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プラズマディスプレイ(月刊ASCII 1991年9月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

今月のキーワード「プラズマディスプレイ」をスクラップする。
プラズマディスプレイ
 プラズマディスプレイといえば,J-3100シリーズのラップトップタイプを思い浮かべる人は多いだろう.今年6月には,プラズマディスプレイを搭載したDynaBook386/20も発表されている。一時期は液晶ディスプレイの急発展に押され低迷気味だったプラズマディスプレイだが,ノートパソコンに搭載できるほどの小型軽量化,バッテリ駆動を可能にする低消費電力化を実現し,再び注目され始めた。
■開発の歴史「誕生から現在まで」
 「プラズマディスプレイ」という言葉を最初に使ったのは,米国の研究者Slottow Bitzerらである.
 彼らは,「絶縁体である気体中に,高い電圧をかけると,気体分子が電離(プラズマ化)して気体の絶縁性が破れ,電気が流れて光を出す」という放電発光の原理を利用し,文字を表示することに成功した。1964年のことだ。これは,広告などに多用されているネオン管の表示とたいして違いはなく,ただ,ネオン(Ne)などの気体を封入したガラス管を小さく作り,それを面状に並べただけであった。
 その後'70年代に入り,日本の松下電子,沖電気,富士通,NHKなどが開発に参入。2枚のガラス板の間に気体を入れ,電極をマトリクス状に配置するなどして現在のプラズマディスプレイの原型が誕生する.本格的に商品として市場に出始めるのは'80年代に入ってからで,パソコンなどの表示デバイスとして採用され始めたのは,わずか8年ほど前である.もちろん、商品化に先立つ研究開発の場面では,高解像度のもの,階調表示ができるもの,カラー表示ができるものなど,次々と新しいプラズマディスプレイが作られてはいる.しかし,それらが安定した表示デバイスとして商品化されるには,あと数年はかかるという.

■発光原理
 プラズマディスプレイの「プラズマ」という言葉だけで考えると,なにやら,たいへん電気を食いそうな高エネルギーの発光現象のように思えてしまう。
 プラズマディスプレイの発光方式には大きく分けて2つの種類がある。ひとつは,気体に200~300V程度(電流はミリA程度)の電圧をかけ,気体中に露出している陰極から,気体外部の陽極に放電を起こす「直流型」。もうひとつは,10~100kHz程度の交流電流(低電圧)を気体に与え,電極にサンドイッチ状にはさまれた領域だけを発光させる「交流型」である(図).


ASCII1991(09)b16プラズマディスプレイ図_W520.jpg
 直流型は,電圧制御の違いで数種類に分けられるが、基本的には「カラー表示,多階調表示,高コントラスト(150:1程度)」が可能で,一方の交流型には「高輝度表示,低消費電力」という利点がある.
 カラー表示の場合は,オレンジ色の発光をするネオンガスの代わりに,放電の際に目には見えない紫外線を発するキセノン(Xe)などの気体を使う青/白/赤色などの可視光を発する蛍光物質をガラスの内側に塗っておけば,紫外線を受けることでそれらが発光するわけだ。最近では,テレビ画像表示用の20インチ程度のカラー表示プラズマディスプレイも試作され,さらなる高輝度化,長寿命化のための改良が進められているという.

■液晶ディスプレイと比べると……
 プラズマディスプレイは,小型化や消費電力などで液晶ディスプレイと肩を並ベ,ノートパソコンに搭載されるようになった。プラズマディスプレイは,今後の改良しだいで,バックライトが不可欠な液晶ディスプレイよりも,消費電力を抑えられるという.また,液晶よりもプラズマのほうが製造過程が単純で,コストを下げられるという利点もある.DynaBook386/20に搭載されたプラズマディスプレイは,直流型を採用し,消費電力を数W程度にまで低下させている。また,表示部の明暗のコントラスト比も100:1と,高価なアクティブマトリクス液晶の40:1程度を上回っている。さらに,明(液暗を切り替える反応速度も2μ秒(液晶では200~250ミリ秒)と高速で,マウスカーソルを見失うようなことはない.
 DynaBookに,今,プラズマディスプレイが搭載されたのは,グラフィックユーザーインターフェイスの普及が影響しているのだろう.MS-Windows3.0など,マウスを多用するソフトウェアが注目されているからこそ,反応の速いプラズマディスプレイが搭載されたのだ。
 しかし,プラズマディスプレイはカラー対応の開発面で,液晶ディスプレイに遅れを取っている。また,最近の液晶ディスプレイは20~50年の長寿命だが(バックライトの明度低下は除く),プラズマディスプレイの寿命は比較的短く、通電時間に左右されるという弱点もある(オレンジ発光のものは1~5万時間程度,白色/カラー表示の場合は1000~2000時間ほどの通電で暗くなる)。このあたりの問題は,今後の研究開発に期待しなければならない.    (池田)

プラズマディスプレイ知人がJ-3100を持っていて見せてもらったけど格好良かった。客先で使うときプラズマディスプレイだとこちらがプロだという目で見て貰えると言っていた。やはりプロは素人が使うような機材じゃいまいち信用してもらえないのだ。




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