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H98,386LSR,J-3100GXS,MAXYNOTE,MSXturboR(月刊ASCII 1990年11月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASEをスクラップする。

PC-H98model100/60
PC-98RL21/51
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まとめ部分をスクラップする。
DMAとグラフBIOSを高速化し価格も下がったPC-98RL
 PC-H98シリーズの新製品と同時に、非NESAアーキテクチャの高解像度マシンPC-98RLシリーズの新モデルも発表された.
 CPUは旧モデルと変わらず20MHzの386を使用し,外観,基本スペックもほとんど変わっていない。変更があったのはDMA周辺の速度改善と,グラフBIOSの高速化だ。ベンチマークテストの結果(表2)は旧モデルとまったく変わらない.このテストは主にCPUの動作速度を見るのが目的だからだ。残念ながら,今回はテスト用の旧モデルが手元になく,DMAやグラフィックの速度比較はできなかったが,メーカーの発表によれば,固定ディスクのアクセス速度が5~10%,グラフィックの描画速度が1.2~2.7倍に改善されているという.
 このモデルチェンジに伴って,価格の改訂があったことが最も大きな違いだろう.FDDモデルが73万5000円(model2)から70万円(model21)と3万5000円の値下げ,HDD内蔵モデルが97万円(model5)から86万円(model51)11万円の値下げになっている.PC-98RLmodel21/51は新製品というよりは,価格改訂を伴ったバージョンアップ版といったとらえ方ができるだろう.

 PC-H98model100は,PC-9801シリーズでは初めて200万円を超える価格になっている。パーソナルユースではまず購入は不可能な価格で,CADなどのプロフェッショナルを対象にした製品であることは間違いないだろう.しかし,現在の段階では,H98シリーズの特徴であるAGDC(Advanced Graphic Display Controller)とE2GC(Enhanced Enhanced Graphic Charger)による,高速なグラフィック表示機能を使えるソフトはMS-Windows程度しかなく,H98専用の本格的なCADソフトなどの登場が待たれる.
 model70との比較では,数値演算コプロセッサ(PC-H98-E01 32万円)と標準実装メモリの差2Mbytes(PC-H98/70-B01 14万円)+パフォーマンスの差(1.5倍)が価格差の47万円になるわけだ。これは,まず納得のいく価格差ではないだろうか.
 一方のmodel60は,単純にパフォーマンスの差(0.84倍)が価格差(0.89倍)になりわずかに割高な感じもある.とはいえ,40MbytesHDDモデルの追加など普及機としての性格も強く,導入時には慎重な選択が必要になるだろう.
 いずれのモデルでも,MS-WindowsなどのGUI環境での使用感はさすがに良い.ウィンドウの書き換えなどは,まったくストレスを感じさせない.また,矩形の連続表示などを行なわせると,描画が識別できないほどの速さで,E2GCの威力を感じさせられる.グラフィックを含めた総合的なパフォーマンスについては,改めて詳しくレポートすることにしたいが,来年早々にはとの噂があるMS-Windows3.0の登場と相まって、高解像度NESAマシンの真価はこれから発揮されることになるだろう.
 RL21/51は特に見るべき点はないが,価格が若干下がったおかげで,高解像度マシンが少しだけ身近な存在になったといえるだろう.   (竹田)

PC-H98model100/60とPC-98RL21/51の評価だが微妙だということが分かる。正直な記事もあるのだ。型番を変えて新型として値下げするのがNECのやり口だった。PC-H98は一般ユーザ向けではないし、PC-98RLもWindows 3.0を使わなければ「除く」のDOSマシンだ。

エプソン PC-386LSR
東芝 J-3100GXS
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まとめ部分をスクラップする。
 PC-386LSRはPC-9801Tの対抗機種だ.LSRが53万8000円なのに対してPC-9801TmodelW2が54万8000円.LSRのほうが1Mbytes多くメモリを搭載していることを考えると,LSRのほうがお買い得な印象を受ける.
 GXSは,SGXから強化された漢字VRAMや3モードのFDD,16階調表示などの特徴を継続しながらも,SGXの128万円から79万8000円と安価になっている.J-3100シリーズ上位機種の中では強力かつ安価な機種だ。特にSGXと比べると4割近く安価で,コストパフォーマンスの面では魅力の高い製品だ。
 今回紹介した2機種を見比べてみると,クロック周波数が上がったのみにとどまったLSRに対してGSXは先のSGXに採用された機能を継続しつつ,DynaBookシリーズ同様にモデムが内蔵可能など,新機種としての工夫が見られる.ただし,同じCPUを持つラップトップマシンとして見れば,HDDの有無を考えても26万円という価格差は大きい.
(行正)

高すぎる。53万8000円がお買い得って比較対象が恣意的だ。79万8000円と安価になっているも同じだ。一般ユーザが拡張性の乏しい高額なノートパソコンを買うとは思えない。この頃の液晶ディスプレイは表示可能というレベルだからCRTと比べようがない。

もっと酷い評価記事が別のところにあった。
三菱のAXであるMAXY NOTE286だ。
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MAXYNOTE286の好評価には全く同意できなかった。
本誌の1.5倍の容積,約2倍の重量
 MAXYNOTE286は,シャープのAllinNoteと同等のハードウェアを持つ。CPUには,12MHzの80286を搭載し,20Mbytesのハードディスクを内蔵しながら,本体重量は,それまでのノート型パソコンよりもひとまわりコンパクトなサイズとしている。ボリューム感は,本誌通常号の約1.5倍,重量は約2倍といえば分かりやすいだろう。これは,PC-9801NS20の容積48%,重量68%に当たる(写真1).
 この大きさ(小ささ?)は,パソコンの大きさにこだわり続けてきた本誌としては,高く評価したい。87年に登場したJ-3100は6.8kg,その後も根強い支持層のあったPC-98LTは3.8kg(日電によれば一貫目)である。昨年7月にセンセーショナルに登場したDynaBookは,2.7kgと話題をさらったが,正直なところ気軽に携帯するというわけにはいかなかった.この2.7kgとMAXYNOTE286の2kgとの差は,実際に持ち歩いてみると体感的にはかなりの違いがある.DynaBookや98NOTEをお持ちの方は,それと,本誌2冊(容積では1.5冊)を実際に比較してみれば,その違いが了解できるはずだ.
 つまり,DynaBookや98NOTEが,必要に応じて携帯して出かけることもでき,比較的ローエンドなユーザーのニーズに応える作りになっているのに対してMAXYNOTE286は,ちょうど一眼レフカメラにモータードライブとフラッシュを付けたくらいの存在感なのである。それでは,どんどん小さくすればよいではないかという話になるかもしれない.しかし,キーボードの使いやすさや液晶画面の見やすさ,外部インターフェイスの確保などを考慮すると,A4レターサイズは,使い勝手を損なわない(デスクトップと同様の感覚で使える)大きさの限界にかなり近付いているように思われる。

いやいやDynaBookは気軽に携帯して使っていた。「これは私の外部記憶装置だ」と言って持ち歩き使っていた。「比較的ローエンドなユーザーのニーズに応える」のがDynaBookだった。それで良かったし、それが欲しかった。
39万8000円もする「12MHzの80286」を気軽に携帯して何をするというのか。外で仕事をしたいのか。出先で客先で使うというのなら分かるが、それはDynaBookとは用途が全く違う。

まとめ部分をスクラップする。
 ノート型マシンは,使用目的によってオプションを追加していくことでさらに強力になる.MAXYNOTE286にもさまざまなオプションが用意されている.FDDを装備していないため,外付け3.5インチドライブが欲しいところだが,合計価格が44万7800円!となってしまう.頻繁にデータ交換しないのであれば,メガソフトのMAXLINK(ケーブル付きで,AX-98用が1万8000円,AX-AX用が2万5000円である)を利用する手もあるだろう.また,電池がバッテリパックになっておらず,充電しておいたものを差し替えながら使うことができないため,外部バッテリが欲しいという人も多いだろう.ところが,オプションの外部バッテリは約5時間と長大なバッテリ駆動時間が得られる代わりに,1kgの重量増となってしまう.小型の外部バッテリなども用意してほしいところだ。
「充電しておいたものを差し替えながら使うことができない」のは全然ダメだ。また、本体価格39万8000円を持ち歩き手軽に使うなんて考えられない。
ASCIIの好評価には同意できない。

技術者が趣味で作ったのか?8bitでどこまでできるか挑戦したのか?X1 turboやPC-8801と比べどうなのよ。と疑問が残るのがMSX turbo Rだった。
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MSXにMSX turbo Rがあったのは覚えていない。8bitでそこまでするかというか必要かという疑問がある。しかし、こういう8bit機という縛りでどこまでできるか、どんなアイデアが必要かとか考えることは技術者にとって楽しいことだろうなと思う。32bit機で普通に設計して出す性能よりも8bit機で知恵を絞って出す性能の方が達成感があると思う。ただ趣味で機械を作ってもダメだろうとは思う。プロなら消費者に訴求して売れるものを作らなければと思う。でなければ自己満足、マスターベーションになってしまう。
どんな自己満足設計だったのかスクラップする。
河原裕一

高速化と互換性の実現
 従来のMSX(MSX,MSX2,MSX2+)は,CPUに3.58MHzのZ80を使用している.ゲームマシンとして使用するにはさほど問題はなかったが,HALNOTEなど実用アプリケーションの登場でいささかパワーが不足という声が上がっていた.また,MSX-DOS2から日本語入出力が可能になったが,Z80では漢字のビットマップ表示は荷が重く,MSX自体の高速化が待ち望まれていた.
 今回のMSX turbo Rに搭載されたR800は,Z80完全上位互換のCPUで,7.16MHz(システムクロックは28MHz)で動作する。最大の特徴は,CPU内部の16bit化と,パイプライン処理などのRISC技術の応用で,命令実行に必要なクロック数を大幅に削減したことである。従来のZ80では1命令につき最低4クロック(+1メモリウェイト)の実行時間が必要だったが,R800では最低1クロックで実行される.多用されるレジスタ対レジスタ,レジスタ対即値命令では,ほとんどが1クロックで実行可能である.また,同時に16bit掛け算命令も新設された.
 こうしたCPUの搭載を前提にturbo Rではシステムにかなりの変更が加えられている.
 実のところ以前にも,64180を採用したビクターのHC90,Z80B採用の松下FS-A1WXなどメーカー独自,あるいはユーザーによるクロック高速化の試みはあったのだが,ソフトの互換性は100%というわけにはいかなかった.これは主にROMのアクセス速度の問題で、内部のROMは高速なものを搭載できても,カートリッジで供給されるROMソフトが速度についていけない点による.
 この問題を解決するため,turbo Rではカートリッジ用の外部スロットをアクセスする場合には3クロックのウェイトが自動的に挿入されるように設計されている.また,BIOSなど内部ROMでは2クロックのウェイトが挿入される.
 互換性の問題はもうひとつあるプログラムが周辺とのタイミングをとるために,ソフト的に時間を計測している場合がそれだ。R800では実行時間が短くなるため,空ループなどで時間をつぶしている場合正常なタイミングが取れず,ソフトウェアが正常に動作しなくなってしまう.これをシステムが監視し訂正するのは不可能に近い。turboR ではこのようなソフトのために,Z80を搭載することで互換性を実現している.
 高速化に伴うもうひとつの対処は,内部ROMの内容をRAMに転送して実行するモードの新設だ。最低命令実行時間が1クロックなのに,BIOSをコールすると途端に2クロックのウェイトが入るのでは,処理速度が激減することは明らか.このため,ウェイトのかからないRAM上にROM内のシステムを展開する,いわゆるシャドーROMとよばれるテクニックを使っている(高速の80386マシンなどでは見られるが,このクラスのマシンでは珍しい)。
 システムの転送は、マシンの起動時に一度だけ行なわれる.RAM上に置かれたシステムは,通常のROMのあるスロットに見えるので,ユーザーはRAMだと意識して使用する必要はまったくない.このRAMはメインメモリと同様,マッパと呼ばれるI/O切り替えメモリ管理システムによって管理されており,実装された最終セグメントから4つのセグメント(計64Kbytes)が割り当てられる.実際には,BIOS,BASIC,SUBROM,漢字ドライバがこのセグメントの転送の対象になる.
 Z80モード(Z80を使用する),R800モード(R800を使用し,RAM上のシステムを使用する),R800ROMモード(同.ROM上のシステムを使用する)の3つの動作モードは,新設されたBIOSにより随時選択可能である.
 これらの高速化の結果,R800モードとZ80モードを比較した場合,CPUパワーは約5~10倍になっている.
 CPUの高速化により,ディスクまわりもかなり高速化された。ためしにDOS 2上で92Kbytes程度のファイルをNULデバイスに3回typeさせた結果、R800モードではZ80モードの約4倍の実行速度が得られた。期待された2HDドライブの搭載は見送られたものの、なにかと遅いと言われ続けてきたMSX内蔵ディスクが実用に耐える速度になったといえる。

なんかMSXのダメさ加減が示されている。8bit機でワープロ等が使えるような機械はPC-8801やX1turboが既にあり、MSXもそれと同等になろうとしたのか。MSXはそうではないだろうと思っていた。
漢字環境とグラフィック画面
 これらの高速化の試みの反面,漢字VRAM搭載などの画面表示の改善は,今回は見送られた.VDPにはMSX2+用に開発されたV9958が搭載され,最大解|像度は512×424ドット(インターレス,512色中16色)256×212ドット時にはYJK方式により1万9286色の同時発色が可能である.VDPのクロックは変更がないので,VDP(ドット描画/ボックス塗りつぶしなど)の速度に変化はない.
 このため,画面に文字を出力するプログラム,漢字表示を伴うプログラム,グラフィックスを表示させるプログラムでは,5~10倍というCPUパワーがそのまま実行速度には結びつくわけではない.
 前出の92Kbytesの1バイト文字ファイルをDOS 2のANKモードでtypeさせたところ,R800モードではZ80モードの2倍強。1000行の漢字ファイルのDOS 2漢字モード3でのtypeでもほぼ同じ数字が出た.2倍強の高速化は嬉しいが,CPUパワーが10倍近いことを考えればいささか期待外れではある。なお,ベンチ中のjtypeは高速表示で定評のある漢字表示ツールで,mab氏によるフリーウェアだ。jtypeはDOS上で動作し,オリジナルの漢字表示ルーチンを持っているため,R800でもR800ROMモードでも差が出ていないことが分かる
 また一部のソフトウェアでは,VDPのREADYをチェックしていないものも見かけるが,このようなソフトではVDPがR800についていけないことが考えられる。画面表示が乱れ,最悪の場合暴走することもあるかもしれない.

TEXT VRAMを持たないとこんなもんだ。あのPC-9801無印が8086を使っていても漢字表示のためにTEXT VRAMが必要だったのに8bit機のMSXでTEXT VRAM無しは無謀だ。ゲーム機としては良いが。
音源の強化
 従来オプションであったMSX-MUSICがturboR では標準実装となった.また,新たにPCM音源が搭載されている.MSX-MUSICは最大9音9音色または6音+5リズム音のFM音源で,MSX2時に規格化されたものだ.音色は固定で,新たに音を作ることは不可能だが,パラメータにより音色を操作することが可能で現在ではMSX用に作られるゲームのほとんどがMSX-MUSICに対応している.
 新設のPCM音源は,15.75/7.875/5.25/3.9375KHzの4段階のレートを持サンプリング音源だ.プリセットデータは持っておらず,ユーザーは自身でサンプリングを行なうことになる.turbo Rでは,このための録音,再生のBIOSが新設され,マイク端子が標準化した.録音されたサンプリングデータはRAM,もしくはVRAMに圧縮されて置かれる.現在ではPCM録音再生機能を持ったパソコンも多く,ネット上でデータを見かけるようになった。こうしたデータをコンバートしてturbo R上に持ってくることも簡単にできる.
 サンプリング,再生にはCPUパワーのほとんどが割かれてしまうため,ゲームなどでのバックグラウンド演奏は難しいが,Macintoshなどのように起動時にファンファーレを鳴らしたり,エラー時に笑い声を出すこともできる.
 すでに発表になった松下のA1STの内蔵ワープロでは,音声によるガイド機能を搭載しており,今後の「音声つきアプリケーション」を予測するうえで興味深い.


DOS2の内蔵
 従来オプションであったMSX-DOS 2も内蔵された.これはMS-DOS Ver.2.2ファイルレベルコンパチのOSで,階層ディレクトリをサポート,コマンドレベルでもMS-DOSの主なものをサポートしている。メインメモリを含め256Kbytesを搭載し,マッパによるメモリ管理も行なう.turbo Rでは,メインメモリ64Kbytesと,システムをRAMに転送するため64Kbytes,それにDOS 2のワークがとられるが、残りのRAMはH:ドライブとして使用可能だ。
 同時に互換性を維持するため,MSX-DOS 1も搭載されている.2つのDOSはスロット3-2にローカルな4枚のバンクとして置かれる.
 起動時にはユーザーの混乱をなくすため,DOS 2でフォーマットされたディスクで起動した場合はDOS2+R800モード,DOS 1でフォーマットしたディスクで起動した場合はDOS 1+Z80モードで立ち上がるようになっている.
 CPUの変更には,そのためのBIOSが新設されており,プログラムの実行中にCPUを切り替えることが許されている.が,DOS 1上でR800を選択した場合,DOS 1のファンクションコールを呼び出すことは禁止されている.速度の問題からディスク内容の破壊などがありえるからだ.このような場合には,CPUを一度Z80に切り替えてからファンクションコールをする必要がある.現実的には,DOS 1のアプリケーションはほとんどDOS 2で実行できるので,よほどの事情がなければDOS1+R800という組み合わせは必要ない。万が一のリスクを考えると,R800はDOS 2の環境で使用したほうがよさそうだ.
 また,外部にCPU切り替えスイッチが設けられなかったことにより,DOS 1でフォーマットされたディスクで供給されまたIPLで自動実行するようなアプリケーションソフト(ゲームの多くはこれだ)は,自動的にZ80が選択されてしまうため,今のところR800で動作させることはできない。プログラムにパッチを当てるか,R800のままDOS1をリブートするプログラムを書く必要がある.
 DOS 2の普及率は意外と低く,ファイルハンドルなど高度のファンクションコールが使用できる簡便なプログラミング環境への移行が実現できずにいた.ハードディスク環境を含め、今回のDOS 2標準化のもたらすものは大きいといえよう。また,R800の高速性を100%引き出すための開発ツール「MSX-S BUG2 turbo(1万9800円)」,「MSX-C ver.1.3(同)」,「MSX-DOS 2 TOOLS turbo(1万4800円)」,マッパメモリを増設する「増設RAMカートリッジ(価格未定)」の発売も予定されている.

開発は楽しかったと思う。工夫を重ねてここまできた。8bit機でなければこういったことはできなかったと思う。8bit機ならアセンブラでゴリゴリ書けよと思う。各種サブルーチンはもう山ほどできているだろう。ないというなら、一体今まで何をしていたんだという話。クロック数を数えながらプログラミングできるのが8bit機の楽しみだった。
MSX-View
 MSX-Viewは,アイコンにより操作環境を統一したMacintoshライクなシェルだ.MSX-View用のソフトウェアは,オペレーティングのためのVisual Shellによって起動される.Visual Shellでは,アプリケーション起動のほかにドライブの変更,ファイル削除,移動など,従来DOSこのプロンプトで行なっていた各種作業をマウスとウィンドウによって実行できるようになっている.
 現在段階でその実力は未知数だが,アプリケーションの発売が待たれる.

「待たれる」。永遠に待ってろとツッコミたい。
今後のMSXに望む声
 さて,短い期間だが実際にA1STを触ってみて思ったのは,一体型パソコンの使いにくさとキーボードへの不満だ.分離型ではモニタの下に本体を入れてしまえるが,一体型ではそれができず、意外にスペースをとる.キーボードも、堅い柔らかいを通り越して,へなへなっとした感じでこころもとない.分離型がかなわないのなら、せめて同じアスキーの提唱だ,アスキーボードの接続ができるようにしてほしい。
 MSXユーザーの間では,今回のMSXのバージョンアップに冷やかな声も少なくないようだ。速度という,実際に触ってみなければ分からない地味な部分の改善であることと,turbo R専用のアプリケーションがまだ発表されていないことが原因らしい.また,漢字VRAMの搭載見送り、グラフィック画面のドット数の少なさ,スプライトの制約など,改善すべき点は確かに多い.
 しかしturboRのターゲットは、従来ファミコンの上を狙っていたMSX2+の路線ではなく,ビジネスマシンのエントリーユーザー層であるように思う.CPUパワーを大幅に上げることで,内部処理はもちろん,ディスクまわりや表示系にも速度の改善を見せたし,非ゲームユーザーにも受け入れやすいビジュアルシェルも用意するなどの工夫がなされている.その意味ではひとまず魅力的な環境を用意することに成功しているといえよう.一方,既存のユーザーにとっては,最初は目に見えなくても,CPU,ディスクとも思ったよりずっと速く、一度触ってしまえば、以前のMSXには戻れなくなることは保証する.MSX-Viewを含め,turbo Rのアプリケーションに期待したい.

「期待したい」はダメなものへの常套句。ファミコンでは自分でプログラミングしてゲームを作れないが、MSXならそれができる。NEC、シャープ、富士通とか各社ごと違う機械ではなく統一規格のMSXで自分のゲームプログラムを作って発表するというのがMSXの最大の魅力だったと思う。入門用ビジネスマシンになるなんて全くの勘違いだ。

PowerMouse100という変わったマウスがあった。
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こういうものは需要がなかったと思う。庶務係の電卓の速さは凄いものがあり、パソコンが導入されると外付けのテンキーを付けて事務処理をしていた。このマウスはダメだ。

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