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コンピュータショウ等(月刊ASCII 1992年6月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「COMDEX Spring '92/WINOWS WORLD'92開催」の記事をスクラップする。
Win3.1 vs OS/2 2.0の対決だった。まだOS/2はあきらめていなかったかと思った。OS/2は初心者にはとっつきにくい難しいというイメージだった。

 4月6日~9日の4日間にわたり,世界最大のコンピュータショウのひとつ「COMDEX Spring'92」と,Windows関連の製品を一堂に集めた「WINDOWS WORLD'92」が,米国ChicagoのMcCormick Placeで同時開催された.今回の主役は,3月31日にショウにあわせたかのように発売された「OS/2 2.0」(以下OS/2)と,こちらも発売されたばかりの「Windows3.1」(以下Win3.1)だった.
■幅広い展開を見せるWindowsの世界
 WINDOWS WORLDの基調講演を行なったMicrosoftのBill Gates会長は,「Windowsこそ,ポータブルコンピュータ(Windows for Pen)からハイエンドコンピュータ(Windows NT)までを1つのユーザーインターフェイスで統一するOSだ.Win3.1は初期出荷100万本。年間1000万本を目指している」と語った。
 Microsoftのブースでは,Win3.1の先進性と使いやすさのデモや,Win3.1の発売に合わせてバージョンアップされたExcel4.0,MS-Word2.0,Power Point3.0などが注目を集めていた.またWindows for Pen(以下Pen Windows)のハードメーカーやソフトハウスを集めたブース(ハード,ソフトの200社がサポートを発表)では,NCRやNEC,SanyoのPen Windowsマシン(10社がOEM供給を受ける)を出展.Pen WindowsはLos Angels郡警察や米国の宅配便会社UPSなどで採用が決定しており、特定用途(バーティカルマーケット)での浸透が進んでいる.
 さらに今年の秋に発売が予定されているWindowsNTは,50社ものソフトハウスが対応ソフトをデモ.一見したところ,NT自体はプレリリースとして高い完成度を示しているようだった.
 Microsoft以外では,PageMakerで日本のユーザーにもお馴染みになったALDUSが,プレゼンテーションツールとして定評のPersuasion2.1などを展示.Mac用に発売されていたアプリケーションを順々にWindowsに移植していくという.そのほか,Win3.1に採用されたTrueType対応の文字フォントをショウプライスで発売しているブースには,多くの人が集まっていた.


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OS/2にかけるIBMの意気込み
 対してCOMDEXに陣を張ったIBMも,OS/2 2.0(以下OS/2)を大々的にデモ。IBMの記者会見にはBORLANDのPhilippe Kahn会長,NovellのRay Noorda会長など有力ソフトハウスのトップが出席し、今後OS/2をサポートしていくと,OS/2の優位性を示そうとしていた.MicrografxやBORLAND,Novellなどの有力ソフトハウスもIBMブースでOS/2対応のアプリケーションをデモしていたが,WINDOWS WORLDに比べると観客は少ない.
 IBMブースでは,OS/2以外にもGO社が開発したPen Computer用OSのPenPointを搭載したThinkPadを出展。これは昨年秋のCOMDEXで参考出品されていたマシンが正式に発表されたものだ.PenPointはOSとしての機能は高いが,新たにアプリケーションを作成しなければならない(WindowsともOS/2とも違う)ことが,普及を妨げるのではないかと考えられている.この部分でもWindowsと互換性があるPen Windowsが有利といえそうだ。
 このほかCOMDEXの会場には,台湾や韓国など東南アジアのPC互換機メーカーがAT互換機のボードを展示即売していたりAT互換機のケースだけを扱っているメーカーなどPC本体から周辺装置(マッサージ機などの健康機器もあった)までが集まり,ままるで秋葉原のガード下にあるショップのような様相.AT互換機は,486の33MHzが主流になり,75MHzをうたったものや,インテルが先日発表したDX2倍速CPU)の50MHzを搭載したものも登場している.価格も486の価格が引き下げられたおかげで,33MHzマシンがフルセットで2500ドル近く,2000ドルを切るマシンも出てきているという.
 さらにAT互換機は,Windowsの画面を高速に表示するWindowsアクセラレータのディスプレイカードをさらに高速に動かすために,CPUと直結した新しいローカルバスを採用したものへと動きだしている.ローカルバスにWindowsアクセラレータの入ったディスプレイカードを差すと,同じディスプレイカードをATバスに差した場合の10倍高速になるという.これなら,遅いといわれていたWindowsが十分にビジネスで使用できるだろう.

 IBM対Microsoftという図式になった今回のショウだったが,すでに普及しているWindowsとこれから普及させようというOS/2では,かなりの差がついているという様子.実際COMDEX側の会場は閑散とした様子だったが,WINDOWS WORLDは人ごみで通路を通るのも一苦労といった混雑ぶり.春のCOMDEXはなくなり,WINDOWS WORLDだけになってしまうのでは,というジョークも聞こえてくるほど.とはいえ来年の春のCOMDEXは,やはりWINDOWS WORLDと同時に,米国Atlantaで開催の予定.


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「コミュニケーションTOKYO'92開催―ISDNも一段落―」をスクラップする。
 通信機械工業会が主催する,ISDNや衛星通信システムなど通信機器と通信技術専門のショウ「コミュニケーションTOKYO'92」が4月6日から9日まで東京・晴海の国際見本市会場で開催された.
 「21世紀へのテレコミュニケーション創造ネットワークの時代―」をテーマに164社が出展(うち海外より43社)入場者数は4日間の累計で10万人強と,共にここ数年増えつづけており,数字のうえでは通信への関心の高まりを示す.しかし,昨年後半からの電子業界不況の影響か,各ブースはほとんどが機器を展示して説明をするのみのシンプルなもの.派手なデモンストレーションなどは少なく,全体に地味な印象を受けた.
 展示の核となったのは,やはり有線の通信機器ISDN関連機器が目立つのは昨年までと同じで,テレビ会議システムや静止画像伝送システムなど特に新開発のものは見られなかった.ISDNも実用化から3年が経ち、新製品の開発も一段落というところか.会場ではあまり目立たなかったが,AT&Tのカラーテレビ電話のように今までISDNを利用して実現していた機能を一般のアナログ公衆回線を使って行なうというものが新鮮だった.
 無線機器のほうでは昨年はNTTのムーバが小型携帯電話のブームを巻き起こし,一般のサラリーマンが街中で小型携帯電話を使っている光景も見られるほどになったが,今年はそれにかわる影響力のある商品は見当たらない.そのなかで電子手帳と携帯電話を組み合わせた携帯テキスト端末が,実用化も間近いようで目をひいた。
 今までは通信機器といえば企業利用が前提であるような製品がほとんどだったが,これからはコードレステレホンやファクスの後に続くような,一般家庭などをターゲットにした製品が出てくるのではないだろうか.


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今も運用されているイリジウムサービスはこのころ計画された。
今はイーロン・マスクのスペースX によるスターリンクが始まっている。
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「マイクロコンピュータショウ'92開催
――ワンチップマイコンから開発ツールまで」をスクラップする。
 4月22日から25日まで,東京・平和島の東京流通センターにおいて日本電子工業振興会主催の「マイクロコンピュータショウ'92」が開催された.
 今年で16回目を迎え,出展社数は66社,昨年に比べて3社の増加となった。今回のテーマは“21世紀への飛躍・マイコン”.
 このショウは,マイクロコンピュータの名前が示すとおり,プロセッサやメモリなどの基本的なデバイスからICE(In Circuit Emulator)のような開発環境までを含む幅広い内容の展示が特徴といえるが,そのぶん地味な印象となるのは避けられない.今年からイメージチェンジを試みるといわれていた割に,展示には大きな変化が見られなかった.
 今回のショウは、特に変わったデバイスや新技術は目立たないものの、従来の技術の延長として,半導体の高集積化,3V以下の低電圧動作,処理速度の向上,リアルタイム処理,LANなどの展示がメイン.そのほか,導入してすぐに使えるUNIXワークステーションを利用した開発環境(ターンキーシステム)や,GUIを取り入れ,さらに統合化した開発環境が興味深いところといえよう.変わったところでは,アナログ回路の動作シミュレーションを行なうソフトウェア,あるいはテレビ電話などに利用するデータ圧縮伸長プロセッサに目新しいものがあった.
 期間中の特別講演は「2000年に向けてのシリコンテクノロジー」や「半導体技術の進歩とインパクト」のほか,提唱者の坂村健氏による「TRONプロジェクトNOW」などが行なわれた.
 なお,来年は,同じ会場で4月21日から24日にかけて開催される予定.


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パソコン、その他ハード、ソフト等月刊ASCII 1992年6月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

ワコムがペンコンピュータ「PenTop modelIV」を発表
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顧客対応のためのプロ用の機械なんだろうけど55万8000円もするのではなかなか導入できなかっただろう。

千葉電子がPB社のIBM PC互換機を発売
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PB486SX-20(i486SX,20MHz)の価格は25万8000円。
千葉電子覚えがない。このころは知らない会社がIBM PC互換機を売っていた。

三菱電機がAX-VGA/H仕様のMAXYNOTEを発売
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MAXYNOTE386E(i386SX,16MHz)2FDDモデルの価格は26万8000円。
このころはNEC,EPSON以外の各社ともまだDOS/Vに移行せず国内基準のわけのわからない仕様のパソコンを売っていた。

ソニーがOADG対応のQuaterLを発売
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PCX-340R1(i386SX,20MHz)の価格は23万8000円。

セイユーシステムズが486(50MHz)のIBM PC互換機を発売
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ToDOSシリーズの486DX-33(i486,33MHz)の価格は41万8000円
i386とi486の価格差は相当あった。

オリベッティがIBM PC互換機を発売
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M300-08(i386SX,20/25MHz)の価格は32万~48万円

東芝がカラー液晶搭載のDynaBookを発売
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DynaBook V 486 J-3100XS 181 VTモデル(i486SX,16MHz)の価格は89万8000円。

ビバコンピュータ,ノート型DOS/Vマシンを発売
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Starlite(386SXL,25MHz)の価格は33万8000円

三菱電機,486/50MHzのサーバーなどを発売
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MIPSがWindows/NT対応のACE準拠RISCマシン「ARCSystem」を発表
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ソニーがR4000SC搭載のNWS-5000/5900を発表
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オランダのPHILIPS社のコンシューマ向けCD-IプレーヤCDI205を発売
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ティアック,3.5インチMOドライブなどを発売
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PH-80が10万8000円

テクサ,PC-9801FA用内蔵MOドライブなどを発売
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TRUST-FA240の価格は14万8000円

日本パーソナルコンピュータ,MOサブシステムを発売
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JP3030の価格は29万8000円

ニューテック,専用I/Fボードを使用した低価格HDDを発売
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DOS-100Aの価格は8万9800円

日立マクセル,8MbytesのSRAMカードを実現
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キヤノン,光カードシステムを実用化
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AMDがアクセス時間45nsのフラッシュメモリを発表
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東芝が「マルチメディア多重・分離LSI」を発売
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キヤノンがMacintoshとシステム化を図れるスチルビデオカメラを発売
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まだデジタルカメラとは言っていない。

富士通が超薄型プラスチックパッケージを開発
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エー・アイ・ソフト,HDD自動圧縮ツールを発売
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価格は1万2800円。このころは有料でも売れていた。

日本データサービス,ビジネスホテル検索ソフトを発売
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価格は3980円。今ではインタネットで無料で検索できるどころか割引まで分かる。

システムポート,一太郎ファイルコンバータを発売
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価格は2万6000円

エー・アイ・ソフト,PC-9801用のUNIXシステムを限定販売
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パソコン広告(月刊ASCII 1992年6月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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裏表紙は前号の使いまわし。

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98 note nc。ビデオがみれるが売りだった。

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FM TOWNS IIは前号の使いまわし。

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左頁はFM R-50 CARD。
右頁はDynaBookで前号の使いまわし。

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PC-486GR,PC-486GF。PC-486GR3をすぐに買った。PC-9801VX2(80286,8MHz)を買ってすぐに(8か月後に)後継機種のPC-9801VX21(80286,10MHz)が出て悔しい思いをしたので次はNECでなければいいとPC-486GR3(483,000円)を買ったが、翌年同じi486SX(25MHz)のPC-486GRP3(383,000円)が出て10万も安くなったと嘆いた。私の8086憎しが招いたトホホな買い物だった。そうはいってもi486(25MHz)のハイレゾDOSマシンは快適だった。プロテクトメモリを使ってプログラミングできて気分が良かった。家のPC-486GRではWindowsはインストールしなかったが、職場のPC-486GRではWindows 3.1 をインストールしてPageMakerをよく使っていた。しかし度々フリーズするので1ページ作るごとに保存していた。Windews 3.1は使えないことはないという程度のOSだった。

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PC-386NOTE WR

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右頁は東芝のワープロRupoで前々号の使いまわし。Lotus 1-2-3が使えるということで生き残ったワープロなのだろう。

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右頁はIBMのPS/55サーバーで前号の使いまわし。

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キヤノンのレーザーショット。

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右頁はキヤノンのBJ-noteプリンタ。

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キヤノンのPJ-colorプリンタ。

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SONYのNEWS。

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NeXTは前号の使いまわし。

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左頁はMac。

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三洋電機のサーバーAXAGE(エクサージュ)。

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メイビスが輸入しているDOS/V Windowsマシン。Slim Station/486(486DX, 33MHz)でSVGA(1024×768ドット)にHDD(100MB)で348,000円と安価だった。

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ソニーのDATA Discmanは前々号の使いまわし。

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ボーランドのdBASEの広告。背景の色とか微妙に変わっていた。

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ボーランドのTURBO C++の広告。

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Windows用Excelの広告は前号の使いまわし。

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Windows用のWordの広告は前号の使いまわし。

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ロータスの広告。

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マイクロデータの広告。

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パソコンショップでASCIIのカラー広告を出しているのはツクモだけだった。

裏表紙裏はFUJI FILMのFDだった。
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前号の使いまわし。

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未来コンピュータ(月刊ASCII 1992年5月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号は前号の続編である「2002 未来コンピュータ」の特集をスクラップする。
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 10年後のコンピュータを考えるとき、現在の技術基盤をそのまま引きずっていくのか,それとも,どこかで変革が起こるのかが気になる.1台のコンピュータには,半導体,電池,液晶またはCRT,入力装置,光や磁気の技術,そして,ユーザーに接するソフトウェア技術などなど,さまざまな最新技術が使われている。これらの関連ファクターが時期を等しく進化してこそ,従来の考え方を覆すような機器が誕生するのだ.
 技術はどこまで進むのだろう?今回は,コンピュータのハードウェアの最新技術を紹介しながら,将来,10年後を展望しようという試みである.CPU,駆動源,記憶メディアが,2002年にはどのようになっているのか?

 10年先を予想するのも難しかったと思う。
すべては高速化を目指す
編集部

 コンピュータの心臓部は、いうまでもなく「CPU」だ.パーソナルコンピュータでは,マイクロプロセッサである.半導体の登場により,シリコンベースの集積回路が作られ,単純な四則演算のみの電卓からその歴史は始まる.
 関数演算,そしてプログラム,ソフトウェアが高度な計算を要求するようになると,それに伴ってCPUの計算能力も向上してきた.現在,パーソナルコンピュータ用のCPUとして普及しているインテル社の80x86シリーズをはじめ,モトローラ社の680x0シリーズ,縮小命令技術を用いたRISCチップ,また,炊飯器や自動車などに組み込まれるマイコンチップなど,現代の電気製品のほとんどにはCPUが使われている.携帯コンピュータの次世代のCPUを考えるとき,キーになるのは「高速化・高密度集積・低電力駆動」である.計算が速くなければ役に立たないし、携帯するためには,より小さく,より長時間使いたい.


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 高速化に限界はないのだろうか?パーソナルコンピュータ用のCPUで,1992年現在,最も高速で汎用性があるのは80486や68040で,30~50MIPS(MIPSは1秒間に10万回の命令を実行する速度)の計算能力を誇る.
 1ランク上のワークステーションになると,モトローラ社の88000や,ヒューレット・パッカード社のPA-RISC,サン社のSPARC,ミップス・コンピュータ社のR3000などRISC勢が強く,100MIPS程度の計算が行なえる.最近の開発状況を見てもRISCが主流で,最高500MIPSの性能を持つRISCチップが,1年以内に市場に投入されるという.
 さらに高速化は進み,4月には日立製作所が,8mm角の1チップで,1000MIPS=1GIPSの演算能力を持つチップを開発したと発表している.まだ研究段階にすぎないのだが,すでに,クレイ社のスーパーコンピュータY-MP4Eを凌駕する性能だ.
 CPUの高性能化はとどまるところをしらない。1971年,世界初のCPU「4004」が登場した.当時の4004の性能は0.07MIPS,それからの20年間でMIPS値は3桁も上がっている.CPUの高速化は美しい対数グラフで表わせるこのグラフをそのまま延長すれば,2002年は1000~5000MIPSの時代になる.
 また,シリコンの信号伝達速度の限界を打ち破るために,ガリウム・ヒ素を用いた半導体,液体ヘリウム温度で動作するジョセフソン素子,高温超伝導体を用いたトランジスタなどの研究が,各メーカーの研究室レベルで積極的に行なわれている.
 これらの超高速動作チップの演算能力は,現状のシリコンベースCPUの限界より1~2桁上になる.


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速度の予想は大体当たってた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/MIPS の表を編集引用する。
1999年 Intel Pentium III(600 MHz)が 2,054 MIPS
2000年 AMD Athlon 1.2 GHz)が 3,561 MIPS
2003年 AMD Athlon XP 2500+(1.83 GHz)が 7,527 MIPS
2003年 Pentium 4 Extreme Edition(3.2 GHz)が 9,726 MIPS
高集積には限界がある
 現在,実用レベルのCPUはすべてシリコンベースである.円盤状のシリコンディスクに複雑な回路を焼き込み,それを30~50個にカットして1チップとしている.最新のCPUでは,1チップに100万個以上のトランジスタが集積されている.
 CPUの回路(1000万個以上のトランジスタと,周辺回路)は,数平方mのフィルムに描かれたパターンを,写真技術を応用して,わずか1cm四方のCPUに焼き込んでいる。現在は,この露出に可視光よりも波長の短い紫外線を用いており,チップ上の配線幅も0.3ミクロン程度になりつつある.ここで限界が生じた.
 回路間の空隙があまりにも小さくなると、量子論的影響が働き,トンネル効果によって電子が配線から染み出してしまうのだ。材質や駆動電圧によっても違いはあるが,高速動作を犠牲にしない3ボルトの駆動電圧で,この限界が0.1~0.08ミクロンこれ以上は小さくできない。

 これは外れていた。限界を超え今や5nm(0.005μm)のプロセスルールでAMD Ryzen 7000(Zen 4)が製造されている(https://www.pc-koubou.jp/magazine/71682)。ただ2002年前後なら2001年のプロセスノードは0.18μm、2004年で0.13μm(https://ascii.jp/elem/000/000/867/867649/3/)でまだ上記の限界には達していなかった。
立体的配線の3次元回路チップ
 小さくできないならば,立体的に積み上げようという考えで注目されるのが「3次元回路チップ」である.従来のCPUのほとんどが平面的な回路構成をとっている.そのため,チップ内の各素子間の配線が長くなってしまい,そこを信号が伝達する時間だけロスが生じていた.
 ならば,チップ内部の信号伝達距離をできるだけ短くしようというのが立体配線による3次元回路チップだ.大規模なビルディングにたとえてみれば,各フロアをエレベータで接続するだけではなく,フロア内部の各部屋,各机ごとに上下階との連絡通路があるようなものだ.
 電子の移動距離が短いと,移動時間が短縮されるだけでなく,信号の減衰も減り、消費電力を抑えることにもなる.
 ところが,従来の平面回路のままでも,次世代のシリコンチップの消費電力は膨大なものだ.1チップで30~50ワット,3ボルト駆動ならば10アンペア以上もの大電流が必要になる.これだけの電流を流すとチップ内部では摂氏500~1000度の熱が発生し,回路を瞬間的に破壊する.構造上,熱を逃がしやすい平面回路ならばなんとかなるかもしれない.しかし,立体回路内部の熱は逃げ道がない.
 徹底的な低消費電力化を図るか,専用の冷却装置を付けるか,それとも、高集積をあきらめるか,となる.携帯コンピュータのCPUとしては,3次元チップの実現性はやや危うい.

 10年後(2002年)にはできなかった。さらに20年後の2022年にはインテルがMeteor LakeというCPUでFoverosという3D積層技術を開発した。
ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第682回
Meteor Lakeの性能向上に大きく貢献した3D積層技術Foverosの正体 インテル CPUロードマップ
2023年には
インテルの新世代CPU 「Core Ultra」特集 第3回
結局「Meteor Lake」って何がスゴイの?技術的ポイントを解説
CPUの技術革新はすんなり行かなかった。
新しい機能を求めて
 そこで,従来とはまったく異なる発想が求められる.その回答のひとつが,生物の信号処理の方法に学ぶ「ニューロチップ」や「バイオチップ」の考え方だ.
 学習と思考能力は,コンピュータをただの計算機から脱却させ,より人間に近い存在にするためには不可欠な機能である。ニューロ技術を応用して,人間なみの画像認識や音声認識ができるようになれば,人間がコンピュータを操作する助けになるだろう.また,タンパク質や人工的な有機物質を用いて計算素子を作ることができれば,電気エネルギーに頼らずともコンピュータを動かすことができるようになる.
 各コンピュータメーカーでも将来性のある技術として,生物の神経細胞の研究が行なわれている.たとえば,日本電気では,体長1~5mm程度の微細な生き物である「線虫」を,三洋電機は「ナメクジ」を,三菱|電機は「アメフラシ」の神経系を研究しているという.さらには,有機物質の電気的な特性を利用した各種センサーが実用レベルになりつつああるし,入力電気信号によって出力電気信号をスイッチングすることので|きる人工タンパク質も開発されている.
 バイオ以外にも研究が盛んな分野はある.それは,光の高速伝達特性,低エネルギー特性を利用する光チップである.ある半導体に光を入射すると,半導体内部には光と電子の両方の特性を持つポラリトンという粒子が生まれる.ポラリトンは,電子のように電気的に制御可能で,光のように高速伝達する粒子であり,半導体内部を高速で移動したあと,入射方向と反対側から再び光になって出てくる.
 このポラリトンの動向は,半導体にかける電圧によって左右される.1989年には,日立製作所がガリウム・ヒ素半導体の内部にポラリトンを導入したスイッチ回路の試作に成功した.ポラリトン素子の演算性能は高く,もし,CPUとして実現できるなら,現在のスーパーコンピュータの1万倍以上,10TIPS(=10000GIPS)の世界に突入する.
 2002年,コンピュータのCPUはどうなっているだろうか?夢を追い求めれば生物機能素子や光コンピュータが登場していてもおかしくない未来である.シリコンベースでの開発が延長されるとしても,現状の100倍近い演算性能をパーソナルレベルで利用できることになる.


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 結局記事にあるような「従来とはまったく異なる発想」は実際には使われなかった。シリコンを使って技術革新を進めるという地道な努力が成功した。発想を変えることが悪いとは言わないが、まだ努力の余地があるのに他に目を向けても成功しない。努力を続けることが大事だという歴史の教訓であると思う。
駆動源は電池が使われるのか?
編集部

 現在,携帯可能な電子機器のほとんどが,その駆動源に電池を採用している。ノートパソコンのバッテリとしては,ニッカド(ニッケル・カドミウム)電池やニッケル水素電池,コンピュータのタイマICを動かすのにリチウム電池,時計やカメラの露出計には水銀電池やアルカリ電池,ヘッドホンステレオにはマンガン電池という具合だ。中には,電卓のように太陽電池を使うものもある.
 太陽電池は,無尽蔵に存在する光エネルギーを,直接,電気エネルギーに変える変換装置であり,厳密な意味での電池ではない.しかし,すべての電子機器が電気エネルギーによって動いている,といっても過言ではない。10年後のコンピュータも,おそらく電池という形で電気を利用しているはずだ.


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現在はリチウムイオン電池一色になったが過去には他の選択肢もあった。
1次電池と2次電池
 ニッカド電池やアルカリ電池などを大きく分けると2つのグループに分類できる.電池内部に化学的に蓄積されたエネルギーを1回しか取り出せない一次電池と,化学物質の可逆反応を利用し,充電によって何度もエネルギーを取り出せる2次電池である.
 携帯コンピュータには,太陽電池が有効に働かない暗闇でも,使わなければならない場面が必ずある.このような場合は,いったん2次電池に蓄積された電気を利用することになる.また,一次電池には,どこでも互換性のある電池が入手できなければならないという流通や普及の問題がある.将来の携帯コンピュータを考えるなら「2次電池」こそが重要なファクターだ.

ニッカド電池に代わるもの
 1992年現在,市場に出回っている携帯コンピュータの80%程度がニッカド電池を利用している。ほかにもビデオカメラのバッテリなど,短時間/大出力の用途に「ニッカド電池」が多く使われている.ニッカド電池は,いまや2次電池のスタンダードになっているのだ.
 これに代わるものとして,ようやく製品が出回り始めたのが、「ニッケル水素電池」である.ニッケル水素電池は,ニッカド電池と比べても、単位重量当たりの電気蓄積量(エネルギー密度)や,一定時間当たりの出力(出力密度),充電回数(サイクル寿命)はさほど変わらない.最近のニッケル水素電池では,水素吸収金属など構造の改良により,同体積のニッカド電池の1.8倍ほどの電気蓄積が可能になった.しかし,コストも同様にかかってしまう.ニッケル水素電池は,高性能というよりも、カドミウムの代わりに水素を用いるという環境への影響の低さから使われ始めているようだ。
 また,携帯電話機などのバッテリとして「リチウムイオン電池」が注目されている.現状の開発状況を見ても、ニッカド電池と同じ重量で約1.6倍の電気が蓄積でき,放置したときに自己放電してしまうロスも少ない。単三型のパッケージに封入しても,ニッカド電池やニッケル水素電池などの約2倍(3ボルト程度)の電圧が取り出せ,繰り返し充電して使える回数も1.5倍ほどになる.ただし,過充電には極端に弱いため,過去の製品の中には,最悪、端子からリチウムが析出して発火するものもあった.
 現在,過充電防止の回路設計や,材質の見直しなどにより安全性を確保した製品が開発されつつある。3年後には,携帯コンピュータの20%がリチウムイオン電池を採用するというデータもあり,将来の2次電池として有望視されている。


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 予測は当たっていた。リチウムイオン電池が主流となった。記事にあるようにリチウムイオン電池は発火する事故が続いていた。危険だから安全対策をして利用している。それでも事故は無くならないが。
2002年,電気は光から取り出す
 さて,近未来ではなく遠未来ともいえる10年後,電池はどのようなものになっているのだろうか?
 太陽電池の光/電気変換効率も年々向上している。最近のアモルファス太陽電池では,太陽光線のエネルギーの10%近くを電気として取り出すことができるという。具体的に数値で示せば,フィルム状の太陽電池シート1g当たり0.5ワットの電力を取り出せるという.これだけの出力があれば,携帯コンピュータを常時動かすだけの駆動源として十分な性能だ.
 また太陽電池以外でも,光エネルギーを有効に利用しようという研究は盛んだ。神奈川大学工学部では,光エネルギーを分子のひずみとして蓄積し,熱エネルギーとして取り出すことができるプラスチックを開発した.また,電子技術総合研究所では,有機分子を膜状に多層構造にしたLB膜(Langmuir-Blodgett film)で,タンパク質様の太陽電池を作り出そうとしている.
 植物細胞の光合成の過程で発生する電子を人為的にかすめ取り,電気として利用しようという研究もある.2枚のガラス板で,藻類細胞の葉緑素をサンドイッチする.ガラス板に導電物質をコーティングしておくとそこに電気が流れるのだ.現在の出力はまだまだ実用に適さないが,将来は分からない.
 さらには,光を当てることで電気を取り出すのではなく,水を酸素と水素に分解するという半導体もある.光で直接分解するほうが,太陽電池→電気電気分解よりも効率がいいのだ.携帯コンピュータでこの技術を利用するのは難しいが,水素もクリーンなエネルギー源である。
 地球資源や環境を考えても、光や水素の利用は最も将来性がある。現在は研究段階にある技術でも,どこかでブレイクスルーが起こる可能性はある.将来の地図は光利用一色になるかもしれない.


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今から10年後の記憶メディアは何か?
鹿野 司

 この問いにドラスティックに答えるなら,「ソリッドに収束する」となる.
 ソリッドとは固体,つまり、シリコンメモリのことだ.既存の記憶メディアである,磁気メディア(フロッピーディスクやハードディスク),光磁気ディスク,光ディスクは、CDがアナログレコードを駆逐したように消えていくだろう.
 シリコンメモリの優位点はいくつかある.モーターのような機械部分を排除し,すべての処理を電気的に行なうことで,信頼性/耐久性を向上させる.また,2次元にしか情報を書き込めない光メディアよりも、体積当たりの記憶情報量を高密度にすることができる.


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この予測は当たっていた。
より小さく、より大容量に
 携帯用の電子機器の記憶メディアを考れば耐久性もさることながら,そのメディアにどれだけの情報が記憶できるか,も問題になる.
 現在のシリコンメモリの状況を見てみよう.量産チップのほとんどは1MbitDRAMだが,ノートパソコンなどでは4MbitDRAMも採用されている.1年前には試作レベルだった16MbitDRAMもようやく量産ラインに乗ろうとしており,ついには,64MbitDRAMも開発されるようになった.
 2000年ごろには,シリコン素子の配線回路の線幅は0.1ミクロン以下になり,チップ1個当たりのトランジスタ数は10億個になるといわれている.4mm四方程度のシリコンチップが1Gbit(125Mbytes)もの容量になる時代だ.もちろん,そこに至るためには越えなければならない技術的なハードルもある.また、研究開発の現場はかなり楽観的だが,経済的に見合わないということで,開発を断念するメーカーもあるという.
 過去30年間のシリコンメモリの高集積化は2年ごとに倍々ペースで進んできた.このまま将来もペースダウンがないのなら,2000年には,まさにGbitの時代がやってくるはずだ.
 たとえば,光ディスクや光磁気ディスクには,最小記憶面積に限界がある.可視光の波長は0.77~0.38ミクロンだが,実際に使われる半導体レーザの波長は,これよりも長い赤外線だからだ.光を使う限り,1bitの情報を記録するには1ミクロン程度の記録面積が必要になる.これは,コンマ1ミクロンを単位に考えるシリコンメモリに比べて,10倍も巨大な面積である.技術的には,より短波長の青色レーザを作り出すことも可能だ.また,光の波長より細い光ファイバから量子効果によって光を染み出させる光STMのような技術を使えば,さらに微細記録もできるだろう.
 しかし,そのためには記録メディアを極限までファインにしなくてはならない。こうなると,パーソナルユースのメンテナンスにおいて,現実性が乏しい.磁気メディアにも同様の問題がある.


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この予測は2002年のアスキーをスクラップして検証しようと思う。
大量生産によりコストも下がる
 シリコンメモリが抱える,現時点での最大の問題は,コストが高いということだ.しかし,たとえギガチップであろうとも、大量生産によるコストダウンは,ほかの記憶メディアよりも効果的だ.
 というのも、ギガチップにはコンピュータ用の外部記憶機器以外にも、|従来とは根本的に異なる巨大なマーケットが存在するからだ。たとえば,音楽用CDを置き換える可能性を考えてみよう.現在の12cmCDに書き込まれている情報は,ステレオ2ch×16bit×44.1kHz=1.4Mbit/秒である.これが最長74分録音できるので,音楽というアナログデータを単純にデジタルに置き換えれば,CD1枚に,およそ6Gbit(750Mbytes)の情報が記録できることになる.
 しかも、データを圧縮しないで6Gbitである。たとえば既存のCDよりも若干の音質低下はあるものの、実用上ほとんど問題がないというPASC方式(フィリップス社と松下電器の共同開発による,デジタルコンパクトカセット用)によってデータを圧縮すれば,情報量がCDの1/4になるし,ATRAC方式(ソニーの2.5インチ光磁気ディスク用)では,音楽情報を1/5に圧縮できる.
 つまり、音楽ならば,1枚のCDを1個のギガチップで置き換えることができるわけだ.音楽という需要だけに限っても,コンピュータ市場の100~1000倍の需要が見込める。1個のギガチップ当たりのコストは現在のCD1枚の原価、つまり数百円のオーダーに近づくはずだ。このチップをクレジットカードほどの薄さ大きさを持ったカードに実装したミュージックカードは,再生機構が単純で、また,カードにCPUやアンプを仕込めば,カード1枚で音楽再生が可能になる.音楽|プレーヤという機器の概念も怪しくなるのだ。これだけのメリットを思|えば、既存の記録メディアが生き残る可能性がきわめて乏しいことが分かるだろう.
では、3年後は?
 10年という長期間には、記憶メディアに関するパラダイム変化が起こるかもしれない.現在、物質の極小単位である原子を加工して記憶メディアを作ろうとしたり、脳細胞のような生物/タンパク質を利用した記憶組織の研究も行なわれている.これらは、いつ実用になるのだろうか……?10年後の予測は、現状の技術開発スパンを延長して考えるのが妥当だ.少なくとも、確信を持って推測できるのは、2~3年後の世界かもしれない。
 1992年現在、磁気メディアや光メディアの状況はまだまだ元気がある.多くのノートパソコンが内蔵するようになったハードディスクも,2.5インチの次はカードサイズの面積で40Mbytes程度の容量を誇る1.8インチHDDが登場する.光磁気メディアも3.5インチが立ち上がったばかりで、次世代の2.5インチ光磁気ディスクの仕様も発表された.
 しかし、シリコンメモリも負けてはいない。シリコンと磁気メディアのコストは,これから5~7年のうちに逆転するといわれている.ギガチップの応用範囲は広い。無圧縮でもハイビジョン程度の静止画を10枚以上記録でき,写真フィルムさえをも置き換える可能性があるのだ.


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 予測通り、シリコンメモリの技術は凄まじいものだった。mp3プレイヤーの登場から、SDカードの容量がMからGへと増大した。128Gとから256GとかのSDカードを使っている未来など当時は想像できなかった。いったいそこに何を保存するのか、その「何を」が想像できなかった。

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アクセラレータ,なないろのディスプレイ(月刊ASCII 1992年5月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「特集II 数値演算コプロセッサ&アクセラレータ入門」をスクラップする。
この当時のCPUは整数演算しかできなかった。浮動小数点演算はソフトウェアでやっていた。当然スピードは劇遅なので数値演算コプロセッサを装着して速度を稼ぐのだが、シミュレーションを行う研究室等でしか導入してなかったように思う。個人の趣味ではなかなか導入できるものではなかった。フライトシミュレータ等のゲームでも数値演算コプロセッサの利用を前提としたものはなかったと思う。
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数値演算コプロセッサは実数計算の専門家
 80286や80386,68020といったCPUには,実数計算のための機能が用意されていない。これらのCPUが「ADD」命令などで直接扱うことのできる数値は,整数に限られるのだ。もちろん,だからといってこれらのCPUでは実数を使った計算ができないというわけではない.そのためのプログラムを作ればいいのだ。人間が基本的には九九の組み合わせで実数演算をするように,コンピュータだって整数計算の組み合わせで実数計算を行なうことができるのだ。
 しかしその場合,要するに実数計算をソフトウェアでエミュレートしているわけだから、当然あまり速くない。実数計算を多用するアプリケーションでは,どうしても処理に時間がかかってしまう.実数の計算をハードウェアで実現できれば,ソフトウェアでエミュレートする場合に比べて数倍から数十倍も高速化できる.
 この「実数計算をハードウェアで実現したチップ」が数値演算コプロセッサである.コプロセッサの頭の「コ」というのは,「共同」「共通」といった意味の接頭語「co-」で,つまり「CPUと共同で仕事をするプロセッサ」ということになる.コプロセッサとしては,数値演算コプロセッサのほかにも,MMU(メモリ管理ユニット)などがある.しかし,実際には数値演算コプロセッサ以外のコプロセッサが話題になることは少なく,単にコプロセッサ(あるいは「コプロ」)といえば,数値演算コプロセッサを指すことが多い。
 数値演算コプロセッサはCPUと一体になって動作するため,ソフトウェア的には元のCPUに実数計算の命令が拡張された新しいCPUがあるかのように見える。プログラムを作るときは,特に数値演算コプロセッサのことを意識しなくても,単にその拡張された命令を使えばいいのだ。
 実際にCPUとコプロセッサが共同で動作する方法にはいろいろある(図1).


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 したがって,あるCPUが使用できるコプロセッサは決まっており,68020に80287を組み合わせるといったことはできない.ただし,同一メーカーの製品で,インターフェイスが統一されている場合には、この限りではない。たとえば,80386は80287と組み合わせることもできる.もっとも,これはあくまでパソコンを設計する段階の話で,80387を使うように設計されたパソコンに,いきなり80287を持ってきても装着することはできない.
 プログラムが拡張された実数計算の命令を使っていなければ,いくら数値演算コプロセッサがあっても意味がない.逆に,拡張された命令を使ったプログラムは,数値演算コプロセッサのないマシンでは実行できない(ハングしてしまう)。そこで一般的なアプリケーションでは,起動時に数値演算コプロセッサの有無をチェックし,ある場合は拡張された命令を使い,ない場合はソフトウェアでエミュレートするように自動判別している.
 なお,市販のCやPascal,Fortranなどのプログラミング言語のコンパイラには,このように数値演算コプロセッサの有無を自動判別してくれるライブラリが付属していることが多い。一般のユーザーが作るプログラムでも,そのようなココンパイラを使用していれば,数値演算コプロセッサを意識する必要はない.
 数値演算コプロセッサに対応している主なアプリケーションには,表1のようなものがある。大量の計算をこなさなければならないアプリケーションは,たいてい対応していると考えていいだろう.もちろん,対応していないアプリケーションも多い。別に対応をサボっているというわけではなく,もともと実数計算を必要としない処理が多いのだ。たとえば,エディタや通信ソフトなどは数値演算コプロセッサに無縁のアプリケーションだ(実数計算までサポートしたマクロ言語でも持っていれば別だが).
 また,対応しているアプリケーションでも,その起動から終了まで,実数計算だけしているということはない。ユーザーからのキー入力を待ったり,ファイルを読み書きするなどの処理が,必ずあるはずだ。だから,実数計算の部分が50倍速くなったからといって,アプリケーション全体が50倍速くなるわけではない.具体的に、どんなアプリケーションでどの程度速くなるかは,最後のベンチマークテストを参照してほしい。

アクセラレータでCPU移植
 前述のように,数値演算コプロセッサは,「実数計算」という特定の機能を実現するためのプロセッサだ。それに対して,アクセラレータはCPU自体をより高速で高機能なものに置き換えてしまう(図2).

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 方式としては,
(1)本体のCPUを抜き取り、そのソケットにアクセラレータを装着するもの
(2)拡張スロットに装着するもの
がある。(1)のタイプは,CPU以外は本体の部品を利用するため,80286を80386SXへ,80386を80486へというようにバス幅の同じもので置き換える必要がある.
 後者の場合は、本体のCPUとボード上のCPUを切り替えて使うことも可能だ。ただし,切り替えるためにはリセットが必要であり,アプリケーションの動作中に切り替えるといったことはできない。
 アクセラレータの意味としては,高速化以外にも,より上位のCPUに置き換えれば一歩先の機能を利用できるということがある。たとえば,80286を80386SXに置き換えれば,Windows 3.0の386拡張モードや,MEMORY-PRO386のようなメモリ管理ソフトが使えるようになる.
 アクセラレータを使えば,CPUのすべての命令が高速化されるから,どんなアプリケーションでもCPUの速度比だけ速くなるかというと,そうとも限らない。速くなるのはあくまでCPUだけで,メモリアクセスや周辺機器との入出力は元のままだからだ。メモリに関しては,キャッシュメモリを使うなどの解決方法があるが(そして実際たいていのアクセラレータが何らかの解決策を講じているが),周辺機器の場合はそうもいかない.たとえば,Windowsの動作が遅いといっても,ハードディスクへのスワップが頻繁に起こって遅いという場合には,いくらCPUを高速にしても効果は望めない。この場合は,メモリを買い足すのが一番の解決法だろう.

 そんなにしてまでWin3を使いたいのか疑問に思う。
8087
 8086/V30用のコプロセッサ.8087自身がバスを監視し,実数計算用の命令を見つけるとCPUに代わってフェッチし、実行する.そのため,バスの管理や命令のデコードなど,CPUと共通の機構を持っている.
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80387
 80386用のコプロセッサ80287の約5倍の性能を持つ。CPUとのインターフフェイスは80287と同じなので,80286に80387を組み合わせたり,80386に80287を組み合わせることが可能だ。しかし,実際にはコストと性能のバランスから,80386には80387が,80286には80287が組み合わされることが多い。
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80287/80287XL/80287XLT
 80286用のコプロセッサ8087とは違い、80286からI/Oチャネルを通して命令を受け取る.
 80286が8086より2倍以上高速化されているのに対して,80287は8087と同じ性能だっため、当初あまり評判が良くなかった。インテルは,後になって約50%高速化した80287XLと80287XLTを発表している.80287XLは,従来の80287と差し替えて使用できる.一方80287XLTは,44ピンのPLCCパッケージを採用し,ノート型パソコン用に省スペースを図っている.

ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287_W490.jpg ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287XL_W358.jpg ASCII1992(05)e04アクセラレータ_80287XLT_W298.jpg
 「80286が8086より2倍以上高速化」そうだったか?PC-9801VM2がV30(10MHz)を使っているからPC-9801VX2(80286/8MHz)が高速化されたという実感がなかった。V30が良いCPUだったということだろう。
80387SX
 80386SX/80386SL用のコプロセッサで80286の約3~5倍の性能を持つ。
 80386SL用のコプロセッサとしては,最近になって80387SLが発表された。これは,使用されないときに消費電力を抑える機能を持つ。80387SXの代わりに使用することも可能だという.

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80487SX
 80486SX用のコプロセッサだが,単独でCPUとしても機能するよう設計されている。機能的には,80486DXと同じものと考えてよい.
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80C287
 AMDが開発した80286用のコプロセッサ.マイクロコードに80287と同等のものを用いているため,完全な互換性がある.性能も変わりないが,CMOSを用いて消費電力を抑えるとともに,価格も低く設定されている
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 AMDは最初互換コプロセッサを作っていた。安いのが売りだった。
CX-83D87/SX-83S87
 Cyrix社が開発した80386DX/80386SX用のコプロセッサ。80387がマイクロコードを使っている機能をワイアードロジックに置き換えることで,80387DXの5~10倍の計算速度を実現しているという.ピン配列が同じなので,80387DX/80387SXと差し替えて使用することが可能.
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 Cyrixも互換コプロセッサを作っていた。Cyrix好きだったがそのうち無くなってしまった。
IIT2C87/3C87
 Integrate Information Technology社が開発したコプロセッサで,2C87は80287と,3C87は80387と完全な互換性がある。差し替えるだけで80287/80387の2~3倍の性能が得られるうえに,拡張された行列演算命令を使えば,より高速化が可能という.
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Turbo-486
 京都マイクロコンピュータ(株)の468アドオンボード.PC-9801RA/DAとPC-98RLに対応している.486SXを使ったものと,486DXを使ったものがある。486DXを使ったものには,本体クロックの2倍で動作する 「倍速モード」が用意される.
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486GT
 エービーエム(株)のアクセラレータ.PC-9801RA/DAとPC-98RLに対応している。拡張スロットに装着するメインボードと、本体の80386ソケットに装着するプローブボードの2つのボードから構成される.2次キャッシュとして,i485ターボキャッシュモジュール(容量128Kbytes)を搭載することができる.
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M3
(株)エム・エス・アイが開発しV33を使ったアクセラレータ。拡張スロットに差して使用するタイプだ。
 V30マシン用で,このアクセラレータによりクロック周波数12MHzの80286に相当する処理速度が得られるという.

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 (株)エム・エス・アイは知らないというか記憶に残っていない。
 V33ならV30マシンに使えるのは納得できるが、PC-9801VM2を高速化するよりもPC-9801RAなどに買い替えた方が早いはずなのにこの製品どんな人たちが買ったのだろうか。

コラム記事をスクラップする。
Rapid CADとOverDrive
 最新の80486や68040は,数値演算コプロセッサの機能を内蔵している.CPU内部で数値演算コプロセッサの機能(実数演算)を実現している部分は,FPU(Floating PointUnit)と呼ばれる.逆にいえば,数値演算コプロセッサというのは「外付けFPU」というわけだ。
 前述のように,80287や80387はCPUから必要なデータを受け取って動作する.68020/68030用の68881/68882という数値演算コプロセッサも同様だ。この方法だと,CPUとコプロセッサのやり取りのために余分な手間がかかってしまう。
 そこで,80486や68040はFPUを内蔵し,この問題を解決している.つまり,FPUはCPUのほかのユニットと同じように,直接バスからデータを受け取れるのだ.そのため、より高速な実数計算が可能になっている。
 この技術を80386DXにフィードバックしたチップセットが米Intel社から発表された(日本では未発表)。これは「Rapid CAD」と呼ばれ,2チップから構成される。RapidCAD-1と呼ばれる大きいほうのチップが,80386DXと80387DXの機能を併せ持つ.小さいほうのRapidCAD-2は,0除算などの例外処理に関して80386DX+80387DXのセットとハードウェア的に互換性を持たせるためのものだ。
 RapidCADは,80386DXと80387DXを1チップにまとめたことにより実数計算の速度が約70%向上したという.ただし,あくまで実数計算の機能向上に限られるため,80486DX/SXと競合するものではないようだ。

 コプロセッサも80486が出てからは用無しになったころだろう。パソコンを買い替えた方が早い。

漫画をスクラップする。
なないろのディスプレイ
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PC-9801NL,LTE Lite,MOBY RICK,X68000(月刊ASCII 1992年5月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「NEW MODEL IMPRESSION」からPC-9801NL,LTE Lite/25,MOBY RICK 486,X68000 Compact XVIをスクラップする。

PC-9801NL
仕様は「パソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年3月号2)」を再掲する。
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 まとめ部分をスクラップする。
 98NLの1.3kgという重量は,パソコンの携帯を考えているユーザーにとってたんへん魅力的なものだ。CPUパワーが必要ならNS/Tを,カラー表示が必要ならNCを,そして携帯性を重視するならこのNLをと、ノートパソコンも使用目的に応じた選択の幅が広がってきた。液晶がバックライトなしの反射型であるため,使用環境にある程度の制限を受けるとはいえ、出張先や取材先から通信でデータをバリバリ送ってやろうというユーザーには,この98NLは見逃せないマシンといえるだろう。    (小日向)
 見逃せないマシンである98NLは見逃してしまった。

LTE Lite/25
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LTE Lite/25のまとめ部分をスクラップする。
ガチャポンでデスクトップマシンに変身
 Liteの最大の特徴は,本体を装着可能な「デスクトップエクスパンションベース」の存在かもしれない。このオプションにはCRTやキーボードなどの端子に加え,2つの16ビットISAスロット,HDD/FDD/CD-ROMを内蔵するためのインターフェイスを持つ。こちらにフルキーボードやマウス,ディスプレイなどを接続しておけば,Liteを前面から差し込むだけで即座にデスクトップマシンとして使え,外に出るときは抜き出せばすぐノートパソコンとして持ち運べる.このようなオプションを他社が発売していないほうが不思議だ.
VGAチップは速いが,漢字表示はあと一歩
 ベンチマークテストの結果を図1にあげる.CPU関係については,同CPU,同クロックのDynaBookV386/25(以下J-3100SLと略)よりはわずかに遅いという結果になった。
 画面表示の速度は,図にはないが386-20MHzのDOS/Vマシンよりも遅い結果になった。ただ,LiteのSVGAチップはDOS/Vのハードウェアスクロールと相性が悪く、普通のDOS/Vマシンでは不要のオプション(/HS=LC)を付けたためスクロールが遅いのはやむを得ない部分がある.
 一方,主に描画速度を計測するDimension International製のフリーソフトウェア「3DBENCH」では,J-3100SLを上回る値が出ており,VGAチップそのものは高速なもののようだWindows 3.0などで使う分にはLiteが有利かと思われる.
 さて、最後に価格を考えてみよう.Liteは,60MbytesHDDを内蔵するモデルが49万8000円.J-3100SLが40MbytesHDDでメモリも2Mbytes少なくて47万8000円であることを考えると割安感がある.98関連では,クロック周波数20MHzのPC-9801NS/Tが80MbytesHDD内蔵で45万8000円だからちょっと悩むが,CPUパワーを考えればLiteに分がありそうだ。加えて,デスクトップエクスパンションベースという魅力的な周辺装置と,1時間充電,3時間駆動のバッテリが心強い.高機能ノートを探している方には今一番お勧めできるマシンだ。     (野口)

 知らなかったと言ってもいいほどにこのマシンも覚えていなかった。

MOBY BRICK 486
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MOBY BRICK 486のまとめ部分をスクラップする。
もう少し安くなれば
 机の上に置いても「コンピュータ」のプレッシャーがなく,重いソフトも快適に動作するMOBY BRICKは魅力的なマシンだ。カラー液晶ディスプレイと組み合わせれば,究極の省スペースシステムといえる.しかしMOBY BRICK486は、本体だけで195万円.安価なDOS/Vマシンなら40万円程度で入手できることを考えると,HDDとメインメモリの容量の多さを100万円と換算するにしても、60万円の価格差をデザイン料と割りきるのは個人にはつらい.予算にゆとりのあるオフィス向けというところだろう。MOBYBRICKには,CPUにクロック周波数20MHzの486SXを採用したバージョンもあり,こちらは95万円とかなり安くはなっているが,それでも個人用としては高嶺の花だ.
 ともあれ,コンピュータのデザインを真剣に考えている姿勢は高く評価できる」パソコンも価格競争だけでなく,そろそろデザインの勝負もしてほしいものである.     (野口)

 尖ったマシンだったが記憶にない。これがアップルだったら売れたかもしれない。アップルだったらもっとスタイリッシュに作るだろうが。

X68000 Compact XVI
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スペック等はパソコン、ソフト、その他ハード(月刊ASCII 1992年4月号2)を再掲する。
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X68000 Compact XVIのまとめ部分をスクラップする。
 X68000 Compact XVIの価格は29万8000円。36万8000円だったX68000 XVIに比べて7万円下がったことによる価格差は,その大きさとともに魅力的である.とはいえ、欲を言えばハードディスクを内蔵できるようにしてほしかった。せっかく本体が小型化されても外部HDDを接続しなければならないのでは,せっかくの省スペース指向が無意味になるからだ。2.5インチや2インチといったようにHDDの小型化が進んでいるのでぜひとも対応してほしい.
 X68000 Compact XVIは,3.5インチFDDと640×480ドットの画面モード,そしてSX-WINDOWの機能強化で,その延長線上に想定される次世代マシンにつなげたいというシャープの思惑が伝わってくるマシンである。    (古谷野)

 何回も書いてるがX68000はもっと頻繁にモデルチェンジを繰り返したら良かったのにと思う。NECや富士通がやったようにちょっとスペックを上げたマシンを出しても反発を受けなかったと思う。当時のユーザは旧機種を下取りに出して新機種を買うということはよくあった。いまで言えば車だ。乗っている車を下取りに出して新車を買うという感じ。PC-9801の中古パソコンは結構あった。X68000はなかったのが失敗だと思う。

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用語集(月刊ASCII 1992年5月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の「これで分かった PC-9801&MS-DOS」をスクラップする。
今回は「用語集」から残りをスクラップする。

2 16進数
 われわれが普段使う10進数では,数字の末尾に0を付け加えると10倍になる.これが16倍になるような数え方が16進数だ.コンピュータの世界では,16進数が標準的な数字の数え方になっている.
 16進数の10Hは,1H(これは10進数でも1)の16倍だから,10進数で言うと16になる。同様に100Hは,10H(=16)の16倍だから,10進数で言うと256になる.

 8bit機から使っていた者にとってはなじみの深い16進数だが、PC-9801が最初のパソコンだった人達にとっては16進数なんて使ったことがなかったのかもしれない。

4 UMB
 拡張ROM領域は通常,EMSで使うところとHDDのROMを除けば,まだ未使用のままになっている.ところが,386の機能を使うと,プロテクトメモリの一部分を未使用の領域に割り当てることができるのである。つまり,MS-DOSでアクセス可能な1Mbytesの空間内にRAMができることになる.これがUMBである(図3).
 ただ,メモリマップを見るとメインメモリとUMBの間にはテキストVRAMとグラフィックVRAMが存在しているため、この領域のことを特別に意識してプログラムしない限りせっかくのRAMも使われないままだ。ちなみに,現状ではそのようにプログラムされているソフトはほとんどない。
 そこで,ソフトを強制的にここに乗せあるプログラム(UMBローダという)が登場した。これを使って,従来メインメモリ上に居座っていたデバイスドライバや常駐プログラムをUMBに乗せるようにすれば,その分メインメモリは広くなるという寸法だ(図4)
 従来からMEMORY-PRO386など各社からUMBを利用できるソフトが発売されてきたが,DOS 5からはDOSそのものが正式にUMBをサポートするようになった.その結果,プログラム名の前に「LH」を付けるとプログラムが,またDEVICE文の代わりに「DEVICEHIGH」文を使うようにするとデバイスドライバがUMB上にロードされる.

日本電気のDOS5の場合
 できるだけ大きなプログラムをUMBに常駐させたい場合,UMBは連続した領域を確保できるほうがありがたい。しかし,メモリマップで見たように拡張ROM領域はハードディスクのBIOSなどで分断されている。
 MEMORY-PRO386やMELWAREなどのメモリマネージャではハードディスクのROMをA5000Hからの未使用領域に退避させることで,D0000~DFFFFHの64KbytesをすべてUMBと使えるようにしているが,実は日本電気のDOSに付属するEMM386.EXEにも同じ機能がある.EMSの領域をD0000~DFFFFHに強制的に割り当てると同じことをしてくれるのである。この機能は非常に有効であるが,日本電気が正式に公開しているものではないのでHDDによっては使えないものがあるかもしれない。具体的には次のようにする(画面2).
DEVICE=HIMEM.SYS
DOS=HIGH,UMB
DEVICE=EMM386.EXE /UMB /F=D
000-DFFF /P=300


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 こんな面倒な目に会うのは8086がダメCPUだと思っていた。こんなCPUがパソコン界を支配することになったのはメーカーとユーザの両方だと思い嫌っていた。だが、世間と軋轢を生じさせないためにも億尾にも出さなかったけれどもPC-9801を好きだというユーザを……。

6 メモリマネージャ(EMSドライバ,XMSドライバ)
 EMSやXMSなどの手順でメモリを利用しようとするプログラムに対して,実際にメモリを割り振るプログラムのことをメモリマネージャという.386以上のマシンではプロテクトメモリさえあれば,メモリマネージャだけでEMSメモリやXMSメモリを提供することができる.UMBの項で,プロテクトメモリの一部を1Mbytes空間内に割り当てると書いたがEMSも同じ方法で実現することができるからだ.
 メモリマネージャは数社から発売されているが,注意したいポイントは「EMSとXMSを完全にサポートしているか」,である.EMSがなければ一太郎のようなEMS対応ソフトをはじめ,DOS環境の改善は大きく立ち後れる.一方XMSがないと,Windows3.0を快適に動作させることができない.
 現時点でこの条件を満たすのは,(1)DOS 5に含まれる「HIMEM.SYS」と「EMM386.EXE」の組み合わせ,および(2)MELWAREVer.5に含まれる「MELEMM.386」だけである。この両者にも違いがある.(1)の方法では,プロテクトメモリのうちEMSとして使う部分とXMSで使う部分の大きさを,あらかじめ決めておく必要がある。2では,要求されただけをEMSなりXMSなりにしてプログラムに渡す.
 どちらが便利かといえば,もちろん(2)だ.たとえば,一太郎Ver.4を使うときにはできるだけたくさんのEMSメモリがほしい.Windows 3.0を使うなら,EMSはなくてもいいがXMSはできるだけ多くほしい。(2)ならどちらに対してもあるだけのメモリを提供できるが,(1)では容量配分を変えるために一度リセットする必要があるからだ(画面4).


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8 VRAMディスク
 RAMディスクはその名のとおり,RAMでできたディスクドライブである。「RAMディスクドライバ」というソフトを使うと,EMSやXMSのメモリをディスクのように見せかけることができる.しかも、実体はメモリなので非常に高速なアクセスが可能である.ただ,メモリであるから電源を切ればRAMディスク上のファイルはすべて失われる.必要なファイルは電源を切る前にHDDやFDDにコピーする必要がある.
 RAMディスクドライバはMS-DOS Ver.5にも付いてくる。容量1MbytesのRAMディスクを作るには,CONFIG.SYSの中に,
DEVICE=RAMDISK.SYS 1024
という行を追加すればよい。もしその時と,点でA~CのドライブがあったとするとRAMディスクはDドライブとして登場する.
 AUTOEXEC.BATに次の1行を加えてみよう(RAMディスクがEドライブの場合。違う場合は適宜書き直す)。
SET TMP=E:\
 環境変数TMPにRAMディスクを指定すると,多くのソフトが作業用のファイルをRAMディスク上に作成するようになる.VZエディターやLHAなどで,動作速度の改善効果がある.
 ただし,RAMディスクを作ると,当然のことながらプロテクトメモリの容量は減る(ということは,作れるEMSメモリも減る).一太郎やWindows 3.0を使う人は,RAMディスクは作るにしても必要最小限にとどめたほうがいい.



9 ディスクキャッシュ
 ディスクキャッシュは,ディスクのアクセスを高速化するプログラムだ。具体的には,一度読み込んだデータを拡張メモリの「キャッシュ領域」に貯えておき,再び同じところを読もうとするときは,ディスクは読まずにキャッシュ領域から読む,という方法を使う。これにより同じ場所を読む場合,2度目以降の読み込みはRAMディスクと同等の速度になる.キャッシュ領域もメモリでできているから,電源を切れば内容は消えてしまうが,RAMディスクと違いディスクへの書き込みは普通に行なわれるから,ファイルを事前に保存したりする必要はない.FEPの辞書をRAMディスクに置くか、ディスクキャッシュで使うかは,好みの問題だろう.
 DOS 5には,SMARTDRV.SYSというディスクキャッシュプログラムが付いている.2Mbytesのキャッシュ領域を確保するには,CONFIG.SYSに次の1文を追加する.
DEVICE=SMARTDRV.SYS 2048 128
 “2048”がキャッシュ領域の大きさで,その次の“128"は「最小キャッシュサイズ」というものだ。最小キャッシュサイズを指定しておくと,Windows 3.0を利用中にメモリが不足した場合,キャッシュ領域を徐々に最小キャッシュ領域まで減らしてくれる.Windows利用時はできるだけメモリがたくさんあったほうがいいから,メモリに余裕がなければ0にしてもかまわないだろう.

  DOSやWin3時代はディスクキャッシュ一つとってもユーザが指定しなければならず、それもconfig.sysを書き換えるという初心者には難易度が高いものだった。

10 ハイレゾマシンのメモリ環境
 Windowsの普及によりハイレゾマシンが脚光を浴びてきた.1120×750ドットの表示を見てしまうと、なかなか640×400ドットの世界には戻れないものだ。
 メインメモリも、ノーマルモードの640Kbytesに対して,ハイレゾモードでは768Kbytesと,128Kbytesも広い。図5にハイレゾマシンのメモリマップを示す。プログラムが使うことのできる空間は本来00000~C0000Hまでの768Kbytesだが,EMSを使うときはこのうちB0000~C0000Hの64KbytesをEMS用に使用するので,メインメモリは704Kbytesとなる.もっともそれでもノーマルモードやIBM PCよりはずっと多いメインメモリを利用できるわけである.
 拡張ROM領域はE5000~F0000Hの44Kbytesしかなく、ノーマルモードに比べるとUMBの領域は小さい。ただし,SASI HDDのためのROMはBIOS-ROMの中に最初から入っているので,SASIドライブだけしか使わないのならこの44Kbytes全部をUMBに使うことができる.SCSIのHDDを接続するとなると,拡張ROM領域は減ることになる.UMBその他のメモリの使い方については,ノーマルモードとほぼ同じである(画面6).


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「1120×750ドットの表示を見てしまうと、なかなか640×400ドットの世界には戻れないものだ」繰り返し書いているが、まさにその通りだ。

11 周辺機器の接続トラブル
 周辺機器の接続に関するトラブルの原因には、(1)I/Oアドレスが重なっている,(2)INT番号が重なっている,(3)DMAチャネルが重なっている,(4)ROMアドレスが重なっているの4つの可能性を順に吟味しなければならない。ただ,このうち(2)(3)(4)は,周辺機器によって利用されたりされなかったりする.利用されていないのなら,原因から除外してよい。こうしたトラブルは周辺機器どうしが喧嘩する場合のほか,98本体と周辺機器が喧嘩する場合もある。ノートパソコンでは,RAMドライブやレジュームという特殊機能が,普通の98では使わないINTやROMアドレスを要求している.ノートパソコンに拡張機器を接続することはあまりないかもしれないが,接続する場合には十分に注意する必要がある.
  周辺機器の接続の際十分注意するというのは言うは易く行うは難しの典型的な事例だった。すんなり終わったためしがなかった。少なからずトラブルを経験した。

17 コネクタ/ケーブル
 複数のSCSI機器を接続する場合,意外と見落とされがちなのがコネクタの形状だ。SCSI機器でもコネクタはメーカーによってばらつきがあり、細かく分けると8種類ほどもある.
 98用に関していえば,インターフェイスボード,SCSI機器ともに「ハーフピッチ50ピン」と呼ばれるタイプのものが主流になっているので,増設する際もこれと同じコネクタ形状のものなら,本体に付属する可能性もあるし、そうでなくても比較的容易に入手できるだろう.しかしそれ以外の形のものは,なかなかショップでも購入できない場合が多い。
 これに次いでポピュラーなのが,SASIのコネクタと同じアンフェノール50ピンの端子.Macintosh用のHDDなどに見られる.このほか,メーカー独自の形状の場合もある。知人から買う,輸入するなどという場合は,できれば事前にコネクタの手配をすませたい.
 SCSI機器を使う場合は,SCSIバスの両側の末端に「ターミネータ」と呼ばれるものを付けるべきである.通常SCSIインターフェイスボードにはターミネータが内蔵されているので,SCSIボードから一番遠いSCSI機器にもうひとつのターミネータを付けることになる.ターミネータは,SCSIのバスの両端まで正確に信号が伝わるようにするための働きを持つものなので,これがないと,機器が正常に動作しなかったり,動作しても電気的な負担をかけている場合がある.

 HDDを何台も買い足しするとターミネータが余った。記憶ではケーブルも余ったような気がする。

18 CONFIG.SYSの切り替え
 日頃使い慣れた日本語入力FEPをアプリケーションごとに切り替えたり,MEMORY-PRO386のように,Windowsに対応していないデバイスドライバを使用しているユーザーにとって,CONFIG.SYSの切り替えは思った以上に手間なものである.
 CONFIG.SYSによるデバイスドライバの使い分けで,もっとも原始的,かつ確実な方法は,あらかじめ用意した2つのファイルをバッチファイルでリネームし,ソフト的にリセットさせるというものだ(図1).
 このバッチファイルで,ファイルのリネーム後に起動されるHSB(作者:Masao氏)というプログラムは,ハードディスクの高速リブート用フリーソフトウェアで,起動後,一瞬にしてPC-9801のリセット,再起動を行なうものである.CONFIG.SYSの書き換えといった作業には,まさに持ってこいのプログラムといえるだろう.
 また,こうした面倒な書き換え,リブートの手間を省くためのプログラムとして,やはりフリーソフトウェアのCINIT.SYS(作者:Falcon氏)というデバイスドライバが発表されている.
 このドライバは,CONFIG.SYSの先頭に記述されることにより,システムの起動時に9つまでのデバイスドライバの選択ができるというものであり,アプリケーションごとのデバイスドライバの使い分けに頭を悩ませているユーザーには,まさに福音ともいえる操作環境を提供してくれる.
 起動時のドライバ選択はファンクションキーで行なえるようになっており(画面1)DEVICE文の書式にちょっとした手を加えることで,常に組み込むべきドライバも指定しておけるのがうれしい。バッチファイルによるCONFIG.SYSの書き換えなんて面倒だ,というユーザーには、とにかくこちらのCINIT.SYSを使うことをお勧めしよう.


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 CINIT.SYSは使ったことがなかった。面倒でも手作業でRENAMEしてconfig.sysを切り替えていた。

19 SETVER
 鳴り物入りで登場のMS-DOS Ver.5.0.しかし,MS-DOS上で動作するソフトウェアの中には,DOSのバージョンチェックを行なっているものが多く、従来のVer.3.Xでは動作していたプログラムもDOS 5では動かないという現象に見舞われることが少なくない.
 そこで,DOS5に対応していないソフトウェアのために,ダミー用のバージョンナンバーを与える外部コマンドがSETVER.EXEだ.
 SETVERを使うには,まず,デバイスドライバとしての登録をCONFIG.SYSの中で行なう必要がある.
 そのうえで,ダミーのバージョンナンバーを与えたいプログラムの指定を行なうわけだが、ここで注意しなくてはならないのは,たとえばFDのように起動時に2つ以上のプログラムが動作するものの場合,すべてのプログラムに対して指定を行なわなくてはならないという点だ.
 以上の作業を行なった後に,一旦システムをリセットさせて初めて,SETVERに登録されたダミー情報が有効となる.
 ただし,このSETVERコマンドもすべてのプログラムに対して万能とはいかないようで,ごくまれにダミーのバージョンナンバーを認識してくれないソフトウェアも存在する.こうなると,パソコン通信などでパッチ情報を入手するか,またはソフトウェア自体のバージョンアップという形でDOS 5に対応したものを手に入れなくてはならない.

  SETVERなんと姑息な手段だったのか。当時のパソコンは継ぎはぎだらけのマシンだった。

20 削ってもいい外部コマンドとデバイスドライバ
 MS-DOSに標準で用意されている外部コマンドには,ずいぶんムダなものが多い。ハードディスクへのインストール作業は,MS-DOSのインストール用プログラムで簡単に行なえるようになったものの,あとからディスクの中を覗いてみると,中には一生使うことのないコマンドがうじゃうじゃ潜んでいることがよく分かる.
 そんなジャマ者のために,貴重なディスクスペースを占領されたのではたまらない。不要な外部コマンドは,即刻削除といきたいものだ.
 DOS 5の例で見てみよう.図2に示した外部コマンド,およびデバイスドライバのSYSファイルは,どれもごく普通のユーザーには必要のないものばかりだ図を眺めて納得したならば,さっそく削除にとりかかってほしい.
 さらに,MS-DOSで組み込まれるデバイスドライバにも,通常の使用では不要となるものが少なくない.
 日本語入力FEPにVJE-βやATOK7を使っていれば,NECAI関連のファイルはいらないし,市販の通信ソフトを使うかぎりRSDRV.SYSは必要ない.RAMディスクやEMSメモリをサードパーティ製のドライバで動かす場合にも,RAMDISK.SYSやEMM.SYSは無用の長物だ。
 もしも、自分のCONFIG.SYSに必要のないデバイスドライバが登録されていたならば、それだけでメモリのムダ使いになってしまう.いま一度,内容をチェックしてみよう.
 ハードディスクの中には、常に必要なファイルのみを置き,CONFIG.SYSには必要なデバイスドライバしか書き込んでおかない。これこそが,エレガントなパソコンライフを送るための第一歩なのだ.


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 「エレガントなパソコンライフ」とは片腹痛いわ。糞面倒な作業を強いられていた。パソコンを趣味にしている人はマゾだった。「パソコンを趣味にしているというか何をしているのか?」と聞かれ「トラブルシューティングが趣味です」と答えていた。

24 ディレクトリ/FAT
 ハードディスクやフロッピーディスクにデータを保存するとき,関連したファイルごとにディレクトリを切っていると思うが,そのディレクトリごとに,その中のファイルの情報を記録したエリアが設置されている.
 ディレクトリ情報といわれるそのエリアには,ファイル名,拡張子,ファイル属性(可視ファイルか不可視ファイルかなど),時刻,日付,そのファイルの一番頭のデータが記憶されているクラスタ番号が記憶されている.
 MS-DOSは,ファイルの読み出しを行なうときなど,そのディレクトリ情報から該当ファイルが記憶されているクラスタの位置を知る.
 ただ、問題は,ひとつのファイルが連続したクラスタ上に記憶されているとは限らないということだ。ファイルの更新,削除,作成を繰り返すうちに、ひとつのファイルが連続したクラスタを確保できなくなり,ファイルはクラスタ単位に分断されて記憶されるようになる.
 この分断されたデータをひとつのファイルにまとめるためのデータをもっているのがFAT(File Allocation Table)だ。ディレクトリ情報でデータの開始クラスタの位置は知ることができるが,続くクラスタがどこにあるかという情報はFATに格納されている.つまり,FATはディスクの総索引,あるいは住民台帳みたいなものなのだ(図3).
FATは,ディスクの外周に近いトラック上のクラスタに置かれ,また,不慮の事故に備えるために,必ず同じ内容のものが2つディスク上に記録されている.


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コラム記事をスクラップする。
不意の暴走に備えるには
 たとえ月に1度程度でも、繰り返し暴走するようなソフトは使わないにこしたことはないが,それが気に入ったソフトである場合は,なかなかきっぱりやめられるものではない.
 最近は「自動保存機能」を持つソフトもあるから,利用できるならぜひ設定しておきたい。個人的にはVJE-Penの自動保存機能には何度かお世話になった。
 そういう機能がない場合には,安田幸弘氏によるフリーソフトウェア「CORE」を使うという最終手段が残されている.PC-9801シリーズでは,STOPキーを押しながらリセットをかけると,メモリ内容を初期化せずに再スタートするようになっている.そこで,プログラムが暴走してしまったら、まずはSTOPキーを押したままリセットをかけ,ハードディスクの起動メニューが現われる(ないし起動する)まで押し続ける.メモリチェックを行なわないのが分かるはずだ.
 DOSが起動したらCOREと入力すれば,COREプログラム以降のメモリ領域をCOREという名前のファイルにしてくれる.編集中の文書がよほど大きなものでなければ,文章そのものは暴走当時メモリ上に置かれているのが普通なので,COREファイルをこまめに眺めれば,編集中の文書やプログラムを復活させられる可能性は決して低くはない(画面A).


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 暴走は良く経験した。Win95になってもブルースクリーンを良く見た。原因は無理な拡張メモリ管理だと思う。本当に8086には苦労させられた。金を返せという思いだった。

コラム記事をスクラップする。
256色マシンのメリットは?
 98アーキテクチャで256色の表示が可能なマシンには,(1)PC-98GS,(2)PC-H98にグラフィックRAMを増設,(3)PC-386M/Pを挙げることができる.このうち,(1),(2)は,Windows 3.0を利用すれば,256色の表示を楽しんだり,対応ソフトを使って画像ファイルの作成,編集が可能だ。
 問題は(3)である.この2機種が備えている256色モードは,今のところ自分でプログラムする以外に利用方法がない.発売元エプソンのWindows 3.0Aでも,この2機種の256色モードへの対応は見送られた.
 ただし,フリーソフトウェアにはこれらを使ったものも少なくない.NIFTY-ServeのFGALAVには,すでにJPEG,MAG,TIFF,PIC,Q0など,主要な画像ファイルの表示プログラムがいくつもアップロードされている.パソコン通信をしていれば,少なくとも256色表示を楽しむことはできそうだ。


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 256色モードはゲームに適していると思う。

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消えたファイルを救え(月刊ASCII 1992年5月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の「これで分かった PC-9801&MS-DOS」をスクラップする。
今回は「消えたファイルを救え」をスクラップする。
ASCII1992(05)c08消えたファイルを救え_W520.jpg
 しまった。ハードディスクの作業用ディレクトリのファイルを全部消してしまった。ああ.なんてことをしてしまったんだろう.どうしよう.Bドライブのフロッピーにあるファイルを消そうとしただけなのに……カレントディレクトリを間違えた.
 ここでいかりや長介が出てきて,こりゃダメだ、次行ってみよう,とか言って舞台が回ったらいいのに,と暗い気持ちになっていると,机の上のパソコンから紫の煙がたち上った。ああ、電源のショートか,ついていない.
 と思っていると,部屋中にたちこめた紫煙の中に,怪しい人影.

●ヒドゥンファイルの秘密はね
■ 何者.
◆ フロッピーの妖精だ。
■ ああ、こんなものが見えるようじゃ,ついにおれの頭もくるったかな?
◆ どうした。何か困ったことがあるのか?
■ えーい,ままよ.仕事中のファイルを消してしまったんだよ。ああ.
◆ お前のなくしたのは,金のファイルか,銀のファイルか?
■ …….まじめにやる気,あるの?
◆ 説明しなさい。
■ 夜中にへんなかっこしているくせに偉そうだな。まあ、いい。やけくそだ。ちょっと付き合ってみるか.
 とにかく,原稿を出すために空のフロッピーを作ろうとしただけなんだよ。余計なことをしなきゃよかった.いらないファイルを消そうとして,ついついカレントのディレクトリで"del *.*"を実行しちゃったんだ。
◆ で,願いごとはなんだ.
■ ファイルを戻してほしい。
◆ それだけで,いいのか?
■ 十分,それで十分.
◆ ほれ。
■ えっ?あれ,ファイルが戻ってる.
◆ お安いごよう.
■ すごいなぁ.どうやったの.
◆ undelete[26]を使えば,ちょちょいのちょいだ.
■ 全部,消しちゃったんだよ.それをどうやって戻したの.
◆ 説明してやろう.ファイルを削除したといっても,ほんとうに全部消してしまっているのではないのだ.
■ でも、何もなかったよ.dirをとっても何もでなかったし.
◆ あまいな.dirで表示されないと,何も存在しないとでもいうのか.おまえはヒドゥンファイルというのを知っているか?
■ なに,それ.
◆ なに、こんなことも知らないのか。それはあまりにヒドゥン.
■ ひどいシャレ,……だから,説明してくれよ。
◆ ためしに,適当なファイルを作ってみなさい.
■ 分かった,分かった.ほれ.aaaというファイルを作ったぞ.
◆ 投げやりなファイルだなぁ。まあ,いい.そこで,“attrib +H aaa”と実行してみなさい.
■ やったよ.
◆ じゃあ,dirをとってみなさい.
■ あれ、なくなっている.
◆ どうだね。この状況を君はどう説明するのだ。aaaファイルは存在しないというのか?
■ 僕をバカにしているな.これは単に見えなくしているだけだろ。お前はメフィストかよ.
◆ 教えてほしいのか,ほしくないのか?
■ 分かったよ。で,Hはたぶんさっきの“hidden"の“H”で,それに+をつけたということは,その属性を持たせたということだろう?
◆ なかなかするどいな。こんどは,aaaを削除してみろ。
■ あれ,「ファイルが見つからない」と言ってる.
◆ ふふふ。dirで見えなくて,しかも削除もできないファイルは存在するかな?あるものはない,ないものはある.
■ こんどは,マクベスかよ。でも,あるのはある。ふふん,分かったぞ.削除したファイルは,属性がヒドゥンになっているんだな.
◆ ブー.
■ 何者だ,お前は.悲嘆にくれている俺をもてあそんでいるだけなんじゃないだろうな.
◆ いや,大事な教訓を与えたのだ。気がつかないのか。属性をヒドゥンに変えておけば,うっかりの削除からファイルを救えるのだ。
■ 知らないと思って,またへんあー,なことを吹き込もうとしているな.見えもしないファイルがあっても何の役にも立たないじゃないか
◆ 浅はかなやつ。たとえば,VZエディターを立ち上げて,ファイラーで見てみろ。
■ あれ,aaaがあるぞ.あれあれ,普通のファイルと同じように編集もできる.セーブもできる.いったい,どうなっているんだ?
◆ MS-DOSのcommand.comがファイルの属性を見て,これは表示するとか,これは削除できないとか判断してからコマンドに渡しているのだ。だから,VZから直接アクセスすると普通のファイルとして扱えるのだ。試しに削除してみな.
■ 削除もできた.へーっ。といあれ,うことは,大事なファイルは,とりあえず属性をattribコマンドでヒドゥンにしておいて,編集はエディタかなにかでやればいいわけだ。すると,うっかり“del *.*”をやってしまっても,そのファイルだけは助かる.ただし,セーブすると属性が解除されることもあるようだ.
◆ ふっ、ちょっとは賢くなったようだな.ひとつだけつけ加えておくと,それは,あくまで一時的な方法だ。ヒドゥンにしたファイルに気づかず,うっかりフォーマットしたりしないように,せいぜ い注意することだな.

●undeleteの秘密はね
■ でも、さっきの削除の話は,まだなにも分からないよ.
◆ さっきは関係ないと言ったが,実は,まったく関係ないわけでもない.
■ もう、いったいどっちなんだよ.
◆ 教えてほしいのか、ほしくないのか? ■ 分かった,分かった.おとなしくするから,続けてくれよ。
◆ 削除といっても,ほんとうに跡形もなくディスク上から消し去ってしまうのではない。ファイルの情報の一部を変えてしまうだけなのだ。
■ それが,さっきのファイル属性を変えるだけで一見なくなってしまう話と似ているところだな.
◆ そうだ。しかし、削除の場合は,書き換える場所が違うのだ。具体的には,そのファイル名の最初の1文字だけだ.
■ ようするに,ファイル本体のほうは,なにも削除されていないんだね。
◆ ピンポン
■ ということは,その情報を元に戻してやればいい.
◆ グレート.
■ しかし,だまされないぞ.その情報が削除されてしまっているわけだろ.削除された情報を元に戻すことなんてできるわけないじゃないか.
◆ うーん,いいところに気がついたね.たしかにそうなのだ。だから,そのファイル名の先頭の文字は,復活させる際に教えてやらなければならない。
 だけど,その情報さえあれば,小さなファイルだったら,だいたい連続したクラスタ[23]にあるので,undeleteががんばれば復活できる可能性が高い。ところが,大きなファイルや,何度も書き込んだディスクの場合は,クラスタが不連続になっている可能性が高いので,復活できる可能性はさがる.
■ たくさんのファイルをいっぺんに削除してしまった場合,1文字にしろ,めんどくさいよ。その先頭の文字の情報をどこかに持っていれば,いいわけだろう?
◆ 実は,それをこっそり保存しておくという大事な仕事をしているコマンドがある.それがmirror[25]だ。
■ そういえば、僕のautoexec.batの最後に,“mirror /TA /TB /TC"という行があったぞ.
◆ それだ,それ。それがあったから,すべてのファイルを消しても,“undelete /all”で復活できるのだ。これなら,一撃だ.
■ へー。そんなに簡単なの.
◆ mirrorを常駐させていたのが、幸いしたな.

26 UNDELETE
 誰もが必ず一度は体験する、うっかりびっくりの大失敗がファイルの誤消去.従来、そうしたミスをカバーするためのコマンドがMS-DOSに標準的に用意されていなかったため,これまで多くの市販,あるいはフリーソフトウェアのファイル復活ツールが発表されてきた.
 MS-DOSにおけるファイルの削除は,ディスクから完全にファイルの中身を消してしまうことを意味してはいない。実際には,ディレクトリ情報内のファイル名の頭1文字をE5Hというコードに替え,FATの情報を消去するだけなので,ファイルの中身そのものは削除後もそのまま残っているのである。したがって,消されたファイルの復活を試みるには,削除前のFAT,およびディレクトリ情報の内容が再現できればいい,ということになる.
 DOS 5で登場したUNDELETEコマンドは,MIRRORコマンドと併用することにより,きわめて強力なファイル復活ツールとして機能する.
 MIRRORを/Tスイッチとともに起動させ,メモリに常駐させておけば,削除されたファイルの復活情報は,常にディスク上のPCTRACKR.DELというファイルに書き込まれていく(図4)。そのため、うっかり消去してしまった場合でも,ファイルの上書きさえされていなければ,ほぼ100%の確率で復活が期待できるのだ.
 ただし,MIRRORコマンドが常駐していないときには,UNDELETEはエコロジーIIなどと同様に,ディスクに置かれていたファイルの痕跡を,クラスタごとにたどりながら復活を試みることになる(/DOSスイッチでの起動).
 これは,いうなれば,戸籍が完全に消滅した住民を足跡だけで追跡するようなもので、困難な仕事といわざるを得ない.そのうえ,この作業だけではクラスタごとのファイルのつながりまでは追いきれず,頻繁に書き消しを繰り返しているディスクで,サイズの大きなファイルを誤消去した場合などは、完全な形での復活はまず不可能となってしまうのだ。
 やはり,消されたファイルの完全な形での復活には,MIRROR /Tコマンドによる復活情報の保存が不可欠なのである。


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23 クラスタ
 ディスクの最小記録単位を「セクタ」という.2HDのフロッピーディスクの場合,1トラックには1024bytesのセク夕が8つ並んでいる.もっとも,セクタという言葉が意味を持つのは,アセンブラ言語でファイル操作をするプログラムを組むような方に限られる.一方,ファイルの最小記録単位である「クラスタ」のほうは重要だ.最小記録単位であるから、1つのファイルのサイズはこれより小さくならない.たとえ2bytesのファイルであっても,ディスク上では1クラスタ,すなわち数Kbytesを占有することになる.したがって,クラスタは小さいほど.ディスク空間の無駄は少なくなる.
 ちなみに2HDのフロッピーでは1クラスタ=1セクタだが,40MbytesのSASIのハードディスクでは1クラスタ=16セクタ,100MbytesのSCSIハードディスクでは1クラスタ=4セクタである.
 無駄と分かっていてどうしてクラスタサイズを大きくするのかというと,それは、クラスタの数が増えすぎると,クラスタを管理するためのFAT(次項参照)が大きくなる,空いているクラスタを探すのに時間がかかるなどの弊害が出てくるからである.クラスタの数を一定数に抑えるために,大容量のハードディスクほど,クラスタのサイズが大きくなっていく。
 クラスタは,次項で解説するFATとも緊密な関係にあるので,併せて読んでみてほしい。

 クラスタサイズを気にしてパソコンを使っていた。
25 MIRROR
 DOS 5で追加されたUNDELETE,およびUNFORMAT.いずれの機能も、このMIRROR.COMなくしては語れない.MIRRORコマンドは,ファイル復活成否のカギを握るともいうべき重要なコマンドである.
 MIRRORの主な機能を挙げていくと次のようになる.

◆パラメータなしでの起動
 この場合,MIRRORはカレントドライブのディスクに収められているFATとルートディレクトリ情報の内容を、復活情報としてMIRROR.FILというファイルに出力する.
 このファイルがあると,別項のUNFORMATコマンドによってFATとルートディレクトリ情報をMIRROR実行時の状態に戻すことができる.
 もっとも,DOS 5ではFORMATコマンドが自動的にこれと同じ作業を行なってくれるため,「うっかりフォーマット」対策としては特別意味のあることではない.しかし,ディスクがFORMAT以外の原因で壊れた場合(たとえばソフトウェアの暴走によるクラッシュ)では,MIRROR.FILがあればUNFORMATマンドで復旧できる可能性があるので,大事なディスクならこまめにMIRROR.FILを更新しておいたほうがいいだろう.
 なお,日本電気版のDOS 5では,ハードディスクに対してMIRRORをかけることはできないが,エプソン版では可能になっている.

◆/Tスイッチによる起動
 MIRRORの第2の機能として、メモリへの常駐モードがある./Tスイッチにドライブ番号を指定することで,MIRRORはメモリに常駐し,ファイルが削除されると,そのファイルに関するFATとディレクトリ情報をPCTRACKR.DELというファイルに記録してくれるのだ。MIRRORを常駐モードで使うことのメリットは,この処理をリアルタイムで行なってくれるところにある(図4).つまり「しまった!」と思った次の瞬間には,もうUNDELETEを使う準備ができているということだ
 MIRRORのメモリ常駐サイズは,たったの6Kbytes.フリーエリアを大きく広げられるDOS 5のことを考えれば,この程度の占有量は大した問題にはならないだろう。ぜひ,AUTOEXEC.BATで組み込み,毎回常駐させるようにしたい。また、この機能は,日本電気版でもハードディスクに対して行なうことができる.

◆/PARTNスイッチによる起動
 ハードディスクのパーティション情報(パーティションごとのOS,ドライブの種類など)を他のドライブのフロッピーディスクにPARTNSAV.FILというファイル名で保存する。保存されるパーティションの内容は,UNFORMATを/PARTNスイッチとともに起動することにより復活させることが可能になる(図5)。うっかり「領域解放」をしてしまったときでも,パーティション情報が保存してあれば復旧が可能なので,必ず実行しておきたいコマンドである.
■ 万が一,フォーマットしてしまったときはどうすればいいの?
◆ 謙虚になったな。フォーマットでもだいじょうぶだ.
■ そうだと思った.unformat[27]というコマンドがあったからね。これで,ハードディスクをまちがってフォーマットしてしまっても,だいじょうぶ.
◆ ふふふ。あまいな。すべてのMS-DOS5がHDDもunformatできると思うと,とんでもない痛い目に遭うぞ。98の世界はそれほど簡単にはいかないのだ。なぜか,unformatはフロッピーしかできない。
■ うーん,ディープ.98の世界の奥の深さを学んだような気がする.

27 FORMATとUNFORMAT
 フロッピーディスクにハードディスク,それに加えて最近注目の3.5インチ光ディスクすべてのディスクはフォーマット,すなわち初期化しなくては使うことができない.そのフォーマットをすべてのディスクに対して行なうための外部コマンドがFORMAT.EXEだ.
 DOS 5のFORMATコマンドで強化された点は,まず3.5インチ光ディスクの初期化ができるようになったことと,/Qスイッチによる高速フォーマットの追加。そして,次が売り物,ディスク上のファイル情報を自動的に未使用領域に退避させることにより,一度フォーマットしてしまったディスク上のファイルの復活,すなわちUNFORMATを正式にサポートしたことにあるといえる。
 ディスクのフォーマットとは,白紙にマス目を書いていく作業だと考えると理解しやすい。とはいえ,DOS5のFORMATコマンドによるディスクの再フォーマットでは,ブートセクタとFAT,ルートディレクトリ情報の初期化のみ行ない,ディスクの内容そのものは手つかずで残っていることに注目したい
 つまり,UNFORMATが行なっている作業は,ディスクのファイル情報(FAT,ルートディレクトリ情報)を,そのまま再現しているだけなのだ(図6).
 このUNFORMAT UNDELETEにより,融通の利かない石頭のMS-DOSといった汚名を返上できるようになったのは喜ばしいことである.


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ハードディスクが飛んだ時は好機ととらえた。削除、書き込みを繰り返してノストラダムスの出番となるようなハードディスクを再フォーマットしてファイルを再書き込みすることで整理できた。

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割り込みの悪魔(月刊ASCII 1992年5月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の「これで分かった PC-9801&MS-DOS」をスクラップする。
今回は「割り込みの悪魔」をスクラップする。
ASCII1992(05)c06割り込みの悪魔_W520.jpg
 街の喧騒に嫌気がさして,この春から隠遁生活を送ることにした.日がな一日,文芸誌に依頼された原稿を書くほかは,山と鳥だけを眺めて暮らす予定だ。ただ原稿を書くにはパソコンがいる.それに当分街には出られなくなるので、退屈したときのために,パソコン用の周辺機器をいくつか買い込んだ.
 まず,多色表示とWindows 3.0の環境改善にグラフィックボード(アイ・オー・データ機器のGA-1024i).音楽演奏には必須のMIDIボード(ローランドのミュージ郎300),それに,山の音を録音するためにサンプリングもできるFM音源ボード(エムエスエーのスピークボード)の3点だ.
 しかし……,いきなり3枚差すというのは無謀なのだろうか。正常に動いてくれたのはグラフィックボードだけ。楽しみにしていたミュージ郎も動いてくれないし.空気がきれいなところだとパソコンは誤動作するのだろうか。窓の外は4月も終わりだというのに雪が舞い始めた。と……

コンコン
 この夜更けに,こんな山中の小屋の戸を叩く者がいる.
「だれじゃ」
「夜分申し訳ありません。道に迷いまして……。恐れ入りますが,今晩泊めていただけないでしょうか」
「おお,見れば白髪かと思うほどに頭に雪が乗っておる。おもてなしはできないが,休んでいきなされ」
「これはまたなんとお礼を申し上げたらよいかときにご老人,何か悩みごとでもあるのではありませんか? どうも顔色がすぐれないようですが」
「分かりますかな.実は,初めて周辺機器を装着してみたのだが,どいつもこいつも動いてくれんのです」
「たとえば、どういうことでしょう」
「そうですな。ほれ,ハードディスクからの起動はちゃんとできるのですが,ここで“ミュージ郎”なるソフトを動かそうとするとですな,音楽を演奏しようとしたところで」
「おや」
「……このように,うんともすんとも言わなくなってしまうのです」


ASCII1992(05)c06割り込みの悪魔画面_W520.jpg
「なるほど、なるほど.わたくし,多少は心得がございますから,ちょっと見せていただけますか」
「どうぞどうぞ。実は途方にくれておったところです」
 30半ばと見える職業不詳の男は,ボードとマニュアルを並べてなにやらぶつぶつ言っていたが,やおら懐から紙とペンを取り出すと,こんなことを書いた.


ASCII1992(05)c06割り込みの悪魔メモ_W520.jpg
 「周辺機器の中には,“割り込み”という処理を利用するものがあります.98ですと,周辺機器が使える割り込みの番号は0から6までの7種類なのです.このメモのINT[13]というのが割り込みのことですね」
13 INT番号
 INTとは,割り込み(Interrupt)の略で,ハードウェア割り込みとソフトウェア割り込みがあるが,周辺機器接続の際にトラブルの原因となるのは主にハードウェア割り込みのほうだ。
 ハードウェア割り込みとは,周辺機器CPUに対して,何らかの処理を要求する合図のことである。このときCPUが、どの周辺機器から合図(割り込み)が来たかをはっきり判別できるように,周辺機器ごとに「INT番号」を決めておく必要がある。合図によって,CPUに別の仕事をやらせることを「割り込み処理」という.食事中に電話のベル(合図)が鳴れば,食事を中断して電話の相手と話をする、というのと同じだ。
 98の場合,INT番号はシステムに予約されているものと,ユーザーが使えるものとがある.ユーザーが使えるのは,INT 0からINT 6と呼ばれている7つ(厳密にはINT 4に2種類があるた8つ)だが,このうち,INT 3はSASIのHDDに,INT 4はFDDに,INT 6はマウスに使われているため,周辺機器側で利用できるのはINT 0,1,2,5の4つしかない(表1.なおマウスのINT番号は変更可能).FM音源が内蔵されていれば,INT 5も使えなくなる.
 複数の周辺機器を用いている場合,I/Oアドレス同様,「INT番号が重なる」ことでソフトが動かなくなることがよくある.割り込み処理は,ある特定の周辺機器に対して行なわれるもので,複数の周辺機器から同じ割り込みの合図が来ては適切な処理は期待できない(図2).通常は,そういう不都合を回避できるように,周辺機器はINT番号を変更できるように作ってあるのが普通だ。ただ,周辺機器を利用するためのソフトウェアはたいていデフォルトのINT番号を想定して書かれているため,ボード側でINT番号を変更した場合はそれに合わせてソフトウェアのセットアップが必要になる(画面2)また,2チャンネルRS-232C増設ボード(PC-9861/K,AIWA B98-01)のように,1枚のボードで2つのINT番号を必要とするものもある。
 INT番号はI/Oほど選択肢が多くないため,重なるという事故も発生しやすいSCSIのHDDをメーカーのセットアップのまま装着すれば,たいていSASIのHDDと重なるし(INT 3),だからといってSCSIのHDDをINT 2にする今度はMIDIインターフェイスと重なる.INT 5はFM音源がじゃまをするし,INT 4やINT 6は論外……ボードを2枚差しただけでこの始末なのだ。
 また,ノーマルモードとハイレゾモードではマウスのINT番号が変わる(ノーマル時はINT 6,ハイレゾではINT 2)ため,モードを切り替えたら動かなくなるという事故も起こる.このほか,98NOTEのうちNS/E以降はレジューム機能のためにINT 2を使っている.


ASCII1992(05)c28ハード表1_W338.jpg
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INT番号足りなかった。困ったものだ。
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「割り込みとはなんじゃろう」
「ちょっと急いでこの仕事をやってくれという合図,みたいなものでしょうか」
「ほう」
「ところが,今お使いのパソコンは,このように同じ割り込み番号を,2つのボードが取り合っているのです」
「取り合ってはいかんのですな」
「もちろんです。パソコン側は,誰が割り込みをかけたか分からなくなってしまいますから」
「なーるほど.……ということは,残念ながらどれか諦めんといかん」
「それには及びません。INT番号を変えてやればいいのです」
「そんなことができる」
「普通はできるようになっています」
「ではまず,MIDIボードをINT 1にでもして」
「いえ。それはやめたほうがいいでしょう」
「それはまたなぜ」
「MIDIボードを使うプログラムは,INT 2を使うものと思って作られているものがほとんどなのです。それを変えてしまったら,ソフトが動かなくなる可能性があります。今お使いのミュージ郎はINTの変更に対応できるみたいですが,これから導入されるかもしれない音楽ソフトが対応していると期待するのは甘いかもしれません」
「しかしそんなことを言ったらSCSIインターフェイスも同じなのではありませんかな」
「SCSIインターフェイスは,ボードのほうを変更すれば,あとは自動的にまわりもうまくセットアップされるようになっているのです」
「えらいんですな」
「まあ,そんなところです……とりあえずSCSIをINT 1に逃がしましょう。これで少なくともミュージ郎は動くようになるはずです」
「ところで,このメモではグラフィックボードが入っとらんが」
「このグラフィックボードは,割り込みは使っていないんです。周辺機器がどれも割り込みを使うわけではありません」
「あとは,INT 5のほうか」
「ああっ! これは内蔵FM音源の上位互換のボードですね」
「そうじゃったかもしれん」
「ご老人,これはいけません。INTだけではなく,I/Oアドレス[12]ROMアドレス[15]まで重なってしまいます」
「そうぽんぽんと新しい用語を出さんでもらえんかな」
「つまり,同じボードを2枚差しているようなものなのですから,これでは動作しません」
「マニュアルどおり内蔵FM音源を殺せば問題はないのじゃが,せっかくなら内蔵音源も外付けボードも同時に使いたいではないか」
「そういうご希望でしたら,I/OとINTを変えて,ROMを殺してしまえば……しかしそこまですると,付属のソフトが動作するかどうか」
「まあ,物理的に動かんのじゃ話にならんから,適当にやってみてくれんかな.あとでメーカーに聞いてみる」
「それがいいですね」
「いやそれにしたも今日はまったく,助かりましたわ」
「いえいえ。雪の中を野宿するのに比べたら.はっはっ」
 翌朝,男は早々に下山した。昨日はパソコンの相手で1日つぶしてしまったから、私も今日は山歩きでもするとしよう.と……

12 I/Oアドレス
 I/Oとは入出力(Input/Output)の略号で,パソコンではCPUと,その周辺ハードウェアとのデータのやりとり(入出力)のことを指す。
 パソコンにはRS-232C端子や拡張スロットなどを経由して周辺機器を接続するが,それらとデータをやりとりするのは「I/Oポート」と呼ばれるところ(信号線)である.ハードディスク,マウス,キーボードなど,画面表示以外の作業はすべてI/Oポートを介して行なわれているのだ.
 I/Oポートにもメモリと同じように番号が付いており、その番号をI/Oアドレスという。たとえばプリンタへのデータ送信は,I/Oアドレス40H番のポートを使っている.ポート番号は0からFFFFHまでがある.
 PC-9801シリーズに限らず,パソコンメーカーは機種ごとにどのI/Oアドレスには何がつながっているかを決めておまたユーザーが自由に使えるI/Oアドレスも決まっている(xxD0~xxDFHのうち偶数の番地,およびxnE0~xnEFHの番地xは任意の16進数,nは0~7).ただし98シリーズの場合,ノーマルモードとハイレゾモードでI/Oアドレスが異なるデバイスがあるので注意が必要だ.
 さて,周辺機器を接続するとき問題になるのは「I/Oアドレスが重なる」ことだ。複数のボードを98に差していて,そのボードが同じI/Oアドレスを使っていたら,当然その先につながっているものは正常に動作しない(図1).

 他のメーカーがたまたま自社と同じI/Oアドレスを使う可能性を考慮して,ほとんどの周辺機器メーカーは利用するI/Oアドレスを変更できるようにしている。たいていはボード上にあるディップスイッチやジャンパスイッチを切り替えることで実現し,やり方はマニュアルに記述してある.
 ただし,I/Oアドレスを変更してしまうと,デフォルトのI/Oアドレスを前提に作られているプログラムは動作しなくなってしまう.I/Oアドレスを変更した場合は,それに合わせてアプリケーションソフト(場合によってはデバイスドライバ)のセットアップを行なう必要がある(画面1).もし不幸にもそういったセットアップ機能がソフトにない場合は,もう片方のボードのほうで対処するか,最悪の場合はどちらかをあきらめなくてはならない.
 周辺機器がうまく動作しないときには,自分が今使っているボードどうしのI/0アドレスが重なっていないかどうかチェックすることになる(本体が使っているI/Oと重なっている可能性もゼロではないが,普通そのような設計はしないはずだ).なお,現実的にはI/Oアドレスが重なるということはあまりない。同じボードを2枚差して別々に制御しようとする場合に注意するくらいだろう.

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I/Oアドレスのバッティング。気づかないことがあった。困ったものだった。
15 ROMアドレス
 拡張スロットに装着するボードには,ボード上にROMが搭載されているものがある.SCSIインターフェイスボード,RS-232Cボード,FM音源ボード,LANボードなどにはたいていROMがある.ROMは,メモリ編で述べた「拡張ROM領域」内に,重ならないように配分する必要がある.ボードによってはこのアドレスを移動させることができるようになっている(画面3).EMSやUMBのことも考えてセットアップしよう.

ASCII1992(05)c29ハード画面3_W520.jpg
セットアップは面倒だった。
コンコン
 また扉を叩く者がいる.忘れ物でもしたのだろうか.
「ちわー。宅急便す」
「なに,物を買った覚えはないが」
「東京のAhSKI編集部からです」
 箱を開けると,真新しいファクスボードが出てきた。一緒に紙切れが入っている.先生,お元気ですか? さて、先生の原稿は図が多いので、お気軽に送信していただけるよう,ファクスボードをお送りいたしました。電子メールで画像ファイルを送るより安いでしょう? では次の原稿の締め切りまであと5日です.よろしくお願いします。

 FAXボード?INT番号が足りないではないか。

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一太郎とWin3を一緒に使いたい,(月刊ASCII 1992年5月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の「これで分かった PC-9801&MS-DOS」をスクラップする。
今回は「一太郎とWindows 3.0を一緒に使いたい,TeXだって使いたい」をスクラップする。
ASCII1992(05)c04一太郎とWin_W520.jpg
 自分のコンピュータがほしくなって,丹羽信夫さんの言うとおり,会社をやめて,その退職金でPC-9801のDAを買った。HDDも100Mbytes内蔵している.486DOS/VマシンとMacintoshは,とても買えなかったけれども,せめて,この98には,たくさんメモリを積んであげようと,4Mbytesの増設RAMを奮発した.初めからある1Mbytesの内蔵RAMを足せば,5Mbytes.これだけあれば,Windowsもなんとか動かすことができるだろう.これで,バリバリとアプリケーションを使って,大儲けをするんだ.と,はりきっていたのだが,…….
Windows3.0と一太郎を使うには?
■ これこれ、どうした?そこの娘.
◆ この画面を見てよ,もーぉ(画面1).こんなにお金をかけたのに,まったくひどいったらありゃしない。でも、おじさん,誰?どうして私の部屋にいるの?


ASCII1992(05)c04一太郎とWin画面1_W339.jpg
■ そんなこたぁー,どうでもええ.いったい、何を騒いでおるのじゃ。
◆ 一太郎とWin3を一緒に使いたいんだけど,どうすればいいのか分からないのよ.
■ なになに,お前さんは大船に乗り遅れたようじゃなぁ.
◆ それでね、話を聞いてくれる?まずは,一太郎をWindowsから立ち上げようとしたの。マニュアルと格闘しながらなんとかPIFファイルを書き換えて,それで日本語入力FEPを組み込んだらやっと動いたんだけど,それがもう,遅くて遅くて.
■ きちんとEMSドライバ[6]を組み込んどるのかな.

6 メモリマネージャ(EMSドライバ,XMSドライバ)
 EMSやXMSなどの手順でメモリを利用しようとするプログラムに対して,実際にメモリを割り振るプログラムのことをメモリマネージャという.386以上のマシンではプロテクトメモリさえあれば,メモリマネージャだけでEMSメモリやXMSメモリを提供することができる.UMBの項で,プロテクトメモリの一部を1Mbytes空間内に割り当てると書いたがEMSも同じ方法で実現することができるからだ.
 メモリマネージャは数社から発売されているが,注意したいポイントは「EMSとXMSを完全にサポートしているか」,である.EMSがなければ一太郎のようなEMS対応ソフトをはじめ,DOS環境の改善は大きく立ち後れる.一方XMSがないと,Windows3.0を快適に動作させることができない.
 現時点でこの条件を満たすのは,(1)DOS 5に含まれる「HIMEM.SYS」と「EMM386.EXE」の組み合わせ,および(2)MELWAREVer.5に含まれる「MELEMM.386」だけである。この両者にも違いがある.(1)の方法では,プロテクトメモリのうちEMSとして使う部分とXMSで使う部分の大きさを,あらかじめ決めておく必要がある。2では,要求されただけをEMSなりXMSなりにしてプログラムに渡す.
 どちらが便利かといえば,もちろん(2)だ.たとえば,一太郎Ver.4を使うときにはできるだけたくさんのEMSメモリがほしい.Windows 3.0を使うなら,EMSはなくてもいいがXMSはできるだけ多くほしい。(2)ならどちらに対してもあるだけのメモリを提供できるが,(1)では容量配分を変えるために一度リセットする必要があるからだ(画面4).


ASCII1992(05)c24メモリ画面4_W851.jpg
◆ もちろんよ。でも,あのスピードじゃあ、あんまりだから,やっぱり元に戻して,一太郎はMS-DOSから立ち上げて使うことにしたの.
■ まあ,386のCPUだと,もっともな判断じゃな。
◆ でね,config.sysを書き直して,一太郎が動くように,とりあえずしてみたの.そしたら,一太郎は,元どおりに,ちゃんと動くようになったわ.
 でもね、今度はWindowsが問題なの.立つのは立つんだけど,なぜかリアルモードなのよね。エンハンスドモードで立たなくなっちゃったのよ。config.sysを書き換えるまでは,Windowsもちゃんと動いてたから,きっと私,config.sysに何かへんなことをしちゃったんだと思うけど,どこが悪いのか分からないのよ.
■ フム,これは,98のDAじゃろ。それにメモリを5Mbytesも積んどるんじゃったら,Win3がちゃーんとエンハンスドモードで立ち上がるはずじゃ。よっぽどすっとんきょうなことをやっておるのじゃな。はてはて?メモリはどう使っておるのかな?
◆ 一太郎が使いやすいように,とりあえずEMSメモリ[3]にしてるよ.どこか悪いの?
■ それじゃ,きっとそれじゃ。EMSメモリは,どのくらい使っておるのじゃ?
◆ えっ、どのくらいって?
■ まさか,メモリをぜーんぶEMSにしとるのじゃないじゃろうな.
◆ EMSって,メモリの一部だけでもいいの?
■ あったり前田のクラッカー.どれ,どれ,ちょっとおじさんにconfig.sysを見してみぃ。フムフム.
 このemm386.exeを組み込む行を見なさい(図1).使うEMSのページ数を指定しておらんじゃろ。だから,DOSのシステムが使っとるメモリ以外は,すべて仮想EMSメモリになっとるんじゃよ。
◆ へーぇ。知らなかった.
■ Windowsは,空いているプロテクトメモリ[1]が足りないと,エンハンスドモードで動かすことはできないのじゃよ.
◆ でも,一太郎にたくさんメモリが必要といったって,いくらなんでも5Mbytesも使っちゃうことはないでしょう?
■ 一太郎がメモリを使っとるんじゃないぞ.emm386.sysがプロテクトメモリをみんな仮想EMSとして確保しとるのじゃ。そうなると,Windowsは,そのメモリをEMSメモリとしてしか使えなくなってし まうのじゃ。 ◆ うーん。じゃあ,どうすればいいのよ?
■ 簡単じゃ.MS-DOS5の「インストールガイド」の43ページに,EMSメモリを使うための説明があるぞ。そこをよーく読むんじゃ。
◆ ふーん。なになに、「使用できるメモリのうちどれだけをEMSメモリとして利用するかを,ページ単位またはKバイト単位で指定します」。前にもEMSのことを調べたら「ページ数」って書いてあっ たんだけど,このEMSのページ数って,なにかよく分からないのよね。
■ まあ、黙ってマニュアルを読みなされ.“/P=nnn”というオプションをつけろとあるじゃろう.
◆ はいはい,分かった,分かったわよ。ほんとはまだよく分からないけど,とにかくこれでメモリをどのくらいEMSとして使うかを指定するのね。つまり,こうね(図2)。


ASCII1992(05)c04一太郎とWin図1-2_W335.jpg
3 EMS
 98を使っているなら今やEMSは必需品である.まだEMSを使っていないという方は、この機会にEMS導入に踏み切られることをお勧めする.
 EMSがあると(正確にはEMSメモリがあると),(1)ワープロやデータベースではディスクとのやりとりが減少して動作が快適になる(2)表計算ソフトでは大きな表を作ることができる,(3)日本語入力FEPをEMSに追いやることでメインメモリに余裕ができる,などのメリットがある。
 386以上のCPUのマシンでメモリを1.6Mbytes以上搭載していれば,「メモリマネージャソフト」を使うことでEMSが利用可能になる(DOS 5にも付属してくる).もしメモリが640Kbytesしかないなら,本体内蔵タイプのメモリを買ってきて差せばよい.
 286までのマシンの場合は,拡張スロットに差すEMSメモリを購入し,そのボードに付属する(別売の場合もある)メモリマネージャを使うことになる.本体内蔵タイプのメモリは,PC-9801DXなど一部の例外を除いて,EMSメモリとして活用するのは困難であるからだ。ただし,Windows 3.0用にメモリを増設するというのであれば,内蔵メモリのほうが高速化に役立つ。

EMSとはどんな仕組みなんだ?
 MS-DOSは1Mbytesの内側しか扱うことができないが,そこでなんとか大量のメモリを扱わせようとして考えられたのがEMSである。EMSの規格では,外部にたくさんのメモリを用意しておき,そのメモリを16Kbytesごとにコマ切れにしてそのうち4つを1Mbytes内にとっかえひっかえ割り当てるようにしたのである.
 16Kbytesのメモリが4つ並ぶから,EMSを使うには64Kbytesの領域が必要になる.これをもしメインメモリの中に取ると他のプログラムとぶつかってしまうし,グラフィックVRAMやBIOS-ROMの上に取るとそれらが使えなくなってしまう.そこで,普通は拡張ROM領域のうち使われていないところを探して使う。拡張ROM領域はC0000~DFFFFHまでだが,C0000~CFFFFHを使うのが一般的である.

EMSで起きるトラブルとは
 EMSは上述の“拡張ROM領域”を使用するので,他のROMとの衝突を避けなければならない。なかでも厄介なのは“サウンドROM”である.FM音源ボードを搭載した機種ではEMSを使うときはサウンドROMを切り離すようにしなければならない.これはEMSのページフレーム上とFM音源ボードのサウンドROMがCC000~CFFFFHの領域で重なってしまうのである(図2).
 もしサウンドROMを生かそうとしてEMSのページフレームをD0000Hから取るようにすると,今度はハードディスクのROMと重なることになる.つまりサウンドROM,HDD,EMSの3つは両立できないのである.もし,どれか削るとすればサウンドROMになるだろう.


ASCII1992(05)c22メモリ図2_W520.jpg
1 メモリマップ
 EMSとかプロテクトメモリといった個別の単語説明にはよくお目にかかるが,それらを理解するには「メモリマップ」を頭に入れておくとよい。メモリ用語がずっと現実味を帯びてくるはずだ.
メモリには1byteごとに番地がある
 パソコンの中にCPUとメモリがあることはご存じのとおり。メモリマップとは,文字どおりメモリの使われ方を示すものだ.PC-9801シリーズでは,あるいはMS-DOSではメモリがどのように使われているか.グラフィックを表示しているとき,そのグラフィックデータはどこに存在するのか.メモリマップを見るとそれが分かる.
 メモリにはすべて番地(“アドレス”という)が付いていて、1つの番地に1byteのデータが収まる.アドレスは通常16進数で表わし,0番地から始まる.16進数と言われてもピンとこないかもしれないが,16進数の10000Hが64K(キロ),同様にA0000Hが640K,100000Hが1M(メガ)というくらいを覚えておけばいい.なお,16進数には上で書いたように,最後にHを付けるのが普通だ.
 PC-9801(ノーマルモード)のメモリマップを図示すると、図1のようになる。順に内容を説明しよう.

●メインメモリ
 00000~9FFFFHの640Kbytesの空間がメインメモリだ.MS-DOSや日本語入力FEP,アプリケーションソフトなどはここに読み込まれ,実行される.“EMS”や“プロテクトメモリ”などが要求されるようになったのは,アプリケーション自体が巨大化して,扱うデータを含めると640Kbytesに収まり切らなくなってきたためである。残りメモリがどれくらいあるかは,CHKDSKコマンドや,DOS5ならMEMコマンドでも知ることができる.
●テキストVRAM
 A0000~A4FFFHの領域を“テキストVRAM"という.VRAM(VideoRAM)は,メインメモリと違って「画面と連結されている」のが特徴だ。テキストVRAMの場合は,プログラムでこの領域に文字コード(98の場合はJISコードに一定の計算を施した数値)を書き込んでやると,その瞬間文字が画面に表示される(画面1).
●未使用領域
 A5000~A7FFFHまでの12Kbytesは,RAMもROMも割り当てられていない.このほか,後述する拡張ROM領域も大部分は未使用領域である.未使用領域は,386/486マシンでは重要な意味を持ってくる(詳しくはUMBの項を参照).
●グラフィックVRAMその1
 A8000~BFFFFHの96Kbytesは“グラフィックVRAMその1"だグラフィックVRAMの場合は,データを書き込むとグラフィックが画面に表示される.したがって、現在表示されているグラフィックをディスクに保存したければ,この領域と、後述する“グラフィックVRAMその2”をセーブすればよい.
●拡張ROM領域
 C0000~DFFFFHの128Kbytesを“拡張ROM領域”という.たとえば,ハードディスクを装着すると,ハードディスクのインターフェイスボードの上にある拡張ROMがこの領域に現われる.
 この拡張ROMの中には,ハードディスクを制御するためのプログラムが入っている.
 メモリのトラブルが一番発生しやすい領域がここだ。というのも,別項で述べるEMSもこの空間を利用しているからだ.EMSや,ハードディスク,FM音源などの拡張ROMが同じ領域を取り合うと,マシンが起動できなくなることもある.

●グラフィックVRAMその2
 E0000~E7FFFHは“グラフィックVRAMその2”.上のグラフィックVRAMその1と合わせて128KbytesのグラフィックVRAMを形成する.なお,グラフィックVRAMはその1その2ともに2セット存在していて,切り替えて使うことができるようになっている.
●BIOS-ROM領域
 E8000~FFFFFHの,メモリマップの最上位に位置するのが“BIOS-ROM領域”だ.MS-DOSの起動に失敗したとき,“Howmanyfiles(0-15)?”と表示されるのを見たことはないだろうか.これはBIOS-ROMに内蔵されているROM-BASICが起動したからである.BIOS-ROMにはBASICだけでなく,MS-DOSの各種処理を行なうためのプログラム群も収められている.
●プロテクトメモリ空間
 CPUそのものの設計では,286は16Mbytes,386や486は4Gbytesものメモリを装着できるようになっているのだが,この領域はMS-DOSでは本来扱うことができない.しかし,386以上のCPUは,メモリマネージャと呼ばれるソフトを書くことでDOS上からプロテクトメモリを活用できるようになったし,286マシンでも用途は限られるが使い道がないわけではない.
 なお,Windows3.0のスタンダードモード,エンハンスドモードは,プロテクトメモリを直接扱って動作する.
 メモリに関するトラブルの多くは、(1)メインメモリが足りない,(2)拡張ROM領域で同じメモリを複数の装置やソフトが取り合う,の2つだろう.拡張ROM領域をうまく使えるようになれば,周辺機器やメモリ環境のセットアップのトラブルも自分で解決できるようになるはずである.


ASCII1992(05)c21メモリ図1_W520.jpg
ASCII1992(05)c24メモリ画面1_W865.jpg
■ そうじゃよ。賢いのぉ。
◆ とーぜんのことよ。で,残りのメモリがXMSメモリ[4]に割り当てられるのね。これでWin3もエンハンスドモードで立つようになるってわけね。
■ もちろん,himem.sysを組み込んでおかんとだめじゃぞ。
 肝心なのは,メモリの配分じゃ。せっかくたくさんメモリを積んでおるのだから,仮想EMSとプロテクトメモリをうまく配分してメモリを賢く使うのじゃぞ。

5 XMS
 XMSは,プロテクトメモリを使用するための規格である。プロテクトメモリは,ちょっと特別なプログラムを書けば誰でもアクセスできるのだが,それでは危険このうえない.そこで,プロテクトメモリを使うプログラムはどれも,XMS規格に基づいた方法でメモリを使うようにすることで,同じメモリ領域を取り合うような事故を防ごうとしているわけである.XMSは,正確にはHMA,EMB,UMBの3つの規格を合わせたものである.HMAというのは,プロテクトメモリの最初の64Kbytesを利用するための規格,EMBはその上のプロテクトメモリを利用するための規格,UMBは別項に述べたUMB領域を利用するための規格である.XMS規格に準じた方法でメモリを扱うには「XMSドライバ」と呼ばれるソフトが必要だ。現時点ではDOS 5に付属する「HIMEM.SYS」か、MELWARE Ver.5に付属する「MELEMM.386」の2つしか選択肢はない(画面3).

ASCII1992(05)c24メモリ画面3_W849.jpg
ここまでくるともう訳が分からない。MS-DOSの限界が露呈したものと思っていた。
DOSエクステンダを使うには?
◆ おじさん,見かけによらず,なんでも知っているのねぇ.
■ ふおっふおっふお.
◆ じゃね、じゃね。もういっこ,困っていることがあるんだけど,聞いてもいいかな?
■ ふおっふおっふおっ.
◆ せっTeXが,かくインストールした日本語TeXが,動かないのよ.
■ なに,わしは,柏餅がだいすきじゃぞ.
◆ そうそう,子供のころ,お兄さんのコイのぼりが……,それは,端午の節句.
■ アントニオ・ガデスがいいぞ.
◆ それは,タンゴ。
■ だから、わしは柏餅が好きだと言ったじゃろ
◆ あのね,…….EXE386を起動するときに,へんなメッセージが出るの.
■ どらどら.これは,あったり前じゃよ.
◆ どうして,どうして.
■ CPUが仮想86モードで動いとるからじゃよ.
◆ それじゃあ、メッセージどおりじゃない.私が知りたいのは,どうしたらいいのか,ってことよ.
■ ようするにじゃ,EMSドライバがVCPI[7]に対応してないからじゃ。だから,VCPIに対応しておれば,そのままでもCPUをプロテクトモードで動かすことができるじゃろう.

7 VCPI
 286以上のCPUは,「プロテクトモード」という動作モードに移行すれば,640Kbytesの壁を無視してプログラムが書けるようになる.そこで,一部のソフトでは,起動はDOS上で行なうけれども,その後プロテクトモードに移って処理を続けることでメモリ不足を解消している.プログラムが終了したらまたDOSが動いているモード(リアルモード)に戻るわけである.
 ところが,すでにメモリマネージャがプロテクトメモリを利用している場合は,こういうソフトを起動することができない無理に起動すれば,EMSなどに使われているメモリ空間が破壊される可能性もあるからだ。だからといってメモリマネージャを使わなければ,今度はほかのソフトの動作に支障が出てくる.
 この両者のメモリ利用を調停するための規格がVCPIである.メモリマネージャがVCPIをサポートしていれば,その上でプロテクトモードを使うソフトを動かすことができる.こういうソフトは日本ではまだ少ないが,アシストのパワーカルクやパワーベース,フリーソフトウェアのTeXなど,今後数が増えてくることも予想される(画面5).
 98用のメモリマネージャで現在公式にVCPIをサポートしているのは,MELWAREVer.5だけである。


ASCII1992(05)c25メモリ画面5_W520.jpg
使えるというのと使い物になるのというのは違う。
◆ えーっMS-DOS 5のemm386.exeって,VCPIに対応してたんじゃないの?
■ 娘っ子,よく知っとるのぉ。でも,あまいぞ。98の世界は,そんなあまいもんやないで.
◆ なに,それ,で,そのココロは?
■ ふぉっふぉっふおっ.
◆ ポリンキーモードに入ったな。さては、知らないのね。
■ ふぉっふおっふおっ。まずは,MELWARE Ver.5を手に入れることじゃな.
◆ あれって、単体では売ってないんじゃないの?
■ そのとーり.
◆ もぉ,役に立たない情報ばかり.どーすれば,いいのよ.
■ 心配せんでもええ.メモリの載ってない,メルコの増設RAM用のボード(EDA-0)を買えばよいのじゃ。そうすれば,9800円で手に入る.
◆ へーっ。まあ、いちいちconfig.sysをスイッチして立ち上げ直すのを考えると,けっこう安いかもしれないわね。cinit.sys[18]を使っても,やっぱり面倒くさいものは,面倒くさいものね。さすが静岡.
■ これこれ。それは,まる子じゃ。しかも,仮想EMSも2倍以上速くなるのじゃ。今のところ,これしかないじゃろうな.
◆ とにかく,これを使えば,メモリさえあれば,一太郎もWindows 3.0もそれからDOSエクステンダのEXE386も,同じ設定で使えるようになるってわけね。
■ もう,これでリセットともおさらばね.ふぉっふぉっふおっ.



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