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パソコン(月刊ASCII 1990年11月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

米NeXT社が,カラー版と普及版NeXTを発表
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NeXTはキヤノンが販売していた。どこに売っていたのか。実機を見たことがなかった。

「米国ハイテク産業の動向」がNeXTについての記事だった。
米国ハイテク産業の動向
NeXT発表会
 9月18日,サンフランシスコ市デービスシンフォニーホールでNeXT社の新モデルが発表された。この会場はちょうど2年前,同社が初めてマシンを発表したところ。2年前と同様1500名を超える関係者を集め、会場はほぼ満員の状態。前回の発表では,CPUに当時まだまだ目新しかった68030を採用,OSにMach,NextStep,DSP,I/Oプロセッサ,MOなどいたれりつくせりの装備で業界に大きな衝撃を与えた.しかし,何といっても最も大きな衝撃は,その価格だった。一般ユーザー向けで1万ドルを切る価格は,エントリーレベルのワークステーションの新しい標準を設定したといってもよい。
 しかし,その後の2年間は,NeXT社にとって必ずしも順調とはいえなかった。当初マーケットの主な対象とされた「高等教育「機関向け」には思うように出荷が伸びず,その後DTP関連のアプリケーションを強化したり,ビジネス分野向けにBusinessLand社と販売提携を行なったが,それでも売り上げは伸びていない.さらにSun,DEC,HPなど競合各社は低価格なエントリーモデルを矢継ぎ早に発表,NeXTが狙う価格帯は一挙にWS最大激戦市場になった感がある.StevenJobsによれば,「現在の売り上げは当初予想されていた範囲」と強気の姿勢を崩していないが,一般的には売れないマシンのレッテルを貼られてしまった。アジア地区の販売権と引き替えにキヤノンから大型投資を受けたおかげで現在まで生き延びることができたというのは,まんざら間違っていないかもしれない.
 そのNeXTが今回発表したモデルは,マシンの心臓部であるCPUが25MHzの68030から68040へのグレードアップ,さらにカラー版,エントリーレベルなどの追加による製品ラインの強化,価格体系の全面的な見直しといった根本的なものだ。'90年代のパーソナルコンピュータを目指すNeXT社にとって,今回のモデルチェンジはまさに自社の命運をかけた正念場での決断ともいえる.

モデルチェンジの背景
 Jobsは発表の中で,今回のモデルチェンジの背景にあった旧NeXTマシンの問題点を次の4点に絞って説明した。

〇 Too Slow
 速度については,やはりSPARCstationに代表されるようなRISCチップを搭載したUNIXワークステーションを強く意識した。もちろん従来モデルに搭載されていた030でもパーソナルコンピュータとしてはかなり速い部類に入るのだが,PostScriptなどCPU負荷が大きなNeXTマシンではやはり遅さが目立っていた。今回,すべてのモデルに搭載した25MHzの040は約15MIPS.とりわけ速いというわけではないが,とりあえずRISC勢には対抗できるカを持っている.Jobsは040採用の理由について,「デスクトップタイプのSunと同じ速度が得られるから.我々はRISCとかCISCとかは全然気にしていない。速ければいい」と説明している.
〇 TooExpensive
 少なくともNeXTマシンは米国では高いマシンではない。ただ,1万ドルクラスのマシンが飽和状態にある中で,さらに安い5000ドルクラスのマシンが望まれているのは事実だ。こうした中で今回発表されたNeXTstationは4995ドル。この価格帯のマシンは,特にビジネス分野にターゲットを合わせ始めたSunにはSparcStationSLCで先を越されたものの,スタンドアローンですぐに動作可能という点ではNeXTstationのほうがやや優っている.また,このクラスは386/486PCやMacIIなどハイエンドPCの世界でもある。欲をいえば,旧ラインを2000~3000ドル程度で残してほしかった気がしないでもない。
 エントリーレベルだけでなく,ハイエンドのNeXTcubeも実質的な値下げが行なわれている.フルカラーモデルでも1万4000ドル程度だから,MacやIRISなどと比べても十分に太刀打ちできる積極価格になっている

〇 No Application
 今回の発表でNeXTが特に強調していたのは,このアプリケーション。そのために,30を超えるサードパーティに発表会場の一角を提供してデモを行なうとともに,Lotus社のJimManziらを呼んで発表を行なわせた.NextStep2.0で走っているアプリケーションには,Adobe社のIllustrator,Ashton-Tate社のPowerStep,Lotus社のImprov,Quark社のXpress,Sybase社のSQL Serverなど,Microsoftを除く,PC/Macでおなじみの顔ぶれが揃っている.それぞれ単なる焼き直しではなく,NeXTの長所を引き出した興味深いアプリケーションばかりだ。
 Jobsの示すアプリケーション戦略は「スプレッドシート」,「DTP」,「カスタムソフト」,「Interparsonal Computing」の4つのカテゴリーに分けられている。最初の3つはそれぞれ,PC,Mac,Sunでそれぞれ普及した分野だが,NeXTではさらに4つ目まで含めたすべての分野で他を引き離すことが可能だとJobsは力説する.さらに,今までディストリビューションの最大のネックといわれていたMOが今回,標準から外れたことで,安価なプログラムの開発,販売に道が開かれた点も見逃せない。

〇 NoColor
 カラーバージョンは発売当初から期待されていたもの。安価なNeXT station ColorとNeXT cubeのスロットに入れる「NeXT dimension」ボードの2通りの方法で実現された.ハンエンドのdimensionボードには噂どおりIntelのi860がグラフィックプロセッサとして搭載されている.そして,このi860のおかげで,32bitイメージのウィンドウもスムーズに移動させることができる.速度的にはMac用のアクセラレータボードと変わらないようだ。dimensionではNextStepのウィンドウ内でビデオイメージを表示することも可能で、会場では「不思議の国のアリス」をウィンドウ内に表示させて観客をわかせていた.MassMicroやRasterOps,SuperMacなどMacのサードパーティによって先鞭をつけられた「Video in Window」がNeXTでも可能になったわけだ.また,このボードには将来のマルチメディアを意識してJPEGチップが搭載されていることも注目に値する。
 Jobsの説明では,「我々の抱いているインターパーソナルコンピューティングの将来像は,リップサービスだけでなく,たとえば,ビデオカメラのアイコンを押すとVCRサービスができるといったものだ」と,NeXTをプラットフォームにしたマルチメディア像を展開している.JPEGチップはもちろんスチルイメージのリアルタイム圧縮・展開を実現するもので,将来的にはMPEGチップを考えているようだ(MPEGは動画に対する圧縮・展開の仕様で現在標準化作業が進んでいる)しかも,「フルリアルタイム・フルカラービデオを18カ月以内に実現して見せる」と断言している.マルチメディア分野でもNeXTの参加で面白い展開をしそうだ。

NextStepはどう変わったのか
 今回のモデルチェンジに合わせて,NextStepもVer.2にアップグレードされた。主な変更点はもちろんカラー対応機能だが,それに加え,ビジーカーソルの追加,WorkspaceManagerからのタスクのバックグラウンド軌道,OCR付きファクス機能,CD-ROMサポート,テキストオブジェクトにスペルチェッカとルーラーが統合,メール機能アーカイブオプションの強化など.
 なお,この2.0には105MbytesのHDDでも動作可能な縮小版と300Mbytes以上のHDDまたはMOに対してインストールされるフル機能版の2種類が供給される.

 すでに1万5000台の発注書がNeXTに届いているということを会場で発表し,Jobsは今度こそ自身満々といった様子だった。確かに今までのNeXTの多くの問題点をクリアしている.
 エントリーレベルのstationはビジネスユーザーにとっても十分に魅力的だし、今回は見送りになったPixar社のRenderManを取り込んでいるというフルカラーモデル(cube+dimension)は,CGのプロの使用にも十分耐えられそうだ.
 さらに1年半以内に開発すると豪語するフルモーション機能は,NeXTが将来も有望であることを保証しているかのようだ.Jobsの演出のうまさを差し引いたとしても,面白いマシンであることには変わりはない.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)


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ジョブズは自身も作る製品も格好いい。キヤノンはジョブスがいたころのAppleのパソコンを日本で代理店として販売していたし、ジョブスがAppleを抜けてNeXT社を立ち上げたときは大型投資をして支援していた。キヤノンはジョブスを贔屓していたように見える。
「Intelのi860がグラフィックプロセッサとして搭載されている」あの黒歴史CPUが一般市場のパソコンに使われていたとは知らなかった。

エプソンがホビー用途向けキーボード一体型マシンと,プリンタを内蔵したラップトップ型のPC-9800互換機を発売
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PC-286C "PC-CLUB"は16万8000円と安価に98互換機を使うことができるホビーユースに向けたいい機械だった。子供がいる知人が買っていた。
PC-286LPはワープロユーザに買わせようと思ったのだろうが29万8000円と微妙な価格でどうだったのだろうか。売れたのだろうか。

沖電気が386SX搭載のノート型AXマシンと,TFTカラー液晶を搭載したラップトップ型AXマシンを発売
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if386AX20(FDDモデル)の液晶ディスプレイなしが23万8000円
同ディスプレイ付きが29万8000円。
同じ値段の98NOTEがあるのに一般ユーザがこれを選ぶとは思えない。


三菱電機がカラーラップトップAXマシンを発売
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MAXT LT3Cの40MbytesHDD内蔵モデルが120万円では一般ユーザには手が出ない。

松下が386SX搭載のノート型コンピュータを発売
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Panocom PRO NOTE のHDDなしモデルが27万8000円
「東芝のJ-3100SS登場から始まったノート戦争」だそうだ。次々と高性能のマシンが出てくるが私は20万円を切った初代のDynaBookを発売日に手にできたことに満足していて、その後の新製品の登場にも全く悔しくなかった。PC-9801VX2を買ったときは1年も経たずにPC-9801VX21が出て悔しかった。

ソニーが386SX搭載のノート型AXマシンを発表
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ソニーもAX陣営に参加していたのか。

米Compaq社が,クロック周波数33MHzの80386/80486マシンを発売
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最安値のマシンでも180万円もした。

三菱電機,MELCOM70の新シリーズ6機種を発表
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流石にスーパーミニは最安値でも2390万円もする。

松下通信,AV機能を重視した教育用コンピュータを発売
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21台合わせて35500万円
どこの教育機関が導入したのだろうか。

京セラが手書き入力のハンディマシンを開発
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Refalの価格は12万8000円

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