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ハビタット、FMR-CARD(月刊ASCII 1991年9月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

私がメタバースなんて新しいものではない。セカンドライフの焼き直しどころか、その起源は30年も前のハビタットにある。全然進歩していないと言っているがそのハビタットの記事が長期ロードテストにあった。以下スクラップする。

前回までのあらすじ
 「富士通Habitat」は,NIFTY-Serveの通信網を利用して行なうビジュアルパソコン通信。ポピュロポリスという街の住人になって,街を探索したり、出会った人とおしゃべりをしたり、イベントに参加したりして「もう1人の自分の人生を楽しむ」というものだ。アクセスできるコンピュータは,FMTOWNS(以下TOWNSと略)だけそこで私もHabitat国の住人になってポピュロポリスをのぞいてみることにした.
 必要なものはパソコン通信のできる環境とNIFTY-ServeのID,専用ソフトの「富士通Habitat(V2.1L11)」(写真1)だ。ソフトのパッケージの中には,チュートリアルディスクが入っているので,まずこれで概要を把握。次に各種の設定を行なって(画面1),あとはアクセスあるのみ。ちなみにハンドルネームは“しおりあん”です.よろしく.


ASCII1991(09)k17ハビタット写真1画面1_W342.jpg
6月10日 あっという間の30分
 ソフトを起動して「富士通Habitatへ」をクリックすると,設定したアクセスポイントへ自動的に電話をかけてくれる.接続に成功すると最初のリージョン(=移動できる範囲の画面)が表示された(画面2)ここは私のターフ(=部屋).外へ出るまでにちょっとコマンドなどの復習をしてみよう.
 入ったばかりのときはいつもゴーストという状態になっているので,まず“デゴースト”してアバタに戻る。アバタとはHabitatの中の人物のこと.いろいろな操作はすべてマウスを使って,画面右側に並んだファンクションコマンドやリージョン内に表示されるマウスコマンドで行なう.移動するときは,移動したい場所にマウスを持ってきて左ボタンを押しながら"GO",椅子に座りたいときは,椅子を指して“DO”.マウスコマンドで,GET,DO,HLP(help),WSP(whisper),GO,PUTの6つのコマンドが使えるのだが,これですべての動作ができてしまうのだから不思議だ(画面3).残念ながら,左上にある窓を“DO"しても窓を開けることはできなかった.

ASCII1991(09)k18ハビタット画面2-3_W325.jpg
 ドアをDOして外へ出た。画面を移ることをリージョンチェンジといい,そのときだけ音楽が入る(5秒ほど).実際,音が出るのはリージョンチェンジのときだけのようで少々淋しい.Habitatの世界は,360個のリージョンで構成されているそうだ。行けない方向もあるが,上下左右のリージョンにどんどん移動できる.
 とりあえず,自分の住所だけは覚えて,手当たり次第に歩いていった.少し行ったところに町内の掲示板があったので,自己紹介を一言書き込む.……ところで歩けど歩けど全然人に会わない.いろいろな店が点在しているのだが、入っても誰もいない。どうやら物を売る店は,みんな自動販売機のようだ。喫茶店に入っても人はなし。何か不気味だなあ。つまらない。そのうえ,さまよい歩いたすえに入ったヘッドショップ(頭を売る店)で,操作を間違えて不要なヘッドを買ってしまった。取り消しはできず,何とこれが140トークン(トークンは通貨単位).あと手持ちは80トークンしかない.ああ、いきなり貧乏だ.
 この国の住人には、最初に200トークン,1日アクセスするごとに20トークンが支給されることになっている.もっとお金持ちになるために商売をしているアバタもいるとか.おーい,そんな人はどこにいるんだ?
 ここはどこ?何か楽しいことはないの?とうろうろしているうちに30分が過ぎて,今日は面白くも何ともなかった.無駄遣いしてしまったし。テレポートブレースを探し回ってようやく見つけ,唯一の公共交通機関であるテレポート(運賃は2トークン)で私の住む第一居住区,パールマンションへ戻ってきた.

6月13日 マップをウンロードする
 チュートリアルの練習だけでは心もとないし,情報不足であることが前回のアクセスで分かった.たとえば,掲示板などで利用するエディタの操作方法は,通信上で練習するしかないのだ.遊びつつ慣れるしかないのか.ソフトに付属する地図(鳥瞰図)は大まかすぎてあまり参考にならないし,ガイドブックにも必要最低限のことしか書いていないので,最初はいろいろと人に教えてもらうのが得策のようだ。
 今日はNIFTY-ServeのTOWNSフォーラムに何か情報がないか見てみた.TOWNSフォーラムは2つのフォーラムから構成されていて,その1つはビジュアル通信(Habitatの話題が大半)専用のフォーラムになっている.
 電子会議室の「FreeTalk・ポピュロポリス」では,会員同士の連絡や会員企画のイベントのお知らせ,Habitatの世界のできごとや情報を書いた新聞などがポストされていた。ただ同じような掲示板機能がHabitatの中にもあるせいか,それほどメッセージがいっぱい書かれているわけではない.「データライブラリ」も量的には多くなかった(結局,TOWNSユーザーでしかもHabitatをしている人しか関係ないもんね)。
 さて,ライブラリでお目当てのマップをダウンロードした.Habitatの中を探索してマップを自分で作っていくのも楽しいだろうが,今はその余裕はない。これで少しは行動範囲が広がるかな.

7月1日 久しぶりにアクセス
 一度やって気落ちしてから,しばらく休んでしまっていたのだが,今日はマップ(千里氏作)を持って再度アクセス.リージョンを1つずつ確認するように歩いて,アバタが最も集まるという「オラクルの泉」まで行った。そうしたら4人ものアバタがいて,初めて人に出会って少々緊張した.
 キーボードから打ち込んだメッセージは,自分のいる位置の上に吹き出しのようにして表示される(画面4)そこにいたアバタに質問ぜめをしてしまったが,親切に答えてくれた.初心者が主にやることは,スプレーを買って服の色を変えるとか,ヘッドを変えるとかだそうだ。私はまったくノーマルなヘッドをつけているが,みんなそれぞれにいろんなヘッドをつけていて面白い。毎日取り替えたりするんだろうか.


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 「株を買いません?」とのお誘いに,お金がないので丁重にお断わりした.このオラクルの泉がやはり一番人気の場所のようで,ひっきりなしにアバタがやってくる。1つのリージョンに同時に表示されるアバタは6人まで,入りきれないとゴースト状態になって見ているだけになる。ゴーストさんもけっこういて、にぎやかなひとときだった.
 30分は短すぎる.

7月3日 もうかっちゃった
 どうも最近は,建国当時ほどさかんにイベントが行なわれていない模様。どこへ行けば盛り上がっているんだろう?今日は何か面白いものでも買ってみようと、マジックショップへ入っていった。すると,今私がつけてるのと同じヘッドがショップの中に落ちているではないか。これは交番に届けるべきか……と思いつつもポケットにしまって、誰かに話してみようとオラクルの泉へ行った.
 「拾ったんですけど,どうしましょ?」「私にちょうだい!」「1トークンで売って!」「金をくれー」という皆さんの反応に,これは我がものにしてもいいんだと納得(つまりねこばばだ)。そこで,関西人らしくその場で商売することにした。基本のヘッド価格(50トークン)よりも高く55トークンで売却。買ってくれたぶるるさん,ありがとう.
 というわけでラッキーな今日は,サービス終了時間(午前3時)まで1時間45分もアクセスしてしまった。1回30分という方針を前回決めたが,それを遂行するのはちょっと難しい。また,公園や迷いの森,迷宮のような神殿などがあって,1人で散策するのも面白いと思うようになった。「昔はばんばんシステムがダウンした」という話から察すれば,今はいたって安定したサービスが行なわれているといえる。あとはもっと住人が増えれば…….少々おたくノリ日記は来月号に続<.   (増田)


 メタバースの基本形は30年以上も前のハビタットにある。

長期ロードテストにFMR-CARD(FMR-NBC1B)が登場した。
ASCII1991(09)k13FMR-CARD写真1_W452.jpg
FMR-CARDは単三乾電池2本で動くというとんでもない機体だった。残念ながら動いているところは見たことがなかったが、こうしてスクラップして楽しむ。
ノートとは根本的に違う
 本誌の大きさはA4判の変型(俗に「アスキーサイズ」という!),厚さは'91年7月号で13mm重さは約1kgである.FMR-CARDは,ほぼ同じA4サイズ,重さは本誌よりも軽い990gである。持った感触では,FMR-CARDのほうが剛性が高いためか、実際の重量差よりもかなり軽いように感じてしまう.
 読者の方々から「FMR-CARDをぜひ長期ロードテストに」というお便りを何通もいただいていた。パーソナルコンピュータのひとつの目標点は,
個人といつも一緒にあって,その人の能力を増幅する
ということである.つまり,小さく,携帯して歩けることが,条件になるはずだ.その意味で,FMR-CARDは,文字どおり「個人のコンピュータ」を求めるユーザーには,気になる存在だったのだろう.
 486や68040などのパワフルなCPU,MacintoshやMS-Windowsの優れたユーザーインターフェイス,より表現力の高いサウンドやビジュアルの環境いずれも目をみはるものがあるが,小さいマシンが提供する「いつでも開いて使える」というファンクションに比べれば,取るに足らないものという見方だってできる.より優れた環境を求めていくことももちろん重要だが,安定したMS-DOSの世界で,パーソナルコンピュータの目標点をめざすのもひとつの方向だろう.


「個人といつも一緒にあって,その人の能力を増幅する」

同意する。昔FMR-CARDよりはるかに重いダイナブックを「私の外部記憶だ!」と知人に言ってネットワーカーと会うときは必ず持っていった。パソコンが一人一台ではなかった時代私の職場の机にはダイナブックが常に置いてあり、家に持ち帰るのは土日等の休日だけだった。家に帰ればPC-9801VX2があったのでこの当時流石に2台同時には使えなかった。今でこそ複数台を同時に使っているが当時は無理だった。
スマホとか無い時代軽いパソコンは私にとって重要度が高かった。
1kgは臨界点ではないか
 テスト担当者は,'89年7月に東芝がJ-3100SS,いわゆる初代DynaBookを発売してから1年余りの間これを使ってきた。この間,PC-286NOT Eexecutive(発表はこちらのほうが早かったのだが発売はDynaBookのほうが先である),その後,PC-286NOTE F,MAXYNOTE286,J-3100SX021,PC-386NOTE Aをそれぞれ数週間から数カ月ずつ試用してきた.現在は,IBMのPS/55noteの環境をいじっている。いわばノートパソコンのマニアである.
 FMR-CARDは,まだ使い始めてちょうど1週間というところではあるが,明確に,これら「ノートマシンとは違うものである」と感じている.
 その秘密はなんといっても,コンパクトさと軽さだろう。担当が試用させてもらってきたノートパソコンでは,最も軽いMAXYNOTE286でもA4レターサイズで2kg,他のマシンはA4ファイルサイズで重いものは3kgにもなる。特に重量ではFMR-CARDとMAXYNOTE286とPC-386NOTE Aの比率が,実に明快に1:2:3になる!
 正直なところ三菱のMAXYNOTE286(シャープのAll in Noteと同じ内容のマシン)は,携帯して歩けるマシンとしては,かなり高い完成度だった.このマシンは,米国ではシャープがPC-6220,TIがTravelMate2000というほぼ同等のスペックのマシンを出荷しており,人気モデルになっている。バックライト付きで大きな640×480ドットの液晶ディスプレイ,ハードディスク内蔵,メモリカードやモデムを本体内に増設可能など,おまけにAXながらDOS/Vもなんとか起動できるという噂もあり、いまでもテストマシンとしてそちらを選んでもよかったかなと思ったりするほどである.
 FMR-CARDをテストマシンに選んだ理由を整理してみると次のようになる。
1.重量1kgという軽さ,本体のコンパクトさは,携帯して歩ける範囲のものだ.これは,体で判断するしかないのだが,フル装備の一眼レフカメラや教科書2~3冊とノートくらいの重さである.
2.編集部では,PC-9801DA/U7を仕事に使用しているので,これとFMRのアーキテクチャは異なる.セカンドマシンとしては,当然のことながら同じアーキテクチャが望ましいが,データレベルでの互換性は確保される.
3.バッテリ駆動時間が8時間(カタログスペック)と,一連のノートパソコンに比べると格段に長い.ACアダプタと入手しやすい単三乾電池2本で使える.
4.ブラインドタッチ可能なキーボードである.ストロークはかなり浅いが,高効率な日本語入力が可能な親指シフトキーボードモデルがある.
 軽さと大きさについては,参考までに図1に,主なノートパソコンとFMR-CARDについてグラフにしてみた。電池駆動時間は,富士通が70%の株を所有する米PogetComputer社のPoqetPCにはおよばないが,1時間2時間の範囲で気を使っていた従来のノートパソコンとはまったく別次元だ.
 フロッピーディスクドライブがないことが気になるという向きもあるかもしれないが,外付けや後述のNB-LINKで対処できると考えた.


ASCII1991(09)k14FMR-CARD図1_W520.jpg
1分間に150字は入力したい
 携帯できるマシンとして問題になりやすいのが,キーボードである.コンピュータのほとんどの部分は、おおむね小さくなればそれだけ好ましいのだが,人間が見る部分や直接触る部分は,そう簡単ではない.マシンが小さくなればその分,ディスプレイやキーボードに割り当てられる面積や厚さは小さくなってしまう.
 FMR-CARDの液晶は、いまでは少数派になった反射型のSTN液晶であるうえに画面の対角線が7.5インチと,かなり小さめなのだが,思ったよりコントラストが確保されていると感じた.キーボードは,この重さのマシンとしては,ちゃんとしている部類と評価できる。PC-98HAなどのキーボードは,キートップが異常に小さく,使うのにコツが必要だ。ソニーのPalmTopや京セラのRefaloなどのタッチペンによる操作環境もスマートではあるが,データのビュアとしてやあらかじめ決めたアプリケーションの実行だけを考えた環境と考えたほうがよいだろう.
 個人といつも一緒にあって,その人の能力を増幅するマシンとしては,コンピュータとの活発な対話が必要になる.現在のところ最も確実で、柔軟性があり、かなり高速なコンピュータへの意志の伝達手段は「キーボード」にほかならないのだ。簡単な計測を行なったところ,担当が連続して入力すると1分間に150字程度のペースでかな漢字交じり文の入力をすることが分かった.FMR-CARDのキーボードは,ストロークがかなり浅く,ガサガサした印象だが,サイズや親指シフト配列のおかげで,これに近いペースで入力できるのではないかと思われる.

2ndマシンは少ない投資で
 さて,FMR-CARDをセカンドマシン(サードマシン?)として使うことに決めたはいいが,具体的なシステム構成を考えなければならない。少し触れたように,FMR-CARDは,フロッピードライブを内蔵していなかったり,そのくせ内蔵RAMドライブ(不揮発)が,28Kbytesと極端に小さい。一応128KbytesのICカードが1枚付属するのだが,エディタ1本入れて使うにも心もとないサイズである.
 パンフレットには,「ICカードのバックアップ用に外付けフロッピードライブをぜひご使用ください」と,わざわざ書いてある。やはり,外付けフロッピードライブがないと、かなり厳しい環境になるのか?というわけだが,ここは天野邪鬼に外付けフロッピードライブは(少なくとも最初からは)買わないことにして,デスクトップマシンがすでにある担当としては,NB-LINKに頼ってみることにした.NB-LINKは,デスクトップマシンなどとケーブルで接続して相手のドライブを容易にアクセスできるようにするソフトウェアであり,FMR用のほかPC-9801用も発売されている.
 6月26日の金曜日,別冊アスキー編集部の根岸,三尾,ネットワーカー編集部の矢作と一緒という賑やかな顔ぶれで,秋葉原に向かった.
 最初に入ったのが大型専門店.出かける前には知らなかったのだが「'91富士通電脳夏祭り」というキャンペーン期間中で,例のNB-LINK98というソフトとケーブルがもれなくプレゼントされることが分かった.ソフトだけで,1万5000円の品物である.ここでの売り値は,21万円とのことだった。次に入ったのが安売りで有名な某店である。ここではなんと先のショップより数万円も安く売ってくれるという!ところが,どうしたことか例のキャンペーンのプレゼントはできないとのこと.それから何軒かのショップをたずね,結局,秋葉原駅前のラジオ会館にあるFMTOWNSとMacintoshを中心にディスプレイしたお店で,本体18万円,アイ・オー・データ機器の512KbytesのICカードを2万4000円で購入したのだった.
 購入したのは,この2つだけである.キャンペーンのプレゼントであるケーブルとNB-LINK98は登録葉書にシールを貼って出したので,間もなく届くことになるらしい。実は,できるだけお金をかけたくないというのもセカンドマシンの条件ではないかと思う.参考までに,FMR-CARDの周辺環境,オプションを表1に示す.

ソフトはどうする?
 ICカードを512Kbytesのものにしたのは,やはり純正の1Mbytesのものが8万円もするためだ。少し使ってみてもう1枚512Kbytesか,もっと安い1Mbytesのカードが出たら買い足せばいいと思った.FMR-CARDは,JEIDA Ver.4.0対応のカードスロットであり,この規格のカードは,今回購入したアイ・オー・データ機器以外からも,アスキー,エプソン,日立マクセル,三菱,パナソニック,日本ワークシステム,東芝,住友ベークライトなどから発売,または発売が予定されている.これには,1.5Mbytesや2Mbytesのカードも含まれている.
 実は,FMR-CARDでは,読み出し専用のICカードによるソフトの提供も特徴であり,Lotus1-2-3やアシストパックTypeA,All in ONE note,The CARD3,Microsoft Works,FM-OASYS,FM秘書,Multiplan+MS Chart(1枚に収録)などが用意されるという.追って,表計算ソフトなどをこのICカードソフトで揃えたいとは思うが,まずはワープロとしての使用を考え,付属の128Kbytesと購入した512KbytesのICカードにVZエディターをインストールして使おうと考えた.
 VZエディターは,ご存じのように高機能,低価格で人気の高いスクリーンエディタであり,これを日本語の入力編集に使用している人も多い。ちゃんとした日本語ワープロのような印刷イメージを意識した編集や美しい文書を作成、印刷するための機能はないが,単純にテキストを入力・編集するにはプログラムサイズも小さく便利である.テスト担当は,J-3100シリーズでずっとこのエディタを使用していた.知的な編集作業には正規表現が使えるMIFESが向いているという人もいるだろうが,一般的な使用ではこれで十分過ぎるほどの内容である。
 とはいうものの実は、このVZエディターには,FMR用というものがない.それではどうするのかというと,パソコン通信にVZエディターをFMRシリーズで使用できるようにするパッチというものがあるのだ。長期ロードテストとしては反則技くさいが,VZエディターは,以前購入してJ-3100SSで使用していたものがある.これにパッチを当てて,FMR用のVZエディターにしてしまおうというわけだ。
 ところで,FMR-CARDには,ROMにNB-TOOLというソフトウェアが搭載されており,これの通信ターミナルソフトを使って,VZの本体や各種ユーティリティを移したり,パソコン通信からVZをFMRで使えるようにするパッチをダウンロードしたりしたのだった。

VZのインストール
 一般のソフトウェアパッケージでは,ソフトウェアが改善されてバージョンが変わると,バージョンアップサービスなどの形で、新しいソフトを入手するようになっている.ところが,VZエディターでは,少なくとも小さな単位のバージョンアップについては,以前のバージョンとの違いが特別なファイルの形(パッチデータ)でパソコン通信などで提供されている.
 ユーザーが自分でパソコン通信からその情報をダウンロードして,いわゆるパッチを当ててやれば,最新のプログラムにできるのだ。たとえば,私の購入したときのバージョンは1.5であったが,現在市販されているバージョンは1.56である.この間のバージョンアップは、日経MIXやNIFTY-Serveからパッチデータをダウンロードして行なったものなのだ。実は,VZエディターをFMR-CARDで使えるようにするための作業も、これとほぼ同じ要領で行なえばよいのである.このパッチデータも現在のところ、パソコン通信で入手することができる(入手先をリストページに示す)。
 テスト担当は,NIFTY-ServeのFFMフォーラムから,パッチデータをダウンロードした。具体的なパッチの当て方は,図2のような手順で行なう.
 こうして,VZエディターがFMR-CARDで使えるようになった。その軽快なカーソルの動きやスクロールもそのままである.20行モードも使えるし独特の常駐モードも支障なく使用できるようだ.気になるのは1点だけ「カーソル行アンダーライン」(Du+)の機能だけが,どうしても働かないのだ。これは,FMRシリーズでもFMR-CARDだけの症状なのかどうか確認中である.
 ちなみに日本語入力環境だが,ROMで搭載しているOAKを使用している。パソコン通信の書き込みなどを見るとVJE-βを使用している人もいるようだが,なにぶん128+512KbytesのICカードしかない身としては,選択の余地がない.もっとも,このOAKは,かなりクセはあるものの素性がよいというか、慣れてくるとけっこう快適な入力ができるようになりそうだ.
 次号では,より具体的な利用レポートがお届けできるはずだ。まだ使い始めて間もないため大きな問題が生じていないだけかもしれないが,ほぼデスクトップに近い日本語の入力環境ができて快適である.    (遠藤)


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