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DynaBook,プリンタ,MS-DOS(月刊ASCII 1990年9月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASE から J-3100SS002をスクラップする。
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以下抜粋してスクラップする。
 HDD内蔵モデルや286モデルなどのシリーズ展開を続けるJ-3100SS(Dynabook)に,FDD2台を内蔵するモデル002が追加された.この製品はまた、モデムカード用スロットの部分に標準でバッテリを内蔵し、最大5時間のバッテリ駆動を可能にしている.
(中略)
 表示部は,最大解像度640×400ドット,モノクロ2階調のSTN液晶である点は001と同じだが,バックライトを冷陰極管サイドライト方式に変更している。これにより,画面は従来比で3倍に明るくなり,またELパネルのように寿命を気にする必要もなくなっている(写真1).


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(中略)
 なお,002の重量は2.99kg.001より300gほど重くなっているが,FDDとバッテリが1つずつ余分についたことを考えると,さらに軽量化が図られていることが分かる.

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(中略)
 ところが,002ではメインメモリが1Mbytesと,001に比べて512Kbytes削減されているため,001では800Kbytes以上確保できたハードRAMが,002では約300Kbytesしか持てない。これではユーティリティを入れるくらいしか使いみちがない.
 では001のほうがいいかというと,必ずしもそうとも言えない。002では,001よ6Mbytesも多くRAMを増設できるからだ。ただ,とりあえず2Mbytesだけ増設しておいて,というわけにいかないのは残念だ.RAMカードスロットは1つしかないので,買い直す場合は前のカードは使えなくなる.予算次第とはいえ,最初の決定は慎重に行ないたい.
 ハードRAMを中心にしたシステムを考えるユーザーにとっては,あまりメリットのないセカンドFDDをつけてくれるよりは,この領域にRAMカードスロットを複数設けてくれたほうがありがたい。必要に応じてRAMを増やすこともできるし,重量的にも有利になるはずだ.もちろんメインメモリも1.5Mbytes(あるいはそれ以上)あったほうがいい。
(中略)
 002のコストパフォーマンスは,001以上と思われる.FDDとバッテリが増え、液晶がずっと見やすくなったにもかかわらず,価格差はわずかに3万円である.300gの重量差が致命的と考える方や,デフォルトのハードRAMが300Kではなく800K絶対に必要という方でなければ,001よりはこちらがお買い得ということになる.たとえ2台目のFDDがいらないにしても,あるから困るということはないはずだし,ハードRAMは増設がきく(しかも上限は001よりずっと上だ).
 002の画期的な点は,FDDが2台になったことよりはむしろ,バッテリ駆動時間とRAM増設容量を大幅に上げたことではないだろうか.FDDやHDDといった可動部分を持たせている限り,バッテリ駆動時間も重量も,できることの限界に近付いてきている。これを打破する方向性としては,バッテリを増やすという一種力まかせ的とも言える方法と,ディスク利用を抑えRAMを本当にHDD代わりに使うという方法があるだろう.この一見矛盾と見える2つのコンセプトをともに押し込んだ点は,中途半端という言い方もできるが、結果的に重量は抑えられ、駆動時間も最大RAM容量も増えているのだから,これはこれで評価できるだろう.次世代ノートパソコンへのアプローチが見えるおもしろいマシンである.
(野口)

旧機種を持っているところに新型パソコンが出るとガッカリしていたものだがこの新型DynaBookではガッカリしなかった。セカンドマシンとして使っていたので2台目のFDDはいらなかった。新型でRAMが少なくなったのでは使い勝手が悪くなるだけだった。周辺機器で買ったのは替え用のバッテリパックだけだった。液晶は暗いものの液晶パネルは交換してもらえた。新型で増えたたった300gの重量でも持ち歩く身には堪える。初期型のDynaBookは私にとって神機であった。

この号の特集にプリンタの解説があったのでスクラップする。
インパクトプリンタ
 筆記具でいえばエンピツともいえる.原理はタイプライタ と同じで,インクの染み込んだ布(リボン)に印字したい形を打ち付けて,インクを写す。タイプライタでは文字ごとにハンマーが用意されているが,パソコンではより多くの文字やグラフィックスを印字するため,それを「点」に分解して行なう.そのため,正式には「インパクトドットマトリックス方式」と呼ぶ。
 印字ヘッドには,「ワイヤ」と呼ばれる針が縦に並んでいる。これを1本ずつ出したり引っ込めたりしながら,横へへッドを移動させ,文字を形成するわけだ(図1).


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インクリボンはループしており何周も使えるが、だんだんインクが薄くなりかすれてくる。補充インクをリボンに浸み込ませるものがサードパーティからでていた。使ったことがあるがすぐにまたインクがかすれてきて不便だった。

熱転写プリンタ
 ヘッドと紙の間にリボンが通り,リボン上のインクを紙に写すという点ではインパクトと同じである。ただし,物理的衝撃で写すのではなく,その名のとおり,熱でインクを溶かして紙に染み込ませるところが違う.
 インパクト式のリボンは指で触るとインクが付くが,熱転写のリボンは見た目はビデオテープのようで,触っても手には何も付かない.ヘッドには縦に並んだ発熱点がある.1点ずつに別々に電流を流して発熱させ,その点の位置のインクを溶かして紙に写すわけだ.
 このタイプのプリンタは,「感熱用紙」という特殊な紙を使えば,インクリボンなしでも印字ができる。この用紙は,低価格のファクスに利用されているものと同じで,熱を加えられるとその部分が黒く変色するものだ。時間が経つと紙全体が黄ばんでくるとか,ペンで書き込むと色がにごるといった欠点が多かったが,新製品では改善が図られている.


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インクリボンは一度だけしか使えなくランニングコストが高かった。だから「感熱用紙」を使った。懐かしい。昔はFAXもこの感熱用紙だった。当然日数が経つと薄くなるのでコピーしていた。また爪などで擦ると摩擦で発色した。カラー印刷のときはカラーインクリボンを使った。カラー部分が1行分ずつ分けられており、同じ行をそれぞれのインク部分で3回繰り返し印刷してカラー印字ができた。とてつもなくランニングコストがかかった。

インクジェットプリンタ
 これは上記の2つの方式とは異なり,リボンというものはない。インク壺からホースを伸ばしてヘッドに送り,圧力をかけてインクを吹き付けるというもの.ヘッドには縦にノズルと呼ばれる小さな穴が空いている.そこに弁や電流によって変形する素子が付いており,インクを吹き出すのだ。
 インクを飛ばすという点では同じだが,吹き出させる機構が異なるのがキヤノンのバブルジェットだ。これは機械的な圧力によってインクを噴出させるのではなく,ノズルひとつひとつに付けた発熱体によって,インクを気化し,その圧力でインクを吹き出すものだ。この方式は,ノズルの加工や集積が容易である.


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カラー印字のときのランニングコストがインクリボンと比べかなり安かった。インク詰まりがよくあって難儀した。
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ページプリンタ
 シリアルドットプリンタと異なり,1ページ単位に印字を行なうのでこの名称となっている.
 シリアルプリンタより高級な制御コードを持っており「PDL(ページ記述言語)」と呼ばれる.ページプリンタは,「解像度×印字する用紙面積分」のRAMを積んでおり,そこに,受け取ったPDLを解釈してドットイメージを描画する.文字ならば,内蔵のフォントROMから対応するフォント情報を読み出し,そのドットの並びをRAMに描画する.前章で述べた,パソコンがVRAMにグラフィックスデータを描画するのとよく似ている。そして,1ページ分のデータをRAMに展開し終わると,印字動作に入る.
 現在パソコン用として発売されているページプリンタには,「液晶プリンタ」とか「レーザープリンタ」,「LEDプリンタ」どの名称が付いている.これは,潜像を「描画」するために光を使うが,その光源や制御に何を使っているかの違いである.先のRAMへのイメージ展開や,電子写真(ゼログラフィ)を使って,トナーを紙に定着するという点ではまったく同じだ。
このゼログラフィという技術は,一般の乾式普通紙複写機(普通のコピー)で利用されており,原理的にはページプリンタの中に入っているものと同じである.そして,複写機では光源とレンズの組み合わせによって実現している光学系の部分を,レーザービームなどに置き換えたのがページプリンタということができる.原理の概要を説明しておこう.
 ゼログラフィの中心となるのが「感光ドラム」という光半導体でできた円筒だ。これは,光を受けるとその部分に静電気を帯びる。そこに帯電した黒い粉(トナ-)を振りかけてやると,静電気を帯びた部分にのみトナーが残る。
 そして,紙を静電気でドラムに貼り付けながら,反対側から別の静電気をかけてトナーを紙に転写する。あとは,熱したゴムローラーの間に紙を通して,トナーを溶かし,かつ圧力で定着させる.


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ページプリンタは憧れの機械だった。最初に買ったのはキヤノンのLASER SHOT LBP-A404だった。PageMakerとかで高精細の印字ができ沢山資料を作った。
ゼログラフィはゼロックスのコピー機が使っていた。当時資料を複写するときはジアゾ複写(子供の自由研究でもあった日光写真の原理)をしていた。それを青焼きと言っていた。光を当てて複写することを焼くと言っていた。写真も焼き増しって言っていた。そこでゼロックスの白焼き。コピー機のことをゼロックスとよんでいて、ゼロックスでコピーをすることを白焼きと言っていた。

今更ながらではあるがTBNの「なんでも相談室」MS-DOSの機種依存性についての記事をスクラップする。なんでいまさらこんな疑問を持つ人がいるのかと思うがパソコンに詳しくない人はこんなものだ。PC-9801ば市場を支配していたので98以外の機械を触る機会もなく疑問を持つ人は少ないと思っていた。
MS-DOSにできることとできないこと
 OSであるMS-DOSなのに、どうして機種間で互換性がないのですか?OSを通せばすべてが同じと思っていた私はどう考えればいいのでしょう.
まず大切なのは,DOSの役割というものをどのように捉えるかということでしょう.ハードウェアに密着した機能をDOSに任せることでアプリケーションの負担を少なくするのがDOSの役割です.DOSとは、言うならばコンピュータのハードウェアをコントロールするサブルーチン集のようなものであると考えればよいのです.
 このサブルーチンを呼び出す方法を決めておけば,異なる機種で同一のプログラムを動作させることが可能となります.たとえばMS-DOSに標準で付いているコマンドは,いくつかのものを除いて異なる機種で問題なく動作します.例をあげると,PC-9801シリーズ用MS-DOSに付いてくるEDLIN(ラインエディタ)を富士通のFMRシリーズで使っても問題はありません。
 しかし,動作しないコマンドもあります。format.exe,diskcopy.exe,print.exeなどがその代表例と言えるでしょう.format.exeはディスクをフォーマットする(トラックやセクタなどを作成する)コマンドですが,フォーマットのための機能をMS-DOSではサポートしていません。そのためこのコマンドは直接BIOSを呼び出します。BIOSとは,BASIC INPUT-OUTPUT SYSTEMの略でMS-DOSよりもさらにハードウェア寄りの処理を行なうサブルーチンの集まりです.その呼び出し方法は機種ごとに定義されています.
 diskcopy.exeはディスクをセクタ単位でアクセスするため,同様にBIOSを呼び出します.print.exeはプリントアウトを行なっている間に他のMS-DOSのコマンドを実行することが可能ですが,これを実現するためにはタイマ割り込みを必要とします。そのため,タイマを管理するBIOSを呼び出すかあるいはタイマ用LSIを直接操作することが必要です(図1)。
 このように,MS-DOS(のパッケージ)に標準で添付されているコマンドだけを見ても、機種間で完全な互換性を保つことはできません。また,MS-DOSのバージョンが異なると提供される機能が異なるために動作しないこともあります.
 しかし,MS-DOSの機種間やバージョン間で互換性のある機能のみを吟味して使用すれば,互換性のあるプログラムを作ることが可能なのは事実です.たとえば,ASCIIのMS-DOS SOFTWARE TOOLSそうしたものの一つと言えましょう。コンパイラやアセンブラなどのプログラムも問題なく動作するものがあります.
 しかし,ワープロや表計算といったアプリケーションプログラムでは,MS-DOSの機能だけではどうすることもできないような要求が生じてきます.たとえば,

1.画面表示のスピードをもっと速くする(MS-DOSのルーチンを通すと時間がかかる)
2.グラフィックを表示させる(MS-DOSでは一切サポートしていない)
3.ゲームなどの場合には,押されているキーをリアルタイムに認識することが必要(MS-DOSの機能では,キーが押されたことは分かっても、ある瞬間にどのキーが押されているのかを把握できない)

などです。このような場合はBIOSを呼び出したりハードウェアを直に操作するので,機種に依存したものになってしまいます。互換性よりも,表示のスピードや使い勝手が良いということのほうが優先されているのです.しかし,これらの機種依存部分を標準化する動きがまったくないわけではありません。MS-Windowsは,ウィンドウとマウスを使用してユーザーインターフェイスを標準化しようというものです.MS-Windowsのアプリケーションなら,IBM製のパーソナルコンピュータをターゲットにしたプログラムでもPC-9801で実行することができます(図2).
 また,MS-Windowsだけが問題を解決する唯一の手段かというと,そうとも言えないでしょう。機種に依存した部分を各機種ごとにまとめておけば(デバイスドライバやライブラリといったものを作る),あとは,ほぼ同一のプログラムをいろいろなマシンの上で動かすことが比較的楽に行なえます。言い換えれば,MS-Windowsはこれらのことを大がかりにやっているに過ぎないのです.ここまで話を展開してみると,MS-DOSが何とも頼りなく感じる人がいるかもしれませんが,そんなことはないと私は思います。どのようなメディアでも,(デバイスドライバさえ書けば)ファイルシステムの一部としてアクセスできるというMS-DOSの機能はきわめて有用だと思います。利用するメディアがハードディスクであろうとRAMディスクであろうとMO(光磁気ディスク)であろうと,ユーザーは通常どおりのファイル操作でそれらを扱うことができるのです.OSの目的がハードウェアの有効利用だと考えれば,MS-DOSはきわめてよくできたDOSであると言えるわけですSCSIハードディスクやMOなど,大容量ファイルシステムを構築する時代に向けてMS-DOSはさらに進化してゆくことでしょう.(130MbytesのSCSIハードディスクは快適だと思う 松尾)


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画面表示を高速にするのは必須だった。キーの押下を検出するにのはMS-DOSをバイパスするのは当たり前だった。そうしないとスクロールが許せないくらい遅くなったり、カーソルがオーバランしたりした。グラフィックを使うときはMS-DOSは邪魔者でしかなかった。私がOSの機能だけでプログラムを作って楽しめるようになったのはWindows95からだった。

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