガス塊の温度変化を表わしている.ここでも相対論的な効果が関係し、地球に近づくジェットは高温に,逆に,遠ざかるジェットは低温に見えてしまう ことになる.
 また,ここで示した宇宙ジェットのパターンは,ジェットの歳差に伴って放出されたガス塊の“ある瞬間”を,空間に描く軌跡として描いたものである.ガス塊が,このパターンに沿って運動しているのではなく,見え方によってパターンが生じるのだ。ガス自体はあくまでも最初に放出された方向に,一直線上を運動している.

プログラムの実行
 ここでは,SS433ジェット(より一般には歳差運動している宇宙ジェット)が,天球面の上でどのように 見えるかを再現してみよう。プログラムを実行するとパラメータを尋ねてくる.
 最初に光速[c]を単位として,ジェットの速度[v(既定値=0.26c)]を入力する.vが光速に比べて十分小さいときには,歳差ジェットが上下(または左右)対称な螺旋として見えるだろう.
 つぎに,歳差軸と視線方向のなす角度,すなわち傾斜角[i(既定値=79.8度)]と,歳差軸とジェットの方向のなす角度,すなわち歳差角[ψ(既定値=19.8度)]を入力する。さらに,歳差の周期[P(既定値=162.5日)]を入力.最後に,画面に表示したい歳差運動のおおよその回数[np(既定値=3周)]を入力すると,計算が始まる.なお,ここでリターンキーだけを押していくと,自動的に既定値が設定される.
 とはいうものの,このまま計算させていても,画面にはジェットが現われない.何かキーを押せば,その瞬間に中心の天体からプラズマ雲が射出され,宇宙ジェットの噴出がスタートするのだ。画面上では,歳差運動とともに空色(青色)と赤色(紫色)が組になって交互に現われることになる.なお,画面右側には,ジェットの速度,傾斜角,歳差角,歳差周期,現在位相,現在時刻が表示される.
 後は,キーを続けて押しながら,プラズマ雲をたくさん射出してほしい.ガス塊の一個一個は直線運動をしながらも,全体としては螺旋状のパターンができるだろう.また,いろいろなパラメータ,特にジェットの速度が光速に比べて無視できない場合などを入力し,相対論的な効果によって歳差ジェットがどのように見えるかをご覧いただきたい.


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宇宙ジェット
 宇宙ジェットというのは、中心の天体(ブラックホールあるいは原始星と,それを取り巻く降着円盤)から双方向に吹き出した細く長いプラズマの噴流である。噴出の速度は,光速に近いことも珍しくなく、従来の天体現象にはあまり例がない.さらに,驚くべきことには100万桁ものスケールにわたって,ジェットの方向性が維持されていることだ。直径1cmの水道のホースで,10km先まで水を撒いている状況を想像してほしい。
 宇宙ジェットは,最初はクェーサーなどの活動銀河において発見された.VLAやMERLINと呼ばれる高精度で大規模の電波干渉計や,1ミリ秒角まで分解できる高分解能の超長基線電波干渉計VLBIを用いた観測によって,活動銀河の中心のほんの1光年程度の小さな領域から、銀河本体をもはるかに超える100万光年もの長さにわたる,きわめて細長い構造の天体が発見されたのだ。それが宇宙ジェットである.その実体は,高エネルギーの電子や磁場を含んだ,高速のプラズマ流だと考えられている.
 さらに最近になって,活動銀河中心核からのプラズマガス噴流と同じようなジェット構造が,規模こそ異なるが,われわれの銀河系内でも,中性子星あるいはブラックホールや原始星の周辺でぞくぞくと発見されはじめた。そのひとつが,1970年代末に発見された特異星SS433のジェットである.
 種々の天体における宇宙ジェットの発見から,宇宙ジェットは普遍的な宇宙現象であると考えられるようになった.宇宙ジェットは,宇宙論やブラックホールなどと並び,最近注目を集めている新しいタイプの天体現象なのである.


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PC-9801GS,PC-9801NC,PC-9810CS他(月刊ASCII 1991年12月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「New Machine For 1992」をスクラップする。

PC-9801GS
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まとめ部分をスクラップする。
 CPUで同等のスペックを持つ機種は,カラーノートを除いて,今のところ98シリーズにはない。あえて比較するなら、PC-9801DA(386-20MHz)が候補になるだろう.40MbytesのHDDを内蔵したDA5の価格は59万8000円GSmodel1は、CPUが386SXであるものの,DA5に比べてメインメモリが2Mbytes多く,解像度640×480ドットの拡張表示モードもあり,PCM/ADPCMモジュールを搭載,SCSII/Fがあって,おまけに3本のソフトウェアまでインストールされて69万8000円である。その差は10万円しかなく、非常にお買得なマシンといえる。これから,DTV(デスクトップビデオ)を始めようとしている人や、画像に興味のあるユーザー,DOS5やWin3を使ってみたいユーザーには,お勧めの一台だ。
*ビデオボード(PC-98GS-02)
NTSC/S信号を入力,パソコン画面とビデオ画面の合成表示可能,画面の任意位置に縮小画像を表示可能デジタイズ機能,解像度640×400ドットまたは640×480ドット表示が可能(15万円)
 価格が69万8000円を「非常にお買得なマシン」はないだろう。この表現をするためにオプションだった装備を付いているとかソフトが付いているとか苦労している。また「お勧めの一台だ」とは勧めるなよ。あんたはメーカーの回し者か!?それに640×480対応モニタが必要でPC-98GS-C1が13万8000円となる。本体+モニタで83万6000円は高すぎる。

PC-9801NC
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 本体の大きさでは,NS/Eと比べて、厚みが2mm,重量が200gほど増加しているが,デザイン的に違いはなく,大きくなったという印象は受けない(写真2).PC-9801NCは,NS/E(27万8000円)に,CPUを20%高速化+メモリ2Mbytesカラー機能を追加したもので32万円高.携帯性を重視しないユーザーにはまだまだ割高感があるが,カラー液晶がいよい身近になったこと,パソコンの新しい世代が生まれようとしていると感じさせる.
 これは良心的な評価だ。

PC-9801CS
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 CSと,ほぼ同スペックのデスクトップマシン現行機はPC-9801DSになる.DSが35万8000円,CSは39万8000円(FDDモデル)ということは,4万円の差で12インチのRGBアナログCRTが手に入ることになり,デスクトップと比べるなら割安感はある.
 設置レイアウトの自由度の高さでは,本体をコンパクトにまとめたPC-9801UF/URなどの形状のほうが,CRT一体型のCSよりもいい。CSは割安であるということで,数多くのマシンを一括購入しなければならないような企業や学校などでの運用も期待できるだろう.

 妥当な評価だ。

Macintosh PowerBook
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機動力か処理能力か
 出先でも移動の途中でもMacを使いたいMac中毒患者には,迷わずPowerBook 100をお勧めする。ただしこれ1台でMacをしゃぶり尽くそうという向きには、いささか物足りないかもしれない.35万8000円という価格は魅力的だが,CPUパワーやFDD外付けといった点を考慮すると,PowerBook 100は,すでにMacを使っているユーザーのセカンドマシンとしてこそ威力を発揮するだろう.
 いっぽうPowerBook 140/170は価格こそ高めだが,表示部さえ我慢すれば,デスクトップと変わらない環境が手に入る.米国ではサードパーティが外部ディスプレイのアダプタを開発中といわれており,これと外付けのキーボードを利用すれば,デスクトップの省スペースマシンとしても使用できるだろう.
 なお,PowerBookと同時に,内蔵型のFax/Dataモデム(通信速度2400bps,エラー訂正/データ圧縮プロトコルにMNPクラス4/5,V.42/V.42bisを搭載し,付属のソフトウェアにより9600bpsでファクシミリの送信可能)など表2のようなオプションが発表された。これらも含めて,自分の環境と用途に合わせて選んでほしい.



Macintosh ClassicII
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まとめ部分をスクラップする。
 ClassicIIは,Classicの上位機種であるばかりでなく従来のMac SE/30の実質的な後継機種でもある.SE/30からコプロセッサとProcessor Direct Slotを省いて拡張性を犠牲にした代わりに,低価格化が図られている。新しいROMの搭載により音声認識やSystem7の仮想記憶や音声入力が利用できるなど,なか「なか魅力的なマシンだ。CPUパワーもSE/30と同等で、通常個人がパーソナルコンピュータを使って行なう作業ならば、ほとんどストレスなしに処理できるだろう.ClassicIIは初めてMacを買おうという方にもっともお勧めできるマシンと言えるだろう.
 3.5インチFDDを1基内蔵したモデルの価格は29万8000円.Classicより12万円高いが,メモリが4Mbytes搭載されていることを考えれば実質的な差は10万円以下だ.SE/30との価格差は20万円にもなる(40/80MbytesのHDDを搭載したモデルも用意されている).
 ちなみに,アップルジャパンではClassicからの有償のアップグレードサービスも設定している(13万円.1992年開始予定).Classicのユーザーでスピードに不満のある方には,ぜひお勧めしたい.



Macintosh Quadra
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PC-386P
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PC-386Pのまとめ部分をスクラップする。
 省スペース型のデスクトップマシンとしては,PC-9801UR/UFがある.大きさを比較してみると,横幅はほぼ同じもののUR/UFのほうが奥行きで60mm,厚みで14mm小さい.また,底面積ではPC-9801CSよりも386Pのほうが71%程度と小さい.
 価格は26万8000円と386GEよりも3万円安い386GEにはオプションによりハイレゾ表示が可能なので,省スペースを取るかハイレゾへの拡張性を取るか悩むところだ。ほぼ同スペックの9801CSと比較すると13万円安価だ。現状ではモニ夕は10万円程度で購入できるので,標準1Mbytes搭載されているメモリの分を加えてもお買い得と言えるだろう。できれば,MacintoshLCのように違和感なく本体に載せられる9インチ程度のモニタも欲しいところだ。



PC-386BOOK LC
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PC-386BOOK LC/LXのまとめ部分をスクラップする。
 価格を見てみると,LCとLXでは16万円もの差があり,アクティブマトリックスタイプの液晶の割高感は強い。TFT液晶を搭載するPC-9801NCと比べると,LCは6万円高価であるが,Lスロットによる拡張性やFDDを2ドライブ持つ利点を考えればLCの魅力も大きい持ち運びできるカラー表示マシンでは,可搬性の98NCか拡張性のLCを取るかを悩むところだ。


PC-386NOTE AE
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PC-386NOTE AEのまとめ部分をスクラップする。
 価格はNOTEAよりも3万円安くなっており,PC-9801NS/Eよりも4万円安価だ。すでに98NOTE用として販売されている周辺機器が,拡張バスの互換により利用できる点を考えればお買い得のノート型マシンと言えるだろう.
 例の文脈「○○(という点)を考えればお買い得のノート型マシンと言えるだろう」は信用してはだめだ。同じ文脈で私は色々な割高のものを買って自分を納得させるための言い訳にしていた。

PS/55Z30U, PS/55noteN23sx/51sx,PC/55Z10S,PS/5510T,PS/55Z5527
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各製品のまとめ部分をスクラップする。
 30Uは,530ZSXと比べてCPUクロックが4MHzアップしたのもさることながら,高速(=GUI環境向き)でか次期標準規格の期待が持てるXGAを搭載した点がポイントである。価格的には3万円高くなっているが,ビデオメモリが標準で1Mbytesに拡張されていることを考えれば納得できる.モニタのサイズも1インチ大きくなって13インチとなり,パネルはフラットになるなどの改善も怠りない.モニター体型マシンはこのショウの前後に数社から発売されたが,グラフィック機能,CPUパワーの両面30Uは最高性能を誇る。ビジネス,ホビーともに最前線で活躍できる,今最も注目できる製品と言えるだろう.

PS/55noteN23sx,N51sx
 気になる価格は,40MbytesHDD内蔵のN23sxが旧55noteのHDDモデルと同じ35万2000円というところから見て,旧バージョンと同じ水準に据え置かれたと言えるだろう.機能強化された分だけお得になるわけだが,競合他社のノートパソコンと比べて格別安いというほどではない。とはいえ,速く,使いやすくなったのは確かであり,IBMPCアーキテクチャのノートパソコンを探している方には嬉しい選択肢が増えた。

PS/55Z10S
 10Sの価格は5510Zより3万円高くなっているが,CPUパワーが1.5倍相当になったうえ,386CPUの搭載はWindows3.0でマルチタスクが実現できるといった意義もあり、それを勘案すればかなりの値下げと言える.ホビーユースで考えれば、種類も豊富でマイクロチャネルに比べると安価なATのボードが利用できるメリットも大きい。価格面ではプロサイドや関西電機といったメーカーのPCクローンにはかなわないものの,日本電気やエプソンの同スペックのマシンよりははるかに安い。PCの世界を覗いてみる,PCで遊んでみるという用途にはぴったりのマシンではないだろうか。


DynaBookV J-3100SL
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FM TOWNSII モデルUX/モデルCX
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1B/note
パーソナルメディアのBTRONマシン
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