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米国ハイテク産業、その他のハード(月刊ASCII 1990年5月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSのスクラップ。

米国ハイテク産業の動向をスクラップする。
■第5回CD-ROMコンファレンスが開催
 2月27日からの3日間,Microsoft社主催のCD-ROMコンファレンスがサンフランシスコのヒルトンホテルで開催された.このコンファレンスも今年で5回目.前4回のコンファレンスでは,CD-I,DVI,CD-ROM XAなど技術的ブレークスルーや,Apple社のマルチメディア参入,IBM社のMicrosoft/Intel社との提携など大きな発表が続出し,話題をさらった.
 今年の参加社数は昨年度よりはやや少なめ。Microsoft社のMin Yeeによれば「あまり大規模にしたくない」とのこと.頭数よりは中身というのがMicrosoft社の方針のようだ.さて,今回のコンファレンスでのトピックを列記していこう.

・MacroMind社
 Macintosh用アニメーションツールで有名なMacroMind社は、「Director Ver.2.0」を発表するとともに,DirectorのデータファイルをMS-Windows環境上でプレイバックできる「Windows Player」を発表した.会場ではベータ版をデモンストレーションし注目を集めていたが,製品版は本年第3四半期から99ドルで販売が開始される.4bitおよび8bitの画像を表示することができ,Macintoshとほとんど同じものがDOSマシンでも同様にプレイバックされるようになるのだから,そのインパクトは大きい。同社の設立者であるMark Canterによれば,今後このPlayerをFMTOWNSを含む各社DOSマシンに移植を進めることも検討しているという.
・CD-I
 昨年度いったん影を潜めていたCD-Iは,今年のコンファレンスで再び大々的に登場した.CTW(Children's Television Workshop)のCD-I版セサミストリート,ABCスポーツの実写フレームを用いたゴルフゲーム,スミソニアン博物館のミュージックジュークボックスなど,子供向けから大人向けまで盛りだくさんの開発中デモ作品に加え、新たに発表されたCD-Iビデオではリアルタイムビデオの実演を行なうなど,見事に再生を果たしたようだ。来年度中には日本および米国で,再来年度にはPhilips社のお膝元のヨーロッパでCD-Iプレーヤの販売を開始する計画だ。
 ようやく生き返ったCD-Iだが,昨年1年間のブランクは大きなものがある.小規模な開発会社はすでにCD-Iから離れてしまったし,Philips社が目標にしているプレーヤ価格1000ドルはちょっと高すぎるかもしれない。ただのゲーム機としてなら,ファミリーコンピュータやPC-Engineでもかなりの表現力を持っている.今後は,逃げていってしまった開発会社をどうやって引き戻すかが課題となりそうだ。 ・DVI
 Intel社とIBM社は,PS/2用のアダプタボード「Action Media750 Delivery/Capture」を発表した.Deliveryボードは,文字通りDVIソフトをPS/2上でプレイバックするためのもの。このボード1枚で,フルモーションビデオ,フルカラースチル,オーディオなどの再生が可能.ATバス仕様のボードはIntel社から発表された.販売開始は今年第2四半期からで,価格は1995ドルの予定.Captureボードは,DVIの中核とも言うべき,リアルタイム処理を含むビデオやオーディオのデジタル化および圧縮を行なうもの。価格は同じく1995ドルの予定.これら2枚のボードでDVIソフトの開発およびプレイバックが可能になる.昨年度,Intel社は7枚セットのボードを2枚にまとめると宣言したが,まずはそのハードルをクリアしたようだ。
・RobertAbel
 昨年「Guernica」プロジェクトを発表したコンピュータ第一人者Robert Abelは,今年はその続編を紹介した.ホーマーを主題にしたInformation-richな作品は、彼一流のプレゼンテーションのうまさと相まってさすがに受けていた.
・FMTOWNS
 昨年に引き続き,今年もFMTOWNSが大々的に乗り込んできた。富士通は,米国開発各社をサポートするためのFMTOWNSサポートセンターをつい最近サンフランシスコにオープンしたばかりだが,そのサポート内容は開発会社をかなり引き付けている.Activision(Mediagenic)社もそうした一社だ。同社は,Macintosh用のCD-ROMゲーム「Manhole」をFMTOWNSに移植した.まもなく日本でも発売される予定だ.

 過去4回のコンファレンスは,冒頭でも述べたように,毎回新しい主役が台頭してくるという派手なものが続いた。それに比べると,今回のコンファレンスは大きな発表もなく,全体的には例年よりかなり地味なものになったようだ。マーケティングセクションでの,CD-ROMはなぜ売れないかとか,まだできてもいないものをどうやって売るかとかいう延々として終わりのない議論はいつも通りだ。
 しかし,個々のタイトルを見てみると,アプリケーションの質が格段に向上している点は見逃せないだろう.実際,今回発表された作品の多くは,一応データをCD-ROMに書き込みましたという数年前のレベルと比較すると雲泥の差がある.Bill Gatesが言うような「業界を牽引するアプリケーション」の出現まであと一歩のところまできているのかもしれない.

(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)


33年経った今CD-ROMは衰退してしまった。開発当時沢山の努力があって開発された技術・製品であったのにこの寿命の短さに切なくなる。これに関わった技術者らは今リタイアしているであろうが、どのような感情を抱いているのだろうか。
スクラップが終わったらCD-Iの誕生からの記事を時系列にまとめると面白いと思う。

リコー,光ディスク装置2機種をOEM販売
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このときはまだ37万3000円もした。私が買ったときは10万円を切っていた。

マイクロニクス,光磁気ディスクサブシステム発売
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PC-9801用で144万円とは高すぎる。

米Areal社がガラスを使った超小型HDDを開発
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IBMノートパソコンを廃棄するときHDDを取り外し分解したらプラッタがガラスだったのに驚いた。分解中にすぐ割れてしまった。

日本テクサがカートリッジ型HDDシステムなどを発売
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私がカートリッジ型HDDを使い始めたときは120GのHDDが1万円を切ったころだった。

富士フイルム,耐久性を向上したFDを発売
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TDK,フロッピーディスクの新製品を発売
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東芝が容量10MbytesのICメモリカードをサンプル出荷
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昔ノートパソコンにはこのICメモリカードを使ってた。

東芝,最高速の1MbitEPROMを開発
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昔の東芝はメモリでは世界最高速とかの製品を出していた。

日電がチャネルレス・タイプのCMOSゲートアレイを発売
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富士通が32bit幅対応のECC LSIを発売
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東芝,スチルカメラ用のインターフェイスを発売
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「デジタルスチルカメラシステム」から「スチル」が取れるのはいつの記事からだろうか。

Rudius,Mac用2方向ディスプレイを発売
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33年前すでに発売されていたのか。この機能を液晶ディスプレイを買ったが一度もこんなふうに回転させて使ったことはない。もったいないことだ。

シャープ,女性向けローズレッド色の電子手帳を発売
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色だけで女性向けになるのだ。

キヤノンが35万件の情報を内蔵した電子辞典を発売
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この手の電子辞典を使っている人が身近にいた。

日本シンクネット,音声合成システムを発売
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シャープ,パーソナル心電計を発売
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これは医療用だと思われる。

ナムコ,マイクロマウス「マッピージュニア」を発売
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8bit機のころマッピーがはやった。

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