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米国ハイテク産業、その他のハード(月刊ASCII 1990年5月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSのスクラップ。

米国ハイテク産業の動向をスクラップする。
■第5回CD-ROMコンファレンスが開催
 2月27日からの3日間,Microsoft社主催のCD-ROMコンファレンスがサンフランシスコのヒルトンホテルで開催された.このコンファレンスも今年で5回目.前4回のコンファレンスでは,CD-I,DVI,CD-ROM XAなど技術的ブレークスルーや,Apple社のマルチメディア参入,IBM社のMicrosoft/Intel社との提携など大きな発表が続出し,話題をさらった.
 今年の参加社数は昨年度よりはやや少なめ。Microsoft社のMin Yeeによれば「あまり大規模にしたくない」とのこと.頭数よりは中身というのがMicrosoft社の方針のようだ.さて,今回のコンファレンスでのトピックを列記していこう.

・MacroMind社
 Macintosh用アニメーションツールで有名なMacroMind社は、「Director Ver.2.0」を発表するとともに,DirectorのデータファイルをMS-Windows環境上でプレイバックできる「Windows Player」を発表した.会場ではベータ版をデモンストレーションし注目を集めていたが,製品版は本年第3四半期から99ドルで販売が開始される.4bitおよび8bitの画像を表示することができ,Macintoshとほとんど同じものがDOSマシンでも同様にプレイバックされるようになるのだから,そのインパクトは大きい。同社の設立者であるMark Canterによれば,今後このPlayerをFMTOWNSを含む各社DOSマシンに移植を進めることも検討しているという.
・CD-I
 昨年度いったん影を潜めていたCD-Iは,今年のコンファレンスで再び大々的に登場した.CTW(Children's Television Workshop)のCD-I版セサミストリート,ABCスポーツの実写フレームを用いたゴルフゲーム,スミソニアン博物館のミュージックジュークボックスなど,子供向けから大人向けまで盛りだくさんの開発中デモ作品に加え、新たに発表されたCD-Iビデオではリアルタイムビデオの実演を行なうなど,見事に再生を果たしたようだ。来年度中には日本および米国で,再来年度にはPhilips社のお膝元のヨーロッパでCD-Iプレーヤの販売を開始する計画だ。
 ようやく生き返ったCD-Iだが,昨年1年間のブランクは大きなものがある.小規模な開発会社はすでにCD-Iから離れてしまったし,Philips社が目標にしているプレーヤ価格1000ドルはちょっと高すぎるかもしれない。ただのゲーム機としてなら,ファミリーコンピュータやPC-Engineでもかなりの表現力を持っている.今後は,逃げていってしまった開発会社をどうやって引き戻すかが課題となりそうだ。 ・DVI
 Intel社とIBM社は,PS/2用のアダプタボード「Action Media750 Delivery/Capture」を発表した.Deliveryボードは,文字通りDVIソフトをPS/2上でプレイバックするためのもの。このボード1枚で,フルモーションビデオ,フルカラースチル,オーディオなどの再生が可能.ATバス仕様のボードはIntel社から発表された.販売開始は今年第2四半期からで,価格は1995ドルの予定.Captureボードは,DVIの中核とも言うべき,リアルタイム処理を含むビデオやオーディオのデジタル化および圧縮を行なうもの。価格は同じく1995ドルの予定.これら2枚のボードでDVIソフトの開発およびプレイバックが可能になる.昨年度,Intel社は7枚セットのボードを2枚にまとめると宣言したが,まずはそのハードルをクリアしたようだ。
・RobertAbel
 昨年「Guernica」プロジェクトを発表したコンピュータ第一人者Robert Abelは,今年はその続編を紹介した.ホーマーを主題にしたInformation-richな作品は、彼一流のプレゼンテーションのうまさと相まってさすがに受けていた.
・FMTOWNS
 昨年に引き続き,今年もFMTOWNSが大々的に乗り込んできた。富士通は,米国開発各社をサポートするためのFMTOWNSサポートセンターをつい最近サンフランシスコにオープンしたばかりだが,そのサポート内容は開発会社をかなり引き付けている.Activision(Mediagenic)社もそうした一社だ。同社は,Macintosh用のCD-ROMゲーム「Manhole」をFMTOWNSに移植した.まもなく日本でも発売される予定だ.

 過去4回のコンファレンスは,冒頭でも述べたように,毎回新しい主役が台頭してくるという派手なものが続いた。それに比べると,今回のコンファレンスは大きな発表もなく,全体的には例年よりかなり地味なものになったようだ。マーケティングセクションでの,CD-ROMはなぜ売れないかとか,まだできてもいないものをどうやって売るかとかいう延々として終わりのない議論はいつも通りだ。
 しかし,個々のタイトルを見てみると,アプリケーションの質が格段に向上している点は見逃せないだろう.実際,今回発表された作品の多くは,一応データをCD-ROMに書き込みましたという数年前のレベルと比較すると雲泥の差がある.Bill Gatesが言うような「業界を牽引するアプリケーション」の出現まであと一歩のところまできているのかもしれない.

(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)


33年経った今CD-ROMは衰退してしまった。開発当時沢山の努力があって開発された技術・製品であったのにこの寿命の短さに切なくなる。これに関わった技術者らは今リタイアしているであろうが、どのような感情を抱いているのだろうか。
スクラップが終わったらCD-Iの誕生からの記事を時系列にまとめると面白いと思う。

リコー,光ディスク装置2機種をOEM販売
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このときはまだ37万3000円もした。私が買ったときは10万円を切っていた。

マイクロニクス,光磁気ディスクサブシステム発売
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PC-9801用で144万円とは高すぎる。

米Areal社がガラスを使った超小型HDDを開発
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IBMノートパソコンを廃棄するときHDDを取り外し分解したらプラッタがガラスだったのに驚いた。分解中にすぐ割れてしまった。

日本テクサがカートリッジ型HDDシステムなどを発売
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私がカートリッジ型HDDを使い始めたときは120GのHDDが1万円を切ったころだった。

富士フイルム,耐久性を向上したFDを発売
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TDK,フロッピーディスクの新製品を発売
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東芝が容量10MbytesのICメモリカードをサンプル出荷
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昔ノートパソコンにはこのICメモリカードを使ってた。

東芝,最高速の1MbitEPROMを開発
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昔の東芝はメモリでは世界最高速とかの製品を出していた。

日電がチャネルレス・タイプのCMOSゲートアレイを発売
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富士通が32bit幅対応のECC LSIを発売
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東芝,スチルカメラ用のインターフェイスを発売
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「デジタルスチルカメラシステム」から「スチル」が取れるのはいつの記事からだろうか。

Rudius,Mac用2方向ディスプレイを発売
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33年前すでに発売されていたのか。この機能を液晶ディスプレイを買ったが一度もこんなふうに回転させて使ったことはない。もったいないことだ。

シャープ,女性向けローズレッド色の電子手帳を発売
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色だけで女性向けになるのだ。

キヤノンが35万件の情報を内蔵した電子辞典を発売
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この手の電子辞典を使っている人が身近にいた。

日本シンクネット,音声合成システムを発売
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シャープ,パーソナル心電計を発売
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これは医療用だと思われる。

ナムコ,マイクロマウス「マッピージュニア」を発売
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8bit機のころマッピーがはやった。

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パソコン、ソフト、ワープロ(月刊ASCII 1990年5月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSからパソコン、ソフト、ワープロの記事をスクラップする。

AJがMacintoshの最上位機種をなどを発表
= クロック周波数40MHzの68030を搭載した IIfx =
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Macは高価だが、これはワークステーション並みの価格だ。

松下電器がPanacom Mシリーズに新機種を投入
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CV-550FDが32万円。

リコー,マイツール専用のラップトップマシンを発売
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独自の統合ソフト専用の機械。

三洋,ワープロベースのビジネス処理マシンを発売
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これはワープロの操作体系を基礎としてマシン。

YHP,i486およびEISAを採用したマシンを発売
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MCAではEISAを使用したが価格は207万円とワークステーション並みの価格だ。

日本DEC,フルオートトレラントコンピュータを発売
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これは電源ダウンには無力ではないのか。

ロンローインターナショナルがROM化可能なEZ-DOSを販売
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ES-DOS懐かしい。使ったことはないがこういった互換DOSがあったことは覚えている。

コムテクノがマルチユーザ/タスクが可能な80386CPUマシン用「386/MultiDos」を販売
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マルチユーザのMS-DOSをどいうったところで必要だったのか分からない。

セイコーエプソンがMS-Windows Ver.2.11を発売
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33年前はこうして各機種用のWindowsが必要だった。困ったものだった。

ロータスがOS/2対応のLotus1-2-3 R3Jを開発
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OS上で動くアプリケーションも各機種用が必要だった。だから私はOSなんておこがましい。お前らローダーじゃないか。と罵倒しながら使っていた。MS-DOSのプログラムテクニックの本はMS-DOSが遅すぎるため回避するテクニックが書かれていた。これもすべて8086が悪いと思っていた。

三修社,FM TOWNS用8cmCD-ROM3種類を発売
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富士通はCD-ROM推しをアピールしていた。

アンテナハウスがOASYS30-新松コンバータを発売
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新松というところが微妙。OASYSファンはOASYSで完結していたはずだ。わざわざ98に、しかも新松にファイルをコンバートしたいというユーザーがどのくらいいたのか。

ジャストシステムがソフト3本をバージョンアップ
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MS-DOSの時代ワープロは日本の製品のみという状態だった。まさか、米国製のワープロWordが市場を席巻するとは予測できなかった。Wordを使ってみたいとは思わなかった。

ジャストシステムが98を使ったDTPシステムを発表
同時に一太郎/花子も強化
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日本語を処理できるのは日本のマシンでソフトだと思っていた。縦組み印刷なんて米国の文化にないし、原稿用紙に字をはめるのもないし、縦読みという遊びだってできない。英語圏のワープロは性能が劣ると思っていた。

三洋が同音異義語のチェックができる日本語ワープロを発売
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SWP-386の価格は14万8000円

松下電器がラップトップ型の日本語ワープロを発売
ASCII1990(05)b15松下ラップトップワープロ_W520.jpg
FW-U1P603AIXの価格は19万8000円






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パソコン広告(月刊ASCII 1990年5月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

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裏表紙は宮沢りえの全身像。

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PC-9801T。覚えていない。

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前号の使いまわし。NECは広告に力が入っていない。PC-8801mcで未だに8bit機の広告だった。NECは98の指名買いで黙っていても売れていた。

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NECのモデムの広告。3月号の使いまわし。右下隅に川越美和のカットがある。NECはなぜこんな風にイメージキャラクターを使ったのか。どんなしがらみがあったのか

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NECのPC電子手帳ET。周りに使っている人を見たことがない。

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左頁はMac、右頁がIBM PS55Z。

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左頁はPanacomM、右頁がLUNA。

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X68000。

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シャープのポケコンPC-E 500。前号の使いまわし。

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DynaBook。

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J-3100

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ASCII1990(05)a10TOWNS宮沢りえ_W520.jpg
富士通のTOWNSの広告はこの号も力が入っていた。宮沢りえのカットが変わった。

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ASCII1990(05)a11TOWNS宮沢りえ_W311.jpg

ASCII1990(05)a12TOWNS_W520.jpg
ASCII1990(05)a12TOWNS宮沢りえ_W319.jpg

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ASCII1990(05)a13TOWNS-FM77AV40SX宮沢りえ_W265.jpg

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FMR

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EPSONは中島悟をイメージキャラクターに登用したPC-286NOTE Fは前号の使いまわし。

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左頁はPC-386M。前号の使いまわし。

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キヤノンのAXi。

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LASER SHOTは前号の使いまわし。

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Apple と Cannon によるMacの広告

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キヤノンのNAVI

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キヤノンのバブルジェットプリンタは前号の使いまわし。

ASCII1990(05)a22NeXT_W520.jpg
NeXTの広告は毎月おしゃれだ。

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SONYのクォーターエルの広告。

ASCII1990(05)a24PalmTop_W520.jpg
SONYのPalmTop。LapTopからBookへNoteへとさらにはPalmになった。

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ASCII1990(05)a25NTT薬師丸ひろ子_W520.jpg
NTTのパジャマ・コールには薬師丸ひろ子が起用されていた。この数年後テレホーダイへと変わった。

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Aldus PageMaker。Windows 3.1のとき大変お世話になった。

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M-TOPはMac互換機であるが、著作権の問題を回避するためMacのマザーボードを元に筐体をラップトップ化したという珍品。

ASCII1990(05)a28かたろう_W520.jpg
ジャストシステムのパソコン通信ソフト「かたろう」の広告。

ASCII1990(05)a29一太郎_W520.jpg
ジャストシステムの製品群の広告。

ASCII1990(05)a30TURBO_W520.jpg
右頁がBORND社の製品広告。スチューデントパックで割安にした。不法コピーをしないでね。

ASCII1990(05)a31Lotus_W520.jpg
ロータス1-2-3

ASCII1990(05)a32Windows_W520.jpg
Windowsはまだまだ先だった。

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ASCII1990(05)a33マイクロデータ漫画_W520.jpg
マイクロデータの広告。

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ASCII1990(05)a35ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告が見開き4ページあった。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった

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ASCII1990(05)a36maxell岡部まり_W520.jpg
maxellのフロッピーディスクの広告に岡部まりが起用された。

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FUNI FILMのフロッピーディスクの広告は前号の使いまわし。

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擬似環境,ターミネーター他(月刊ASCII 1990年4月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「Hyper Hackerからの手紙」をスクラップする。
仮想現実(Virtual Reality)は33年前には擬似環境(Artificial Reality)と言っていた。Virtual Realityはいつ誰が言い始めたのだろうか。
擬似環境のもたらすもの
Artificial Reality:What it Means to All of Us/strong>
 Hobnobbing with the Hyper Hacker連載していただいているW.Buckley氏からの最新レポートです。同氏は,IBM PC版のCore Warsの作者であり,ウォームやウィルスについても、早くからレポートを送っていただきました。今回は,21世紀に向けての新たなマン・マシンインタ一フェイスとして氏が注目しているデータグローブとアイフォンについてのレポートです.
William R. Buckley
(訳:福崎 俊博)

このアイフォンはアイホンとは違う。
疑似環境の時代
 今後,今世紀の終わりが近付くにつれ、コンピュータユーザーの皆さんは「擬似環境」(Artificial Reality)という言葉を頻繁に耳にするようになるでしょう.その理由は実に簡単です。擬似環境が,仕事の重要な手段として,どの職場にも急速に普及していくからです。擬似環境は長年NASAで研究されてきましたが,今や研究所から一般社会に飛び出そうとしています。これにどんなメリットがあるかというと,ユーザーが今までと違った新しいやり方で仕事できるようになると同時に,コストは以前よりもかからず,その上生産性は逆に向上するのです.また,長い間待ち望まれてきたコンピュータ在宅勤務もすぐに現実のものになります。コンピュータハードウェアのコストパフォーマンスがさらに向上すれば,擬似環境が実用化できるでしょう.
 擬似環境は,テクノロジーを実地に応用しようとした人々の,たゆみない努力によって実用化されていくと思います。こうした人々は,今日のハッカー,つまり1990年代のダグラス・エンゲルバート[1]でありスティーブ・ウォズニアク[2]だといえるでしょう.みんな夢想家で,誰からもまだ発せられていない問いに対する答を思い描いているのです。このような現代のハッカーたちは、今までの成果を基に史上最高のユーザーインターフェイスを作り上げました。このユーザーインターフェイスこそ,擬似環境を実現する鍵なのです.

[1] ダグラス・エンゲルバート:SRI(スタンフォード国際研究所の前身)でマウスとグラフィック・ユーザーインターフェイスを開発
[2] スティーブ・ウォズニアク:Apple Computerの設立者のひとり.AppleIとAppleIIを開発

33年後の今は実用化されたとしていいか。だとすると長い年数がかかったものだ。
擬似環境のユーザーインターフェイス
 従来のコンピュータでは,ユーザーはキーボードやテキスト/グラフィック・ディスプレイモニタ,マウスによってプログラムと対話してきました.しかし,もうこんなものにはおさらばしましょう。これからは,データグローブ(DataGlove)とアイフォン(EyePhones)の時代なのです.データグローブとアイフォンに,機能の下請けとしてそのほかの入出力装置を組み合わせれば,人間対コンピュータの非常に優れたインターフェイスが実現できます。1組のアイフォンと1つのデータグローブがあれば,ユーザーはどのような擬似環境であっても仕事ができるようになるのです.
 データグローブはまさにその名の通りで,伸縮性のあるポリエステル素材でできた手袋です.目新しいのは,手袋の外側にセンサがたくさん並んでいる点です(写真1)。手や指の関節に当たる部分はそれぞれセンサによってモニタされており、関節が曲げられているかどうかが分かるようになっています。つまり,手袋をした手の物理的な動きがコンピュータでモニタできるのです.


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原型はもうできあがっていた。
 一方のアイフォンですが,これはお馴染みの格好をしていながら,同時に新奇な印象も与えるものです.アイフォン自体は別に新しいアイデアではなく,1960年代の中頃に,アイバン・サザランドがアイフォンの技術を初めて実現しています.アイフォンの外観はスキューバダイビング用の水中メガネによく似ていますが,中にはバイク用のヘルメットに似ているアイフォンもあります.ただ,水中メガネやヘルメットとは違って透明のシールドがないので,これを付けた人は外の風景を見られません(写真2)。ユーザーの両目は,おのおの画像装置で覆われる格好になります.この装置は,右目と左目にそれぞれ擬似環境の右側と左側の画像を表示します。ユーザーの頭脳は2つの画像を合成するので,結果的に3次元空間が見られることになるわけです.

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アイフォンは1960年代の中頃すでにあった。今の仮想現実の技術には新規性がない。自動車が昔から完成されていて細かな改変を繰り返して今あるのと似ている。
 例として部屋を考えてみましょう.ユーザーの頭が動くと,部屋の画像が移動したり回転したりするので,ユーザーの目には空間の中でイメージが一定位置に静止しているように見えます.たとえば,最初壁に向かっていたユーザーが左を向くと,正面の壁が右に動き,左にあった壁がユーザーの正面にくることになるのです。どちらの壁も,移動するときは滑らかに回転します。そのようすは,自分が本物の部屋の中にいて、正面の壁から左側の壁に顔を動かしたときと同じように見えます.したがって,作り物っぽい感じが多少残ってはいますが,それでもユーザーの心の目は本物のイメージを見ているような気になるのです。
 データグローブにもアイフォンにもセンサが付いているので,コンピュータはユーザーの手と頭の方向をモニタできます。センサはポレマスセンサ(Polhemussensors)と呼ばれるもので,磁界をモニタする機能があります。したがって,コンピュータはユーザーの向きも分かるし,手首から人さし指まで,ユーザーの手が示す向きも分かります。さらに,このようなセンサのおかげで,コンピュータはユーザーの手と頭の方向ばかりか,揺れや上下左右の運動もモニタできるようになっているのです.
 ポレマスセンサは,1個を固定し,もう1個は位置をモニタしたい部分に付けるというように,2個1組で使われています.つまり,固定センサが磁界を作り出し,移動センサがこの磁界をモニタするのです.センサが磁力線を横切ることで,動きが検知されます。ポレマスセンサは非常に敏感なので,ちょっとした動作でも検知できます。別の言い方をすれば,ポレマスセンサは,世界を非常に細かいグリッドで計測するのです.さて,データグローブとアイフォンがあれば,ユーザーはどんな擬似環境でも入り込んだり,対話したり,利用したりできます.そうした環境では,コンピュータの内部にしか存在しない物体を見たり,触ったり,操作したりできます.また,現実の世界に存在する物体でも,危険で人間が近付けないところにあるような場合には,疑似環境で対処できます.
 ユーザーには架空の手,つまり,指,手の平、手首,そして前腕部の先っぽまでがきちんと見えます.ユーザーが手を動かすと,架空の手(以後く手>と略)の画像も同じ動きをします。このように<手>が視覚上のフィードバックになっていることが擬似環境の中にユーザーを引っ張り込むのに一役買っているわけです。ユーザーが擬似環境の中を移動すると<手>も移動します.<手>は必ずユーザーに付いてくるのです.
 人間の手のさまざまな形(指や手首などで作る形)には意味や機能が割り当てられていて,データグローブがそれを判断します.コンピュータによって,手の形が意味のある形だと判断されると,その形に割り当てられた機能がコンピュー夕内部のプログラムによって実行されます.たとえば手を人さし指だけぴんと伸ばして,あとの4本の指は握りこぶしのように丸めた形にすると,ユーザーが今指示している方向の擬似環境に移動したいということがコンピュータに伝わるのです.また,5本の指を開いて,それから5本とも握ると,擬似環境中の物体をつかむようにコンピュータに命じることができます。すると<手>が,私達の期待通りに動きます。


擬似環境の応用
 どんなテクノロジーの場合でも,一番大切なのは,そのテクノロジーがユーザーに何をもたらすのかということではないでしょうか。すぐにたくさんの例が思い浮かびます.その例として,コンピュータ技術者の長年の悲願になっている在宅勤務(telecommuting)がよく取り上げられています。在宅勤務といえば,以前なら事務関係の社員やプログラマの仕事に限られるのが相場でした.こういう人達が自宅でコンピュータの前に座って,電話回線で自分の会社のコンピュータに接続し,普通ならオフィスの机でやるような仕事を自宅で全部片付けるというのがそもそもの発想でした.ところが,これは在宅勤務の非常に限られた一面です.擬似環境を利用すれば,理屈の上ではどんな仕事でも自宅から行なえるのです.
 では、まず企業の重役を例に挙げましょう.擬似環境のテクニックを使えば,経営会議に出席するための移動時間も旅費もいらなくなります.データグローブとアイフォンを付けると,ユーザーは一瞬のうちに仮想会議室に到着するからです。そしてその会議室には,仮想黒板や仮想テーブル,仮想チェアなど,必要なものが何でも揃っているのです.
 このアイデアは遠隔地間会議(teleconferencing)といわれます.遠隔地間会議といえば,昔はテレビカメラやモニタ,マイク,ヘッドフォンが必要で,会議室の設備を持つ2ヵ所以上の場所が実際になければなりませんでした.ところが今ではこうした設備は1カ所にまとめて,出席者はそれぞれ別の場所にいるままでよいのです.そして,これまでの中途半端な遠隔地間会議に必要だった本物の設備もいらなくなりました。擬似環境で実現される遠隔地間会議なら,出席者に資料を配ったり,出席者が黒板に文字を書いたり,資料フィルムを見たり,普通はオーバーヘッドプロジェクターで映すようなスライドなどのプレゼン資料を見たりできるのです.しかも,擬似環境による会議では,出席者は何人いても構いません。このように,擬似環境を応用すれば,わざわざ出かけて行かなくても,実際にその場にいる経験を味わえるのです.賢明な皆さんのことですから,私の言っている意味が分かりますよね。

ただ会議システムには限界がある。会議が始まる前に根回しが行われることが多いことと現場での空気感だ。あるテレビ会議で支社側の提案が議案が決まりそうになったとき本社の一人がぼそっと「こういうときには○○してはダメなんだ」と言ったとたん、本社側の空気が変わり否決されたという話を聞いた。同じ部屋のメンバー間でのみ通じることがある。日本の会議はこうだったが、今は変わったのだろうか。
CADなどへの応用
 さて,擬似環境はCAD/CAEツールとしても優れています.AutoCADなど,CADプログラムにはたくさんの種類がありますが、そのどれを使って作り上げた設計も,すべて擬似環境のテクノロジーで利用できます.エンジニアなら,ビルやダムや宇宙船の設計を,実際に作るはるか以前に視覚的に検証できます.擬似環境のユーザーは,設計のイメージをモードを変えて眺められます.たとえば,まず青写真を見て、次に実物大の3次元模型を見られるのです.模型の縮尺倍率は変更できるし,また青写真への変更はすぐに模型に反映されます.その逆も可能です.
 こうなると,建築家も当然擬似環境の虜になるでしょう。家の設計の中を,自分の客を案内して歩けるからです。壁の材質や、塗料やカーペットの色,タイル敷の床や木製の窓枠など,何でも擬似環境で眺められるのです。客の気に入らない細かい部分は即座に視覚的に変更できるので,終始客に満足感を与えられるのです.何しろ,客のニーズや要望こそ建築家にとって大切なものだし,これがサービスというものです。
 また,人工の世界を相手にするばかりでなく,ユーザーは現実の世界とも同じように対話できます。一般的に言って,こうしたテクノロジーは,人間を派遣するのが非常に危険な状況に応用されます。擬似環境は,原子力発電所の内部や海底,さらには銀河系の行き着ける果てまでもユーザーを連れて行ってくれます。地球や近くの惑星上ならロボットに正確な指示が送れるし,擬似環境を使ってロボットの周りの世界と対話できます.
 ところで,映画「エイリアン」の最後のほうで,シガニー・ウィーバーがエイリアンと戦うためにロボットのような機械の中に入っていく場面を覚えているでしょうか。現在ではあの種の装置が実在し,実際に販売されています.ところが擬似環境を使えば,オペレータが操縦席に座る必要はありません。操作卓によってロボットに与えるような命令は,すべて2個のデータグローブと,あと「データソックス」みたいなものがあれば操作できます.そして,視覚的な情報は,ロボットからオペレータにアイフォンを通して運ばれてくるのです。


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ゲーム/教育分野への応用
 2000年がくるまでには,近所のどの子どももコンピュータをダンジョンマスターとして使い,ユーザーインターフェイスとグラフィックスジェネレータが1つにまとまった,擬似環境を応用した高度なロールプレイングゲームで遊ぶようになるでしょう.プレイヤーは,車や飛行機や船や宇宙船の中からでも遊べます.ゲームの舞台は遙かな昔でも遠い未来でも,あるいは現実の世界でも構いません。おそらく,中世の騎士のような馬上槍大会やローマ時代の戦車レースなど,大昔のスポーツが復活することでしょう。このようなことが全部できて,コンピュータ,インターフェイス,ソフトウェアそのほか込みで2000~3000ドル程度以下ですむと思います。ゲームソフトウェア関係者はこれに注目すべきです。この市場は大きいし,まだ時間があるので業界で成功するチャンスが十分あるからです.
 擬似環境の子ども向けアプリケーションの市場は,別にゲームだけではありません.教育用ソフトウェアの分野は,依然として最大の利益を見込める市場なのです.子ども達とその先生が,月や惑星や惑星の衛星や遠い星の上に立っていたり,海中や過去の世界を旅するようすが目に浮かぶようです。こうすれば,授業も分かりやすくなるでしょう。このような優秀な教材を使って,学習内容が生徒の身に付かないわけがありません。
 さらに,両親が自分の子どもの通う学校を選べるようにしようという現在の風潮は,すべての教育機関に極めて大きな影響をもたらすはずです。たとえば,何万人,あるいは何十万人もの生徒を教育できる学校が誕生するでしょう。その場合の学校の運営方法は,現在の教室単位の方法ではなく,コンピュータを使うようになります.擬似環境が利用できるようになると,現在の学校のうちほんのわずかしか生き残れないこともあり得ない話ではありません。卒業生が常に一流の学者や実業家になる学校が生徒を大量に集める一方,やや成績の劣る学校は廃校に追い込まれてしまうでしょう.

2000年になってもコンピュータ環境は大して変わらなかった。2000年問題があったが主にソフトウェア技術者の仕事で社会に大きな影響を与えなかった。この関連でプログラマは自分のコードが何十年も使われるとは思わなかったということが上げられる。だから2000年に近づく前に新たなプログラムが作られると思っていたようだ。金のせいかどうか知らないが、全く新たにプログラムを作ろうとはしなかった。初期の頃はメモリが少ないのでデータに冗長性を持たせることはできなかった。私が趣味のプログラムを作っていたとき1980年代既にデータは倍の大きさを用意しろと書籍にあったのでそれにならって作っていた。つまり、学年のクラスは1桁で済むとしても倍以上用意しろというものいつ10組以上の学校処理をしなければならなくなる。私はそういったとき4桁用意した。構造体でデータを用意しても何年か先なんらかの都合で拡張が必要になったときクラス番号の上の桁にフラグを用意することで対応することができた。フラグが立ったクラスは追加の構造体データを参照するようにしていた。
実用化へ向けて
 さて,市場はAutoDesk,VPL Research,Nintendoなどをリーダーとして混戦状態にあります。製品はもう信じられないくらい安くなりました.VPLは自社のシステムで50万ドルほどの利益を余分に稼ぎたいがために,非常に多くの潜在的な購買層を逃す羽目になると思います.Nintendoの80ドルの値札の付いた製品を見せ付けられると,VPLのやり方はほとんど泥棒に近いように思えてなりません。でも,まだ店に走っていく時期ではありません。擬似環境を実現するには,コンピュータの実力がまだ足りないからです.しかし,十分な実力を備えたマシンがすぐに登場するでしょう.なぜなら,企業の命運は,擬似環境を数多くの用途に応用することにかかっているからです.
 擬似環境は,非常に多くの物事を変えていくでしょう.仕事の仕方はもちろん、勉強のやり方や,研究方法や余暇の過ごし方も変わるはずです.擬似環境がどの家庭にも入り込むようになるまでにはかなりの課題が残っていますが,そうした課題は今まさに解決されつつあります。経営戦略から言えば,最良の選択は今のうちに企画しておくことです.つまり,テクノロジーを日常業務に組み込む企画や、擬似環境を応用した商品化可能な製品の企画を立てることなのです.一般の人々は,ちょっとの間ただ待っていればよいだけです。
 擬似環境は,ユーザーに大きな能力を与えてくれるでしょう.そしてその能力は,これまでに例を見ないまったく新しい力なのです.

今は当たり前になったVirtual Realityだが、33年前それを目にしていなかった人たちに解説するにはこれだけの文章が必要だった。

関連するかもしれないので富士通のHabitatの記事をスクラップする。
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セカンドライフとかメタバースとかの原型だと思う。
33年前はパソコンはオタクのものだったのでこういった先進的なものは社会に受け入れられなかった。

TBNの記事をスクラップする。
ターミネータのしくみ
Q:SCSIハードディスクを増設するときなどに使用するターミネータとは、いったいどのような働きをするものなのですか?
A:SCSIバスには,原則としてその両端に1つずつ、合計2つのターミネータ(terminator)を接続しなくてはなりません.
 したがって,ハードディスクなど複数のSCSIデバイスをデイジーチェインして増設する場合には,そのバスラインに3つも4つもターミネータが接続されていることのないように、またターミネータは必ずバスの両端に存在するように気を付ける必要があります(図1).
 通常パーソナルコンピュータで利用されているSCSIでは,必ずパーソナルコンピュータがバスの片方の端に位置するようになっています。ですからSCSIハードディスクなどを接続した場合には、そのデバイス側とパーソナルコンピュータ本体側に1つずつターミネータを接続する必要があります。
 たとえばPC-9801シリーズのSCSIの場合には,パーソナルコンピュータ本体のスロットに挿入するインターフェイスボードにあらかじめターミネータが接続されています.ですから、外部のハードディスク側に1つターミネータを接続すればよいことになります。複数のハードディスクを接続する場合には,ケーブルの接続順でパーソナルコンピュータから最も遠い所に位置するハードディスクにターミネータを備えます.
 では、このターミネータはどのような働きをするものなのでしょうか.
 SCSIバスには複数の異なるデバイスが接続されます。ですから,信号にはデバイスごとに少しずつ異なる負荷がかかりますし,デバイス間の距離によっても信号が影響を受けます。それらさまざまな影響の結果,余分な信号がバスの終端で反射したり,バズラインの末端に接続されたデバイスまで正しく信号が伝わらないといったことが起こり得ます。ターミネータは,バスライン全体に均等で正確な信号が伝わるように,バスを伝わる信号のそうした「暴れ」を抑制する働きをするものです。そのためにターミネータを正しく接続していないと,SCSIデバイスがうまく動作しないことがあります.
 ターミネータには外付けのコネクタ状のものやハードディスクなどのデバイス本体内に内蔵されているものなどがありますが,要は抵抗器です.ちなみに,通常ターミネータはSCSIバスラインの信号を+5Vの信号線に220Ωで接続し,その信号をGNDの信号線に330Ωで接続するようになっています.
(樋田)


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ハードディスクを買うたびにターミネーターが付いてきて何個も余っていた。

「FROM THE EDITORIAL OFFICE」の記事が面白かった。スクラップする。
データ処理の魅力
▲先日,「本の雑誌」の発行人である目黒孝二さんが当編集部を訪れ,取材されていった.この雑誌は,本や雑誌といったペーパーメディアが好きな人なら誰もが知っている雑誌で,ご多分に洩れず当誌のスタッフにも愛読者が何人もいる.一般には,椎名誠さんが編集人をされていることで有名な雑誌だろう.
▲その「本の雑誌」の方がなぜ月刊アスキー編集部を取材することになったのかというと,「パソコンに興味を持ち,購入機種を検討しようとパソコン雑誌を手当たり次第に買ってきたのだけれど,なにが書いてあるのか見当すらつかない」ということがその雑誌に書かれていた。そこで「我々がお手伝いしましょうか」と,編集部の一人が電話をかけたことがきっかけだった.
▲目黒さんの言葉の一つ一つが,パソコンを生活の一部としている我々にとって新鮮だった.たとえば,「MS-DOSのDOSの意味は分かった。でもMSっていうのが分からないんですよ」とおっしゃる。「このDOSを作ったアメリカのMicroSoftという会社の頭文字です」と言うと,「な~んだ」と,納得される.そんなことも書いてなかったのかなと150号の別冊付録に付けた用語辞典を見ると,「米マイクロソフト社が,インテルi80X86系のCPUを……」などと書いてある。「これじゃ1行目から分かりませんよ」と言われたが,確かにその通りだろう。
▲当誌は必ずしも初心者に向けた誌面作りをしているわけではない.しかし,パーソナルコンピュータを「面白そうだ」と感じる人が読んだときに「なにが書いてあるのか見当すらつかない」という実態は,やや悲しい。
▲ところで,今月号で特集したデータ整理術は,ワープロ専用機とはちょっと差のつく,パソコンの独壇上だ.パソコンでデータをいじくりまわすことには,「データ・フェティシズム」とでも言うべき面白さがある。その魅力のエッセンスは,記事中で紹介したつもりだ.ワープロに続くテーマとして,挑戦されてはいかがだろうか?  (土田米一)

知人にパソコンに詳しい人がいないとMS-DOSのMSが分からないというところで躓くんだ。私の周りにはそういう人がいなかったというところは私がパソコンは役に立つ皆使ってくださいと布教していたためだろう。

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