SSブログ

FD耐久テスト、Win3.0、32bitバス(月刊ASCII 1990年8月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

5インチのフロッピーディスク耐久テストレポートがあった。

フロッピーディスク耐久テストレポート
 まず,7社の5インチ2HDディスクをそれぞれMS-DOSで1Mbytesにフォーマットし,テキストファイル53個(計115Kbytes)をコピーしたものを6枚ずつ,計42枚用意しました。これらにコーヒーや紅茶をかけて,1昼夜おいたあと別のディスクにdiskcopyが可能かどうか調べました.
 テスト内容の詳細は以下のとおりです.
(1) コーヒー
ホットコーヒー(クリーム,砂糖入り)をスプーン1杯かけた.
(2) 紅茶
 冷蔵庫で冷やした「午後の紅茶(プレーンティー,無糖)」をスプーン1杯かけた.
(3) たばこ
 マイルドセブンFKの煙を磁性体に10回ほどふきかけた後,灰も少々散らした.
(4) クリップ
 目玉クリップとダブルクリップで書類といっしょに3分間はさみ込んだ.
(5) PC-9801用ディスプレイの上にエンベロープをつけたまま3分間放置した.
(6) 磁石
 白板などに使う掲示用の磁石2個でジャケットの窓をはさんで3分間おいた.

 コーヒー,紅茶のテストでは汚れのひどいものは中のディスクを取り出してウェットテイッシュタイプのクリーナー(クレタケオフィスクリーナーW&T50)で汚れを拭き取り,別のジャケットに入れ替えてコピーしました。テスト結果の詳細は別表(表A)のとおりです.
 テストをしたあと感じたのは,フロッピーディスクって思ったより丈夫だってことです.コーヒーや紅茶をかけても,中身を掃除すればほとんどの場合復活します。ただし,一発でコピーできなくてもあきらめずに再試行,強行する根性が必要です。たばこ,クリップ,ディスプレイはほとんど問題はありませんでした。ただ,磁石だけは致命的でこれには気をつけなきゃと思いました。
 K社のテフロン加工したフロッピーは中身を掃除したときも,一番汚れがとれやすくて「こいつはただもんじゃねぇ」と思いました.製品によってはジャケット内のライナーが水気を含みやすい性質で,ちょっと水をこぼすと抵抗で中の円盤が回転しなくなることがありました。
 それから,コーヒーをこぼしたものを掃除中に,ちょっと傷をつけてしまったらクラッシュしてしまいました。傷にはほんとうに弱いんですねえ.  (中橋)


ASCII1990(08)h01FD耐久テスト表_W520.jpg
 5インチフロッピーディスクをホワイトボードに磁石で止めた先輩が実際に職場にいた。同僚が気が付いて注意し、エラーチェックをしたら当然読めなくなっていた。磁石に弱いということは常識だと思っていたが、それは初期のころからパソコンを使っていたからでパソコンを知らない人にはフロッピーディスクが脆弱だとは分からなかった。恐る恐る使ってくれる先輩なら良かったのだが、何にも考えないタイプの先輩だから色々めちゃくちゃしてくれた。
 私は、床にフロッピーディスクを落とし拾おうとして椅子を動かしたら車輪で踏んだことがあった。体が固まった。恐る恐る椅子から体を離し、フロッピーディスクを回収しエラーチェックをしたところ無事だった。フロッピーディスクの窓に車輪が当たらなかったから良かったのだろう。

Windows 3.0が出た。OS/2との関係つまりMSとIBMの関係はどうなるのかに興味があった。
ASCII1990(08)h11Windows31_W520.jpg
MS-Windows Ver.3.0登場
 5月22日に発表されたMS-Windows Ver.3.0(以下,Windows 3.0と略す)を使用することができたので、この誌面を借りてその概要をレポートしておこう。
 先月号のASCII EXPRESSでもお伝えしたように,Windows 3.0は従来のWindows 2.11と比較して,そのイメージが一新されている.起動画面を一見しただけでは,まったく別のウィンドウシステムであるかのような錯覚を覚えてしまうほどだ。
 それは,立体感のある画面デザインやアイコンによるファイル操作など,多くの新たな試みが採用されているからでもある。
 起動方法は従来どおり,MS-DOSのプロンプトから,

win

と入力するだけだ。
 しかし,その起動画面はまったく違ったものになる.これまで見慣れた「MS-DOSウィンドウ」が表示される代わりに, 「Program Manager」と呼ばれる新たなウィンドウが現われる(写真1).

3つのCPUと3つのモード
 このWindows3.0は,8086/80286/80386の各CPUを自動的に判別して,最適なモードで起動する(表1)。各モードは,それぞれ「real mode」,「standard mode」,「386-enhanced mode」と呼ばれる.特に,standard modeと386-enhanced modeは,80286/80386CPUのネイティブモードで動作し,それぞれ最大16Mbytesおよび48Mbytesまでのメモリを利用することが可能だ.
 なお,従来のWindowsアプリケーションは,real modeでのみ動作可能である。80286/80386CPUでは,「win /r」として起動すれば,real modeを利用できる.

PMに近づいたユーザーインターフェイス
 今回のバージョンアップで,ユーザーインターフェイスはよりOS/2のPresentation Manager(PMと略す。特に断りがない限り,ウィンドウのタイトルなどは日電製の日本語MS OS/2 Ver.1.1のものを用いる)に近いものとなった。
 Windows 2.11でシステムの「顔」となっていたファイル名がずらっと並んだだけのウィンドウ(写真2)は,「File Manager」と呼ばれるシステム標準のユーティリティの1つに格下げされ,代わって前述のProgram Manager,Windowsの「顔」となった.また,起動されたアプリケーションを管理する「Task List」と呼ばれるウィンドウもサポートされた.

〈Program Manager>
 前述したように,Windows3.0を起動すると最初に現われるのが,このProgram Managerのウィンドウである.
 インストール直後には,写真1のように「Main」というウィンドウが開いており,前述の「File Manager」に加えて,「Control Panel」や「Clipboard」など,馴染みのあるユーティリティ群がアイコンの形で登録されている.これらのアイコンをマウスでダブルクリックすると,そのアプリケーションを起動することができる.つまり,これはPMの「プログラムの始動」に相当するアプリケーションの起動メニューなのである。各ウィンドウがグループを表わしており,この「Main」のほかにも「Accessories」と「Games」のグループが下のほうにアイコン表示されているのが見える.
 「Accessories」には,従来からWindowsに付属していたアクセサリ類が登録されている.paintは大幅に機能強化されて「Paintbrush」となり(写真3),電卓(Calculator)は2/8/10/16進対応の関数電卓となった.また,時計(Clock)は,アナログかデジタルかを選べるようになっている.そのほかの,WriteやNotepadなどは,ほぼ従来どおりである.
 また,「Games」には,従来からのReversiに加えて,カードゲームの「Solitaire」(写真4)が登録されている.

〈File Manager)
 従来の「MS-DOSウィンドウ」に代わってファイル操作を行なうためのユーティリティで,PMの「File Manager」と同等の操作性を実現している(写真5).したがって,ディレクトリツリーを使って素早くディレクトリを移動したり,ディレクトリのウィンドウを2つ開いておいて,一方から他方へアイコンをドラッグするだけでファイルがコピーできるなど,本連載の第1部で紹介したような操作はすべて有効である.

 「Task List」は,実行中のアプリケーションを制御するためのユーティリティで,PMの「タスクマネージャ」に相当するものである.
 この「TaskList」は,メニューやアイコンから起動するのではなく,desktop(ほかのウィンドウが何も表示されていない地の部分)をダブルクリックして起動する.もちろん,PMの「タスクマネージャ」と同様に,CTRLキーを押しながらESCキーを押すことでも起動することができる.
 「Task List」では,実行中のアプリケーションの一覧を表示し,その中から操作するウィンドウを選んだり,不要になったウィンドウを強制終了したりすることができる.また,画面上のウィンドウを整然と並べ替える機能もサポートされた。

Tool Book
 Asymetrix社からWindows 3.0上でHyperCardライクなハイパーテキスト環境を実現する「Tool Book」が発表された。
 この「ToolBook」では,ウィンドウ上にテキストやグラフィック,ボタンなどを配置していくことで,容易にアプリケーションが作成できる.各ボタンには,そのボタンが押されたときのアクションを記述するわけだが,自分でプログラミングする代わりに,別のアプリケーションから似たような動作のボタンをコピーしてくるといったことも可能だ。
 Windows3.0のパッケージには,そのサンプルとしてTourBook(Tool Bookの簡単なイントロダクション)とDayBook(スケジューラ.写真6)が付属している。

Window環境の今後
 Windowsは,Ver.3.0で非常にPMに近いユーザーインターフェイスとなった。今後もこの傾向はさらに強まり,ユーザーはWindowsかPMかといったことは意識せずに使えるようになるだろう.
 このような状況の中で,Microsoft社は,Windows用に開発されたアプリケーションをPM上で動作するように変更する「Software Migration Kit」(SMK)をリリースするという.また,OS/2 Ver.2.0以降では,Windows用のアプリケーションをPMから直接実行できるようにするようだ。
 今後,WindowsとPMがどのように使い分けられていくのか,興味深い。


ASCII1990(08)h11Windows31写真1_W395.jpg
ASCII1990(08)h11Windows31写真2_W405.jpg
ASCII1990(08)h12Windows31写真3_W397.jpg
ASCII1990(08)h12Windows31写真4_W395.jpg
ASCII1990(08)h12Windows31写真5_W394 .jpg
ASCII1990(08)h12Windows31写真6_W422.jpg
ASCII1990(08)h11Windows31表1_W467.jpg
Windows 3.0によってOS/2が消えていった。私はWindows 3.1から使ったがWindowsを使いたいわけではなくWindows上で動くPageMakerなどを使いたかったからだった。ワープロは一太郎で不自由しないし、表計算は1-2-3だし、お絵かきソフトはZ's STAFFで良かった。MS-DOSで使うので一旦各ソフトを終了しなければならなかったが、Windowsで複数のアプリを同時に起動すると良く落ちたものだった。Windows 3.1 でもまだまだだった。

次世代のバスであるMCAとEISAとNESA。いずれも討ち死にした。このころは混迷の時代だった。
「PC-H98の全容」の最後をスクラップする。
MCAとEISAそしてNESA
 H98シリーズは従来のPC-9801シリーズとの互換性を実現するために「Eバス」と「Cバス」という二段がまえの拡張バスを採用した。PC-9801シリーズは日本での事実上の標準機であるが,アメリカにおいてもこの2,3年にバスアーキテクチャをめぐる大きな動きがあった。
32bit時代のバス
 1987年にIBM社がPC/ATの後継機種としてPS/2シリーズを発表した際には,当時の業界標準であったPC/ATバスとの互換性のない,まったく新たなバスアーキテクチャであるMCA(Micro Channel Architecture)の採用が注目を集めた。MCAの採用は、
 32bit機への完全な対応
 バスマスタ機能のサポート
 高速なデータ転送の実現
 ソフトウェアによる自動的設定の実現
という4つの目的で行なわれたと言われている.また,当時優勢であったPC/AT互換機メーカーをIBM社のライセンスで縛りつけるもの,という見方をされることもあった。
 MCAの拡張バスには80286CPU機用の16bitコネクタ(データ16bit,アドレス24bit)と386機用の32bitコネクタ(データ32bit,アドレス32bit)が用意されており,現在では64bitデータバスに対応したコネクタも用意されている.ただ,PS/2シリーズ用MCAの本命は32bitコネクタであり,16bitコネクタにはない高速なメモリアクセス・サイクルも用意されている.ただ,MCAが従来のバスに対してどれほど優れているのかについては従来バスの完全な32bit版,いわば386CPUに完全に対応したPC/ATバスが出現しなければ評価することはできない。従来バスとこの互換性を捨て、より複雑化したMCAバス用拡張ボードの供給は思うほど進まなかった,という.
 そこで,PC/AT互換機や拡張ボードのメーカー,そしてIntel社およびMicrosoft社が共同で開発した32bit仕様のバスアーキテクチャが,PC/ATバスとの互換性を持ったEISA(Enhanced Industry Standard Architecture)である(1988年発表)EISAの開発目的はMCAとほとんど同じと考えてよい。ただ,EISAの場合,「PC/AT用ボードの転用を可能にする」という大きな目的があった.また,後から発表された仕様の常として,EISAはMCAよりも転送速度,メモリ空間の面で高性能であった.
 いずれのバスも,386CPUとマルチタスクOSの普及を見越しているという.NESAバスは,メモリ空間(32Gbytes),最大転送速度(33Mbytes/秒)の点でEISAと同様である.拡張ボードの自動的な設定や割り込み,DMAのシェアリングを実現するNESA-FOは,MCAにおけるPOS(Programmable Option Select)能に近い(EISAにも同様な機能が用意されている).
 ただ,EISAやMCAにはバスマスタとなる拡張ボード(i860,68030CPUボード等)用のチップセットが発表されているがNESAの場合そのようなサポートはない.1860ボードは日本電気からすでに発表されているが,サードパーティならではの安価なバスマスタ・ボードの提供が望まれるところであり類似のチップセットの供給が望まれる.

 皆広く使われなかった。こういった新しいものに飛びつくとろくなことにはならない。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット