SSブログ

パソコン、ソフト、ワープロ、業界(月刊ASCII 1990年2月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からパソコン、ワープロ、ソフト他の記事をスクラップする。

富士通がカラー液晶を搭載したマシン2機種を開発
ASCII1990(02)b02富士通カラー液晶マシン_W520.jpg
FMR-50LXシリーズが61万8000円~90万8000円。CPUは80386(20MHz)

YHPが高解像度カラーグラフィックシステムを搭載したAXマシンを発売
ASCII1990(02)b05YHPAX_W520.jpg
Vectra-AX QS/20が127万円。高解像度とは1024×768ドットで1677万色中256色同時発色。

日本ビクターが80286搭載のAXマシンなどを発売
ASCII1990(02)b05ビクターAX_W520.jpg
ビクターもパソコンを作っていた。BC-2800Fが34万円。

三菱電機がAXマシンの新機種を発売
ASCII1990(02)b07三菱AX_W520.jpg
M3202-A14が69万8000円。

日本エイサーが386SX搭載のAXマシンを発売
ASCII1990(02)b05日本エイサーAXマシン_W520.jpg
1100SX(J)021が55万8000円

ソニーが手書き文字を認識できる手のひらサイズコンピュータを開発
ASCII1990(02)b02ソニー手書きコンピュータPalmTop_W520.jpg
PalmTop価格未定。ファジイ理論を応用というところが懐かしい。

カテナがCompaq製ノート型ラップトップの国内販売を開始
ASCII1990(02)b02カテナラップトップ_W520.jpg
LTE/286が70万1820円~89万9820円。
カテナという会社は覚えていないが、Compaqなら後のDOS/V機のときに職場で使っていた。

インテル,80386搭載グラフィックスマシンを発売
ASCII1990(02)b16インテル80386グラフィックスマシン_W510.jpg
アプリケーション開発用しすてむが363万円。

日立,オフィスプロセッサの新シリーズを発売
ASCII1990(02)b08日立オフィスプロセッサ_W503.jpg
HITAC L-700シリーズ。オフィスプロセッサというものを知らないが、パソコンとどう違うのだろうか。

日本サン,SPARCsystem用サーバーを発売
ASCII1990(02)b06サンマイクロシステムズSPARCサーバー_W502.jpg
SPARCsever 490が2130万円。

SimCityなどゲーム2本をPC-9800に移植
ASCII1990(02)b16シムシティ_W506.jpg
発売時期はこの頃だったのか。シムシティは知人らとともに情報を交換して遊びこんだ。このシンプルな画面が一番面白かった。その後グラフィックが美しくなると面白味が一つ消えていった。
前のスクラップ「MS-DOSユーザーズ・ワークベンチ、シムシティ(月刊ASCII 1989年6月号6)」にゲームの紹介記事がある。

アンテナハウス,ファイル変換ソフトをバージョンアップ
ASCII1990(02)b06アンテナハウスファイル変換ソフト_W501.jpg
ワープロとPC-9801との文書変換ソフト。需要はあった。

システムクォリティ,パソコン用OCRソフトを発売
ASCII1990(02)b08システムクォリティOCRソフト_W497.jpg
使っている事業所もあったのだろう。個人で使っている人は知り合いにはいなかった。

東芝,ニューロ技術応用の日本語ワープロを試作
ASCII1990(02)b10東芝ニューロワープロ_W498.jpg
かな漢字変換の正確さを高めるのにニューロ技術を使ったとは、今から見れば大げさだ。

Xerox,アイコン著作権でAppleを訴訟
ASCII1990(02)b04Xeroxアイコン著作権Apple訴訟_W507.jpg
パソコン初期にはアイコンを使うという方法まで特許権争いの種になった。

米コンピュータ業界で大量の人員削減
ASCII1990(02)b16米コンピュータ業界人員削減_W501.jpg
パソコン業界は成長続きだと思っていたが、そうではなかった。

「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
■コンピュータセキュリティへの関心が高まる
 '89年は,コンピュータセキュリティに対して新たな問題が提起された年であった.'88年暮れに発生したInternetに対するワームの攻撃は,ネットワーク上の6000台以上のUNIXマシンに感染し大きな衝撃を与えた.事件発生直後から捜査に乗り出したFBIは,コーネル大学の学生Robert Morris Jr.を逮捕,公判は事件発生から約1年を経過した'89年11月29日から始まった。
 この事件は,その被害規模や,事件を引き起こしたプログラムがワームと呼ばれる新種のウイルスであったこと,UNIXが商業化ベースで一般のオフィスなどに導入されだした時期と重なったことなどから,'89年を通して常にハイテクジャーナリズムの話題の中心にのぼることとなった.
 Morrisのワームは,UNIXシステムの隙間をつく見事なものだったので,むしろハッカー達の間では彼をヒーロー視する向きもある。この事件には金銭が絡んでいないことも明白。分からない点を明らかにしたくなるのは研究者やエンジニアとして自然な態度だし,自分が解明したことを公にしたくなるのも人情だろう.Morrisはプレゼンテーションを大規模にやりすぎただけだ,という寛容な意見もある.
 この事件以後,セキュリティに対する関心が一挙に高まった感がある。「ウイルス」「ワーム」「トロイの木馬」「13日の金曜日」などの語が一般のメディアにも登場するようになり,それらに対抗するワクチンプログラムもいくつか開発された.AT&T社は,UNIX System Vリリース3.2から新たなセキュリティパッケージを追加(ただし,これは規制があまりにも強すぎて実際にはあまり使われていない),先頃リリースが開始された4.0でもさらに改善が加えられている.AT&T社では,もっと厳格なセキュリティを望むユーザーに対してはMLS(Multi-Level Security)と呼ばれるUNIXでは最強といわれるセキュリティパッケージを用意,今までセキュリティに関し弱いといわれていたUNIXのイメージを改善するのにやっきとなっている.
 しかし,ネットワークが世界的規模で広がるにつれ,そのエントリーポイントもまた無限に広がりつつある.現在エントリーポイントでのプロテクションに一般的に用いられているパスワード方式の完全なものは、理論的に不可能だ。UNIXがソースコード公開のOSであるためにセキュリティの問題は完全にはクリアできない,とする意見もある。最もやっかいなのは新たなセキュリティが開発されるたびにそれにチャレンジする連中が出てくるという点だ。ここしばらくはセキュリティとセキュリティ破りのいたちごっこが続きそうだ.

■思想的背景を持つnuPrometheus League事件
 一般のウイルスやワームはプログラマの個人的興味やいたずら心理から出てきたものがほとんどだといわれるのに対し,「主義主張」に基づくちょっと荒っぽい輩も出てきている.
 '89年6月に起こったnuPrometheus Leagueと自称するグループ(あるいは個人)による事件もその1つだ。彼ら(彼)はMac OSのソースコードを非合法に入手し,ソースコードの一部が入ったフロッピーディスクを出版社コンピュータ開発会社などにばらまいた.nuPrometheusとは,神から火を盗んだというギリシャ神話「プロメテウス」をもじったものだ。
 Mac OSは,DOS系マシンのBIOSに比べてはるかに複雑なので合法的にコピーを開発するのが容易でない.それがMacクローンの開発にブレーキをかけている主な要因になっている。その結果,Apple社による市場独占,ひいては価格の高価維持につながっている,という見方も当然出てくる.nuPrometheus Leagueの主な目的はまさに「Macクローンの開発を促す」ことにあるのだという.
 FBIはすぐにこの事件に関して捜査を開始。11月に入って数人の参考人に対する事情聴取を始めたといわれている。参考人の中には、事件に関与した可能性のある人物として元Apple社社員Grady Ward氏の名があげられている理由として、彼がOSソースコードを入手できる立場にいた点,1月でApple社を退社している点,自由主義的な思想を持っている点,nuPrometheusと同様に古代の話からその名前をとったCincinatus Societyのグループ結成に関与していた点(Cincinatusは古代ローマの将軍,隠れた偉人という意味がある)などあまり明確でない理由をあげている。もちろん現段階ではWard氏が犯人だと結論されたわけではない。FBIの事情聴取リストには日本企業の名前もあがっているというし、Ward氏自身が「Cincinatusはローマ史からとった名前,nuPrometheusはギリシャ神話でありFBIの指摘は間違いだ」とFBIの無教養を指摘したりしているように捜査の進展には疑問の点も多い。
 しかし、この事件は「コンピュータ犯罪」と呼ばれるものに新たな問題を提起した。先に述べたように,この事件は一般のコンピュータ事件にはない思想的側面があるからだ。この事件でFBIの事情聴取をうけているプログラマの中にはRichard Stallman氏も含まれているといわれている。彼はボストンのProgramming Freedom,Free Software Foundationを主催する,GNUプロダクツの生みの親。彼は「すべてのソフトウェアはただでなければならない」という思想,すなわちフリーソフトウェア思想の精神的支柱だ.ソフトウェアコミュニズムなる語があるかどうかは知らないが,FBIにとってはnuPrometheus Leagueがそうした思想を背景にしたゲリラ的存在として位置付けられているのかもしれない.
(ザイロンコーポレーション代 表脇山 弘敏)

 この頃のウイルスはまだ凶悪さがなかった。今では犯罪組織がウイルス開発に加わり収益を上げることができるビジネスになっている。また、国家が関与している(黙認を含め)と考えられるものがあり、犯人を特定できなくなっている。33年前の私はこんな状態(ビジネス)になるとは予想できなかった。

nice!(0)  コメント(0)