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パソコン'91年はこうなる。OS、98、ノート他(月刊ASCII 1991年2月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集は「パソコン'91年はこうなる」だった。この号の編集室からの遠藤 諭氏のコラムが「'91年の予測は比較的容易」と書いてあった。自信満々というところだ。前振りとして以下そのコラムをスクラップする。
パソコン,'92年はこうなる
▲'91年の予測は比較的容易だが,'92年となると、グッと難しくなりそうだ。動きはいくつもあって、1つは,MS-Windwos3.0の普及ペース,もう1つが,マルチメディアがようやく立ち上がるかどうか,そして,Macintoshがどう展開するかといったところだ。
▲MS-Windows 3.0は,アメリカではこの秋までに200万本を出荷して,Microsoftはじまって以来のヒットともいわれているが,PCの全体数からすれば,まだ,何分の1といったところだ。現状では386マシンでDOSアプリケーションのスイッチャとして使われている.とはいえ,ソフトハウスの対応はよく,順調に成長すると見てよい。
 日本でもこれと同じことが1年シフトして起こるのか?とすると,PC-9801の優勢は'92年にかけても変わらないだろう.386のバーチャル86モードを使ったスイッチャが商品としてないだけに歓迎か。ただし,ユーザーは、自分なりの時期に移行すればよいという余裕があり,DOSもまだ元気なはずだ.
▲マルチメディアのほうは、積極的にソフトの品揃えを増やしているFM TOWNSが,どう受け入れられるか?大手専門店が力を入れはじめているなど,材料は明るい.他メーカーからもマルチメディアを意識したマシンが'92年までには登場しているだろう.
 Macintoshは,ここ1~2年ですっかりビジネスマシンになった。'90年のデータでは,Macintosh用のソフトウェア全体が好調な中で,ゲーム/ホビー系のソフトの発売だけがマイナスに転じているという。ビジネスソフトとなると、日本語で使えるソフトが本格的に出揃うようになってほしいところだが,普及価格のマシンの登場などで,'92までにはかなり状況は変わるだろう.
▲MS-Windows 3.0の登場とともに,マルチプラットホームという言葉が聞かれはじめた.どのマシンのどのOS環境でも同じソフトウェアが使えるということだ。'92年には,それが少しずつだが実現しはじめている。
(遠藤 諭)

ん?なんか変だ。予測が難しい'92年を予測しているようでそうではない。'91年中にどうなるかの予測で'92年には「少しずつだが実現しはじめている」ではプロが何を言っているのかという感じだ。

「パソコン'91年はこうなる」の冒頭をスクラップする。
何が起こるのか
 16bitCPUを搭載してMS-DOSを広めた「IBM PC」が登場したのが'81年なので、今年はちょうど10周年となる.日本でいうと,PC-9801発売の'82年から足掛け10年である.
 日本のパソコン関連製品の出荷額は当時の約5倍の規模に成長.'89年度で国内,輸出を合わせて,初めて1兆円を超えた.これは,本体とともに,ディスプレイやHDD,プリンタを入れた金額だ。その後も10数%を超える成長で,1991年度は,国内だけで出荷額1兆円を超えそうだ。電子協の予測によると,パソコン本体の国内での出荷台数は200万台を大きく上回るという.台数を押し上げているのはノート型だ。ちなみに世界市場では,'91年に総計2500万台(500億ドル=約7兆円)に上ると見られている.
 マシンに搭載されるCPUの変化も見逃せない.386SXによる32bit化の流れは,'90年度でも7割増という大きなものだ.このまま'91年度も同じ流れになれば、「中心はまだ286マシン」と言えなくなる.電子協の予測によると,'91年度のCPU別出荷台数は16bitマシンがついに減少に転じ118万台,32bitは97万台という数字が出ている.大きな流れの予測は,だいたいそれを上回る実績を残す傾向がある.世界的に見ても,'91年度で台数比率はぎりぎりの数字が出ており,IBM PC生誕10周年は32bitマシンが16bitを逆転する年になるかもしれない。

そうかPC-9801無印が出たのが1982年10月だから、1991年1月で8年3か月だ。たった8年でこの進歩は凄い。今でいうと2023と2014年になるが全然進歩しているように感じられない。41年前から32年前までの進歩が凄いと感じる。この速さでは予測が難しいのも当然だ。

予測の難しさ
 新年にあたり、今年1年でパソコンの世界がどうなるのかを考えていくのが,この特集の主旨である。たった1年とはいえ、この業界は何が起こるか分からないのが本当のところである.
 たとえば,'89年に発売となったDynaBookをはじめとするノート型が,ここまでパソコンの話題の中心になった.それまでのラップトップマシンの評価からして,2年前には想像できなかっただろう.'90年度前半期の実績で,パソコン本体の出荷台数の4割以上を占めてしまった.もちろん,それまで「コンパクトマシン」として売られていたラップトップマシンよりふた回り小さく、軽く、なにより「安い」という三拍子が揃ったおかげだ。
 低価格ソフトも,当初はここまで長期間,ベストテンに入るとは予想されていなかった。アシストカルクは'89年秋の発売以来いまだに売れ筋ソフトに入っていある.以前にも,安いワープロが発売されたことがあったが,なかなか売れなかった.販売店が売る気になってくれないとか,安いソフトは良くないといった常識のためかもしれないが,流れとしては「安いノート型の価格に合った価格のソフトが必要」となったためでもある.
 ワープロソフトの価格はその最たるもので5万8000円が常識という時代から,3万9800円へと完全に下がった.さらに2万8000円を狙う動きもあるほどだ.統合ソフトは数年前に何本も発売されたが,消えていった.Worksは発売からまだ半年だが,ランキング上位に付けている.
 少し前ならば米国のパソコン業界の動きを見ていれば同様のことが日本でも起こっていたが,今はそうはいかない。ノート型の開発競争は日本のほうが激しいし最新CPUを搭載したマシンが日本で最初に発表される。最新の記憶装置もしかりだ。ノート型の普及により,ソフトの価格も米国なみになり,Windows 3.0が出てくれば,あちらの最新アプリケーションが次々と移植される可能性もある。ただ、製品レベルの「遅れ」は小さくなっているが,普及率はまだまだで,日本では1年間に50人に1人が買う(約200万台)のに対し,米国内では15人に1人が買うのである(約1400万台).

当時は1年でどうなる分からない時代だった。日進月歩ではなく秒進分歩だった。ドッグイヤーとも呼ばれていた。それに比べて今はなんという進歩の無さだろう。パソコンでワクワクしないのも当然だ。「日本では1年間に50人に1人が買う」そういう感じだった。家でパソコンを持っているというか使っている人は珍しかった。少数派だったから同好の士で集まったものだ。
「(安いソフトは)販売店が売る気になってくれない」については過去の記事にもあった。
次世代ワープロ(月刊ASCII 1987年9月号10
価格

5万8000円から下がっていくか

 利用者から見れば,当然だが価格は低いほうがいい、作る側だってそれで数がはけるなら安くても差し支えはない.ただし,間に入る商売の事情があって,一太郎の5万8000円はある限界を示しているようにも思われる.かつて16ビット用で9800円というワープロがあった.機能も十分に2~3万円クラスに匹敵するものだと思われたが残念ながら売れない.ショップに売れなかった理由を聞くと,「9800円はパソコンを買ったオマケの値段で,単品として売れる価格ではない.6本売って一太郎1本分にしかならないのなら,一太郎を売りますよ」という返事だった.もっともな話である. 最近登場したもののなかには2~3万円という製品も結構ある.しかし,例えば2万円の商品を15%分引きで売ったとして1万7000円.定価の30%引きで仕入れている店の儲けはわずかに3000円.これで電話での問いあわせなどに応じていたら完全に損がでてしまう.利用者の質問はソフトハウスに向かうよりもショップに対するもののほうがずっと多い.よほど大量に売れるような要因がないかぎり,安い商品の浸透はむずかしいだろう.利用者側から見れば,このような価格破壊は大歓迎なのだが,店頭でボチボチとしかソフトが売れない現状では,これより下がるとしてもそのテンポはそうはやいものではないだろう.ちなみに米国のベストセラーMicrosoft Wordが実売価格で230ドル前後,150円で換算して3万4500円だ.一太郎Ver.3の実売価格が約4万3000円といったところか.もうそう大きくは下がらないだろうという予測が立つ

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★OS
 今年の話題となりそうなWindows 3.0は,GUIやメモリの制約がどうなっているのか興味の湧くところ.米国でもまだ発表されてはいないMS-DOS Ver.5や,日本IBMが発表したDOS 4.0/Vなどの動きも調べていく.

みんなWindows 3.0になるの?
Windows 3.0は買いか?
 米国では,昨年5月に発表されて以来,Windows 3.0が好調な売れ行きを示している.一説には,発売後すぐに100万本を売ったという。日本でも,いろいろな雑誌で紹介され,早くから注目されていた.そのWindows 3.0の日本語版が今年の初めから夏にかけて発売される日本電気をはじめ,富士通,日本IBM,東芝そしてAX陣営の各社など,主だったメーカーは軒並みWindows 3.0を出荷すると言われている(写真1).
 Windows 3.0を現在日本で販売されているWindows 2.xと比べたとき,最も大きな違いは、その操作性である.2.xでは,基本的に画面1のファイルマネージャからすべての操作を行なっていた.3.0では画面2の「プログラムマネージャ」が用意され,アプリケーションをアイコンで選択できるようになった。また,地の部分に当たる「デスクトップ」に,好きなグラフィック(Wallpaperと呼ばれる)を敷くこともできる.
 ユーザーの目に見えない部分でも大きな変更がある。2.xでは,80386用とそれ以外用に別々のシステムがあった。3.0では,システムはひとつだけとなったが,起動時にCPUを自動的に識別し、最適なモードが選択される.モードには,8086用のリアルモード,80286用の標準モード,80386用の386拡張モードの3つがある。また,使用可能なメモリも大きくなり,標準モードでは最大16Mbytes,386拡張モードでは最大48Mbytesまでとなった。
 このように,大幅に機能強化されたWindows 3.0だが,本格的に普及するかどうかはアプリケーション次第である。PC-9801シリーズにとっての一太郎などに相当するようなヒット商品がアプリケーションとして登場するかどうかにかかっている.しかし,Windows 2.x用のアプリケーションはリアルモードでしか動作しない。標準モードや386拡張モードで使用するなら,Windows 3.0用のアプリケーションが必要なのだ。すでに,(株)アスキーのWingzをはじめ,いくつかのメーカーがWindows 3.0用のアプリケーションの発売を発表しているが,本格的にそろってくるのは早くとも夏以降となるだろう.それまでは,DOSアプリケーションのスイッチャやファイラ的な役割を演じることになる.
 Windowsでは大量のグラフィック処理が要求されるので,より快適な環境を求めるなら,CPUパワーのあるマシンが必要になる.また,Windows 3.0の機能を100パーセント引き出すのは,もちろん386拡張モードである.そういった意味では,Windows 3.0の普及は386マシの普及を促進し、また逆に386マシンの普及がWindows 3.0の普及を促進するということもあるだろう.
 もうひとつ、キーとなるのはメモリである.Windows上では,複数のアプリケーションを同時に起動しておき,それらを交互に切り替えて使うことができる.このとき,メモリがたくさんあったほうがプロセスの切り替えが素早くできるのだ.RAMボードの低価格化が期待される.
 しかし,普及のための条件がすべてそろったとしても,みんながみんなWindowsになってしまうわけではないだろう.Windowsでは,より簡単に高度なユーザーインターフェイスを用意していて,その部分にかなりのCPUパワーを食われている。中にはそんなりっぱなユーザーインターフェイスはいらないという人もいるはずだ。また,command.comのバッチに相当するものがないなど,必ずしもいいことばかりではない.また日本の場合、漢字を使うとひとつのウィンドウの中にあまり多くの情報を表示できないという問題もあり,米国ほどの爆発的ヒットにはならないのではとの見方もある。それでも,1991年末までには半数近くものパソコンでWindowsが動いているといったこともあり得る。
 また,Windows用のアプリケーションは、特定のマシンのハードウェアに依存しない。だから,Windows用のアプリケーションの数のうえで,特定のマシンが有利になるということはない。むしろ,見栄えを左右する解像度の面では,より高解像度のマシンを主力とする富士通や日本IBMのほうが,依然として640×400ドットのマシンが主流のPC-9801シリーズよりもWindows 3.0の普及は早いのではとの指摘もあり、逆にPC-9801シリーズの高解像度化がせまられることになるかもしれない.
 さて,日本ではやっとWindows 3.0が出るというところだが,米国では早くも3.1が発表されるようだ。Apple社から導入したスケーラブルフォントのTrueTypeや,手書き入力などがサポートされる予定だという。

 「それまでは,DOSアプリケーションのスイッチャやファイラ的な役割を演じることになる」そんなものが売れるとでも思っていたのか。WindowsでなくてもいいというかWindowsよりもよっぽと操作性が良く速度が速いものばかりだ。TEXT VRAMをなめるなというところだ。
 「日本の場合、漢字を使うとひとつのウィンドウの中にあまり多くの情報を表示できないという問題」まさにこれ。16×16ドットでマルチウィンドウなんてできない。それにGRAMに描画するとなると遅くてたまらん。アルファベットなら8×8ドットでも十分だが、その4倍の面積を使う日本語ではWindowsは厳しいものがある。英語しか使わないプログラマとかなら良いだろうが。
 「逆にPC-9801シリーズの高解像度化がせまられる」せまられても困る。NECはWindows 3.0の広告を打っているが98が大好きなユーザはWindows 3.0の使いにくさにWindowsはダメだと評価する。ユーザは640×400ドットの98がダメだとは思わない。なぜならワープロ、表計算、お絵かき、ゲームと満足できるソフトが揃っていた。結局WindowsのネガティブキャンペーンのようになるNECのWindows推しの広告は正解だった。
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MS-DOSとOS/2はどう変わるか?
 Windows3.0以外にも動きがある。まず来春早々に,MS-DOSVer.5.0(IBM版)がリリースされる.IFS(Installable File System:交換可能なファイルシステムMS-DOS Ver.4.0でサポートされた)など,あまり使われていない機能を削除してサイズを減らし、「初めて前のバージョンより小さくなった」という.さらに,DOS自体をHMA(High Memory Area)などに追い出すことで,620Kbytes近いフリーエリアを確保できる.
 DOS Shellは,MS-DOS Ver.4.0からサポートされているが(画面3),Ver.5.0では操作性をWindows 3.0のプログラムマネージャ/ファイルマネージャと共通にするとともに,複数のアプリケーションを同時に起動し,切り替えて使用するスイッチャとしての機能も持つという.
 コマンドも機能強化された.すべてのコマンドで,「/?」オプションを指定すると簡単な使用方法を表示させることができる。またdirコマンドでは,ファイルを名前/拡張子/タイムスタンプ/サイズなどでソートして表示することもできるようになる。また,Norton Utiliiesのsafe format/unformatに相当するような機能もサポートされるという.細かい点では,command.conのパイプ機能を使うとき,中間ファイルを作るディレクトリを環境変数TEMPで指定できる。
 ただし,MS-DOS Ver.4.0の場合のように,既存のアプリケーションで動作しないものが出てくる可能性もあり、実物が出てくるまでは何ともいえない.また,スイッチャとして使うにしろ,一方には本格的なGUIをサポートしたWindows3.0があるわけで,MS-DOS Ver.5.0への急激なシフトは起こらないだろう.また、年内にはOS/2 2.0(IBM PC版)も発表される.Windows 3.1と同様のTrueTypeをサポートするとともに,80386の32bitコードに対応する予定だ.以前のOS/2 1.xでは,最大16Mbytesまでのメモリを使えるとはいえ,ひとつのセグメントは64Kbytesまでという制限があった。それが32bit対応になって,一気に4Gbytesまでのメモリをセグメントの制限を気にせずに使用できるようになったのだ。それにともない,API(Application Program Interface)も拡張された.また,80386の持つ仮想記憶の機能を使って,より効率の良いマルチタスクを実現している.
 Windows3.0に押されぎみのOS/2だが,この2.0の登場によってより本格的なマルチタスクOSとしての利用が期待される.なお,どちらも日本語版のリリースは年内にはないだろう.

 「来春早々に,MS-DOS Ver.5.0(IBM版)がリリースされる」今春でないのでこれは1992年の春ということか。随分と先の話だ。MS-DOS Ver.5.0はEPSONのPC-486GR5PC-486GR3で使っていた。これこそ来春だ(早々ではないが)。
 目にしないOS/2がポシャるのは一般ユーザでも分かっていた。
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その他のOSの動きはどうか?
 MS-DOSマシン以外のオペレーティングシステムはどうだろうか。まずはMacintoshだが(画面4),長い間待たれていたSystem7.0のリリースは,第2四半期以降となる見込みだ。32bitアドレッシングと仮想メモリのサポート,ATM(Adobe Type Manager)の取り込みなど,さまざまな点で期待を集めているが,32bitアドレッシングなどは特定の機種でしか使用できないこともあり、従来の6.xもそのまま残るだろう.
 またUNIXの世界では,UII(Unix International Inc.)OSF(Open Software Foundation)との対立は依然として続くだろう.System Vリリース4.0(SVR 4),OSF/1ともに実際に製品が出てきたので,ユーザーがどちらを選ぶか注目されるところだ。
 これらの従来からのUNIXに対して,NeXTに搭載されているMACHも注目株である。特に最近では,MACHがフリーになったため,GNU OSに使われることになったという.
 1970年代の初めまで,オペレーティングシステムは,ハードウェアの添え物だった.事実,IBMは,その大型コンピュータ用のオペレーティングシステムがパブリックドメインであるとさえ言っていたのである.しかしながら,オペレーティングシステムを制覇することが,より多くのマシンを売ることとは別のもっと重要な価値を帯びてきていることを業界は知っている。特に,高性能ワークステーションの低価格化は,本来それより上位にあるミニコンピュータの分野や本来下位にあるハイエンドのパーソナルココンピュータを巻き込んできている.'90年代中盤にかけて,ハードウェアのスペックよりもオペレーティングシステムによる分類が意味を持ってくるだろう.'91年は,それを予見させる動きがいくつか見られるはずだ。


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★CPU
 興味あるマシンは,依然として日本のパソコンの中心である98シリーズと,新機種競争が続くノート型である.今年はこの2つの分野でどんな製品が出てくるのか考えていくほか、MacやAVマシンの話題も見る.


一年後の98のスペックは
 冒頭でも述べたが、最初のPC-9801が発売されたのは'82年なので,今年で足掛け10年になる。累計で300万台を出荷したが,老舗として悠々と第1位を維持してきたわけではない.
 まず,衝撃を受けたのは,'87年に登場したエプソンのPC-286シリーズだろう.ライバルの登場によって,コストパフォーマンスの向上が必須となり,他社のMS-DOSマシンよりも競争力のある機種が生まれたといってもいい。
 その後も,AXマシンやDynaBookなど,アーキテクチャは異なるが98と同じマーケットを狙う製品の出現によって,新機種も影響を受けてきた.
 まずは,今年の98シリーズがどういう展開を行なうのか,見ていこう.

 NECの戦略は後追いマシンを発売するというものだった。だからユーザもそのうち98でも同じようなスペックのマシンが新製品として出てくるだろうと98好きユーザは焦っていなかった。

NESAバスは一般的になるか
 ハイエンドマシンを買おうとするとき気になるのは,NESAバスのマシンにしたほうがいいのかどうかだ.現在NESAバスを搭載しているのは,PC-H98シリーズの3機種である.
 最高機種のmodel100は80486にメモリを7.5Mbytes,100MbytesのHDDを搭載して215万円という価格である.model70と60はそれぞれ33MHzと25MHzの386を搭載。いずれにしてもハイレゾモードを持ち,価格的には80万円以上という高級機である.
 32bitバスであるNESAは,従来の98シリーズのバスと異なり,アドレスバスやデータバスが32bit幅を持つほか,データ転送速度の高速化,アービトレーション機能など,最新のバスアーキテクチャを持つ。現在は,上記のようなH98シリーズにしか搭載していないが,RAのようなノーマルモードのマシンにも採用されるはずだ。従来バスのままでは、高速の386や486にとって重荷となってしまう。ハイレゾリューションモードとNESAバスは特に関係があるわけではなく,より高速化を目指すマシンなら,ノーマル専用マシンにも搭載される.
 市販ボードのNESAバス対応は,今のところ進んでいないが,こうした普及価格のノーマルマシンに搭載され始めれば,高速のインターフェイスを要求されるボードほどNESAへ進んでいくだろう.市販のボードの過半数がNESAとなるのはさらに先で,新製品がすべてNESAになる数年先までかかる.

 PC-H98がどうして売れると思っていたのか。CADとかのプロにしか売れないだろう。一般的ユーザにはそんなマシンいらねという感じだった。NESAはポシャッた。
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今年はどんな98が出るのか
 これからどんな98が出てくるのかを考えよう.まず上のほうから考えると,486搭載のノーマルマシンだ。データ処理やCG,サーバーとしてはハイレゾよりも速度が欲しいということもある.そこで,過去のパターンを見てみよう。
 まず,初めての286マシンは'85年5月のPC-98XAで,ノーマルマシンに下がったのは'86年10月のPC-9801VXである.386は,最初が'87年10月のPC-98XL2で,RAは'88年8月に登場している。286は1年と5ヵ月かかったが,386は10カ月でノーマルマシンに移行している.486は,H98model100が'90年9月に発表となったから、今年中にはノーマルマシンが出ることになる.ただ,過去の例から考えると,まずH98model100のクロックが向上(33MHz版など)してから,前のクロックでノーマルマシンが出るということも考えられる.
 興味の湧く値段のほうは,上記の286と386の場合、価格はハイレゾマシンの約60~75%で発売されている.まずH98model100からHDDとメモリの価格を引いてみよう.まったく同じではないが,model60/70用の100MbytesHDDは44万5000円,メモリ6Mbytesは36万円である.これを引くと,はだか(メモリ1.6Mbytes)のmodel100は134万5000円となる.価格が60%とすると約80万円で,せめてこのあたりで出してほしいもの。RAとRLの価格差は20万円だが,NESAバスも積むとなると、苦しい価格かもしれない.次に,386以下のデスクトップマシンだが,98シリーズの現行ラインナップだけを見ても、そろそろ発表と思われる機種が分かる.
 最初に発表されそうなのが,386/386SXマシンだ。286マシンRXとEXの後継機DXは昨年末に出ているので,その上位にあたる機種,RAやRS/ESの後継機である.ともに'89年に発表されたまま更新されていないので,もう遅いくらいだ。
 となると,どんなクロック周波数で出てくるかということになる.386マシンはやはり25MHzになるだろう.エプソンが昨年すでに25MHzのPC-386Sを出しており,これを無視はできない.33MHzの可能性もある。また,Windows3.0の使い勝手を考えると,ハイレゾモードを搭載した安い386マシンも欲しいところだひょっとしたら,RAの後継機は2つの方向へ分かれる可能性もあるが,それではRLの立場がなくなるか.
 386SXのほうは,両社のデスクトップともに16MHz止まりだ。PC-9801TやPC-386LSRといった省スペース型がすでに20MHzになっているので,クロックを上げて追い付くことになるだろう。ただし,エプソンのPC-386VRが35万円以下という設定になっている。クロック据え置きで価格を下げるという方向も出てくるわけだ。ユーザーとしては,クロックを上げて,さらに価格も下がれば最高なのだが.
 プロテクトメモリの有効利用や,Windows 3.0を使うことを考えれば、この新しい386SXマシンが「中心機種」となる.もちろん5インチと3.5インチモデルが同価格,同デザインだ.今,98が欲しいという人はこのあたりを待ってから決めるといいだろう.
 ただ,286,386SX,386の3機種がCPU以外は(つまり速度以外は)変わらないという従来どおりのラインナップではつまらない。エプソンのPC-386Mのように「パーソナルユーザーの遊び心」を動かすような機能を中心機種である386SXマシンに投入してほしいものである.
 さらに,その下で気になるのがUV11やCVといった省スペースマシンの後継機である.
 CRT一体型のCVは,方向性は良かったのだが、いかんせん画面サイズが小さすぎた。再度この形で出るとしたら、当然CPUは286以上になるだろうが,ディスプレイも一回り大きくしてほしいものだ.オフィスで使う省スペースマシンの地位はPC-9801Tが取っているが,カラ一液晶の値段は高いので,CV改良型の意味はある.
 パーソナルユーザーとして望むのはUV11の後継機である.'88年に発売されたV30マシンながらいまだに人気があるという.305(W)×240(D)×87(H)mmというサイズは魅力的だし,価格も魅力的である。うまく作り直してくれれば,ホビーユーザー向け人気マシンとなる.
 エプソンのPC-286Cはキーボードー体型なので,98は分離型がいい.CPUは,できれば386SXまで上げたい。拡張スロットは2つのままで,HDDは2.5インチのものを内蔵できるようにする.
 14インチCRTと一緒に使うことを考えると,奥行きはもう少し増えてもいいので,高さはスマートに薄く,いわゆるピザボックス型にすれば受けもいいだろう.ノート型の液晶を外して拡張スロットを横に並べればいいのだから可能だ。これを思い切って安く出せば,パーソナルマシンとして魅力あるものとなる.
 以上、後継機を考えたが,まったく新しいマシンが出る可能性もある。たとえば,CD-ROMを搭載した「マルチメディア」マシン.おそらくWindows 3.0をビュアーとして利用することになる.業務で利用するなら,日本IBMの5530Zのような一体型が便利だろう.ただし,そうそう一気にアプリケーションが出るとは考えられないので,このへんで出しておいて、気長にソフトウェアを増やしていくことになるだろうから、あまり神経質に待たなくてもいい.
 細かいことだが,入ってくる可能性があるのは,インターフェイスの標準搭載である.ソニーのQLシリーズにはイーサネットのインターフェイスが標準搭載された機種がある.98でも,高級マシンには入れてほしいところだ。また,個人ユーザーとしてはSCSIインターフェイス端子を,そろそろ標準で内蔵してほしいところだろう.

 1991年の新機種は1月2月に集中しておりその後はさっぱりだった。だから「今年はどんな98が出るのか」自体間違えている。
 「486搭載のノーマルマシン」は1992年02月のPC-9801FA2(486SX, 16MHz)で16MHzで458,000円とはなめてるのかと腹が立ったマシンだった。
 「RAやRS/ESの後継機」は1991年1月にPC-9801DA,PC-9801DSだからこの記事が出たころには発売されていた。なんとタイミングの悪い記事だったのか。「386マシンはやはり25MHzになるだろう」ならないならない。20MHzだ。NECをなめるな。NECはエプソンなんて無視だ。
 「386SXのほうは,両社のデスクトップともに16MHz」PC-9801DSもクロックは変わらずだ。
 「投入してほしいものである」だれが希望を聞くかだ。
 「UV11の後継機」はPC-9801UF,PC-9801URがV30HL(16MHz)で218,000円だから「うまく作り直してくれれば」ではなかったが、良かったのではないか。
 この記事は予測がはずれ大失敗だったと思う。私だったら穴があったら入りたいという気持ちになる。

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ノート型はもう買ってもいいのか
 '90年は,ノート型が幅をきかせた年だった.'89年のDynaBookをはじめとする16bitCPUのノート型から,'90年には次世代の32bitのノート型が出現。また,初心者にも分かりやすい2FDD型も登場するなど,ノート型の新機種ばかりが目立った。'90年度上半期の出荷実績を見ても,携帯型は前年同期と比べて金額で101%増の939億円。台数では132%増の39万8000台と大幅に増加し,パソコン本体の出荷全体に占める割合も,台数では4割を超えて5割に近付いてきた.
 ノート型マシンは,ほぼ「FD型」と「HD型」の2種類に分かれてきた.
 FD型とは16bitCPUで,3.5インチのFDDとRAMディスクを搭載した,初期マシンとほぼ同じスペックのもの。HD型は32bitで,2インチの20MbytesHDDを搭載したもので,さらにFDDやICカードスロットを持つ.
 ただ,この2つの型はきれいに分かれているわけではなく,FDマシンにオプションでHDを内蔵してHD型となるものもある。
 両タイプ共通の流れとしては、CPUの高速化,バッテリ持続時間の延長,レジューム機能の標準装備などがある.
 CPUでは,FD型は286に,HD型は386SXへと収束しつつある。なかには,PC-9801NVのように高速型のV30(16MHz)を搭載したものもあるが,それ以外のメーカーのFD型は286を搭載している.
 バッテリ関連では,FMR-CARDのように,3Vで動作するといった特殊なもの以外、本体の省電力化はなかなかはかどらない.それよりも、利用されない場所に補助バッテリを入れるという方向にある。特にクロック周波数の高いモデルでは、なかなか省電力というわけにはいかず,バッテリの補強ということになるようだ.
 ノート型コンピュータに限らず携帯電話から電気自動車にいたるまで「高効率バッテリ」の需要は高く,その改善が望まれるところである。バックライトやハードディスクといった「よい環境」を快適に使うには,バッテリの強化に頼ることになる.
 最新のノート型であるJ-3100SXシリーズは,16MHzの386SXを搭載しながら,オプションのバッテリを内蔵することにより,FDDモデルで4時間,HDDでも3時間利用できる.
 レジューム機能は当初DynaBookのおはこだったが,PC-386NOTE AやPC-9801NVも搭載した.RAMドライブやHDDから起動できるとはいっても,瞬で仕事が始められる効果は,一度味わうと離れられない.
 ただ、問題もあり,レジュームで電源を切った場合、通常よりバッテリの持ちが短くなる.また,特殊なアプリケーションや,386SXの仮想86モード(???)では,うまくレジュームが効かないことがある.
 さて,FD型だが,日本電気と東芝は昨年秋にそれぞれCPUの高速化を終えた.PC-9801NVは16MHzのV30HL,J-3100GS001で,ともに価格は据え置き,速度はそれぞれNの1.6倍,SS001の2倍である.バックライトも改良され,いわば初代ノート型は引退という形となった.ままた、両機種ともHDDが内蔵できない代わりに,4Mbytesといった大容量のRAMカードが用意された.
 残るはエプソンのPC-286NOTEFの高速化ということになる.バックライトを付けて286でも搭載したいところだ.HD型は,エプソンと東芝が年末に新機種を発表した.ともに16MHzの386SXを搭載して,取り外しの容易なHDDパックを用意している.PC-386NOTE Aは,9801系マシンとしては初めてレジューム機能を搭載したマシン.J-3100SX021は,FDDとHDDを搭載しながら36万8000円と,驚異的低価格を実現している.
 残るはPC-9801NSの後継機NVがレジューム機能や補助バッテリなど,上回っている点があり,すぐに出したいところだろう.価格面でもHDDモデルでは東芝と8万円もの差がついてしまっている.
 98系のHDD型を狙っているなら,NS後継機を待ってから選んでも遅くはないだろう.
 新機種が出揃ったとしても,FD型とHD型のどちらを選ぶかがまた問題になる.つまり,ハードディスクがいるかどうかだ。ある程度持ち歩きたいという人は,重さとバッテリの持ちを考えて,FD型を買う.そして,大容量のRAMカードを買って,RAMディスクにする.最近のサードパーティのノート用HDDは,直接ノート型の拡張スロットにつながるので,家に置いておいて使いたいアプリケーションや、見たいデータだけRAMに移して使う.
 そんなのはめんどくさいとか,外に持ち運ぶことはめったにないという人は,HD型を選ぼう。たいがい386SXを搭載しているので,お金が足りないという場合は,HD型のHDのない機種を買っておく.この手の2.5インチHDDは,当初米国2社と日本1社しか作っていなかったが、国内HDDメーカーの多くが製造を開始しており、安いものが出る可能性がある.
 現にPC-9801NS用には日本テクサから内蔵用HDDが出ている.さらに,MAXYNOTE386の最高モデルのように,40Mbytesモデルも出始めたので,そのあたりを後で買い足すのも手だ.
 これらの型とは別に,FDDを2台搭載したマシンもある.エプソンのPC-286BOOKや,J-3100SS002,同SX002などがそうだ.初心者にとっては,目に見えないRAMディスクの取り回しはかなりストレスになるようで,これらの機種も売れているという.ただ,後からHDDを内蔵させることができないなどの制約があるうえ,FDD+RAMドライブのほうが当然だが利用速度は速いので,ある程度パソコンが分かっている人にはFD型を勧める.

 「レジューム機能は当初DynaBookのおはこだったが,PC-386NOTE AやPC-9801NVも搭載した.RAMドライブやHDDから起動できるとはいっても,瞬で仕事が始められる効果は,一度味わうと離れられない.」そうだろうそうだろう。私はレジュームが無かったらDynaBookは買わなかった。ノートパソコンに重装備をしてどう使うのか疑問だった。家に帰ってデスクトップで処理した方がいいのではないかと思っていた。私は職場に自分専用のパソコンが無かったのでDynaBookでテキスト処理して、デスクトップで最終調整し印刷していた。長いRS-232Cケーブルを作り自分の机の上とパソコンラックの間で繋いでいた。メディアを持ち歩かずに席を移動するだけで済んだから快適だった。
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超小型マシンはどうなるのか
 では,今年はどんなマシンが出るのだろうか.まず考えられるのが,FMR-CARDのような超軽量マシンである.FDDもHDDも搭載せず,MS-DOSはROMで搭載し,アプリケーションはICカードで供給。データはRAMディスクに入れてお<1kgマシンだ.
 データのやりとりやバックアップは,デスクトップマシンとRS-232Cで接続したり、会社や家においてある外付けのFDD,HDDにデータを吐き出すものモーターが入っていないのでバッテリが長持ちするのが特徴でもある。ただし,視認性からいうと,バックライトは欲しいところである。こういった超軽量マシンは,デスクトップマシンがすでにあり,2台目として購入し、データを移して持ち歩くために買うマシンである.
 FMR-CARDは,JEIDA Ver.4に準拠したICカードスロットを持っている.この後の章で解説するが,各社のノート型がこのスロットを採用しており,たくさんのRAMカードや,データを入れたROMカードが出てくる予定という。この手のマシンが出てきたときは,ICカードスロットはぜひJEIDA Ver.4対応のものを選ぶべきである。
 今年は,エプソン,東芝がこういった超軽量マシンを出すかどうかが見所だ.日本電気には超小型マシンとしてPC-98HAがあるが,これはLT互換なので次なる9801互換マシンが待たれる.
 HAのサイズで98互換という噂もあるが,フルキーボードが付いたFMR-CARD型の超軽量マシンが欲しい.家の中で移動するとか,たまに外に持ち運ぶというならFD型やHD型もいいだろうが,すでにデスクトップを持っていてノート型は常に持ち運びたいという人は,1kgを切った「カード型」を待つべきである(ただし,今年中に出るとは保証できない)。それ以外に出そうなのは,カラー液晶を積んだノートだが,高価になるし,電力の消費も多いので,まだメジャーにはならないだろう.
 もうひとつはソニーのPalmTopや、HA,京セラのRefalo,PoqetPCのようなハンディ型だ。それぞれ発売された順番に,この春からでも後継機種を発表していくはずである.今のところ,みんな反射型の液晶だが,ノート型を見なれた目には悲しいものがあるので,小型液晶にもバックライトが付く可能性がある.キーボードレスや小型キーボードになるので,フルキーを持つカード型とは異なりデータビュアーや電子手帳のような使い方であるのは変わらないだろう.

 「次なる9801互換マシンが待たれる」永遠に待ってろ。これも外れだ。
「超軽量マシンは,デスクトップマシンがすでにあり,2台目として購入し、データを移して持ち歩くために買うマシンである.」いやいや、ノートでそれをやっていた。超小型マシンは電子手帳代わりでデスクトップ代わりにはならない。
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噂のマシンのゆくえは
 これ以外のアーキテクチャを持つマシンは今年どうなるのだろうか。
 まずはMacだが,MS-DOSマシンと大きく差をつけられたノート型が出てほしいところ.Mac互換のラップトップを発売しているOutbound社では年内にも出すということだが,Apple社もソニーや東芝と小型部品の相談をしているようである.BillAtkinsonが独立して作ったGeneralMagic社の製品も携帯型という話だから気になるところだ.
 68040を搭載した最上位Macは,春には出るという噂だったが,モトローラ側の出荷の遅れと,製品供給能力の問題がありどうなるのか分からない。あとは,やや空白感のあるLCの上位マシンと,IIciの上位といったあたりか.
 IBM PC系では,セガが春にも発売するという「テラ(仮称)」が注目286CPUにVGAを搭載したAT互換で,かつ68000CPUを積んだゲームマシン「メガドライブ」を内蔵しているという.米国で豊富に出る最新のPC用ゲームとともに,メガドライブ用の派手なゲームが楽しめるというものだ。日本IBMは,VGAボードを積んでいれば漢字ROMがなくても日本語が利用できる「DOS 4.0/V」を発表しており,日本語のアプリケーションが使えるようにもなる。価格も20万円以下ということなので,IBM PC系を狙っている人はこれを待つのがいいだろう.AVマシンでは,FMTOWNSは年末に新製品を出してしまった。X68000はそろそろ速度を向上してもいいころだ.


過去のTBNにX68000の開発者へのインタビュー記事があった。
MZ-2861 TEST ROOM,X68000開発者インタビュー(月刊ASCII 1987年6月号12)
「――CPUが68010,68020に移行することはありますか?
鳥居 少なくとも4~5年は,ハードはそのままで,と思っています.よほどのことがない限り,辛抱しなくてはと,もし,何年か先に,変えた方がいいというようなことになれば,それはそれで,また違った形で作るということです.」
残念だったね。X68030が1993年3月ではあまりに遅すぎる。6年も待たせるとはダメだ。

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