SSブログ

パソコン出荷実績・米国ハイテク産業の動向他(月刊ASCII 1992年7月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

「パーソナルコンピュータの平成3年出荷実績」
ASCII1992(07)b01パソコン出荷実績_W520.jpg
私は平成3年では8086と80286マシンを使っていた。これを見るともう80386時代に突入していたのか。
平成4年にPC-486GRを買ったから80386をスキップした。80286は要らなかった。V30を買っておけば良かったとずっと後悔していた。

「ビジネスショウ'92 TOKTYO」をスクラップする。
ペンコンピューティングに話題が集中
ビジネスショウ'92 TOKYO
 5月20日から23日までの4日間東京晴海の東京国際貿易センターの7館9会場を利用して,日本経営協会と東京商工会議所が主催する第74回ビジネスショウが開催された.今回のテーマは「オフィスイノベーションより人間らしく快適に」創造性豊かなオフィスを提案し、快適な空間としてのオフィスを創造するというものである.
 今回は,平成不況のあおりを受け,コンピュータ関連業界も景気がいいとはいえないものの、出展は海外からの11社を含め計336社,来場者も当初予想された40万人を上回る42万8100人に達したということだとはいえ,昨年の44万1200人と比べると低い数字になっている.
 全体の傾向としては,参考出品されたハードウェアに話題が集中.その反面,ソフトウェア関連は不況の影響をかなり受けているのか,ハードウェアに比べるとだいぶ地味な印象が残った。唯一の例外はMS-Windows上のアプリケーションといったところだ.展示会場では,文房具や個人向けの情報機器のユーザーインターフェイスとしてペンを考えるメーカーが増えたせいか,ペンコンピューティング関連に人気が集中した。7月に発売されるワコムの「PenTop」以外に,三洋電機,沖電気工業,キヤノン,日電など数多くの参考出品があり、最も注目を浴びていたといえる.パーソナルコンピュータ関連では,DOS/Vや日本語MS-Windowsで日本語を扱えることから,コンパックやデル,エイサーなどのIBM PC互換機が多数展示され,i486DX2(66MHz)搭載マシンも散見された.高速性といえば,エプソンはi486SX(20MHz)搭載のPC-486GRを,クロック周波数16MHzの日電のPC-9801FAと比較して処理速度の違いを比較して見せていた.ビジネスコンピューティングの分野では,大型,中型コンピュータを核にしたシステムのダウンサイジングとして,パーソナルコンピュータをベースにしたノベル社のNetWarev 3.1Jを利用したクライアント・サーバシステムを提唱するハードウェアメーカーが目立った。とはいえ,ビジネス分野で徐々に台数を伸ばしているUNIXワークステーション関連メーカーの出展は少なかった.今回,快適なオフィス空間がテーマだが,各社とも自社の最新のハードウェアやソフトウェアの展示が中心で,それらのコンポーネントを組み合わせ,オフィスの快適さを来場者に具体的に見せてくれたブースは少ない.展示スペースの広さや費用の問題もあるとは思うが,自社の提案を他社製品と組み合わせることで実際のモデルとして提示するなどの分かりやすい展示も必要ではないだろうか.

 ペンコンピューティングは客と対面する営業では使われ始めたと思うが、一般ユーザには支持されなかった。ポケットコンピュータというか電子手帳では利用されるが家庭用パソコンとかノートパソコンでは使われていなかった。iPadのようなタブレットも当時は無かった。以下写真をスクラップする。

三洋電機のペン・ベース・コンピュータMBC-P100(仮称)
ASCII1992(07)b02写真01三洋電機MBC-P100_W352.jpg

沖電気工業のペンコンピュータ「OKI Pen Computer」
ASCII1992(07)b02写真02沖電気PenComputer_W346.jpg

富士通「ポケットパッド」
ASCII1992(07)b02写真03富士通ポケットパッド_W474.jpg

エヌエス・カルコンプ「Display Pad(22073)」
ASCII1992(07)b02写真04エヌエス・カルコンプDisplayPad_W396.jpg

シャープの電子手帳「PV-F1」
ASCII1992(07)b02写真05シャープPV-F1_W355.jpg

IBMの「ペン入力システム」
ASCII1992(07)b03写真06IBMペン入力システム_W415.jpg

富士通の日本語ワープロ「OASYS Pocket2」
ASCII1992(07)b03写真07富士通OASYSPocket2_W314.jpg
いまだに単に「ワープロ」と呼ばないで「日本語ワープロ」と書いてある。日本で日本語ができないワープロがどれだけ店頭にあった、販売されていた、使われていたというのか。

ジャストシステム「Pen-DOS & ATOK for Pen」
ASCII1992(07)b03写真08ジャストシステムPenDOS-ATOKforPen_W402.jpg

ボーランド「QUATTRO PRO」
ASCII1992(07)b03写真09ボーランドQUATTRO-PRO_W383.jpg

オージス総研「SOMOSAN(仮称)」
ASCII1992(07)b03写真10オージス総研SOMOSAN_W287.jpg

ロータス日本語ワープロ「AmiPro/Windows R2.0J」
ASCII1992(07)b03写真11ロータスAmiPro/WindowsR20J_W380.jpg

日電「ネットワーク対応仮想現実実感システム」
ASCII1992(07)b03写真12日電ネットワーク対応仮想現実_W348.jpg

オムロン「PEXstation」
ASCII1992(07)b03写真13オムロンLUNAシリーズ_W321.jpg

毎日新聞社主催「第一回日本のマニュアル大賞」
ASCII1992(07)b03写真14第一回日本のマニュアル大賞_W399.jpg

丸紅エレクトロニクス「CREO」の光テープ
ASCII1992(07)b03写真15丸紅エレクトロニクスCREO_W292.jpg

「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
PDAでSculleyの真価が問われる
 LAでの暴動騒ぎは日本でも派手にメディアに載ったらしく、筆者のところにも多くの人がわざわざ電話を掛けてきてくださった.でもご安心を.シリコンバレー周辺では,サンフランシスコとバークレーで若干騒ぎがあった程度で、特にサンタクララ,クバチーノ周辺では,幸い何も起こらなかった.
 暴動の当日は,筆者の隣の住人(この人はロッキードでレーザ通信などの研究をしている)の家でパーティーがあってここでも話題はその騒ぎのこと.スタンフォードで研究職にある隣の隣の人に言わせると「とても忙しくて騒ぎに参加する暇は皆無.(騒いでいるのは)よほど暇なのだろう」とのこと.不況とは言え,ハイテクヤッピーたちにとっては,まだまだこの手の暴動に参加する時間はなさそうだ.


  アメリカの暴動事件は複数あるのでどんな暴動だったか思い出せない。どんな暴動だったかwikiを見てみた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%9A%B4%E5%8B%95
>直接のきっかけは1991年3月3日、ロドニー・キングという黒人男性がロサンゼルス市内を運転中にスピード違反容疑で停止を命じられたのち逃亡し[8]、現行犯逮捕された事件である[3]。

>このとき車を降りたキングが警官らの指示に従わなかったとして[8]、ロサンゼルス市警の警官4人が集団で激しい暴行を加えた。偶然撮影されたこのときの様子を全米のテレビネットワークが放送し、市警の対応に強い批判が起きた[2][8]。

>警官4人は暴行の容疑で起訴されるが、キングが仮釈放中だったことや飲酒運転の疑いがあったことなどから[8]、約1年後の1992年4月に無罪の評決を受けた[9]。この結果に対し、黒人社会を中心に広範囲で激しい抗議活動が起こり、一部が暴徒化して警察署・裁判所などが襲撃された[5]。

■Kaleidaの新社長やっと決定か?
 AppleとIBMのマルチメディア合弁企業「Kaleida」の新社長がやっと決定しそうだ。このポジションは,半年前からもめていたもので,最初に白羽の矢がたったMetaphar社のDavid LiddleはApple主導の運営に嫌気がさして新会社を作ってしまった.そこで話が回って来たのが,NatGoldhaberだ.彼は,Mac,PC,UNIXのネットワークで一世を風靡したTOPSを開発したCentram SystemWest社の設立者である.
 この会社は後にSunに買収され、現在はSitka社と名前を変えている(System7以後,過去の会社となりつつある)その後,ベンチャーキャピタリスト,Cole,Gilburne and Goldhaberのパートナーとして,各社で投資事業を行なっていた.また,John Sculleyの顧問役としてApple社のマルチメディア事業を助言していたとも言われており,もしかしたらこの人自身がKaleidaの言い出しっぺなのかもしれない.
 筆者は以前この人と会食する機会があったが,どちらかと言えば静かにものを考えるタイプの人.Apple社,IBM社ともにコメントを避けているが,これでやっともめにもめた人事も決着がつくかもしれない。

■Macクローン開発会社,先取り提訴
 UNIX上でMacソフトを動かすQuorum Latitudeを開発するQuorum Software Systems社は,Appleの著作権を侵害していないことを証明するよう地方裁判所へ提訴した.Latitudeは,MacアプリケーションをMotif,OpenLook,NeXTstepなどで動作可能にする製品.Macアプリがそのまま動作するわけではなくサードパーティがQuorum Latitudeが提供するライブラリと一緒にリビルドしなければならない.
 Quorum社によれば,Appleからの再三にわたる販売取り止めの申し入れがあったため,今回の提訴先取りに踏み切ったもよう.この中にはAppleのHeinen副社長からの「LatitudeがAppleのプルダウンメニューやカラーQuickDrawに関する特許を侵害している」という警告書も含まれている.Apple社から提訴される前に,裁判所から自分たちのソフトがAppleの著作権や特許に抵触していないという、言わば「おすみ付き」をいただこうという,あまり前例のない提訴だ.
 Quorumの今回の動きに同調するAppleのサードパーティも多い.Appleはやりすぎだというのが多くの見解.また,次期商品である「Quorum Equal」を潰すことがAppleの本当の狙いだとする意見もある.EqualではMacアプリケーションがそのままUNIX上で動作可能になると言われているからだ。ちなみに今回のQuorumの提訴も,Microsoft,HPのケースと同様,Vaughn Walker判事が審理にあたると見られている.

■今年のMacintoshの新製品群
 今月は,Apple社の「Worldwide Developers Conference」がサンノゼ市のコンベンションセンターで開かれてApple周辺の開発者はかなり盛り上がった.筆者は残念ながら参加できなかったが,今年以降のMacのラインアップやPowerPCにまつわるプレゼンテーションなどがあったもようで,例によってSculleyが,いろいろとぶちあげたらしい。ここではコンファレンスで発表されたAppleの新製品に関してまとめておく.
★PowerBookの新モデル
 PowerBookは最近のAppleの新製品の中でもかなりのヒット商品だ,どれも全然問題がないわけではないが,それでもいままでノートブックタイプがなかったMacだけに売り上げにはかなり貢献している.成功作か失敗作かと言われれば,成功作であることは間違いない.そのPowerBookに今年の後半あたりに新モデルが追加されそうだ.
 新モデルでは,16階調バックライト付きの画面で,8ビットのカラー出力端子が付く.140および170の上位機種あるいはそれらの後継になる.カラー出力ポートの不在などは,そもそもPowerBook発表の時から指摘されていたもので、ここにきてようやくAppleからの前向きな回答が得られたかたちだ。
 また,PowerBookカラーバージョンも、やっと来年には発表されそうだ。ただしDOS系のマシンでは,すでに各社ともノート型に必ずカラーバージョンを取り揃えている.そもそもノートブックを出すのが遅かったとはいえ,カラーノートに関してはDOS系マシンに比べて2年ほど遅れている計算になる.

  ★CD-ROM Mac
 PowerBookのアップグレードとともに,中位モデルにCD-ROMを標準で搭載したMacも今年秋頃には発表される.CD-ROMは、何も標準で搭載しなくてもMacの場合インストールが難しいわけではなく(これは今年の初めに行なわれたMacWorldEXPOでも証明済みのはず)現状の外部ユニットでも十分に間に合っているのだが、この製品はMPCをターゲットにした戦略製品、つまりは政治商品の色彩が濃い。
 まあ,CD-ROMの標準搭載で見てくれが多少良くなり、価格的にも安ければ問題はないのだが,「CD-ROM攻勢をかける時期に来た」とはちょっと大げさかもしれない.

★Classic IIカラー
 今年の秋にはもうひとつ新モデルが出てくるかもしれない.Classic IIカラーがそれだ.16MHz030搭載で,1500ドル程度の価格になる予定.カラーは結構だが,Classic IIのようなコンパクトモデルにカラーを搭載してもあまり意味がないかもしれない.カラー出力さえできれば内部にカラーモニタを付けなくても結構だとの意見も多い.MacがTOWNSのようになってしまったらみもふたもない.
■PDA=Sculley
 先月号でも述べたように,5月29日にシカゴで開催されるコンシューマエレクトロニクスショーでAppleが現在開発中のPDAを発表する(製品の詳細はレポートを参照のこと).
 PDAは「Personal DegitalAssistant」あるいは「Intelligent Assistant」,または開発コードネームで「Newton」と呼ばれているもので,コンピュータというよりはむしろコンシューマ製品として開発が進められているものだ.
 ペンあるいは手で入力し,アドレス帳,スケジュール管理,ホワイトボード,メールなどのアプレット(アプリケーション)を標準で搭載。サードパーティなどで開発されるアプレットはメモリカード(PCMCIA)で供給されるなど,どちらかと言えばシャープのWizardあるいはその手の電子手帳に近い.ただし,筆者はアドレス帳やスケジュール管理など一般的な意味での電子手帳の機能にはあまり興味を持っていないが、メールやホワイトボードなど大げさに言えばそのネットワーク機能に特に注目している.うまくいくと、特に会社内でのコミュニケーションの革新になるかもしれないからだ.
 機能的な問題はとにかく,PDAはApple初のコンシューマ製品と言うことで、ここシリコンバレーでも大きな話題になっている.「Appleにコンシューマ製品をハンドリングできるはずはない」とか「今後Appleがさらに大きく躍進するためにはぜひとも必要だ」「いやあれはSculleyの道楽」などと早くも賛否両論が渦巻いている.
 この中でも議論の中心はやはり,Appleでこの手のコンシューマタイプの製品がハンドリングできるかという点.日本的な感覚からいくと,コンピュータメーカーがコンシューマっぽい製品を作っても何もおかしくはない.日本メーカーはほとんどがもともとコンシューマ企業でもあり,それほど違和感はない.
 ところが,米国では若干様子が異なってくる.いくらPDAにはコンピュータとしてのエッセンスが入っているとは言え,Appleはあくまでコンピュータ企業であって,そもそもコンシューマ製品を開発したり販売するようにはできていないからだ。
 コンシューマにはコンシューマ企業が存在する.米国の企業のセグメント化は,ほとんど不文律の感じがあり,多くは企業ポリシーの違いに起因する点も大きい.その業種の中で最高の効率と利益をあげることが企業の最終目的なのだ。そのために企業は各専門分野に分かれる.なにせ限られたリソースのなかで最大限の利益をあげなければ株主から何を言われるか分からないし,社長の首でさえ簡単に飛んでしまう.組織もまたそのような目的を達成するためにオーガナイズされているのが普通で、ほかに回す余裕はまずないと言ってよい。
 販売チャネルひとつとってみても、新規に市場を開拓するためには膨大な資金と時間が必要となる.失敗すれば「いい勉強になった」だけではすまされないものがある.米国で、いままで自分がテリトリーとしてきた業種以外に手をのばすことはかなりリスキーなことだと考えられているのはこのためで,PDAにしてもその点が懸念されているのだ.ある程度の成功では決して株主総会を乗り切ることはできないし、やるからには新規参入分野でも旧分野以上の成績を残さないと失敗とされる.
 もうひとつは,この製品が「Sculleyにとって初めての製品」であること.現在のAppleの主力商品であるMacはそもそもSteven Jobsの継承にすぎず,マーケティングでいかに成功しようとSculleyの製品ではない.このところSculleyは,そのほとんどの業務をSpindlerに渡して,自らはCTO(Chief Technical Officer)という肩書きでAppleの将来製品を指導してきた.この,PDAはSculleyが自ら指導してきた初めての製品であり、本人も「PDAにAppleの将来がかかっている」とかなりの熱の入れよう。その意味でSculley自身が世に問われる初めての製品である.ちょっと加熱気味のPDA論議は,Sculleyその人に対する論議であると言ってもよい。
 もちろん,Sculleyとしてもかなり慎重にことを運んでいる.日本のシャープと提携して製造を一手にまかせるのも,Appleではこの手のコンシューマ製品の製造のノウハウはないことをSculley自身が十分に認識しているからだ.また,今度の発表から実際の販売開始(来年1月とされている)まで約半年の期間を設けているのも,販売チャネルの開拓や製品のプロモーションに十分に時間をかけて行ないたいからだという.いずれにせよ,Appleは21世紀に向かって変貌しようとしている.PDAはその最初の製品となるはずだ.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)

 日本と米国の企業文化の違いには気が付かなかった。日本の企業は特化せずなんでも作っていた。米国ではそうではないのか。不思議なものだ。株主が強いからか。

AppleのNewtonの記事をスクラップする。
AppleComputerが個人向け情報機器「Newton」を公開
 米Apple Computer社は5月29日米国Illinois州Chicagoで開催された夏期のCES(Consumer Electronics Show)に合わせて同地でイベントを開催、個人向け情報機器「Newton」を公開した.「Newton」は,同社がPDA(Personal Digital Assistants)と呼ぶ新しい商品系統のひとつに位置付けられる.また,新たに組織されたApple P.I.E.(Personal Interactive Electronics)事業部の最初の製品でもある.
 「Newton Intelligence」と呼ばれるコアテクノロジーは,単なるツール(道具)としてではなく,インテリジェントなアシスタントとして機能することを目的としたもの.Capture(テキスト,グラフィックを取り込む能力),Organize(アドレスやスケジュールなどの関連情報を連携して取り扱う能力)Communication(ファクシミリやMacなどとデータをやり取りする能力)の3つを基本コンセプトにしている.
 今回公開されたのは「Newton Intelligence」を利用した最初の製品となる電子手帳型のモデル。細かいスペックは明らかにされていないが,大きさはバイブルサイズのシステム手帳をやや縦長にした程度.厚さは1インチに満たない.CPUはAdvanced RISC Machines社のRISCチップ「ARM 610」を採用し,メモリは標準で2Mbytesを搭載,最大20Mbytesまで拡張できる.省電力設計CPUの採用により,内蔵バッリで長時間のオペレーションが可能.また,ICカードも利用できるという.
 上蓋を上方に開いて背面にまわすと,前面に3×5インチのLCDパネルが現われる.操作はすべて,ペンによって行なわれる.画面の手前側には数個のアイコンが並び、基本的なサービスはそのアイコンをクリック(ペンタッチ)することでポップアップするアイコン群から呼び出せる.
 LCDのワークスペースへのテキスト入力は手書き認識で,枠や基準線などの入力フィールドを必要としない完全なフリーハンドでの入力が可能.入力した文字はその場で認識(清書)され,テキストに変換される.さらに書き手のクセを学習し,高い認識率を得ている.グラフィックも,フリーハンドによる入力をQuickDrawのObjectのようなものに変換し、それを自由に保存や加工できる.また,単なる絵柄だけではなく地図のような意味をなすものも扱える.
 メモやスケジューラなどの各種機能はコマンドによらず,入力された手書きの言葉からNewtonが自動的に判断し,適当な処理が行なえる.たとえば“FAX to Bob"と入力されたら,NewtonはアドレスブックからBobのファクシミリ番号を調べてフォームを作成し,送信までしてくれる.また“Lunch with Ann Friday"と書けば,Lunchが通常は正午に行なわれること,Fridayが多分今週の金曜日であることを推測し,スケジューラに登録してもよいか確認を求めてくる,といった具合だ。会場のデモでは,Newtonの開発に当たったマーケティング担当のMichel Tchao氏とソフトウェアエンジニアのSteve Capper氏が登場.ピザのドウにペパロニやピクルスなどをドラッグしてトッピングしたイメージをPizza Deliveryにファクシミリオーダーしてみせた。
 通信機能は有線・無線の両方に対応でき,Newton同士ばかりでなく通常の電子メールの受信も可能という.
  なお,Apple社はNewton Intelligenceの普及のために各社にライセンスを供与し、独自のNewtonマシンの開発を推奨していくという.国内ではシャープがライセンスを受けて自社製品の開発にNewtonを利用するほか,Apple社との提携下でNewton関連製品の開発と生産を行なう.
 出荷は英語版が'93年1月の予定。価格は未定だが,1000ドル前後になるという.日本では,シャープのブランドでローカライズ版がリリースされる.


ASCII1992(07)b16写真1_AppleがNewtonを公開293.jpg
ASCII1992(07)b16写真2AppleがNewtonを公開_W333.jpg
ASCII1992(07)b16写真3_AppleがNewtonを公開W300.jpg
 「Advanced RISC Machines社」 ARMはこの頃既に携帯端末に採用されるCPUを製造していたのか。大きい会社になったものだ。素人には全く想像できなかった。
 それにしてもAppleはやっぱり凄い。記事を読むとiPhone並みにヒットしてもいいと思うのにどうしたもんだか。ヒットした記憶がない。持っている知人もいなかった。

「Miscellaneous」をスクラップする。
Miscellaneous:behind the news
■Computer BowlはカルトQの世界
 5月1日にBostonで開催された第4回Computer Bowlで,西軍が320対240のスコアで「Computer Masters of the Universe」のタイトルを勝ち取った.Computer Bowlのトロフィーは,西軍が主催する第5回の試合が行なわれる来年の4月まで西海岸に置かれる.
 さて,このお祭りだが,主催はおなじみ米国計算機学会(ACM)Boston Computer Museum,AppleとDEC援,各コンピュータ関連企業が協賛.選手はAdobeのWarnockをはじめとする大物10人で,審査員はMicrosoft社のBill Gatesである.
 対戦の結果,西軍のMVPはJeff Kalb氏,東軍はDavid Nelson博士となった(テレビでも放送されたようだ)問題を10問ばかり見てみよう.
(1)IBMはかつてModel5150という機種を販売していたが一般には何と呼ばれていたか?
(2)最初のマイクロコンピュータゲームEncounterが登場したのは1975年だが,販売メディアは,フロッピーディスク,カセットテープ,紙テープのうちどれか?
(3)Mattelの不運なホームコンピュータの名前は?
(4)「Pocket Calculator?」という曲をレコーディングしたのは,Beatles,Kraftwerk,Tod Rungrenのうち誰?
(5)1979年のWestCoast Computer Faireに登場した最初のAppleクローンの名前は?
(6)Steve Wozniakが学位を受けたのは以下のうちどこ?Stanford, Berkeley, Colorado
(7)かつてApple社は,AppleIIの基板上のICのソケット挿入を確実にするためにある行動をユーザーに求めたが,それは何だったか? (8)John McAffeeの本「Computer Viruses」では,最初にコンピュータウイルスに感染したコンピュータは何?Xerox 530,PDP-11,IBM 360
(9)最初のリアルタイムコンピュータは以下のうちどれか.Whirlwind, Univac418, DEC PDP-8, IBM 701
(10)Jean Louis-Gasseeは,Macの現在のFinderのもとになったソフトを開発中に何と呼んでいたか?Searcher, Flounder, Seeker
 Apple社に関連した問題が多いようだが,みなさんはいくつ解けただろうか(答えは最後に).

■Ross Perotとは
 コンピュータ業界の立て役者Ross Perot氏が,無所属で大統領選挙に出るというが,パソコンユーザーが強力な支持基盤になりそうだ.Prodigyが加入者3万人を対象として行なった世論調査では,テキサス州出身の彼がだんとつの得票数を集めた.
 Prodigyの加入者は「もし今日選挙が行なわれるとしたら誰に投票するか?」との問いに対して,36%がRoss Perotと答えたという.2位はGeorge Bushで28%,民主党のBill Clintonは10%だった.この後,ロス暴動の影響か,Bush支持者もPerot氏へ流れ,カリフォルニア州での支持率は他者を抜いて1位となり、その後の全国調査でもついに1位となった.
 Perot氏は,'30年生まれで,軍役後,157年からIBMでData Processingのセールスマンとして働いた後,1962年に妻の貯金1000ドルを元手にElectronic Data Systems社をDallasで設立して、見事に成長させた.'79年には,イランで人質になったEDSの社員を私設特殊部隊を指揮して救出に成功し小説や映画の主人公となる.
 '84年にGeneral Motorsに25億ドルでEDSを売却.その一部をGM株1140万株として受け取り同社の重役となる.しかし,GM経営陣の非効率さを批判したため,GM会長のRoger Smithにけむたがれ,'86年12月に追放.EDS会長の座も失ったが,'87年のForbs長者番付では資産29億ドルで3位の座を占める.'88年にPerot Systems社を起こし,データ処理会社として成功を収め、現在はPerot Groupの総裁である.
 こうして見ると,裸一貫から,コンピュータで成り上がった人だから,パソ通ユーザーに親しみが持たれるのも分かる.Silicon Valleyでは,早くから「Perot氏を大統領に」という記事が出ていたようで,副大統領候補としてSteven Jobsはどうかという話まである.Perot氏は1億ドル近い資金を投入する模様で,Bush氏が集めた選挙資金が1000万ドルというからこの後どんな派手なことが起こるか目が離せない。

■Appleは負けない
 先月報じたように,MSのWindows 2.03とHPのNewWaveがMacのGUIをコピーしたとするAppleの申し立ての大部分は却下されたが,Appleは55億ドルの損害賠償をあくまでも追及する構えだ.しかし,アナリストらはこの著作権裁判のなりゆきに疑問を持ち始めている.
 判事が裁判における争点を事実上狭めたことをApple側も認めたが,Apple側弁護人は「Macのインターフェイスは著作権として保護されるべきで,GUIの外見を総合的にコピーしているMSとHPがライセンスの範囲を越えている事実を証明したい」と語っている.
 以前から被告側は,'85年に交わされたライセンス契約でカバーされているので著作権の侵害はないと主張しているのだが,Apple側弁護人は「1985年に供与されたライセンスにかかわらず,Appleは自社製品の総合的な外見が保護されるべきだと確信しており,裁判所が陪審にその判定を委ねることを期待している」と語る.Appleは、今後の裁判では裁定の再考をも求めるつもりらしい。
 コンピュータ特許を扱っている弁護士は,この裁定が上告後も支持されれば,将来GUIの裁判が非常に厄介になると語る.「多くの人々が著作権保護の限界を見極めようとしてこの裁判に関心を寄せている」という.
 そんな中,米国議会のOffice of Technology Assessmentは,ソフトウェアの著作権保護問題に関して,詩や小説といった創作物と別に扱うべきかどうかを討議している.
 OTAはこの問題に2年ほど前から取り組んでいるが,いまだにこの2種類の作品をうまく扱う解決策を見いだせずにいる.今週,OTAは議会に対して,経済性もライフスパンもまったく異なる「ソフトウェア」と「文学作品」に同じ基準を当てはめようとして,裁判所が苦労していることを伝えた.著作権は作者の死後50年間維持されるが,コンピュータのソフトはそのはるか以前に時代遅れになってしまう。映画は50年経っても見続けられるが,ソフトウェアが利用されるのはほんの数年間だ.
 OTAは、プログラムを記述している言語で著作権を制限するか,ソフトウェアに著作権の概念を当てはめることをやめて別の法律を施行する提案もしている.

■デジタル文学賞
 Disktop Publishing Associationは,優秀な電子出版物の刊行を促進するため「Digital Quill賞」を発表した.
 対象となるのは,コンピュータで読めるデジタルのテキストで,コンピュータで作成されたもの.ASCIIコードのプレーンなテキストから,マシンに依存するような複雑なハイパーテキストの出版物にいたるまでが賞の対象になっている.
 標準的な刊行物(フィクション,ノンフィクションの雑誌やニュースレターなど)やオリジナルフィクション(最低5万語以上のもの)ノンフィクション(3万5000語以上)短編物(1000語以上),ノンフィクション記事(1500語以上),そしてソフトなども対象に含まれている。
 それぞれの分野から上位3位までを選考する.提出はディスクかモデム経由で,6月30日まで受け付けている.

■ソフトウェアトランスレータとは
 噂によると,AppleはAT&TのBell研究所が開発した,「任意のコンピュータ機種のソフトウェアを他機種でも使用できるように翻訳する技術」を取り入れる予定という.Bell研との話し合いを行なったAppleの役員は,さまざまな調査を行なった中でもこの技術には非常に印象付けられたと語っている.
 この技術は「FlashPort」と呼ばれるものだが,昨年結ばれたIBMとの提携によって開発中のPowerPCチップを搭載した次世代パソコンのため,AppleはソフトメーカーにMac用に書かれたソフトを新型マシンで動作するように翻訳してもらうため使用するつもりらしい。
 FlashPortは最近AT&TからスピンオフしたEcho Logicと呼ばれる会社が提供しており,AppleはPowerPC発表時には100タイトル程度のソフトが手に入るようにしたいのだという。
 Appleによれば,PowerPC用に翻訳されたソフトは,少なくともMac同様の機能を実現するが,拡張機能は利用できない.もちろんこれらの拡張機能を使用するためには,PowerPCマシン専用のプログラムを書かなければならない.Mac用ソフトをそのまま走らせる方法も開発中だというが,Macをエミュレートする方法では翻訳処理を受けたソフトよりも実行速度が遅くなるのは否めない。結局GUIが同じだけの違うマシンということか.
 さて,Computer Bowlの答えは以下のとおり。(1)1981年に発表されたIBM PC. (2)紙テープ (3)Intellivision (4)Kraftwerk, (5)Orange, (6)Berkeley, (7)コンピュータを30センチの高さから平面上に落とす, (8)Xerox 530, (9)Whirlwind,(10)Flounder(「もがくあがく」または「ひらめ」の意味).


ASCII1992(07)b21Miscellaneous写真1_W520.jpg
 昔あったカルトクイズという分野懐かしい。もちろん私は全く歯が立たなかった。

nice!(0)  コメント(0)