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特集,PRODUCTS SHOWCASE(月刊ASCII 1990年8月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集は「ノート型パソコンの正しい使い方」だった。

東芝J-3100SS DynaBook
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日本電気 PC-9801N 98NOTE
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日本電気 PC-9801NS 98NOTESX
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エプソン PC-286 NOTE F
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DynaBookの記事をスクラップする。
最低限知っておきたい5項目
(1) レジューム機能は常にオン!
 J-3100SSの最大の魅力の1つでもあるのがレジューム機能だ。突然電源を切っても,スイッチを入れ直せば,切る直前の状態,カーソル位置まで同じ画面から動き出す.アプリケーション起動のたびに,フロッピーディスクを探す手間もなく,電源オンから,わずか2秒の待ち時間で作業が再開できる.
 出勤前に自宅でゲームに夢中になり,時計を見て遅刻しそうなことに気が付く.たとえ,ゲーム展開が気を抜けないところに差しかかっていても大丈夫あわてて電源を切り出社,帰宅した後,再度電源を入れれば,すぐに続きが始められる.レジューム機能がなければ,遅刻して上司に睨まれるか,慎重に行なったゲーム結果を白紙に戻すかだ.しかし,レジュームによる作業再現の便利さを過信していると,レジューム起動の失敗が起きたときにあわてる。アプリケーションのトラブルやバッテリ交換など,原因不明の何かの拍子に突然起こるからやっかいだ。こうなるとMS-DOSの起動の手間がかかるし,作業中のデータまで消失する.重要なファイルだけは,電源を切る前に必ずセーブ.この習慣だけは,レジュームオンとともに身に付けておきたい.レジューム失敗はバッテリ容量の不足でも起こる.バッテリ残量を頻繁にチェックするのはもちろんだが,マシンのバッテリチェック機能をあてにせず,持ち運ばないときは,電源アダプタをつなぎっぱなしにしておくのも手だ.

これがあるからDynaBookを買ったようなものだ。その後に発売された98NOTEはこれがないので眼中に無かった。98NOTEを買った知人はすごく嬉しそうにマシンを使っていたが98が好きな人は機能よりも98を使っているということが嬉しかったのだろう。

(2) ハードRAMにMS-DOSシステムを組み込む!
 標準搭載のメモリ容量1.5Mbytesのうち,メインメモリとして利用する640Kbytesを引いた残りをバッテリバックアップしたRAMディスクにし,ハードディスクと同じようにするのがハードRAM.
 ところが、マニュアル通りに使っていると,ハードRAMにMS-DOSシステムが転送されず,いったんリセットをかけると,またもシステムディスクからの起動手順を踏まなければならなず,面倒だ。出先でシステムディスクがなければ,マシンは2.7kgのお荷物になりはてる.このような情けない事態を避けるために,ハードRAMには,MS-DOSシステムを必ず組み込み,フロッピーディスクなしで起動できるようにしておく。
 ハードRAMにMS-DOSシステムを組み込むには,システムディスクから起動し,Aドライブから
format c: /s (リターン)
と入力するだけでいい.
「警告!ハードRAMのフォーマッティングをします大丈夫ですね?」と尋ねてくるので「Y」と入力する.相手はRAMだけあって,フォーマットはすぐに終了し,システムが転送される。
 フォーマット終了後にリセットすれば,RAMアクセスの高速性と,FDDのモータを回さない省電力を生かしたハードRAMからのMS-DOS起動ができる.ハードRAMからMS-DOSが起動できるようになったら,config.sysやautoexec.batを書き込み,必要なファイルを転送して,HDDライクに使おう.なお,config.sysやautoexec.batでどのファイルを組み込むかは各自の使用目的に応じればよいのだが,基本的な構成例として図1の設定をあげておく.
 ただし,増設RAMカードを差し込んでいない状態で,MS-DOSシステムをハードRAMに入れると,空き容量が不足し,アプリケーションが組み込めない場合もある。そのときは「/Sオプション」を付けずに再度フォーマットし,MS-DOSシステムなしの状態に戻すか、増設RAMカードを購入するかだ。増設RAMカードは,当初,2Mbytesで14万円もする東芝純正品しかなかったが,最近ではIOデータ機器から2Mbytesで4万6000円,メルコからも2Mbytesで4万9800円と,安価なサードパーティ製品が登場している(写真1).ハードRAMを使いこなすには,中途半端に1Mbytesの増設RAMカードを買うより,最初から2Mbytesのものを購入してしまおう.本体からRAMカードを抜いた時点でデータも消えるのだから,1Mbytesと2Mbytesのカードを両方持つのは無意味。この際思い切って4万円前後の出費を覚悟することだ。


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私はこれはしなかった。必要があればFDからMS-DOSを起動してハードRAMにはVz,jgawk,通信ソフトなどツール類を入れていた。
そういえば、98NOTEはMS-DOSが別売だった。その分もDynaBookの方が割安だった。まあ98はコピーソフトが豊富だったからMS-DOSを買わなくてもということがあったのだと思う。この頃私はコピーソフトから足を洗いまともなユーザになったのだが、コピーソフトで固めている98ユーザを沢山目にしていた。

(3) 日本語変換はROM辞書に頼れ!
 J-3100SSには,日本語入力FPとしてATOK7が標準で付き,辞書ファイルもROMで組み込まれている。辞書ファイルをディスク上から追い出し,高速変換,省電力を実現しているわけだ.
 ところが,残念なことにROM辞書はATOK7専用で、他の日本語入力FPで使えない。そもそもATOK7が標準で組み込まれているため,他の日本語入力FPに注目しにくく,新たに辞書スペースを確保するのにも無理がある.デスクトップでVJE-βや松茸を使っているならば、同じ日本語入力FPを使いたいところだが,割り切るしかないようだ。
 ATOK7しか使いものにならないのなら,とことんまでROM辞書を使おう.ワープロソフトなどを導入する際には,ATOK7に対応しているかどうかを確認し購入すること.ATOK6対応のソフト(J-3100シリーズ用の一太郎Ver.3など)は,一見いいようで,実は使えないので注意が必要だ。
 ROMの辞書ファイルで,学習機能やユーザー登録はどうしているのかといえば,atok7rpl.dicというファイルをディスク上に置き、これにユーザー情報を書き込んでいる.学習後の結果を無駄にしないために,このファイルだけは,頻繁にバックアップしよう.

ATOKが付属しているのもDynaBookの利点だった。98NOTEには付いていなかった。どうしていたかというと以下略。
 日本語ワープロについては知人は買っていたが私は買わずにDynaBookではテキストを入力してMAXLINKで98に繋げ外部ドライブとして利用して文書を作成、印字していた。

(4) IBMPCの世界を知ること!
 J-3100SSと,他のノート型コンピュータとの大きな違いは,IBM PC互換機であるということだ。日本語モードでは専用ソフトウェアが,英語モードではIBM PC互換機用のソフトが動作する.全世界で2000万台以上出荷され,パーソナルコンピュータの標準にもなっているIBM PC互換機は,利用できるソフトも6万種類以上あるという.
 日本では,情報が不足したり,ケーブルが入手しにくいなというデメリットもあるが,海外の斬新なゲームソフトを楽しむという,ホビー方面での魅力は大きい.たとえば,発売以来マニアの間で騒がれたゲーム「SimCity」は,最近やっとPC-9801移植版が今秋に発売されるとの話がある。しかし筆者は、昨夏にはIBM PC用を入手し,J-3100SSで楽しみ,人よりも早く話題性のあるゲームをするという優越感を味わった.
 英語モードにするには,後述のフリーウェアソフトを使うか,英語MS-DOSで立ち上げるかの2通りがある.英語モードで使う場合は,640×200ドットの画面解像度(CGAモード相当)になってしまい,一部のIBMPC用グラフィックスソフトやゲームなど,高解像モード専用に作られたものは動作しない.しかし,ソフトウェアが「Toshiba T3100 640×400monoモード」あるいは「AT&T6300モード」をサポートしていれば640×400ドットの解像度が得られる.また,Lotus1-2-3 R3.0やDesqVIEW386といった80286/386CPU専用のソフトウェアは使えないという制限もある.

私はIBM PCのソフトには全く興味がなかったのでこれは使わなかった。

(5) 低価格か,データ互換か,ソフトウェア選択時に注目する条件!
 IBM PC互換機用の英語ソフトは,とっつきにくい人もいるだろう。安心すべきことにJ-3100シリーズ用の日本語ソフトウェアも充実している。「ノート対応」をうたったアプリケーションが各社から出ているし,Lotus1-2-3のように,PC-9801シリーズ用,J-3100シリーズ用PS/55シリーズ用など国内の複数のマシンを対象に,同時に発売されるものもある。一太郎dashのように,J-3100SS用が,98NOTE用の発売よりも先行した例もある.
 アプリケーション導入をローコストにあげたいのであれば,「VZエディタ」とフリーウェアの通信ソフトを基本装備とし,用途に応じて「アシストワード」や「EGLight」などの低価格ワープロソフト,同じく低価格の表計算ソフト「アシストカルク」を購入すればいい。これだけで,たいていの仕事はこなせる.
 セカンドマシンとしてJ-3100SSを選んだ人は,デスクトップとのデータ互換性を前提にソフトを選択してほしいPC-9801で使えるソフトウェアはけっこうJ-3100にも移植されている。同じソフトを両者で使えば,住所録などの個人データを共有することができる.3.5インチFDDのデスクトップであれば,そのままディスク経由でデータ交換ができるし,FDDサイズが異なっても「MAXLINK」や「Laplink」を使ってデータを生かすようにしたい.
 なお,J-3100SSをとことん使いこなそうというのならば,パソコン通信での情報収集は欠かせない.筆者は,日経MIXのlaptop会議やj3100会議に参加している.

私はバッテリパックを買ったが、基本的に内部RMの増設とかはしなかった。初期装備で戦ってきた。実に良い機械だった。

移動しながらJ-3100SSを使う
 J-3100SSは,電車や飛行機の中でも使うことができる。普段は,眠るか本でも読んで過ごすしかない移動時間を,ワープロソフトや表計算ソフトの利用で,有益な時間に変えよう.
 電車の中では,バックライトで表示が見やすく,小型のため周囲に迷惑をかけることもほとんどないのだが,問題は飛行機の中である.海外便では,空港の手荷物検査や税関で不信がられ,しつこく聞かれることもある。たとえ飛行機の中へ持ち込めたとしても,航空会社や機長の判断によって,機内での利用が制限される場合がある.コンピュータの発する電波雑音が,通信機や管制装置に影響を与える可能性があるからだ。しかし,DynaBookのテレビCMのように,航空機の中で使うことも不可能ではない.
 昨年の11月にラスベガスで開催されたCOMDEX/Fall'89に参加したとき,筆者は往復のJAL国際便とアメリカ国内線の中、そして空港の待合室でと,J-3100SSを使っていたが,なにもいわれなかったという経験がある。安全のためにも、問い合わせをした後,かっこ良く使おうではないか.
 なお,標準で付いてくるACアダプタだが,東芝では正式にアナウンスしていないものの,AC電源の入力値が100~220ボルトまでに自動対応しているようだ。海外のほとんどの国で,そのまま利用できるわけだ.ただし,コンセントの形状が国によって異なるので,変換アダプタが必要な場合もある.

流石に移動中には使わなかった。機内に持ち込むときは保安検査場で電源を入れるように言われた。

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このうち、LZEXEとCHGBOLDを使っていた。

PRODUCTS SHOWCASEからPC-9801T model F5,PC-386LSC他をスクラップする。
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コラム記事をスクラップする。
カラー液晶の2つの方式アクティブマトリックス方式と単純マトリックス方式
 カラー液晶に限らず,液晶表示の方法にはアクティブマトリックス方式と単純マトリックス方式の2種類の方法がある.アクティブマトリックス方式は液晶表示板を構成する個々のセルに電流をかける方法をとっている。カラー液晶の場合もカラーフィルタを装着するだけなので,色ムラが少なく発色も良い。問題としては電極が表示版を構成する液晶セルの数あるので,高度な集積技術を必要とするところだ。個々の液晶セルの上にトランジスタを実装しているものをTFT(Thin Film Transistor)型,ダイオードを配置しているものをMIM(Metal Insulator Metal)と呼ぶ。
 これに対し,従来から一般に使用されているのが単純マトリックス方式だ。縦方向と横方向に並べた電極板によって液晶を挟み、その交点に時系列で電流を流すことによって表示を行なう。2層の液晶版を使ってカラー表示を行なう2層STN(Double Super Twinsted Nematic)が一般的だ。問題は2層の液晶板を使用するので輝度が低くなってしまうこと,視野角が狭いことなどがあげられる.
 アクティブマトリックス方式は高度な製造技術を必要とするのでコストが高いのが難点だ。試作レベルでは可能であっしても、量産機に搭載するには至らなかった。数年前からコンピュータ関連のショウにアクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイ搭載の試作機が出品されていても,なかなか発売されなかったのは液晶の量産技術がネックになっていたためだ。

液晶技術の進歩を目の当たりにできたことは幸運だった。CPUやRAM等と違って進歩が目に見える点が良かった。

まとめ部分をスクラップする。
次世代デスクトップの可能性
 カラー液晶を搭載する2機種を使用してみた結果、いずれもCRTディスプレイに比べても遜色のない視認性,応答速度を持っている.最初に見ると,CRTに比べてドットの四角が強調され多少違和感を感じるが、慣れればほとんど気になるといったことはない.
 コントラストはPC-386LSCの表示は若干薄いものの,16色の区別ははっきりしている.一方,PC-9801TmodelF5は8色しか表示できないので,アナログRBG出力と同等の表示機能は欲しい.PC-386LSCが16色表示可能なことを考えると,今後の機種には同等の液晶表示が搭載されることが予想される.
 今後,アクティブマトリックス方式のカラー液晶が一般化するかどうかは価格の問題となるだろう.PC-9801TmodelF5は白黒液晶のW5よりも39万2000円割高となっている。PC-386LSCのほうでもLSに比べ45万円割高と,アクティブマトリックス方式のカラー液晶が高価なのが分かる.
 十数万でCRTが購入できることを考えると,単にカラー表示が欲しいだけならデスクトップのPC-9801ES5(63万8000円)やPC-386M(H40:46万8000円)を購入したほうがお得だ。PC-9801TmodelF5とPC-386LSCは,限られたスペースや移動しての使用でどうしても質の良いカラー表示が欲しいという用途,あるいはステータスを得るための高級品といった位置付けだ.
 しかし,アクティブマトリックス方式のカラー液晶が量産できる基盤が作られれば低価格化も実現するだろう.各社が力を入れるべき開発テーマとして,フラットディスプレイをあげていることからも,その背景は確実に整備されつつある.どの程度のレンジでフラットディスプレイに移行していくかが楽しみなところといえる.
(行正)

まだ高価で視認性も悪く液晶モニタを使ってみようとは思わなかった。

シャープのAll in Note AX286N-H2 の記事が良かったのでスクラップする。
Ver. 2.1ではあるが一応Windowsマシンだった。機体自体は売れていなかったと思うが、シャープのいつものことだ
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必要十分なマシンパワー
 All in NoteのCPUはクロック周波数12MHzの80C286で,J-3100GS/GLなどでも使われている.標準で20MbytesHDD(アクセスタイム23ms)を内蔵したことにより,ディスクアクセスによるスループットの低下も少ない。使用しているHDDドライブは2.5インチタイプのものだ。
 これらのスペックは,ノート型マシンとしては,PC-9801NS(12MHz386SX,20MbytesHDD内蔵可)に次ぐ高い性能になる.
 メモリは標準で1Mbytes内蔵しており,最大3Mbytesまで内部拡張が可能だ。12万5000語の辞書ROMを内蔵しているが,これは別売のワープロソフト「書院AX」専用である。
 表示部分はTST型の液晶ディスプレイを使用しており,JEGA対応の640×480ドット8階調の表示能力を持つ。
 内蔵HDDには,MS-DOSVer.3.2,MS-Windows2.1,VJE-βなどの基本ソフトのほかに,ハードディスク管理プログラムの“SPシステム”と統合化ソフト“BusinessMate"がインストールされている.

大きさ重さとも月刊アスキー×2-α
 All in Noteの特徴は何といっても小さい本体サイズだ。279×216mmという底面積は月刊アスキーより若干小さく,“レターサイズ”とほぼ同じだ.PC-9801N(316×253mm)と底面積を比較すると約75%になっている(写真1).厚さは34mmで月刊アスキー6月号の約2倍,PC-9801N(44mm)の77%にあたる(写真2).
 All in Noteのサイズは,標準的なアタッシュケースの半分程度しかないつまり,アタッシュケースにAll in Noteを入れても,まだ半分の空きがあるということになる.
 一方、本体の重量は従来のノート型マシン中最軽量の2.0kgで,肥大化した(?)アスキー2冊分だ。ほかのHDD内蔵ノート型マシンと比較すると,J-3100SS02E(2.8kg)の70%,PC-9801NS(2.95kg)の67%でしかない。

大きくて薄い液晶ディスプレイ
 All in Noteのディスプレイ部分は他のノート型パソコンとは異なり,ちょうつがいに相当する部分が本体背面にある.このため,小さい本体サイズにもかかわらず,大きめの液晶画面を持っている.ディスプレイのサイズは約203×170mmで,ラップトップマシンのディスプレイとほとんど変わらない大きさだ.AXのディスプレイシステム(JEGA:640×480ドット)は,98系のマシン(640×400ドット)に比べて縦方向のドット数が多い.AX系のラップトップ,ノート型マシンには大きめの液晶画面が必須条件になるわけだ.液晶モジュールはTST(トリプルスーパーツイスト)と呼ばれるシャープ独自のLCDを使用している.TST液晶はSTN(スーパーツイスティッドネマティック)液晶の一種で、単純マトリックスタイプだが,位相補正板を2枚使うことでコントラストと反応速度を改善したものだ。従来のSTN液晶に比べ,画面を反転させた状態(黒地に白い文字)でもムラが気にならない.
 バックライトは冷陰極管を使用したサイドライト型だが,非常に薄く仕上がっている(写真3)。写真ではELバックライトを使ったPC-9801Nと比較しているが,とてもバックライト付きの液晶ディスプレイとは思えないほど薄い。従来のサイドライト液晶ディスプレイの1/3程度の厚さしかない.
 ただ,薄くなった分剛性に欠ける感もあり,液晶画面を直接指で触れると,画面がたわんで表示が乱れる。液晶モジュールを保護するカバーが非常に薄いのだ。また、本体との接続部分もひよわな感じは否めない。ディスプレイを開いたまま本体を移動するなど,接続部分に過大な負荷をかけることは避けるべきだろう.なお,別売のCRTインターフェイスボードを使用することで,外部のEGA対応CRT(16色カラー)を使うことができる.

軽薄短小に似合わぬ拡張性の高さ
 All in Noteには,プリンタ,シリアル,テンキーなど基本的な外部インターフェイスがあらかじめ装備されている.これに加えて,拡張バス端子,メモリ拡張用スロット2つとI/O機器拡張用のスロット1つなど拡張性を重視した設計になっている.
 拡張バス端子には別売の拡張ユニットが接続できる.この拡張ユニットは,標準サイズの拡張スロット2つのほかに,3.5インチFDD1台とICカードスロットが2つ装備されている.
 I/O拡張用のスロットは,キーボードの上にある蓋の中にあり,増設RS-232Cインターフェイスボード,CRTインターフェイスボード,モデムボードのうち,いずれかひとつを挿入することができる.また,早くもサードパーティ製の,I/O拡張スロットに内蔵するファクスボード(写真4)がシャープから発売される予定だ。メモリ拡張スロットには,1Mbytes増設RAMボードが1枚ずつ,合計2Mbytesまで装着できる.これにより,本体内に最大3MbytesのメインRAMを持たせることが可能だ。

基本ソフトは内蔵HDDにインストール済み
 All in Noteは20MbytesHDD内蔵タイプ1機種のみのモデル設定になっている.MS-DOS Ver.3.2,MS-Windows Ver.2.1,日本語入力FP(VJE-β)などの基本ソフトは,出荷時に内蔵HDDにインストール済みだ.最近のAXマシンでは,三洋のデスクトップマシンなどでも基本ソフトをインストールした状態で販売している.
 日常的なデータの転送は別売のFDDユニットを使うか,シリアルポート経由で行なうことになる.シリアルポート経由で高速なファイル転送を行なうソフトとケーブルのセット“MAXLINK"がメガソフトから発売されており,PC-9801などの異機種とのデータ転送もできる。なお,All in Noteには,MAXLINKのソフト部分だけがあらかじめインストールされており,ケーブルの接続をすればソフトのインストール作業なしでMAXLINKが使えるようになっている.このほか、ハードディスクの管理ツールとして,SPS(シャーププログラムシステム)がインストールされている(画面1),これは,市販のハードディスク管理ソフトとほとんど同じもので,アプリケーションのメニュー起動や登録,環境設定ファイル(autoexec.batやconfig.sys)のメンテナンスなどを行なうことができるものだ.

スタンドアロンな統合化ソフト“BusinessMate"
 All in Noteは“情報ツール”というコンセプトのもとに,情報の収集,加工,活用,蓄積のすべてのステージをこれ1台で行なうような使い方を想定しているという.デスクトップなどの外部マシンとの連携よりスタンドアロンな使い方を重視しているわけだ。これを具現化したのが標準装備(HDDにインストール済み)のアプリケーション“Business Mate"だ.
 Business Mate2,MS-Windowsで動作する統合化ソフトで,ワープロ,表計算,データベース,作図,通信,メモスケジューラ,住所録の8つの機能を,アイコンを選択するだけで起動できる(画面2~4).
 基本画面の右上には,8つのアプリケーションのアイコンが並んでいる.これを“トレイ”と称している。画面中央にはこれらアプリケーションで作成したファイルがアイコンで表示されている.アプリケーションの起動は,トレイのアイコン,データファイルのアイコンいずれからも可能だ。
 起動されたアプリケーションはひとつのウィンドウとして表示され,同時に複数のアプリケーションを立ち上げることができる。アプリケーション間のカット&ペーストも可能だ。ウィンドウの移動、サイズ変更,アイコン化,などの操作はMS-Windowsに準ずる.
 今回はAll in Noteを実際に使用できる時間がほとんどなかったため,各アプリケーションの使い勝手についての詳細は残念ながら分からない.しかし,一般ユーザーにはまだ使いにくいといわれるMS-Windows Ver.2.1の環境下にあって,ファイル操作なども含めてアイコンで統一した操作環境を実現したことは評価できるだろう.ただ,アプリケーションを単体で見ると,やや貧弱な感じがするのは否めない.
 三洋のWavy Desktopのように,AX界ではWindowsに独自の色付けをしてユーザーに提供するという形が定着しつつあるようだ。ただ,つい先日発表されたMS-Windows Ver.3.0やAX版の発売が予定されているMicrosoft Worksなど,AXを取り巻く統合環境も確実に変化しつつあり,AXベンダー各社がどのような対応をするのか興味のあるところだ。
 All in Noteの価格は40万をわずかに切る39万8000円。同クラスのCPUとハード構成を持つJ-3100GS021(49万8000円)と比べると,外付けFDD(4万9800円)を加えたとしても,まだ5万200円の価格差がある.また,Business MateやMS-Windowsが標準で装備されて,あらためてソフトに投資しなくても,ひと通りの使い方ができる点も見逃せないだろう.
 Business Mateなどの内蔵ソフトにこだわらず,市販ソフトの組み合わせで自由な使い方をすることももちろん可能だ。この場合には,外付けFDDは必須のものとなるだろう.
 とかくパーソナルユースを軽視してきたAX路線の中にあって,All in Noteのコンセプトとスペックは非常に革新的だ.All in Noteの登場が,AX市場はもとより,ノート型マシン全体に大きな影響を与えることは間違いないだろう.
(竹田)

時期尚早マシンだったということか。シャープはいつも残念だ。

「最新光磁気ディスク事情」をスクラップする。私がMOを買ったのはあと何年後だったかな。
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