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業界(月刊ASCII 1991年9月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

■再編成進む米ソフト業界,Borland/Ashton-Tate,Novell/DigitalResearch
 7月9日,米Borland International社と米Ashton-Tate社は,Borland社によるAshton-Tate社の吸収合併に向けて最終的な合意に達したと発表した。両社の重役陣が交わした合意書によると,Ashton-Tate社の株式所持者には、持株1株につき0.346以上0.398未満の割合でBoland社の株式が交付される.
 Borland社会長Philippe Kahn氏は,「この合併により我々はデータベースや表計算ソフトからグラフィックス,あるいはプログラミング言語までのさまざまなプラットフォームで利用できる全般的なソフトウェア製品を提供できるようになる」と語った.
 またAshton-Tate社のWilliam P.Lyons会長は,「Ashton-Tate社の広範なオペレーションとBorland社のオブジェクト指向の技術,両社が持つディストリビューションチャネルや製品ラインなどが補完しあい,顧客は利益を享受できる」と語った。
 TurboCなどで知られるBorland社は,PARADOXなどでデータベース市場の35%のシェアを持つ。一方Ashton-Tate社は,高名なdBASEシリーズでデータベース市場のシェアは40%に達している。この両社の合併は,データベース市場における巨人の誕生を意味する.合併手続きは両社の株主と必要な政府の承認を受けしだい進められ,今年末までに完了する見込みである.
 続いて17日,米Novell社と米Digital Research社が,Digital Research社をNovell社の完全子会社とすることで最終的に合意したと発表した。合意書によると,Digital Research社の株式は新たに発行されるNovell社の株式150万株と交換される.
 Novell社の社長RayNoorda氏は,「我々の戦略はデスクトップコンピュータ,ネットワーク,ホストコンピュータの統合をサポートした,より使いやすく強力なソフトウェアをユーザーと業界のパートナーに提供することにある.Digital Research社はこの戦略の重要な部分だ.DOS製品だけでなくマルチタスクやGUIといった将来へ向かうテクノロジーでリーダーシップをとれる才能に恵まれた組織を歓迎する」としている。
 またDigital Research社の社長Dick Wiliams氏は,「合併によって新しいマーケットだけでなく,販売やマーケティング,教育や消費者サポートまでが手に入る」と語った.
 Digital Research社は,8bitのOSで一時代を築いたCP/MやDR DOSの開発元.DR DOSは現在DOS市場の10~15%のシェアを占め,200以上のベンダーにOEM出荷されている.一方NetWareで知られるNovell社は,UNIX System VR4を開発したUNIX System Lab.の最大外部投資者でもある。
 この合併によりDOS,マルチタスク・リアルタイムOS技術を手にしたNovell社は,今後はDOS,UNIX,NetWare環境を統合するテクノロジー基盤を作り,加えてOS/2,Windows,Macなどの環境に適応したソフトの開発も続けるとしている。

 Borland社が単なるプログラミング言語の会社じゃなくなったのか。それにつけても相手がdBASEを作っていた会社とは。DOS時代の終焉といえる合併かもしれない。
 「DR DOSは現在DOS市場の10~15%のシェアを占め」そうだったのか。MS-DOS一色だと思っていた。そんなに使われたいたんだ。

ASCII EXPRESSの扉の写真
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「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
IBM/Appleの提携を分析する
 IBMとAppleの技術提携の話が,米国でも話題の中心になっている.最初は6月中ごろ,主にApple周辺から流れ出ていた噂話が,その後わずか1ヵ月であれよあれよという間に進展し、ついに両社によってレター・オブ・インテント(合意文書)を取り交わすというところまできてしまった。
 基本的には,両社共同で新しいOSを開発し,かつ,AppleがIBMのRS6000をベースにしたハイエンドMacを開発するというものだ。この合意はOSの面から見ると,Microsoft,CPUの面から見るとIntelを狙い撃ちしたものともいえ,そのまま実施されると,現在のMicrosoft+Intelによる事実上の独占状態に終止符を打つ.1990年代後半から2000年にかけてのPCの流れを直接決定するものだけに,業界へのインパクトは計りしれないものがある.

(1)プラットフォーム
 Intel社の86系,Motorola社の68000系およびIBM社のRS6000CPUベースのコンピュータ上で動作する,オブジェクト指向の新しいソフトウェアプラットフォームを開発する.これは,両社によって所有される新会社によって行なわれ、このプラットフォーム上では現在あるMac,AIX,OS/2上のアプリケーションも動作可能となる.
 これは,IBMとMicrosoftの蜜月時代の終焉を象徴するものとして注目される.最近のこの2社の関係は,一般に考えられているよりもはるかに冷えきっている.Windows,OS/2をめぐる両社の意見の食い違いに始まって,ACEをめぐるMicrosoftの独走はIBMにとっても悩みの種.
 この点は最近明らかにされた,例のBill Gatesのメモを見ても明らかだ.Gatesはこのメモの中で「IBM(のOS/2)が機能的にも低レベル(poor)な製品である今の段階で、開発者をWindowsのAPIに引き付けておかなければならない」と述べ,IBM版OS/2をこきおろし,Windows,OS/2 Ver.3.0路線を明確にしている。こうした中で,Appleは「PINK」と呼ばれる新しいOSの開発にすでに着手しており,このプロジェクトにIBMが乗っかった格好だ。
 IBMは,この「脱Microsoft」に関連した動きを早々と見せ始めた。7月9日にはMountainViewにあるMetaphorComputerSystem社の株式を100%買い取った.IBMとMetaphorはすでに2年前から共同でPINKに対抗するプロジェクトを走らせていたが,この買収でAppleのPINKプロジェクトと将来的に合体する可能性も出てきたわけだ.MetaphorはXeroxPARC出身のDavid E.Liddle,Donald Massaroらによって設立された会社.ともにPARC時代にはGUIの開発に深くかかわりMacやWindowsなどのGUIのいわば生みの親ともいえる存在だ。現在社員450名,昨年度の売り上げは6500万ドルで,社員のうち170人がIBMとのプロジェクトに関与しているという.
 ともあれ,新OSの開発で得をするのは,誰が見てもIBM.すでに述べたように,IBMはMicrosoftに対する依存度をできるだけ少なくできれば,今後の駆け引きを有利に展開できる.合意内容には,AIX,OS/2,Macのアプリケーションを実行できるプラットフォームとあるが,その中にはもちろんWindowsは入っていない.一方,「Apple社にとっては,IBMのマーケットに入り込める利点がある」と一般的には評価されているが,筆者はその逆であろうと思う。こうしたプラットフォームができるとMacの独立性がゆらぐことになり,Appleにとってはむしろマイナスとなるからだ。

(2)ネットワーク
 両社はIBMのメインフレームを含めたネットワーク環境内で,Macが直接使用可能なネットワーク製品を開発し、共同で販売を行なう。またApple社はAIX上でMac用のアプリケーションが動作可能となるよう,その拡張作業に協力する.
 これは,最も現実的な部分.Apple社にとっては,IBMの販売網,特にメインフレームを持った大企業に食い込める点は確かにありがたい.ただ,この部分はすでにサードパーティが接続を可能にしているので,ここで新たに宣言する必要もないかもしれない。特に注目されるのは,AIXでMacのアプリケーションが実行できるようになる点だ。これも,最初の項目と同様,IBMのAIXユーザーには絶対的に有利な話だが,AppleにとってはAIXでMacクローンが実現されるという危険な内容だ。
(3)PowerPC
 Apple社はIBMのRS6000をベースにしたワークステーションを開発する。このCPUのデザインを基に,Motorola社が生産を行なう.
 3つ目は,ある意味では最も注目されている,いわゆるPowerPCと呼ばれるものでの合意。読者もすでにご存じのように,現在ワークステーションレベルのCPU市場は,SunのSPARC,HPのPARISC,ACE連合が後押しするMIPSのRシリーズなど,各社各様の思惑が複雑に絡み合っている.しかも将来的には2~3のCPUに淘汰されるといわれているだけあって,乱戦もようだ.Appleは長い間,Motorola社の88000を次期ハイエンドマシンに採用すると見られていたが,ここにきて88000が予想以上に苦戦しており、決断を迫られていた。ここでAppleが88000を採用すると,いろいろな面で将来的な危惧を発することになるからだ。たとえば,CPUは今後もどんどんバージョンアップを重ねていく宿命にあるので,88000がいったんマイナーな地位に落ちてしまえば、いくらMotorolaとはいっても,どこまで将来的なバージョンアップが期待できるか大きな疑問だ.Appleとしては,今のところ独自にCPUを開発できる体制がないので,必然的に他社に頼らざるをえないのだが,将来的に安定したCPUを採用する必要がある。その点,IBMが相手なら,技術的には将来的不安は少ない。そこで,こちらはIBMのPowerPCの構想にApple社が乗った格好だ.ただ,これまでAppleから見ると,IBMはそれこそ悪魔的存在.現在でも技術者の中にはIBMを毛嫌いする傾向が強い。今後の開発で両社の技術陣がどこまでうまくやっていけるのかという不安は残る.
 MotorolaにすればPowerPCの生産・販売を開始するとなると,将来的には88000は縮小していく方向にならざるをえないから難しいところ。現時点では,88110も今年末には予定どおりリリースするとしているが,すでに述べたように88000は成功したチップではないので,RISCビジネスを本格化するのにPowerPCは非常な好機ともいえる.
 一方IBMとしては,今までどおりIntelのCPUのままでいいとは少しも思っていない。50MHzの486や次期586など,将来的性能アップはある程度は望めても,386以降いわゆるPCクローンの世界ではIntelの独占状態が続いており(最近になってようやくAMD社から386互換チップが出てくるようになったが),この際Intelと決別するのもちょうどいい機会と思っているふしがある.IBM内部を見てもRS6000はマーケットシェアを伸ばしている唯一の部門だけに,ここでこのCPUを外部に向かって販売することで一挙に業界標準に持っていきたい考えだ。とりわけAppleは,会社別のPC売り上げではIBMに続く2番手だけに、その販売先としてもってこいの相手である.
 最初の項目と同様,RS6000のAppleへの供給は「対Microsoftカード」としても強力な武器になりうる.MicrosoftがACEを率いる中心的な存在であるからだ。そもそもACE連合はIntelに嫌気がさした各社のゆるやかな連合であるだけに,参加している各社の思惑は完全に一致しているとはいいがたく,IBM/Appleの今回の動きに対しては、かなりの衝撃があったはずだ.Microsoftとしては,ただでさえまとめにくいACE連合に新たな課題を投げつけられた格好である.

(4)マルチメディア
 両社は共同でプラットフォーム独立なマルチメディア環境を開発し,業界にライセンス供与する.
 くだいていうと「将来が期待されるマルチメディアでもAppleとIBMで協力していきましょう」という話.内容自身もあいまいで,今の段階ですぐにどうこうということはなさそうだが,両社トップの合意事項にマルチメディアの話題が捉えられたという点は,逆に両社がいかにこれを重視しているかが伺えて面白い。
 ただ、新たに開発されるOSなりマシンは,当然マルチメディア仕様(別のいいかたをすればマルチメディア・アプリケーションを実行させるのに十分なパフォーマンスと機能を持ったもの)になるだろうから,今の時点から議題にあげている点はむしろ当然といえるかもしれない。特にIBMの頭の中には,さきごろ発表されたAppleのQuickTimeが念頭にあることは間違いないだろう。

 実際に製品になって出てくるのは,早くても2~3年先になるから,今回の合意内容を今の段階で評価するのはちょっと早すぎる.また,変化の激しいこの業界の話だけに,今後,内容の一部変更,部分的破棄,あるいは全面修正など起こらないとも限らない。ただし、冒頭でも述べたように,PC界を2分するIBM,Appleの関係だけに、もしこれが順調に進めば,将来のPC界を決定するものといっても過言ではない.もし,これらがApple/IBMの期待どおりにいったとして,各社の状況と今後の見通しを述べておこう
●IBM:Microsoft,Intelの影響力を回避できて非常にプラス.うまくいけばRS6000は業界標準の地位に到達できるかもしれない。AIXが非常に強力になる.
●Apple:ハイエンドMacにRS6000が利用できる点,新OS(PINK)が業界標準となるかもしれない点,大手クライアントの獲得が可能になる点などでプラス.Macの独立性が維持できなくなるという不安は残る.
●Motorola:本格的RISCビジネスを開始できる点でプラス.
●Microsoft:OSメーカーとしての地位が危うくなる点で非常にマイナス。ただし,Windowsがすぐに消滅してしまうわけではない.Intel86系の独占状態に終止符が打たれるのでマイナス。少なくとも現在よりも86系CPUの重要性はなくなる.現在,有力な次RISCチップがなく,将来がやや不安.
●ACE連合:そもそもが寄り合い所帯であるだけに不安。逆に、結束が強まり,製品化が早まるかも.
●SunMicrosystems:基本的には現状維持SPARCマシンのビジネス分野への浸透には多少影響がでるかもしれない.
●日本メーカー:IBM/Appleによるライセンスができなければ,対抗機種が出せない可能性あり。その場合,オープンシステムであるUNIXでいくしかなくなる.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山弘敏)

 結果はWintelというWindowsとIntelがパソコン市場を固めるのだが、Appleもそこそこ売れていた。Microsoftは独占禁止法を気にしていたという記事を読んだ記憶があり、その点独占禁止法に抵触しない程度の独占は計算通りだったのだろうか。

「Miscellaneous :behind the news」をスクラップする。
■ペン入力マシンで騒ぐ
 NCRが、ペン入力型のポータブルマシンを発表した.「NCR3125」という名称で、本体の上面全体が液晶でキーボードは付いていない。サイズは約302(H)×248(W)mmで厚さが28mmとやや大きめながら,重量は約1.7kgとなかなか軽い.CPUにはIntelの省エネチップセット386SL(20MHz)を採用。メモリは標準2Mbytes搭載だが,ICカードでフラッシュメモリも利用できる.反射型の液晶部はシャープ製でVGA(640×480ドット)の解像度を持ち16階調表示が可能。専用ペンで手書き入力を行なうが,単なるタッチセンサではないので,手を置いても誤入力はない。
 OSはMS-DOSに手書き入力機能を加えたような,独自の「PenOS」が搭載されている。入力用ウィンドウに手書き入力してコマンドラインに命令を入力するというものらしい。文字認識技術はCommunicationsIntelligenceという会社が作ったそうだ。さらに,GO社のPenPointや,Microsoft社の「Windows for Pen Computing(通称PenWindows)」にも対応の予定で,両OSのベータ版が付いている.
 さて気になる価格だが,2Mbytesのフラッシュメモリ搭載モデルが4765ドル,20MbytesのHDDを内蔵したモデルが4795ドルで,ともに約66万円というところだ.VGAでHDD内蔵のSXマシンと競争力のある価格である.NCRは50MHzの486を使ったハイエンドの製品も出す予定で,このところなかなか意欲的だ.米国の業界筋も「ほとんどのメーカーがPCコンパチでより速いマシンをより安く出すことしか考えていない中,意欲的な製品」として高い評価をしている.日本ではソニーのパームトップが頭に浮かぶが,そういえば他の会社はみんな「より安く速いノートを出す」競争ばかりしているわけで,どこでも同じということか.米国では「PenComputingConference」も行なわれるなどブームになりつつある.
 などと思っていたら,ToshibaがT2000シリーズのニューマシンを米国で発表した。とはいっても日本と違ってプラズマではない.20MHzの386SXで,メモリを2Mbytes搭載.VGAのサイドライト付きLCD,40MbytesのHDDモデルで4199ドル(約58万円)である.


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■そして,その後
 IBM/Apple提携話は前ページに詳しいが,からんでいる会社の最近の動きを紹介しておこう.
 RS6000系チップを作ることとなったMotorolaだが,マイクロプロセッサ担当のMurray Goldmanは,今後も88000および68000ファミリーに専念してゆくと発言。「IBMとともにPowerPCアーキテクチャに対応する次世代のシングルチップマイクロプロセッサを生産する契約を声明したばかりだが,私は88000ファミリーを選んでくれたベンダーやユーザーのサポートにも専念する」と語った.また,68000ファミリーのソフトウェア資源がこれだけ大きくなっているのだから,現行の030,040,そして来たるべき050のサポートも怠らないという.我らがNeXTは88000を積むという噂だが,本当に大丈夫なのだろうか.
 ACE連合のOS供給元のひとつであるSantaCruzOperationが,Lotus社が起こした著作権侵害訴訟について,法廷外での和解策を発表した。内容は,SCO Professionalスプレッドシート全バージョンの製造・販売・ライセンス提供を8月15日までに取り止めるというもの。これで訴訟取り下げとなり,UNIXSystemV用のLotus1-2-3に移行するようだ。
 この訴訟は,Lotus1-2-3のユーザーインターフェイスを真似しているというもの.PaperbackSoftwere社のVP-PlannerとMosaic社のTwinに対する同様の裁判に勝訴した1週間後にSCOとBorlandを相手取って起こしたものだ。Borland社は,SCOの和解が自分たちの戦いには何の影響も与えないと強気である。
 GUIに関する3年越しの著作権問題でMicrosoftと係争中のAppleは「'85年の契約はMicrosoftの嘘と脅しによって結ばされたもの」という新たな問題を持ち込んだ.AppleのGUI技術を使ってMicrosoftがWindowsを開発することを認めた6年目の契約がそうだという.WindowsとNewWaveがMacのGUIのアイデアを使用しているとして起こされた訴訟だったが,Appleは今回,訴訟の内容訂正を申請したのだ。
 Microsoft側は「Appleの新しい動きは馬鹿げた自暴自棄の策略」と呼んでおり,代理人も「Appleは,自分が経済的な問題を抱えたとき,いつでもうちを訴えるか,訴えるぞと脅す」とコメントしている.判事は,Apple側の弁護団との話し合いの後,今度の著作権問題は枝葉的すぎるし,訴訟を起こしてから3年も時が経てから訴えを変えるとは尋常ではないと語った。
 さて,Windowsだが,Ver.3.1のベータ版が米国でアプリケーションテストを開始している。基本的な変更点は,TrueTypeを搭載することで画面上でもプリンタ上でもきれいな拡大文字が出せるようになる。また,ファイルマネージャが大きく機能アップし、速度の向上とともに操作性も良くなるという。さらに話題となっているのがFastDiskというユーティリティでハードディスクがより高速に利用でき,バックグランウドでのDOSアプリの速度も向上するという.ただしこのソフトはディスクのコントローラを直接いじるらしく,マシン独立性を失うのではないかという懸念も出ている.

■ハイテクは国家を転覆するか
 中国では,反体制型のコンピュータウィルスが出た.6月3~4日の天安門事件記念日の1週間前から,北京にあるコンピュータの画面に「6月4日を忘れるな」というメッセージが現われ始めたという。一体誰がウィルスを侵入させたのか分からないが,中国人コンピュータ技術者は「このウイルス事件は知っているが,そんなに広がっているものとは思えない.今回見つかったウイルスの制作はそんなに難しいものではないし,侵入させることも容易である.それにソフトウェアに与えるダメージもほとんどない」と述べている.しかし,関係者によると,コンピュータに「June4ウイルス」が現われた事務所では,かなり真剣に受け止めているところもある。なんと,いくつかの会社では6月4日前後の数日間,コンピュータの使用禁止を言い渡したというのだ。元から断たなければ,その会社は毎年6月の初頭に開店休業になってしまうと思うのだが.
 Dayton大学の法学教授Brenner氏は「コンピュータが法律を変えていくだろう」と発表。これまでは,判例が多すぎるために,選別されたものだけが本に掲載されていたが,WestPublishing社の「Westlaw」やMeadDataCentral社の「Lexis」といったコンピュータによるデータベースの登場で状況は変わってきた.これまでは分からなかった判決も法律家の手に入るようになったわけで,昨年の夏までは全体の約半数の判決しか出版されていなかったものが倍になったのだ。裁判官や弁護士がこのデータベースを操るようになると法律や判決内容も変わるのだろうか。判例データベースとAIを組み合わせれば,昔のSFで出てきた「ロボット裁判官」の時代がきそうでこわい。
 ワシントンDCと南カリフォルニアで電話回線がダウンしてその地域の機能の大半が麻痺するという事件があった.専門家たちはこの突然の広範囲に渡る電話回線のダウンは,電話会社が導入した新技術の代償だと主張し,やがては国全体を麻痺させる原因となると主張している。というのも,500万世帯の630万回線が9時間にわたって不通になったというのに、その原因が、電話会社にも謎であるというのだ。
 事はボルチモアの1台のコンピュータから始まり,すぐに他の3台のコンピュータに飛火した.1台のコンピュータが,理由もなく「自分がオーバーロードになっている」と判断し,回線を他のコンピュータに回してしまった。
 そして数分後,機能を引き継いだコンピュータもシャットダウン.その後,似たような現象がワシントンの2台のコンピュータを襲った。電話会社側は,こんなことが起こるはずはないと主張しているのだが,実際には起きてしまった.
 決して落ちないように設計されているのだから専門家は頭をひねるが,最新の交換システムは1カ所に機能を集中させているので故障に弱いとも認めている。2年前の米政府の報告書にもその弱点は明記されているが,ワシントンのケースでは機能の集中している4台のコンピュータがみんな落ちたのである。
 Bell Atrantic社のネットワーク技術部長も「いつも新技術を導入する際には,新しいリスクが伴うもの」と悲観的な発言.評論家は「電話会社が新システムに乗り換えたら,たまに不通になってしまうことに使用者は慣れるべき」とまで言う。地域的な故障がネットワーク全体をダウンさせる可能性が出てくるわけで,集中化により被害はより大きくなる。ちなみに,この原因不明の連鎖反応を起こす新システムの名称は「SignalingSystem 7」というそうだ。「System 7で国中のネットワークが大混乱」などという見出しは,Appleユーザーの心臓に悪い。

 ペン入力マシン。今のタブレットだ。タブレットにまで発展するのは時間が必要だった。まずは、保険の営業で使っていたり、携帯電話の窓口で使っていたりと業務用が主流だったが、個人がタブレットを持つと新聞も本もいらないもうこれでいいという感じになる。
 なんか米国は裁判ばかりやっている気がする。弁護士が多いのもそのせいか。米国の裁判制度というか裁判のやり方は馴染めない。
 中国の政治体制は結構ITに強かった。フェイクニュースという技法があれば独裁政権でもそれなりに保てるということ。民主化にIT機器が有用だったが、それより中国共産党の方が賢かった。
 「昔のSFで出てきた「ロボット裁判官」の時代がきそうでこわい。」だが、判例重視で裁判してくれて問題ないと思う。文句があれば上級審で解決すればよい。それよりも地裁でへんてこりんな判決が下される方が不愉快だ。
 コンピュータシステムの不具合は30年以上も経った現在でも無くせない。人が作ったものはこうなるものだ。




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