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CG展示会、Intel巨大広告他、業界(月刊ASCII 1992年1月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSの扉のパソコン出荷実績の表が興味深い。
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もう32bitの時代だった。また8bitはMSXがほとんどだった。

「10回目を迎えたNICOGRAPH'91・機器展示」記事をスクラップする。当時の状況が分かって良い。
10回目を迎えたNICOGRAPH'91・機器展示
 '91年10月26日と11月11日~15日にかけて,コンピュータグラフィックス総合展NICOGRAPH'91」(主催:(社)日本コンピュータグラフィックス協会,日本経済新聞社)が開催された.今年で10回目となった同展は,「地球環境とコンピュータグラフィックス─宇宙飛行士が見た地球,NASAのCG映像はどのように生かされたか―」と題されたNRSコミュニケーションズ社長のRossell L.Schweickart氏の記念講演をかわきりに,恒例のCGフィルムショウやセミナーなどが行なわれた.ここでは同12日~14日の3日間,東京池袋のサンシャインシティコンベンションセンターを会場に行なわれた機器展示から,特に目立ったものを紹介する.


FM TOWNS用の3次元CGツール「Cyber Sculpt」
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RISC PCを名乗るデスクトップCG専用マシン「IRIS INDIGO」
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オージーシステム RFX・IV
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日本サン・マイクロシステムズのSPARCstationを使った「VideoPix Solurion」
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サピエンスの「SuperFrame/V」
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インテルの「i860XR」
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フォトロンの「VC/24-Nu」「濃画」
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ソニー・テクトロニクス「4964SX型」
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ディーメックの「メリッドクリエーションシステム」
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凸版印刷のホログラム展示
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「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
Intel社,巨大広告キャンペーンの思惑は?
 COMDEX後の米国のコンピュータ業界は,サンクスギビング,クリスマスと一挙に年末に突入する.コンピュータ業界でもコンシューマーに近い部分では,このクリスマス商戦が年間の売り上げを支配するだけに,製造出荷部門などは大忙しとなるのだが,ワークステーション部門や開発部門などは逆に閑散としてくる.担当者がバラバラと休暇をとりだすので,ミーティングの設定もままならなくなってくる。
 かくして、いつものパターンで年が暮れようとしているが,それにしても1991年は,このコンピュータ業界(だけではなかったが)では,かなりいろいろなことが同時に起こって,何かと話題に事欠かない年であった.とりわけ,'90年代後半を占うといわれるハイエンドのPCおよびワークステーションマーケットでは,その地殻変動は,誰もが予想しなかった方向に進んだ.もちろん,この戦争にかかわっている企業は,Intel,HP,SunMicrosystems,MIPS/ACE,Apple-IBM-Motorolaなどである.
 これに,OSをめぐる主導権争いも加わって戦況はまったく予断を許さない状況になっている.'90年代後半から2000年のコンピュータ業界は,ますます予測不能になってきつつあるようだ.
 もちろん現状では,PCのCPUに関してはIntel社がほぼ100%の独占状態を維持している.そのIntel社が11月に入って,何を考えたのか,総額2億5000万ドル(日本円に換算すると約300億円強.Intel社が支出する分は実はその半分の1億2500万ドル)にものぼる一大広告キャンペーンを開始した.
 2億5000万ドルといってもピンとこないかもしれないが,'91年度前半の広告主トップは,タバコ産業を中心にしたコングロマリットであるPhilip Morrisの6億5000万ドルで,General Motorsが5億1500万ドル,家庭用品のProcter & Gambleの5億ドル,Pepsicoの3億1500万ドル,Fordの2億4000万ドルと続く.これらはいずれも,自動車,家庭用品,清涼飲料品などコンシューマー製品の大企業たちだ.
 IntelのキャンペーンはFordの広告に匹敵するわけで,その額がいかに大きいものか分かるだろう.今までは300位にも入らなかった企業が一躍ベスト10に迫るのだから驚きは隠せない.しかも,コンピュータが一般家庭に浸透し始めたとはいっても,石鹸やタバコなどのコンシューマー製品とはやはりちょっと性格を異にする.IntelがやろうとしているのはCPUチップの宣伝であって,トルティアチップスの宣伝とはわけが違う.今回のキャンペーンの規模の大きさに業界関係者が仰天するのもうなずける.
 実際に放送されたIntelのテレビCMは,PC基板上をカメラが低空で飛ぶように這い回って,最後に486に行き着くというもの.おまけに486の横のコプロセッサ用ソケットには派手な「VACANCY」のサインが付いている.
 VACANCYとは,米国のモーテルなどでよく見かける「空き部屋あり」の意味.すなわち,486はコプロ内蔵だからソケットは空.そして,386なんかもう使わずに486を使いましょうというもの.ちなみに,このCGを駆使したCMファイルは,おなじみLucasFilmのILM社によって制作されたという.業界人なら意味は理解できなくはないが,これをテレビでやってどんな意味があるのだろうと首をかしげてしまう.
 ちょっと前に,DataGeneralがピザボックスに入ったメインフレームというテレビCMを流していた.評判が悪くて最近は中止したようだが,当たり前の話で,いくら「?億円セーブできます」と言ったところで,テレビの宣伝を見て,じゃあ製品を導入しましょうという客がどれだけいるというのだろうか.Intelの今回の第一弾CMも,これに似たものがある.ほとんどの視聴者はこの宣伝を見ても意味が理解できないだろうし,たとえ理解できたとしても486チップをどうやって購入できるのだろう.486が採用されているマシンを紹介するならまだしも、486の優位性を強調してなんのメリットがあるのだろうか.
 もちろん,Intelにとってのお家の事情が分からないわけではない.まず思い付くのは,AMDの高速386クローン対策.386ではなく486を画面に出すことで,消費者に「386はもう時代遅れだよ」という印象を植え付けようとしている.先にIntelが386SXを出し始めたときに,286に×印をつけた広告をしたが、今回のキャンペーンは,規模こそ違え、内容的には同じものだ.Intelは386以降セカンドソースを行なわなくなったが,独占状態を続けることで収益性が非常に好転したのに味をしめたようだ.
 次なる事情は,現在しのぎをけずっている次世代CPU戦争に,「PCのCPUはやはりIntelだ」とくさびを打っておきたいところだ.MIPSにしてもSunMicrosystemsにしても,近い将来的にIntelの強敵になろうことは目に見えている.これにPowerPCが加わったものだからIntelのプレッシャーは相当なもの.独占状態を続ける今のうちに,消費者の大脳皮質にIntelの名前を焼き込んでおこうという考えだ。
 Intelのキャンペーンは今後18カ月続くことになっており、同社のDave Houseは,このキャンペーンがNutrasweet(ダイエット甘味料)と同様に成功を収めると期待しているが,はたして期待どおりに事が運ぶかどうか.

■MIPSが販売業者,インテグレータ対象のセミナーを開催
 一方,MIPS社は,11月14日から,販売業者,システムインテグレータを対象に,西海岸を中心にした巡回セミナーを開始した.セミナーは名付けて「Freedom to Choose」.14日のここシリコンバレーMIPS本社でのセミナーをかわきりに,サクラメント,ポートランド,デンバー,シアトル各所で開催する。
 初日の参加者は100名前後。内容はもちろんACE連合の話にはじまり,他社CPU(SPARC,PA-RISC,intelx86,PowerPC)との性能比較なぜ64ビットが必要になるかといったトレンドの話,Windows/NT,OSF/SCO,SVR4/ACEなどスケーラブルなOSの特徴と,当然MIPSCPUの優位点を強調する内容.
 ACE連合もすでに79社,最近ではNovellとUSL(Unix System Laboratory)の参加発表があったばかり.参加企業の売上高合計は500億ドルにものぼる大規模な連合となった.ただし参加企業が増えれば増えるほど,各社の思惑が微妙にからんで動きが鈍くなることは確か.CompaqのRod Canionが解任されると同社がACEを離脱するのではないかとの噂が流れたり,USLの参加でSCOとの仲が取りざたされたりする.この辺でやはりACEの中心的存在であるMIPS社としてもテコ入れをする必要があったようだ.
 ARC仕様もほぼ固まり,ARC準拠のハードウェアはもとより,OSにしてもWindows/NTやACE UNIXの開発が進むなど,一応の環境は整ってきている.12月には開発キットも発表されるはずで,システムインテグレータや販売業者をそろそろオーガナイズし始めるのにちょうどいい時期なのかもしれない.MIPS社のタイムテーブルによると,'92年はじめから各ソフトウェアベンダーでの開発がはじまり,'92年半ばにはARCシステムの販売が開始される.'92年9月にはACE初の独自エキスポ,International ACExpoが予定されている.今回のセミナー開始は,このタイムテーブルにあわせた行動であることは間違いない(図1).


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■Appleも長期計画を発表
 さて,低価格Macの発表,IBMとの提携,PowerBookの発表などで'91年度の注目株のひとつだったApple社は先頃中長期的な計画を明らかにした.これによると,'90年代中期をめどにApple社は3つのカテゴリーの製品を発表していくという.
 1つ目はパーソナルコンピュータとしての製品系列もちろん現行のMacを中心としたものだが,CPUとしては68000系からPowerPCに移行していく。基本的には現在あるMacラインの発展形である.2つ目は、Macのアップグレードバスとしての製品系列.ワークステーションに相当するパフォーマンスの製品を開発していく。適用分野は,あくまでもパーソナルなワークステーションおよびネットワークサーバ.ここでも68000系CPUは徐々に姿を消し,PowerPCに置き換えられることになる.システムソフトとしては,MacOS,A/UX,それからIBMと共同で開発中のオブジェクト指向OS「Taligent(Pink)」の3系列が考えられている.どちらかというと基礎としてA/UXがあり,そのうえにMacOS,Taligentの両方が走るといった形になる可能性が大.
 3つ目は,John Sculleyが熱意を燃やすAppleのコンシューマー製品.ハード的には,マルチメディアプレーヤとパーソナルコミュニケーションデバイスの2製品に集約される可能性が強い.もちろんこれらの製品は将来的に統合される可能性もある.ソフト的にはMacOSを発展させた形のもの,QuickTimeを発展させたものそしてKaleida(もうひとつのIBM共同のベンチャー)で開発される新しいOSの3系統が考えられている.
 パーソナルコンピュータとしてのMacとワークステーションは,一応コンピュータの分野でApple社がすでに実績を持っている部分.問題は,3番目のコンシューマータイプの製品で,販売経路もユーザーも今までとは異なり,Apple社にとって未知の分野となる.かなり批判的な意見も見受けられるが,Apple社が単なるコンピュータメーカーに終わってしまうのか,あるいはもうひと回り大きな企業になるかの分かれ道でもある。製品の開発は,'90年代半ばまで待たなければならないが,非常に期待されるところでもある。
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)


 そうだったか。IBM PCやPC-9801のCPUはこれから486へとMacのCPUはPowerPCへと移行してくが、この時だったのか。インテルの互換CPU潰しは486でも結局は成功しなかった。モトローラの68000系が使われなくなったのは残念だった。

Miscellaneous をスクラップする。

■ビートルズとAppleが林檎の取り合い
 おなじみApple社(Apple ComputerInc.)とビートルズのApple社(Apple Corps)は,類似した「ロゴマーク」に関して裁判を行なっていたが,今回和解となった模様.
 Apple Corps側の弁護士は,和解条件などは秘密と語ったが,噂では,Apple Computerが2900万ドル(約38億円)を支払うそうだ.Apple Corpsは,1963年にビートルズが音楽の著作権を管理する目的で設立したもの.Apple Computerが,林檎のロゴを音楽機器に付けたことが訴訟のきっかけとなった.ちなみに,Apple Corpsのロゴは,林檎のてっぺんに茎が付いたものである。
 論争の中心になっているのは,Apple ComputerのMIDIインターフェイスである.両社はすでに,同種のビジネスで衝突することを避けるため,Apple Computerがコンピュータ以外には林檎ロゴを使用しないという合意をしていたが,それに反したというものだ.Apple Computerは訴訟を和解するために約3800万ドルを準備していたことを明らかにしているが,ロンドンの消息筋は、両社がこの裁判で弁護士などに費やした金額は1190万ドル以上と見積もられているという.
 なんとなくかわいそうなAppleだが,こちらは明るい話題.マーケティング情報会社のJ.D.Power社が,企業1100社とエンドユーザ-2000人以上を対象とした調査を行なった.それによると,Appleが「ベストパーソナルコンピュータ」および「ベストプリンタ」にランクされたほか,Borland Internationalが「ベストソフトウェア」として認められた.
 調査項目は,パフォーマンス(操作性と互換性を含む),使いやすさ(マニュアルやチュートリアルの良さを含む),拡張性(RAM,速度,記憶容量),サポート(品質とサービス体制,テクニカルサポート)など,ユーザーが重視する項目は,ここに並べた順であるという結果も出た.
 ベストパソコン部門での2位以下はDell,Compaq,AST,Toshiba,HP.プリンタはHP,NEC,Okidata.ソフトウェアはLotus,WordPerfect,Microsoftの順だった.

■ネット上の言論の自由
 Prodigyがまた物議をかもしている.Wall Street Journal紙によると,今回は「反ユダヤ」のメッセージが誰の目にも触れるボード上にあったというもの.Prodigyはこういったノートを人目に触れさせているとして,B'naiB'rith(ユダヤ男子共済組合)のADL(Anti-Defamation League)という組織が非難している.
 ADLによれば,同ネット内のメッセージの中には「ヒトラーにも妥当な点があった.ユダヤ人が影響力と力を持つところには苦悩,戦争,経済的搾取……が起こる」とか「その結果が,ユダヤ人虐殺,迫害,神話上のホロコーストである」などと続くという.ProdigyのHenry Heilbrunn副社長は,社会規範に沿わないようなもの,たとえば偏狭な信念,人種差別,憎悪などの甚だしい表現などのガイドラインを見直しているという.
 ADLはヒトラー関連の7つのメッセージについて苦情を訴えていたが,Prodigyがシステムを調べた結果,そのメッセージはユーザ一間の個人的なメール内にあったことを突き止めた.
 メールの一部がADLに流れたようだが,このメッセージが15回ほどパブリックボードにポストされ,そのたびに拒否されていたとProdigyは説明している.また,同社としては,プライベートメッセージはあくまで個人的なものであり,法によって検閲は禁じられているので手は出せないという.
 ADLの会長Mel Salbergはこれを受けて,ガイドラインの見直しには満足の色を示したものの、ホロコーストの議論を続行させる決定や「イスラエル・バッシング」ともとれるコメントは容認し難いと主張.メッセージに関しては,引用したのはメンバーが受け取った攻撃的なメッセージのサンプルだったと言っており,この中にプライベートメッセージが含まれていたものと述べている.もちろん焦点は,最近のProdigyによるパブリックボード上のメッセージの検閲についてである.市民団体は,ボードの検閲を通常の通話回線の検閲に比喩して非難しているが,Prodigy側は,むしろネットは新聞のようなもので、容認できるものを判断する必要があるとつっぱねている.
 ADLの記事を書いたWall Street Journalのライターは,この出来事が「コンピュータネットワークという新しいメディアの登場で,言論の自由の限界に関するもっと広い意味での問題を提起するだろう」と述べる.Prodigy側は,ネット上で言論の自由を完全に認めることは不可能に近いと考えているようだが,「うまくバランスを取ることができるはず」と自信をもっている.

■COMDEXでCEOの演説合戦
 COMDEXの「CEO Perspectives(CEOが語る将来への展望)」という催しで各社のトップが講演を行なった.
 まずは、IBMのJack Kuehlerが「パソコン売り上げの伸び悩みを解決するには,企業間の協力が一番だ」と主張。同社が最初のPCを10年前に市場に送り出した時点では,製品寿命が尽きるまでに25万台程度の出荷を期待していたものの、現在までに1700万台が販売されている.それでも,1990年代の業界全体の成長は低迷すると明言.IBMもこれまで以上に努力する一方で,優れたコンピュータを開発するために,すべての企業への協力を呼びかけた.まあ,Apple,Motorolaとの協力を「必要不可欠」だったと言いたげである.
 BorlandのCEOであるPhillipe Kahnは「ソフト業界は,コンポーネントベースの開発戦略が必要だ」と語った.「オブジェクト指向はここ10年間,ソフトウェアに力を与えている」そうで,「ソフトに対する膨大な要求に対応するためには,広範囲にわたる活動が必要.これまでの消費者は、急場しのぎの仕上げにごまかされてきた」と述べた。解答は同社の新製品,ObjectVision2.0とQuatroPro for Winにあるという。結局自社の宣伝にもっていくところは,IBMと同じだが,AshtonTateの買収については「国外に対しての流通システムに目を付けて買収した」と語った.
 MicrosoftのBill Gatesは「よりアクセスしやすい情報と,情報をより扱いやすくするツール・技術,統合されたアプリケーションの必要性」を強調.そして,Intelの80x86ファミリーとWindowsは,1990年代もコンピュータの世界をリードしてゆくだろうと語った.彼に「Windowsこそ最もポピュラーで楽しいグラフィック環境」と言わしめたのは,18カ月の間に650万セット以上が販売された実績だろう.しかし,サウンド,グラフィックのスピードと解像度,スタイリングにまだまだ改良の余地があることも認めている.
 将来のパソコンについては,ネットワーク機能の内蔵とマルチプロセッサに期待.PenWindowsのデモを行なった一方,32bitのアプリに対応しているWindowsNTについて「Windows3.0や3.1同様に親しみやすいユーザーインターフェイスを備えつつ,UNIXを超えるものになるだろう」と語った.ほぼ同時に,Windows 32Bit Development KitとWindowsNTのαバージョンを、ディベロッパーに対してリリースを開始した.
 その後の株主総会で,Microsoftは,来年の研究開発費を約40%上げ,3億3300万ドル(約430億円)にすると発表Gates氏は「音楽,アニメーション,その他の情報を含んだコンパクトディスクなど,マルチメディアソフトの生産に力を入れれば,今すぐにというわけではないが,それは将来大きな利益をもたらす市場になるだろう」と語っている。また「現在研究中のソフトは開発が非常に困難であり,この先10年以上をその開発に必要とするようなやりがいのある,かつ挑戦的なものである.しかし,それらのソフトが走るマシンが普及するまでには,何年もかかるだろう」とも.
 それにしても、年間430億円の研究開発費とはまいった.MS-DOSやWindowsがあるとはいえ,昨年度の売り上げ内容を見ると,ExcelとWordによって,51%は「アプリケーションソフト」となっている(OS+言語で36%,マウスなどで13%)単純に2で割っても,200億円以上をかけてアプリケーションが開発できることになる(ちなみにジャストシステムの年間売り上げが100億円)日本でも,古川氏が極東開発本部長となり,R&Dセンターを仕切って,OSやアプリを意欲的に日本語化するという.ほかの日本のソフトメーカーはどうなるのだろうか.
 余談だが,古川氏率いる開発部隊は,'92年末に東京・笹塚の中村屋工場跡の新築ビルへ引っ越すそうだ.今のKビルというのは木村屋ビルだから,よっぽどパン屋さんと縁がある.

■コンピュータが古いチェス問題を解く
 これまで禁止されていた,暗号化機能(encryption capability)を持ったソフトウェアの輸出が認可されそうだ.下院で成立した「Export Administration Reauthorization Act」と呼ばれる法案によるもの.
 この中には,「暗号化機能を持つパソコンソフトの輸出を軍需品扱いすることを禁止する」規約条項が含まれる.ソフトウェア出版協会(SPA)も賛成しており,すでに上院で通過した同種の議案との調整が行なわれ,'91年末には大統領に送られる予定.日本のユーザーも,MS-DOS上のアーカイバであるPKシリーズやMacのHDDユーティリティSUMやMacTools,アーカイバのStuff Itで,海外版では暗号化機能がなくなっているのは知っている(マニュアルにお詫びが書いてあったりする)同じ値段(逆に高い場合もあるが)なのに機能が少ないとは何事かと,ご立腹なさった方もいたはずだが,大統領がサインすれば改善されそうだ.
 「コンピュータがチェスの問題を解く」などというと,10年前からありそうな見出しだが,65536個のCPUを持つ並列コンピュータで,今ごろ解かれた問題があったそうだ.
 ボルチモアにあるJohns Hopkins大学のAI研究室の大学院生Lewis Stiller君(25歳)は,ニューメキシコ州にあるロスアラモス国立研究所にある超並列コンピュータの力を借りて,これまでどんなに速いコンピュータでも複雑すぎて解くことが不可能とされてきた古いチェス問題を解くことに成功した.
 この問題は「キングとルークとビショップで,キングと2つのナイトに勝てるか」というものだが,引き分けにはならずに223手で詰められることが分かった.彼は,プロセッサ間でBoggingDownが起こらない方法を工夫し,1万行のプログラムを作った.この成果はScientific American誌11月号に掲載されており,逆手順解析法(勝つ位置から逆に駒を動かしていく方法)で,このコンピュータが5時間かけて1000億手を動かし解答を得たと報告されている.このアイデアは,彼がBBSで知り合ったHarvard大学の数学教授Noam Elkiesから教わったものだという.Elkies自身もStillerの発見がチェス盤上だけにとどまるものではないことを認めており,彼の研究が何か重要な並列コンピュータの使いみちを示唆してくれたはずだと語っている.


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 よくもまあApple Computerがビートルズのリンゴをパクってパソコンを売り出したものだと、またビートルズ側が当初問題にしていなかったということに驚いたが、マイコン(パソコン)の出始めは矮小な世界であったのでそんなものかと思っていた。
「噂では,Apple Computerが2900万ドル(約38億円)を支払うそうだ.」「ロンドンの消息筋は、両社がこの裁判で弁護士などに費やした金額は1190万ドル以上と見積もられているという.」結局儲けたのは弁護士か。欧米人は裁判が好きだなと思う。シェークスピアのベニスの商人も裁判が落ちの話だと思うし。
「なんとなくかわいそうなApple」いやいやリンゴをパクったApple Computerはかわいそうではないだろう。
 ネット上の言論の自由が「反ユダヤ」なのはなるほどなと思う。今は個人間の誹謗中傷と言論の自由うが問題とされる。なんというか猿に便利な道具を与えるとろくなことにならない見本だと思う。バカでも使えるように便利にしたらそのバカどもがろくなことに使わないのが今のネットだ。
 Windowsは大成功した。「18カ月の間に650万セット以上が販売された」とあるが、日本にいる私はまだまだMS-DOS上のアプリやPC-9801でのゲームに興じていたのでこの当時はWindowsの大成功を予測していなかった。年間開発費が「3億3300万ドル(約430億円)」とは凄いものだ。利益をあげた会社が益々大きくなるのはこの開発費なんだろう。
 コンピュータとチェス問題は並列処理で力任せで解決できるということはこの当時既に明らかになった。今の将棋ソフトが登場するまでにはこの後30年も必要だった。

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