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Windows 3.0(月刊ASCII 1991年11月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

村瀬康治氏の記事が気に入っているがこの号ではWin3を贔屓の引き倒ししていると感じたので見出し、本文の最初と最後それに図をスクラップするに留める。

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これを見るだけで雰囲気がわかる。

Win3対応のアプリケーションなど待っていられない
 『Windowsの「大船」に乗り遅れるな』シリーズは3回の“読み切り”であり,今回が最終回である.当シリーズの主旨は第1回目に述べたように、「Win3の環境はさっさと自分のものにしなければ損。躊躇している場合ではない。まずはWin3の環境下で現在使用中のMS-DOSアプリケーションを実行することから始めよう」ということにある。そこで最終回今回は,日本語入力FPおよびMS-DOSアプリケーションの組み込みと実行,それにアイコンデザインの変更などについて解説する.
 Win3対応のアプリケーションが出回るのを待つ必要はない.それよりもまずMS-DOSアプリケーションのプラットフォームとして,Win3をどんどん利用することが先決である.Win3のおかげで,MS-DOSアプリケーションを100%以上活用できるようになる。そうこうしているうちに,Win3対応のアプリケーションが先を争って出てくる。そのころこちらは,すでに“Win3パワーユーザ-”であり,各ソフトメーカーのお手並み拝見というところである.

 もうこの冒頭部分が意味不明だ。何が悲しくてWin3に金を出して苦労してDOSアプリを使わなければならないのか。全然便利ではなかった。結局実務では一太郎に1-2-3の表を張り込むときには印刷したものを切った貼ったした方が綺麗で速かった。スキャナで取り込んだ図でもそうだ。パソコン上でするにはまだまだハードもソフトもダメだった。
 またWin3を使って遊ぶには魅力がなさ過ぎた。Macの方が断然楽しかった。DOSマシンはDOSで使うのが気持ちよかった。

最後の部分をスクラップする。
 このあとは,まずタスクスイッチの機能を活用できるように,いろいろと練習していただきたい.Win3は奥が深い。まずはDOSアプリケーションの切り替えを活用しながら,徐々にワザを磨いてほしい.なおWin3の基本操作を学ぶには,まず付属のトランプゲーム(ソリティアという)で遊ぶことをお勧めする.拙著『入門MS-Windows』(3部作の入門編。アスキー刊)は,ゲームで遊ぶ(学ぶ)部分がカラーページで解説してある。ぜひ参考にしていただきたい.
 これだもの。なぜWin3で練習せねばならないのか。確かにソリティアで遊んだがそのためにWin3を買うなんてとんでもないことだった。
 以下図をスクラップする。
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丁度編集室からの記事がピッタリだったのでスクラップする。
5年後のパソコンを想像しながら
▲「コンピュータの世界の進歩は日進月歩,いや秒進分歩だ」などと言われることがあるが,実際にパーソナルコンピュータを利用していると,それほどの実感はない。たとえば5年近く前に発表されたPC-9801VXを現在でも利用している本読者は,全体の7.1パーセント.RAに続いて第2位を占めている。98シリーズ用の売れ筋ソフトでも,VXで走らないものはほとんどない状況だ.
▲以前は「MS-DOSは80286や80386の機能を活かし切っていない」という批評をよく耳にした.ハードの進化にソフトが追いついていないというのだ。確かにそういう面があったが,おかげで多少古いマシンでもそれなりに最新ソフトを利用できた.しかし,その様子も変わり始めようとしている.今月まで3回にわたって連載をお願いした『Windowsの「大船」に乗り遅れるな』の中で村瀬康治さんが何回も書かれているように,Win3を活用するには「386/486マシンとメモリ640Kbytes+5Mbytes以上が前提条件」なのである.しかも,Win3用のアプリケーションを活用している人の中には「快適と言うにはクロック25MHzの486マシンは必要」と言い切る人までいる。
▲こうして見ると,現状では,ソフトが突然(市場で主流の)ハードを追い抜いてしまったようだ。村瀬さんの記事には「そうまでしてGUIが必要なのか?」という声もたくさん寄せられた。確かにCUI環境だって,パソコンは楽しい。ただ,それでも,ハードはより高速化し,ソフトはGUIの環境へと進むことだろう。果たして5年後のアスキー編集部のスタッフの机の上には,一体どんなパソコンが置かれているのだろうか.
▲さて,'86年7月号より私,土田が編集長を務めてまいりましたが,今号をもって交替することとなりました。後任にはこれまで副編集長であった遠藤諭があたります。より魅力的な誌面作りのために一層活躍するものと確信しておりますので,本誌ともども更なるご声援をお願いいたします.長い間、ありがとうございました。
(土田米一)


 ASCIIは分かっていて記事を載せていたのだ。Windows 3.0はまだ使い物にならないと。旧機種では使い物にならないのは当然としても一般ユーザ向けに市販されている最高レベルの386でもだめで、次世代の486が必要だった。NECだって640×400の解像度では不足であるのを知っていたのでPC-9801GSという640×480の解像度を持つマシンを発売した。このようにパソコン雑誌はあおり雑誌だった。騙されまいぞ。

さらにTBNに80286を386SXに換装できないかという内容の質問があり(後日スクラップする。)その回答の最後には「MS-Windows3.0については,まだアプリケーションが揃っていない状況ですから,そう急いでマシンを買い替える必要はないと思います.」とまっとうなアドバイスがあった。ASCIIの良心だと感じる。

後半ではWindowsの開発予定記事があった。計画と実際ではかなり異なることが分かる。
ASCII1991(11)c07Win3次世代Windowsへの道_W520.jpg
キーワードは32bitAPIとNT
 現在のWindowsVer.3.0にはリアル,スタンダード,エンハンスの3つのモードがある(Ver.3.1ではリアルモードはなくなる)。スタンダードモードでは,80286のアーキテクチャを基本としており,コンベンショナルメモリの640Kbytesの壁は破られたものの,依然64Kbytesのセグメントが基本となっている(16bitアドレス方式).しかし,今や主流となっている80386は32bitCPUであり,セグメントの壁を超える32bitアドレス方式が組み込まれている。これをきちんと使うことで,セグメントに関する問題点をクリアすることができるわけだ.
 この32bitアドレスに対応したWindowsのAPI(Application Program Interface)が「Windows 32bit API」で、次世代のWindowsで採用されるといわれている。通常こうした拡張はOSの機能として提供されるのが普通で,APIが単独で規定されることはない.これは,32bitAPIがDOSとともに「NT(New Technology)」と呼ばれる新しいOS(カーネル)の上でも提供されるためだ。
 現在のWindowsも,DOSの上にありながら実際にはDOSの機能をバイパスするような形で動いており、実質的なOSの役目を果たしている.膨大な数のDOSアプリケーションに対応するためにはどうしてもDOSが必要であり,WindowsにはDOSアプリケーションを動作させるための機構まで提供されている.したがって,DOS自体も今後継続的に提供される必要があり、簡単にOSを切り替えるというわけにはいかない.
 しかし,RISCやマルチプロセッサという新しいCPUに対応していくためには,OS自体をどうしても変更していく必要がある.そのために,APIをOSから分離し,アプリケーションから見た走行環境を同一にしつつ,OS(実際にはカーネル部分)を変更するという方法がとられたわけだ。
 この32bitAPIを装備した32bitシステムは,「Windows 32」(DOS上)と「Windows NT」と仮に呼ばれている(図1).とにかくその中核となる32bitAPIは,以下のように設計されている.
●Windows3.0および3.1のアプリケーションをそのまま32bitシステム(Windows32とNT)で動作させる「マッピングレイヤ」を提供する.
●同アプリケーションの32bitアプリケーションへの移植をできるだけ簡単にする.たとえば,一つのソースコードでWindows3.xと32bitシステムの両方用のバイナリを作成できるなど。
●WindowsのNTモード,エンハンスドモードの両方でまったく同じ32bitAPIを提供する.
 その他,マルチタスクやメモリ保護機能,スレッド,セマフォ,名前付きパイプ,メールスロットなど,OS/2で出てきたような機能も内蔵するという.また,従来の3.xアプリケーションと32bitAPI対応アプリケーションの間のプロセス間通信やDDE,クリップボードを介したデータ転送,OLE(Object Linking and Embedded)などもサポートされる.


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Windows NT
 NTは,Microsoftの新しいOSカーネルである.Windows NTという仮の名前が付いているが,以前に話題に上ったOS/2 Ver.3.0のカーネル部分である.ただ,アプリケーションとのインターフフェイスがPresentation Managerではなく,Windowsの32bitAPIになっており,以下のような特徴を持っている.
●Intelの80386,486やその上位チップだけでなく,MIPS系のRシリーズ向けも同時に開発する.
●完全な「Symmetric Multiprocessing(対称並列処理)」をサポート.どのプロセッサも同じように使われ,どれかのプロセッサがメインとなって他のプロセッサに仕事を分担させる方式ではない.
●DOSとWindowsのプログラムを走らせることができ,OS/2,POSIXのアプリケーションもサポートする.
 NTは,先ごろMIPSやMicrosoft,DEC,SiliconGraphicsなどで結成された「ACE」に提供されるOSで,これにより現行および将来のWindowsアプリケーションはMIPSのRシリーズCPUでも動作できるようになる。
 このNTカーネルはDEC社でVMSの開発を手掛けたアーキテクトが3年前から参加して開発に当たっているらしい。

Windows32
 現在のWindowsの直接の後継システムでも,32bitAPIが利用できるようになる.これは,DOSの上で動作し,スタンダード,エンハンスドモードをサポートし,Ver.3.0のリアルモードはサポートされない.
 32bitAPIはエンハンスドモードの中でサポートされ,32bitAPIの機能がすべて利用できる.DOS上でありながら,スレッドやメモリ保護が可能になるのは,Windows自身がMS-DOSの機能を持つためである。とはいえ,現在でもほとんどの機能はWindowsが代行しており,DOSアプリケーションを動作させるた めにMSDOS.SYS(MS-DOSのカーネル部分)を利用しているにすぎない.
 また,32bitAPIアプリケーションから見ると,動作モードにエンハンス,NTの2つのモードが存在することになる.この両者の違いはCPUやマルチプロセッサなどである.

Microsoftoのスケジュール
 Microsoftは今年中にWindows Ver.3.1を出荷。来年にはWindows NTを発表する.DOS上のWindows32は,1992年後半から1993年にかけて発表される予定である(図3).
 これらの上で同じアプリケーションが動くことになるのだが,Windows NTはそのハードウェア規模やマルチプロセッサ構成などからサーバーなどの大規模アプリケーション分野に導入され,その後,デスクトップベースのマシンにWindows32が導入されると予想される.
 こうしたMicrosoftの一連の動向を見ると,明らかにOS/2からの(またはIBMからの)離脱が見られる.すでにソフトハウスなどから支持を受けたWindowsをベースに次世代のシステムを作るという方針だが,これに対してIBM/Appleの連合やデジタルリサーチを買収したNovellがどう動くか?またSunMicroなどのワークステーションメーがどう対応するのかが注目される.


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Windows32はなかったし、Windows NTは結構デスクトップベースのマシンに広まったしで当たり前のことだが予想は的中しなかった。MicrosoftとIBMの離反については何を今更という感想だ。

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