SSブログ

スクリーンセーバー(月刊ASCII 1991年2月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「Macintoshを楽しもう」の第9回はスクリーンセーバーだった。
スクリーンセーバーといえばPC-9801では「FreeWay」を使っていた。
夜の高速道路スクリーンセーバー
職場の先輩達には遊びだと思われたくなく「画面の焼き付け防止です。電源をディスプレイの電源を切ると、パソコンが止まっていると思われてしまて電源スイッチを押されたりすると困るのでパソコンは動いていますよとアピールするためです」と説明が必要だった。
ちなみにパソコンモニタの焼き付けは本当に起こる。とくに分析機械のモニタでは焼き付けが顕著だった。
後、花火のスクリーンセーバーもあった。どれを使っていたのかは思い出せない。
Mac in the Groove!
ScreenSaverで遊ぶ

 パソコンのCRTは,同じ画面を表示したまま長時間放置しておくと焼き付きを起こしてしまう.たとえば,旅館や喫茶店の片隅においてあるテーブル型のゲーム機で,電源が切れているのにそのゲームのタイトル画面がCRTにうっすらと,っていうのを見たことがあるだろう。これを防止するのが,スクリーンセーバー(Screen Saver)と呼ばれるユーティリティだ。
 スクリーンセーバーの基本機能は,ユーザーがマシンを操作していない間は画面を暗くして,CRTの焼き付きを防止するというものだ。単に画面を暗くするだけでは電源が入っているのかどうか分からないので,なんらかの動きのあるグラフィック(あるいはテキスト)を表示するものが多い。
 で,そこは遊び心の溢れるMacだから,単純に画面を暗転するものからちょっとしたジョークになっているものまで,実にさまざまなプログラムが古くから存在してきた(図1).
 最初はDAタイプが主流で,ちょっと席を立つときにでも呼び出しておくと,画面が暗転してアイコンがあちこちでフラッシュするといったものがポピュラーだった.
 ここ数年は,INIT/cdevプログラムのスクリーンセーバーが一般的になってきた.これは,あらかじめ指定した時間マウスやキーボードの操作がないと,自動的にスリープ(画面が暗転)するというもの。それらのほとんどは,フリーウェア/シェアウェアとして配布されているものばかりだった。
 ところがこの1年ほどの間に,それまで多数乱立していたスクリーンセーバーの状況が一変してきている.それは,今回ここで紹介するモジュールタイプのスクリーンセーバーの登場によるものだ.
・After Dark Ver.2.0
Berkeley Systems,Inc.
39.95ドル
・Pyro Ver.4.0
Fifth Generation Systems,Inc.
24.95ドル
 この2つが,問題の(?)モジュールタイプのスクリーンセーバーだ。ここで言モジュールタイプとは,各種スクリーンセーバーに共通なシステムとのインターフェイスやユーザーインターフェイスとスリープ後の画面の動作を司る部分を分離したもの。インターフェイス部分を「器」として,画面の動作部分を切り替え可能なplug-inプログラム(モジュール)としている。つまりユーザーは,スクリーンセーバープログラムそのものを入れ替えることなく,モジュールを切り替えるだけで簡単に,実質的にまったく異なったスクリーンセーバーを楽しめるというわけだ。
 前置きが長くなったが,実際に2つのスクリーンセーバーがどんな様子になっているのかを紹介していこう。まずは,After Darkからだ.

 After Dark懐かしい。Windowsにも移植されて定番のスクリーンセーバーだった。うちでもMS-DOSの時代はFreeWay、Windowsの時代はAfter Darkだった。
ASCII1991(02)h02Mac図01_W520.jpg
究極のスクリーンセーバー!?
After Dark Ver.2.0

 バージョンナンバーから分かるように,After Darkの2代目になる.Ver.1.xからの主な変更点は,より多くのモジュールを添付したこととカラーに積極的に対応したこと,サウンド機能を付加したことの3つがある。スリープ中の演出に効果音まで出せるとは,感心するというか呆れるというか……。まあ,とりあえずはインストールしてみよう.
 After Darkのディスクから,After Dark本体とモジュールプログラムを収めた「After Dark files」フォルダの2つをSystemFolderにコピーする。あとはリスタートすれば,もう使用可能だ。After DarkはINIT/cdevタイプのプログラムなので,各種の設定はControl Panelから呼び出して行なう(図2).Control Panelでは,左側に使用可能なモジュールの一覧,右側には各モジュールのオプション設定のパネルという構成になっている.基本的な操作法は,モジュールの一覧から使用したいモジュールを選択し,さらに好みに応じて右側のパネルでオプションを設定するというものだ。そのモジュールがどのような動作をするか,あるいはオプションの設定でどのように変化するのかは,「Demo」ボタンをクリックすれば確認できる.
 ユーザーからのアクションがなくなってからスリープするまでの時間や、明示的にスリープする(しない)マウスのポジションなどのグローバルな設定は,マスタースイッチの下にある「When」ボタンをクリックして呼び出すダイアログで行なう(図3)。ここで設定できる「SystemIQ activity monitor」というオプションは、CPUの処理の重さやディスクアクセスの頻度を監視して,それがあある程度以上のレベルに達しないとスリープしないというもの。つまり大量の数値演算や数式処理,3DグラフィックスのレンダリングなどCPUの負荷の高い処理を行なっている最中は,スクリーンセーバーが起動してさらに負荷を高める(結果的に処理が遅くなる)ことがないようにとの配慮がなされているわけだ。
 そして、目玉のモジュールは標準で31種類が添付し,After Dark本体に内蔵されている標準の「Starry Skyline」を含めて選択できるのは32種類という豊富さだ.ここではそのすべてを紹介できないが,主だった特徴的な機能を持ったものをいくつか紹介しておこう.

 当時この設定画面は画期的だったと思う。やはりMacはいい。98はダメだと思った。
ASCII1991(02)h03Mac図02_W434.jpg
ASCII1991(02)h03Mac図03_W253.jpg
●暗くなったらShow Time!?
 まずは,「Fish!」というモジュール.スリープすると,画面中を色とりどりの魚が泳ぎ回る(図4)。画面に現われる魚の数や泳ぐ速度はスライダで設定できる.また,標準で16種類用意されている魚(カニや海草も!)から,特定の何種類かを選択もできる(図5)。
 Fish!というと,同名のINIT/cdevタイプのジョークプログラム「Fish! Ver.2.0(Shareware:19.95ドル)」を覚えている人もいるだろう.こちらのFish!もスクリーンセーバーなのだが,アプリケーションの操作中にもデスクトップ画面に魚が泳ぎ回るというものだ。実はこのモジュールは,ジョークプログラムのFish!と同じBougs Software社製After Darkのモジュール版とオリジナルのFish!は,魚のアニメーションデータが共通になっている。そのため,オリジナル版Fish!のアニメーションデータを編集する機能「Fish editor」でユーザーが作成したキャラクターを,After DarkのFish!でも利用できるんだ.

 Windowsでも見た。ディスプレイの解像度が上がったのでそれはもう綺麗な水槽が表示された。
ASCII1991(02)h03Mac図04_W520.jpg
ASCII1991(02)h03Mac図05_W440.jpg
続いては,「Satori」という東洋趣味的(?)なネーミングのモジュール。こちらは波打つようなイメージの,ちょっと幻想的なグラフィックスアニメーションを画面中に展開する(図6).

ASCII1991(02)h04Mac図06_W520.jpg
 ほかにも,「Flying Toasters」や「Spotlight」,「Can of Worms」など幾何学的な模様をアニメーションで表示するモジュールや動きのあるユニークな演出のものがいくつも揃っている(図1,8).また,グラフィックス(PICTファイル)を次々に表示する「Slide Show」や、アニメーションの標準フォーマットのPICSファイル(注1)を呼び出す「PICS Player」など,ユーザーの作成したデータを活用できるモジュールまである.
注1:PICSは,以前コラムで紹介したMacroMind社のDirectorやPalacomp社のSwivel3D Professional(3Dグラフィックソフト),Electronic Arts社ののStudio/1(モノクロペイントソフト)をはじめとする各種グラフィックソフトで作成できるカラー/モノクロのアニメーションファイルフォーマットである.
 フライングトースターは超有名だった。とにかくトースターに羽が生えているというところでもう笑ってしまうし、なぜ飛ばすとツッコミんでしまうスクリーンセーバーだった。
ASCII1991(02)h04Mac図07_W520.jpg
ASCII1991(02)h04Mac図08_W520.jpg
 ここで例に挙げたモジュールは,どれもスクリーンセーバーとしての役割を果たすものだ(当たり前)。だが,After Darkには、他のモジュールを活用するためのユーティリティに類するモジュールがある。そのひとつが,MultiModuleという、複数のモジュールをひとつの画面に組み合わせて表示するものだ(図9).複数のモジュールを重ね合わせて表示できるので,「星空を飛び交うトースター」のようなノリの演出を。ユーザーの好みで設定できるのだ。もうひとつはRanomizer.気に入ったモジュールをいくつか選択しておくと,スリープするたびに異なるモジュールを表示してくれる.

ASCII1991(02)h04Mac図09_W395.jpg

もう一つのPyro! Ver.4.0は省略する。

MINIXのコラム記事があったのでスクラップする。
MINIX:箱庭OSでコンピュータを学ぶ
 UNIXは,米国AT&Tが開発しライセンスするオペレーティングシステムだ.MINIXは,そのAT&TのUNIXVer.7とシステムコールレベルでコンパチブルなオペレーティングシステムで,しかもフルソース付き.Andrew S.Tanenbaum氏を中心とした人たちが,大学教育でAT&Tのライセンスの必要ない学習用OSを,という趣旨で開発したものだ.
 そのMINIXのMacバージョン(Ver.1.5)が,先頃リリースされた.
・MINIX 1.5 for The Macintosh
 Andrew S. Tanenbaum
 Joseph Pickert
 Johan W. Stevenson
 Prentice Hall社刊
 211.50ドル

 Mac版MINIX(以降MacMINIXと記す)は、8枚のフロッピーにカーネルをはじめ以下のようなプログラム/ファイルが付属する.
・K&R(ANSI)準拠のCコンパイラおよび255個を超えるライブラリ
・ed,ex,vi,emacsに準ずる4つのエディタ
・awk,grep,makeをはじめとする175種類を超える各種のユーティリティプログラム
・Cコンパイラ本体を除くすべてのソースコード

と,そのままでUNIXの雰囲気や基本的なオペレーションを学ぶには十二分な内容を持っている.しかし,何と言ってもその魅力は、ほとんどすべてのソースコードが付属することだろう.他機種と共通のバインダ式のマニュアルは680ページのボリュームで,その約半分はソースリストだ.
 MacMINIXは,フロッピーディスクでも動作するが,実際に利用するためにはハードディスクが必要になる.必要なディスク容量は、最低限のインストールに10Mbytes,カーネルの再構築などCコンパイラを十分に活用するためには,20Mbytesほどあればよいようだ.
 MacMINIXをブートすると,標準でTTY0とTTY1の2つのキャラクタコンソールが用意され,さらにシリアルポート(モデムポート)がTTY2としてイニシャライズされる(図)。他のパソコンをクロスケーブルで接続すれば,端末として利用できるZMODEMを介してのPC-9801~MacMINIX間のファイル転送などはお手のものだ.TCP/IPなど本格的なネットワーキングには対応していないが,これだけでも気分はけっこう盛り上がる(^^).
 OSのふるまいや、その実際的なアプローチをプログラムのソースコードを読みながら確かめられるのは,このMINIXくらいのものだ.模型のジオラマのように,まさにユーザ自身の手の内にあるといった雰囲気で楽しめる。自由になる分だけ誰にでも勧められるわけではないけれども,ちょっと腕に自信のあるホリデイプログラマや真面目にコンピュータを勉強したいというむきには,本当に魅力的な教材だ(注).
 ところでこのMINIX,購入にあたってひとつ注意しておかなければならないのは,ソフトウェアパッケージではなく書籍として販売されていることである.そのため,実際に動作するソフトの入ったフロッピーディスクは付録の扱いで,レジストレーションカードなどは含まれていない。つまりユーザーサポートなどは,基本的に行なわれていないということだ。しかし,国内販売の問い合わせ先である(株)ビレッジセンターにうかがったところ,ユーザーサポートはないものの,フロッピーディスク不良時の交換など基本的な対応はしてもらえるそうだから安心してほしい。

 Macユーザは恵まれていた。ただし、英語力が必要だった。私はダメだった。
ASCII1991(02)h05MacMINX図_W520.jpg

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット