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ハビタット、FMR-CARD(月刊ASCII 1991年10月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

 繰り返し書いているが、私はメタバースなんて新しいものではない。セカンドライフの焼き直しどころか、その起源は30年も前のハビタットにある。全然進歩していないと書いている。それを知らないふりをしてメタバースだなんて売り込んでいるザッカーバーグに苛だつ。厚顔無恥というか恥知らずだと思う。
ハビタットの記事を以下スクラップする。
Habitat基礎知識
 Habitat国が正式に建国されたのは,1990年2月.それ以前に3ヵ月間ほど,「富士通ビジュアル通信モニターテスト」として100人のモニターによる通信実験が行なわれたそうだ.NIFTY-ServeのTOWNSフォーラムに「モニター会議室」という場所が設けられ、いろいろな意見が飛び交った様子が,『Habitat創世記』としてCD-ROM(Habitat専用ソフト「富士通HabitatV2.1L11」)に収録されている(写真1)。面倒だからほとんど読んでいないけれど,面白い試みだと思う(CD-ROMだから余裕?)ユーザーが盛り立てているという雰囲気が伝わってくるし,メーカーの開発者との距離も近く感じられるような気がする.

ASCII1991(10)h05ハビタット写真1_W345.jpg
 Habitat国の住人(アバタ)は,現在約3800人(そんなにいるにしては,街角で全然会わないけど……)アバタが住む居住区は全部で6つ,マンションは各居住区に3つずつある.最初にアクセスした段階で,どのマンションに住むのかが決まるが,これは“神のみぞ知る”ことで自分では選択できない.Habitatの神はオラクルと呼ばれる.オラクルもアバタとしてよく街を歩いている.気軽に声をかけられる神様なのである.
 街は広い。居住区のほかに,店が並ぶダウンタウン(閉店中の店もある),森や平原,公園,野原などいろいろな場所があって,何日も歩いて家に帰れないときもある(別に家に帰らなければならないこともないのだが)。歩いて移動する以外の交通手段は、テレポートという乗り物で,全国13カ所(+α)に設置されたテレポートブース間を行き来できる.
 今年7月,FM TOWNS(以下TOWNSと略)以外のコンピューター富士通FMRシリーズおよび松下PanacomMシリーズ――ユーザーもHabitatの住人になれるようになった。発売されたソフトでは,TOWNSに比べて機能の制限があるものの(表1参照),これを機に仲間が増えるのは嬉しいこと.PC-9801シリーズ用のソフトが完成する日も近いといううわさである.

7月19日 謎の神殿を探索
 マンションへ帰る時間が惜しいので,野宿ばかりしている今日この頃。迷いの森では,いろいろな動物に出会える.アライグマやリス,ミミズクなどの鳥たち.しかし残念なことに鳥が鳴いてくれるわけでもなく,動物がしゃべったり動いたりするわけでもない。画面にいろいろな隠しコマンドがあったら面白いのに。ただ,ひとりぽつねんと立っているお地蔵さまが「この森には神殿があって,巨大な迷宮になっている」と教えてくれた。
 森の奥へ進んで行くとだんだんあたりが暗くなり、夜の静けさの中に不気味な建物が浮かび上がった.現在地を知りたいときには地面をHLP(すると番地などが表示される)「レムリア神殿遺跡」.例の神殿だ。とりあえず入ろう,とGO.
 ところが入ってみたら,右へ進んで左に戻っているのに同じ場所に帰れない.「川口宏探検跡」なんていう部屋が何度も何度も出てくるから,そう広いわけではないだろうに出口に戻ってこれない。こういうのって,ゲームで訓練している人ならたやすいのだろうが、慣れない私は中でうろうろするばかり(実は,前回マップをダウンロードしていたにもかかわらず,あることを忘れて使わなかった)。ようやく外へ出たのは1時間後だった.疲れた。けれど今度はマップを持ってまた行こう.

7月25日 便利ソフト2種
 Habitatで不便を感じるのは,会話の表示部分が狭いこと.人と話していてスクロールアップするのが早すぎるのだ。しかも,BBSでいうところのプロフィールを登録する場所がないので,必要とあれば相手のIDを聞いて,すぐメモしないと分からなくなってしまう。そこでログを取るソフト(Yasu.Hara.氏作)をNIFTY-Serveからダウンロードしてインストールした。誰が話したのかは記録されないが便利に使っている.
 ほかにダウンロードした面白いプログラムは,CD-ROMに収録されている1100種類のヘッドを表示して見せるもの(Yasu.Hara.氏作)見てみると変わったヘッドがいっぱいある(写真2)ヘッドショップはダウンタウンに3軒あるが(あっ。神殿の中にも販売機が1台あった),どこも常時置いてあるのは5種類ほどなので、まだ気に入るヘッドにめぐり会えないのだ。これであたりを付けて,欲しいヘッドをじっと待つかな.


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8月5日 画像があると遊べるね
 遊びの材料として重宝するのが「サイコロ機能」だ.ポケットからお金を出してDOするとがいくつか表示される(写真3)。そこで思い付きでTYさんが作った遊びは,画面の中の人がいっせいに右端に並び,サイコロをふって出た目の数だけ歩く。最後までその画面に留まっていた人の勝ち!というもの。単純だけどいろいろな遊びが考えられるもんだね。それでけっこう面白い.
 ちなみに今日,初めてハングアップした.リージョンチェンジの画面からどこへも行けなくなってしまって,音楽がなりっぱなし.お金を持ったままだったので,引ったくりにあいはしないかと心配したが,再度ログインしたらしっかり手に握っていた.落ちるのもこれくらいの頻度なら許せるかな.

8月6日 マップも作ったしい,
8月10日 イベントにも参加したしい

 夜の11時頃はアクセスする人が急に増えるのか,その頃に入ろうとすると10回くらいリダイアルしてようやくつながったりする.
 第3居住区と第4居住区の西に広がる大平原は,番地がないので自分のいる場所を把握しにくい草原だ。そこでひとつ,私もマップを作ろうととりかかった.北へ1画面行っては戻り,西へ1画面行っては戻り……,少しずつ確かめながら記録していった(あーっ,背景は違うけれど森の中とまったく同じ形の動物もいる手抜きだな!>富士通の方).
 そこで納得したことは,大平原を西へ西へと行くと第5/第6居住区域につながっていて,そこを西へ行くとダウンタウン。また西へ行くと第3/第4居住区域にたどりつく。また,ダウンタウンを南へ行くと第1/第2居住区域,それを南へ行くと森や野原,そして公園さらに南へ行くとダウンタウンつまりHabitatの世界も地球のように丸くつながっているわけだ(ただし変形していて,穴がポコポコ空いていそうだけど)。もうこれで,地理は完璧である。
 8月10日は株式会社イベント(社長はプレセペ氏)主催によるウルトラクイズに参加。参加者は25人ほどだった。優勝者に贈られる賞金(1200トークン)と豪華賞品が目あてだったわけだが,結果は見事に予選通過ならず残念無念。1カ所に多くの人が集まったのでシステムが重く、またテレポートも間隔をあけずに使ったので,とうとう故障! というハプニングはあったものの,約3時間を費やして,ゴーストが次々に姿を現わしては回答して消える……という目まぐるしい状況が楽しかった.次の機会には頑張るぞ。

8月16日 ひとまず考察と検討
 さてと、前回の締め日から昨日まで,22日間のアクセス時間は1208分だった.利用料金の上限(3600円)はとっくに超えている…….そこでこれまでの感想を一言でまとめるなら,やっぱり「Habitatは面白い」となる。パソコン通信の「チャット」にユーザーの動作が加わるから,遊びの世界がぐんと広がる感じ。ただし,ここはあくまで趣味の世界だ。時間をかけても生産的なことはあまりない.時間制限を設けられる強い意志がなければ,費用はかなり覚悟しておいたほうがよいだろう.ちなみに1208分の費用は,NIFTY-Serveの基本料金(12080円)+Habitat利用料金(3600円)+住民税(300円)+3分10円としたときの通話料(4030円)=20010円!である.
 Habitatの宣伝ではよく,「仮想の世界があなたを待っている」とか「サイバースペースでもう1人の人生を体験」という言葉が使われている.私などは最初これらの言葉から,自分の影がCGみたいに計算されて表現されるのだろうかとか、時間とともに風景が夜になるのだろうかとか想像してしまったが,それは考えすぎだった。単に平面的に続く背景画面の世界なのだ。参加しないうちからあまりイメージを膨らませるのは禁物だ。
 それに「もう1人の自分を体験」できるといっても,なかなか自分の性格までは変えられないものだ。やり慣れないことをするのも大変.またいちばん大事なのは人とのコミュニケーションだから,相手に不快感を与えるような言動はつつしまなければならない(当然ですが)。まず,出会ったらあいさつ。アバタとのお付き合いは気持ちよく.世界は違っても生活の基本は変わらないのである。この心構えで今後も楽しいアバタ生活を送っていこうと思う.


 当時パソコン通信は金がかかる趣味だった。今はスマホでギガが足りないと言う時代だから何も変わっていないというべきか。とはいえ30年以上も前で2万円もかかるのはどうか。

長期ロードテストから単三乾電池2本で動くという驚きのパソコンFMR-CARD(FMR-NBC1B)の記事「第2回:カードとノートの違い」」をスクラップする。
バッテリ駆動時間を検証する
 軽さ(990g)と小ささ(というよりも26.5mmという薄さ)とともに,FMR-CARD以外のノート型パソコンにない魅力がバッテリ駆動時間,つまり,AC電源のないところでどれだけ長時間にわたって使用できるかという点だ.
 一般的なノート型パソコンとFMR-CARDの大きな違いは,FMR-CARDが,いわゆる専用のバッテリパックを使用せず,アルカリ単三乾電池を使用するという点である.また,一般的なノート型パソコンでは,バッテリ駆動時間が2時間程度.セカンドバッテリを装着すれば,長く使えるがその分重くなる.これに対して,FMR-CARDは,カタログ値で8時間の長時間使用が可能となっている点である.しかも,予備の単三乾電池2本(約42g)を用意しておけば,そこからままた、8時間の連続使用が可能ということになる.
 J-3100SSがデビューして以来,ノート型パソコンを持ち替えながら使ってきた担当者としては,長い会議の最中に,何度かバッテリの「鳴き」(たいていのノート型パソコンでは,バッテリの交換をうながすビープ音が鳴る)に泣かされたことがある。また,バッテリをフル充電にしておくのに気を使ったり,バッテリの消耗(ニッカドバッテリは,十分放電しないうちに再充電を繰り返すと性能が低下するなど)が気になったりしたものである.そうした問題が,FMR-CARDでは,一挙に解消したというわけだ。
 気になるところがあるとすれば,アルカリ乾電池2本で300円程度というランニングコストと,使用ずみ乾電池の処分だろう.コストについては,他のノート型パソコンと比較した場合,図1のような計算が可能だろう.一般的なノート型パソコンの場合,概算で1時間0.5円程度となった。大きく見積もっても1円程度となるものと思われる。それに対してFMR-CARDは,アルカリ単三乾電池2本を300円で購入したとして,1時間37.5円となってしまう。また,ノート型パソコンの場合には,最初からバッテリパックが付属してくるわけだが,FMR-CARDには,アルカリ単三乾電池2本が付属するだけである。もっとも,1時間37.5円程度と計算すると,1日1時間使用するとして,まったくACアダプタを使わずに乾電池だけで使ったとして,1年間で1万円強というところである。自動二輪のガソリン代よりは,少なくてすみそうだ.


ASCII1991(10)h01FMR-CARD図1_W520.jpg
 今なら1本100円以下だから2本で200円以下となる。この30年で大して値下がりしていないようだ。しかし、8時間使って300円は少々痛い。ただし、バッテリだって高い。私はダイナブックで3本買って回し回し使っていた。バッテリは性能が落ちてくるので一番新しいバッテリをここぞというときに装着して使うようにしていた。
バッテリの持ちは使い方で大きく違う
 それでは,ちゃんとカタログ値どおりのバッテリ駆動が可能なのかどうか?簡単なテストを行なってみたのでレポートしたいと思う.
 まず,行なったのが,普段の使用(1日平均1時間程度の使用)でのバッテリの「持ち」についてである.新しいアルカリ単三乾電池に入れ替えてから,使用中にバッテリの警告(画面右下に電池のマークが現われると同時に警告ブザーが鳴る)が出るまでの時間の合計を計測してみることにした.なお,使用電池は,三洋のEXCELである.
 FMR-CARDには,本体左側のメインスイッチと,キーボード右上のPOWERスイッチの2つがある。POWERスイッチのOFFでは,レジュームが効くようになっており,ふたたびPOWERスイッチをONすると,直前に使用していたアプリケーションの状態から使い始めることができるようになっている.メインスイッチをON/OFFした場合と,POWERスイッチをON/OFFした場合について集計してみた.
 これが,予想外の結果となった.バッテリ駆動時間の合計は,どちらも5時間余りと,カタログによる連続使用時間よりも3時間も短い結果となった.レジュームしてもしなくても、結果がほぼ同じというのは,やはり,今回のテストが実際に使いながら行なったもので,実行したプログラムの内容などが異なるためではないかと思われる.また,この間,ICカード上でファイルの整理を続けていたため,ほとんどRAM上で動く一般のアプリケーションよりも消費電力が大きめだったのかもしれない。
 さて,バッテリによる連続使用もテストしてみたいと思ったが,なかなか8時間にわたってFMR-CARDを使い続けるという機会は作れない。会議や打ち合わせで3時間程度の連続使用はすることがあるのだが,このような場合には,
CPUの自動停止時間 :1秒
自動パワーオフ時間 :3分
低消費電力 :アリ
などというふうに設定しておくので,ちょっとキーボードから手を離していると,FMR-CARDは,すぐにほとんどOFFの状態となってしまうのである.
 そこで,CPUが止まったり自動パワーオフにならないように,無限ループで画面に文字を表示し続けるプログラムを作り,キーボードの実行キーをセロテープで貼って固定して,実行してみることにした.
 このテストでは,ちょうど8時間程度でバッテリの警告が出るという結果となった.また,バッテリの警告が出てからどのくらいの時間でシャットオフするかと注目していたが,なんと1時間も警告ブザーが鳴り続け,それでもシャットオフしなかった。この警告ブザーは,SHIFT-ALT-PF11で鳴らないようにもできるので,少しの時間なら,警告を無視して使い続けることもできそうだ。ただし,運が悪いとエディタの終了時などにシステムエラーが出てしまうこともあるので,すみやかにバッテリを入れ替えるにこしたことはない.
 このテストでは,CPUの自動停止や自動パワーオフにならないように設定したので、通常の会議などで議事録をとるなどの用途では,8時間以上使用できるように思われる。
 いずれにしろ,FMR-CARDでは,使用条件によってバッテリの駆動時間は,大きく異なってくる。もっともシンプルな使用では,従来のノート型パソコンでは,およぞ考えられなかった長時間の使用が可能であり,通信や連続的なICカードのアクセスなどでは,あっというまにバッテリの警告が出てしまう。
 バッテリ関連については,今後もレポートしたいと思う.

NBリンク98とケーブルが届いた
 先月のレポートでもお知らせしたように,FMR-CARDを購入したのは,この夏の富士通のキャンペーン期間中だった.この期間中にFMR-CARDを購入すると,NBリンク98とNBリンク用のケーブルがもらえるという特典がある.
 NBリンク98は,いわゆるファイル転送ソフトの一種で,PC-9801シリーズのあるドライブをFMR-CARDのドライブとして扱うことができるようにするというユーティリティである.(株)テス・インターナショナルから1万5000円で売られている商品だ。ケーブルのほうは,いわゆるクロス(リバース)のRS-232Cケーブルを使うものだ(写真1).


ASCII1991(10)h02FMR-CARD写真1_W515.jpg
 このNBリンク98とケーブルをもらうためには,ショップに置いてあるシールをユーザー登録はがきに貼って送ることになっている.ところが,ちょっとした間違いで本物のシールではなく,キャンペーンのお知らせのチラシのシールの写真(!)を貼って送ってしまったのだ。なんとも間抜けな話だが,そのときはショップでも分からず,そのチラシの写真も本物ソックリなのである.それでもショップのほうで富士通と連絡をとってくれたりして、あのはがきでも特典を受けることができるようになったのだった。どうもお騒がせしました.
 そんなこともあってか,私のところにNBリンク98とケーブルが届いたのは,購入してからほぼ1カ月後のこととなってしまった。

98とFMR-CARDが合体した
 NBリンク98は,PC-9801とケーブルで接続して,PC-9801側のドライブを,あたかもFMR-CARD自身のドライブであるかのように扱えるというソフトである.この種のソフトとしては,IBM PCやPC-9801,J-3100でもいくつかのソフトが発売されており,複数マシンを所有するユーザーに重宝されている(興味のある人は、本誌'91年8月号257ページの「データ転送ソフト」についての記事を参照のこと).また,今回は,単純にPC-9801とFMR-CARDをケーブルで繋ぐことだけしか試みていないが,NBリンク98の機能としては,電話回線を使って、会社のPC-9801のドライブを自宅のFMR-CARDからアクセスするといったこともできるようだ(図2)NBSHELLと呼ばれるファイル操作ユーティリティも付属している(画面1).

ASCII1991(10)h03FMR-CARD図2_W520.jpg
ASCII1991(10)h03FMR-CARD画面1_W482.jpg
 さて,NBリンク98のセッティングは,比較的シンプルである.マニュアルにしたがってPC-9801DAのハードディスクにインストール。インストールといってもディレクトリを切って,ファイル3本をコピーするだけである.FMR-CARD側は,ROMディスクに入っているnblnkws.exeとnblnkint.exeをICカード上に移す。もちろん,PC-9801DAとFMR-CARDのRS-232Cをケーブルで接続する.
 「入門操作・NBリンク98を体験する」という章にしたがってやってみると,あっけないほど簡単に動かすことができた.FMR-CARDのEドライブを98のどれかのトライブとして扱うことができるようになった。つまり,FMR-CARDのドライブは,
A:ICカードスロット0
B:ICカードスロット1
C:ROMディスク
D:内蔵RAMディスク
E:NBリンクの仮想ドライブ
となる.FMR-CARDとPC-9801DAのど のドライブを対応させるかは,初期設定ファイル作成プログラムで行なう.設定の手順を図3(スクラップ略)に示した.
 担当者の場合,データのバックアップが目的なので,1ドライブしか使わないのだが,PC-9801DA側のドライブをすべて割り当てて,使用することもできるようだ。なお,担当者は,MEMORY-PRO386とそのEMSの一部をRAMディスクとして使用しているのだが,とくに問題はないようだ。
 これで,MS-DOSのコマンドでも,先月インストールしたVZエディターでも,ほとんどFMR-CARDのドライブが増えたかのようにPC-9801のドライブを使えるようになる。気になる点といえば,アクセスしてから実際に転送されるまでのレスポンスである。初期設定ファイル作成プログラムでは,最高速の9600bpsを指定しているのだが,VZエディターでファイルを開こうとしたりすると,数秒のインターバルがある。この種のソフトとしては,かなり遅い部類に入る.もっとも、ファイルのバックアップという目的では,copyコマンドをワイルドカード付きで実行できるだけで,十分に意味がある。電話回線を介したアクセスなど,NBリンク98のより進んだ使い方について は,また機会をみてチャレンジしたいと思う.

ちょっとしたトラブル
 さて,順調にFMR-CARDを使い始めて,もはや生活の一部といっても大げさではないくらいなのだが,問題がまったくないわけではない.いちばん気になるのがキーボードである.ひとことでいうとタッチがお世辞にもよくない。親指シフト配列のおかげで,150字/分程度の入力はなんとか確保できるが,ほかのマシンを使ったあとで触ると,キーストロークの浅さとキーの堅さ(というよりもストロークの途中になにか引っかかりのようなものがあるように感じる)のために,キーをこぼしてしまうことがある.
 もうひとつ、これはぜひとも富士通に改善してほしいのは,「かな」の状態で自動パワーオフとなって,POWERスイッチをONするとレジュームが効くのはよいのだが,一時的に,クロスシフトの濁音が正しく入力できなくなってしまう。英字キーなどを一度押してふたたび「かな」状態にすれば,正しい入力ができるようになるので,慣れてしまえば,作業上はほとんど支障はないのだが.
 ところで,先月号のPRODUCTS SHOWCASEをお読みの方は,ご存じと思うが,PC-9801シリーズ用のJEIDAVer.4対応ICカードドライブがある。(株)アドテックの「らむ蔵(AMI-1)」である.これが,少し使ってみて感想を教えてほしいということで,担当者の机の上にやってきた.ちょっと反則技ではあるが、来月は,このらむ蔵の使用感などについてもレポートしたいと思う.
(遠藤)



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