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PC-286BOOK,PC-386VR,PC-386LSC他(月刊ASCII 1990年7月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「この夏の最新機種レポート」からエプソンのマシン他をスクラップする。

PC-286BOOK
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紹介記事が微妙だった。
 エプソンから新しいラップトップマシンが発売された.ノート型,ブック型が話題であることを考えると,PC-286BOOKというネーミングは微妙だが,なかなか面白いマシンに仕上がっているようだ.
 PC-286BOOKの本体重量は4.3kgノート型であるPC-286NOTEFが2.5kg,ラップトップのPC-286LFが6.3kgであるから,ちょうど中間の重さということになる。大きさもほぼ中間で,ちょっと大きめの写真のアルバムといった雰囲気だ.PC-286BOOKは,80C286(動作クロック12MHz)を搭載しており,多少複雑な処理をするアプリケーションでも無理なく使えるエンジンとなっている。
 発売されたモデルは,3.5インチFDDを2台搭載したSTDモデルと,20MbytesHDDと1FDDのH20モデルの2つである。このディスクの設定は,1FDD+RAMドライブのノート型に比べ,初心者でも比較的容易に使いこなすことができるだろう.
 後で触れるように,PC-286BOOKは,拡張性の点ではノート型なみ(もしくはそれ以下)となっているが,CPUパワーや作業のしやすさなどから割り切って使うには最適のマシンといえるかもしれない。

他にも「持ち歩くには少々重いが、ディスクの使い勝手がデスクトップマシンと同様である点と引き換えといったところか」とあるように机に置いておき利用するという省スペースマシンだった。少なくとも持ち歩きで使うマシンではなかった。
まとめ部分は
拡張性を考えないなら、入門機としてお勧め
 286BOOKは,NOTE Fなどのノート型マシンと比べると持ち歩くにはちょっと重い。キャリングハンドルも厚みがなく、ぐらつきがあるので長い間持つには向かない.HDDを内蔵するJ-3100GS(3.6kg)PC-9801NS(2.95kg)のこともあるので,重いという感じは否めない。
 コストパフォーマンスでは,286LFに対し処理速度が向上し,かつ安価になっている.H20モデルでは286LFの51万3000円より13万5000円も安価になっている.NOTE Fと比べると,処理速度,内蔵HDDは魅力だが,NOTE Fの低価格,軽快さには及ばない.
 日本電気の80286搭載ラップトップマシンにはPC-9801LXがある。286BOOKはLXに比べコンパクトで、価格は19万円も安価になっている。
 386SX搭載のPC-9801NSは,286BOOKに比べてHDDなしのモデルで4万円,20MbytesHDD付きのモデルで7万円高い。386SXの処理速度を考えるとこの価格差も高いものではないだろう.286BOOKにとって強力な対抗機種だ.
 ノート型マシンほど携帯性は高くなく,拡張性もほとんどない286BOOKは中途半端な機種にも思えるが,それほど高速の処理速度を求めないならば手頃である.98NOTEやNOTE Fでは,RAMドライブの扱いが少々面倒なので,2台のFDDやHDDにアプリケーションをインストールして使用できる286BOOKは初心者向きともいえる.
 エントリーマシンとしてラップトップマシンを購入する場合にはちょうどよい機種だろう.用途にもよるが,後からHDDを増設できないことを考えると,H2Oモデルをお勧めしたい。
(行正)

遠慮した表現だが残念マシンだということが分かる評価だ。こういう残念マシンはどうして販売されるのだろうか。内部での議論はどうなっているのかを考えると面白い。
コラム記事をスクラップする。
16bitで十分か?32bitが必要か?
 PC-9801やPC-286やAX,J-3100に採用されているCPUには,16bitと32bitのものがある.この16bit,32bitというのは一体何かというと,コンピュータの心臓ともいうべきCPUのことを指している.具体的には,8086やV30や80286は16bitであり,80386や386SXや80486は32bitである.そして,16や32の数字が何を意味しているかというと,演算作業を行なったり、演算の途中経過を蓄えるレジスタが,それぞれ16bit,32bitということなのだ.
 厳密には,もっといろんな見方があるのだが,おおまかに言ってコンピュータが仕事をするときの「手」の大きさといってしまって差し支えない.したがって,このビット数が大きいほど処理速度も速くなるのだ.ちなみに,ファミコンやMSXは,8bitである.
 では,ビット数が同じなら処理速度も同じかというとそうともいえない.CPU自身の機能とクロック周波数という2つの要素がからんでくるからだ.
 クロック周波数を先に説明すると,これはエンジンの回転数のようなものである。同じCPUなら,クロック周波数の高いほうが処理速度も速い。ところが,CPUの機能となると微妙だ。しばしば話題になるのは,80286と80386では,一般のアプリケーションを走らせる場合には、同一クロック数なら、ほぼ同じ処理速度になるという点だ。というのは,現在のMS-DOS上のアプリケーションの99%は,16bitCPUを前提として書かれているために,せっかく32bitCPUを搭載していても,そのパワーを十分発揮できないからなのだ。
 具体的な32bitCPUを使うメリットは,現状では,MS-Windows386やTurbo Debuggerなどの386専用ソフトを利用できる点や,MEMORYPRO386のように高速なEMSが使える点に限られている。この状態は,まだ2~3年は続くだろう。だったら,286で十分ということになりそうなのだが,386の廉価版ともいうべき386SXでは,搭載されるマシンの価格も286に接近している.その差額が払えるなら先進性のある32bitCPUをとるべきだろう.
 80486は80386のすべての機能に加えて,メモリ管理,数値演算などの機能を補助するための“コプロセッサ”の機能までも1つのCPUに収めたものだ。また,命令を実行する速度も改善されていて、現在の8086系CPUでは最も処理能力が高い。時代の最先端にあるCPUだが,とても高くて個人にはちょっと手が出ない。
 いずれにしろ,ワープロや簡単な計算だけに使うなら16bitで十分というユーザーも多いはずだ.マシンの選択は同時に,マシンと周辺機器やソフトウェアのどこにお金をかけるかという選択でもある。自分のニーズに合ったバランスのとれたシステムを作りたいものだ.

当たり前で大して面白くないが、それでも「16bitで十分というユーザーも多いはずだ.」にはそうなんだろうけど残念だった。皆、パソコンが重いを処理して人間がパソコンの前で待たされることを不満に思わなかったのだろうか。ハードが貧弱で、プログラムが手抜きというか、もっと良くなるのに金の問題で努力をしていないと感じるソフトを使うとイライラする。なんで金を払ってストレスを溜める作業をしなければならないのか。そうは思っても会計的には安ければそれを使えという。困ったものだ。
 80486が「とても高くて個人にはちょっと手が出ない。」だった。私が80486マシンを買ったのはPC-486GR5PC-486GR3だからこの2年後の話だ。

PC-386VR
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286と386の間を埋めるエプソンの標準デスクトップマシン
 PC-386VRはエプソンの5インチFDDモデルとしては初めて386SX(16MHz)をCPUに採用したマシンだ。昨年から今年にかけて各社から発表されたマシンの中で,価格,性能の面において注目を集めたのは、なんといっても386SXマシンである.
 VRと競合する98シリーズはPC-9801RSで,こちらも16MHzの386SXを搭載している。価格はPC-9801RSの39万8000円に比較して,386VRは34万8000円と5万円安くなっている。
 271ページ図3-bのように,エプソンのデスクトップマシンには3つの大きな流れがある.VRは,この3つの流れの中間にあるコンパクト5インチモデルの中にあって,さらに80286を使用した286VFと80386を使用した386Vの中間機種に当たる.

基本機能に徹した実用的なマシンだが386Mとの関係は微妙
 同社が1月に発表した386SXマシンであるPC-386Mは,多色表示機能やFM音源搭載など,ホビーマシンとしての性格が強かった。特に,1670万色中256色同時表示のグラフィック機能は,PC-9801シリーズにはない特色を出している.これに対して386VRは,悪く言えば個性のない平凡なマシンである。ベンチマークテストの結果(グラフ1)でも分かる通り,マシンパワー自体は386Mとほぼ同じな上,内蔵可能メモリもともに14.6Mbytesで変わりないのに,価格の面では386Mの32万8000円よりも2万円高く決して買い得感はない.
 しかし,386Mの拡張スロットは3つしかないがVRには4つある.また,FM音源ボードを内蔵している関係上,EMSメモリやSCSIインターフェイスなど各種拡張ボードとI/Oアドレス,割り込みレベル,BIOSのROM領域などが重なって,ボードの設定を変更するか,FM音源を切り離すなどの作業が必要になることもある。実務ではあまり使用しないFM音源などの装備は,拡張性の障害にもなり得るわけだ。2万円の価格差は拡張性の差と考えることができるが,これを妥当と見るかどうかは、使用目的に左右されるだろう.

エプソンデスクトップの次なる一手は?
 386VRと20MHz80386マシンである386V(49万8000円)の価格差は1.4倍だ。386Vとは標準内蔵のメモリに1Mbytesの差があるものの,ベンチマークテストの結果では1.2倍程度とクロック周波数の差ほどの性能差(1.25倍)はない。ままた、サードパーティ製の1Mbytes増設メモリを4万円としても,価格差は1.3倍程度までにしか縮まらない.VR=386SXマシンのコストパフォーマンスの良さは歴然としているだろう.
 一方,286コンパクト5インチ中で最高速を誇る286VX(8028620MHz)と386VRは同じ価格だ。ベンチマークテストの結果でも,286VXと386VRの性能差はほとんどない.
 同じ値段で速度が変わらないのであれば,仮想8086モードなど,より高度な機能を持つ386SXを選ぶのが人情というものだ。MEMORY PROやWindows/386など,386CPUならではのソフトも利用できる.
 とはいえ286マシンでも通常のアプリケーションが同様に使える上,さらなる低価格化で386SXマシンとの価格差が広がっていく可能性は大きい.V30を使ったデスクトップマシンがラインナップから事実上なくなったこともあって,これからは286=低価格機,386SX=標準機,386=高性能機というような図式が成り立つ。
 また,3.5インチマシンの動向も興味のあるところだ。PC-9801互換機としてのPC-286シリーズに欠けているラインナップは,ホビー性を持たない3.5インチマシンだろう.PC-9801シリーズにはRSとほぼ構成が同じでFDDだけ違うESがある.5インチから3.5インチへの移行が進んでいる現状にあって,286VRに相当する3.5インチデスクトップマシンがぜひとも欲しいところだ。

エプソンの新機種ラインナップが微妙というか迷走という分かりにくいものになっている。386CPUが安くなったことによるものだったのか?この当時既に将来を考えて買いであるという記事には騙されなくなった。将来出るソフトはその当時の現行機種でさえ使えるが不満が残るものであり、過去の機械なんかで動かそうものならストレスが溜まる一方で新ソフトの評価すら誤ってしまうものであった。

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カラーラップトップの真打ち登場
 PC-386LSCはエプソン初のカラー液晶を搭載したラップトップマシンである.同社では1989年5月にティントモード疑似カラー表示液晶ディスプレイを搭載したPC-286LSTを発表しているが,LSCの液晶ディスプレイは,アナログRGB対応のCRT(4096色中16色同時表示可能)相当のものだ。
 カラー液晶ディスプレイは,単純マトリクス型とアクティブマトリクス型の2つに大別される(これらの違いについては264ページを参照のこと)。単純マトリクス型は比較的安価だが,大きな画面になるとコントラストが悪く反応速度も遅い.逆に,アクティブマトリクス型は,CRTと同等以上の画質と反応速度を持つが,製造が難しく高価になる.
 LSTに装備されている液晶モジュールは,MIM(Metal Insulator Metal)方式という,エプソンが独自に開発したアクティブ型のものだ。日本電気のPC-9801TmodelF5に使われているTFT液晶とは,スイッチに相当する素子としてトランジスタではなく一種のダイオードが使われている点などが違う.また,PC-9801Tがデジタルの8色表示であるのに対して,アナログRGBに対応している点も違う.

カラーをとるか値段をとるか
 PC-386LSCのスペックは,ディスプレイ部の違いを除けばPC-386LSとまったく同じだ。しかし,LSの価格がフロッピーモデルで53万8000円なのに対してLSCは98万円もする。その差44万2000円が液晶部分の価格差になる.アクティブカラー液晶がいかに高価なものであるかが分かるだろう.
 カラーラップトップを必要とする場面はいろいろ考えられる.たとえば,店舗などのカウンターで顧客相手にプレゼンテーションを行なう場合などは,取り回しのきくラップトップで,なおかつ訴求力のあるカラー表示は非常に効果的だろう.しかし,机の上でワープロを使うだけなら,44万円も払ってカラー液晶にする必要はない.CRTディスプレイを使うか,白黒液晶で十分だろう.
 アクティブマトリクス液晶はまだ実用化されたばかりの技術だ。これから先アクティブ液晶モジュールのコストダウンが進むだろう。そのときになればカララップトップの位置付けも変わってくるだろうが,ここしばらくは,白黒液晶や単純マトリクスタイプのカラー液晶ディスプレイが中心になるだろう.個人が気軽に買えるアクティブ型カラー液晶搭マシンは,もう少しの間はおあずけといったところだ。

この記事は正鵠を得ている。一般ユーザがTFTカラー液晶を使うようになるのはまだまだ先のことだった。

シャープ AX286N All in Note
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なんと2.0kgと超軽量だった。価格は39万8000円と重量級だった。

富士通のFMR-50NB FM NoteBook
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富士通のノートパソコンは重量、価格とも標準的だった。

東芝J-3100シリーズ系統図
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X68000
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X68000はCPUのグレードアップ等の大規模なバージョンアップをしないことを公言していたので新製品の魅力がないのはそれが足かせになっているようだ。

コラム記事をスクラップする。
ビジネスで使うの?ホビーで使うの?AVマシンの性格紹介
 パソコンは,ビジネス用とホビー用という分け方がなされるようだ.ホビー用マシンではグラフィックスやサウンド機能を強化したものが多いため、AVマシンという言い方もある.X68000やAmigaといったところが典型的なAVマシンだし,FMTOWNSもこれに近いところにあるといえる.
 しかし,こうした区別は半ば恣意的に形成されたものであり,AVマシンだからビジネス的な用途には使えないというのは短絡である。X68000にしてもAmigaにしても、ワープロや表計算ソフト,カード型データベース,通信ソフト,各種言語などは存在する.
 ただ,完成度や速度の面で、ビジネスマシン用のハイレベルな製品に及ぶものはまだ少ないようだ。大量の文書を作成するとか,複雑な表計算が必要であるなど,仕事に本格的に使うのであればビジネスマシンのほうが向いている.
 もちろん、ゲームやグラフィックスなどの分野では,ビジネスマシンではまずまねのできないことがAVマシンにはできる.X68000ならゲームセンターレベルのゲームとCG,Amigaは異国情緒あふれる独自のゲーム環境と豊富なビデオ処理ソフト,MacintoshではDTP,高機能の音楽ソフトと洗練されたユーザーインターフェイスが魅力だ。

まあ当たり前だ。

Amigaシリーズ
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抜粋してスクラップする。
 Commodore社からマルチメディアを指向したAmigaシリーズの最上位機種3モデル(Amiga3000-16-40/25-40/25-100)が発表された.
 Amiga3000-16-40は,クロック周波数16MHzのMC68030と数値演算コプロセッサのMC68881を搭載し,40Mbytes19msのSCSIHDDを内蔵した低価格モデル.Amiga3000-25-40は,25MHzのMC68030にMC68882を搭載し,40Mbytes19msのHDDを内蔵したモデルで,Amiga3000-25-100は,100Mbytes19msのHDDを内蔵した最上位モデルである.
(中略)
 MC68030を搭載し,データバスを32bitとし,標準で数値演算プロセッサを搭載したことで,処理速度は大幅に向上している。パフォーマンステストの結果では,CPUの処理速度が約9倍,浮動小数点演算が約57倍である。
 ただし,Amigaではカスタムチップで描画を行なうため,アニメーションやアクションゲームなどはそれほど(数倍程度しか)高速にはならない。とはいえ,blitterを使ってポリゴン処理を行なうフライトシミュレータなどでは,座標計算などの処理が高速になるため,速すぎて遊べないくらいだ。

フライトシミュレータをPC-9801で遊んだことがあったが画面は線画でしかもゆっくりしたものだった。速すぎて遊べないほどのAmigaのフライトシミュレータ見てみたかった。

MacintoshIIfx
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この頃のMacはディスプレイと筐体のバランスが悪く好きではなかった。
抜粋してスクラップする。
 作年末にMacintoshIIciが発表されてから数カ月とおかずに,Macintosh(以下Macと略)ファミリーに新機種が追加された.「MacIIfx」と名付けられたこの機種は,CPUにクロック周波数40MHzの68030,数値演算プロセッサに同じく40MHzの68882を搭載し,Macファミリー中の最高速機種に位置付けられる(表1)
(中略)

CPU周りにローカルキャッシュを装備
 まずメインCPU周りでは,68030のバーストモードがサポートされた。バーストモードは,CPUとメモリ間でより高速なデータ転送を実現する機能だ。それに伴い,IIciではオプションだったローカルキャッシュに32KbytesのSRAMが搭載された.IIciでは,ローカルキャッシュを装着するだけでも数十パーセントの処理速度の向上が見られると言われていただけに,ぜいたくな仕様だ。 また,RAMアクセスにはもう1つLatchedWriteという新方式を採用し,RAM書き込み時の高速化が実現されている.これはRAMとCPUの間に高速に動作するデータラッチ(Data Latch:バスバッファの一種)を設け,データラッチがCPUからの書き込みデータを受け取り、実際のRAMへのデータ転送はデータラッチから行なうという2段構成をとることで,RAMアクセス時に生じるCPUの待ち時間を減らす働きをする機構である.
 RAMアクセスは,読み込み時にはローカルキャッシュ,書き込み時にはデータラッチと万全の体制を整えたことになる.

I/Oプロセッサの採用
 これまでのMacでは,メインCPUがすべての処理の面倒を見ていたということが,ハードウェア上の特徴として挙げられた。FDDの読み書きも,シリアルポートの入出力もすべてメインCPUが行なっていた.MacがCPUパワーにしては低速なコンピュータなのはこのためだ。IIfxでは,その問題を解決するために,低速なI/O処理専用に2つの6502をI/0プロセッサとして搭載した。I/Oプロセッサは,マウスやキーボードを接続するADB(Apple Desktop Bus)FDD,シリアルポート(AppleTalkを含む)などのI/O制御を行ない,CPUの負担を大幅に軽減する.Apple社製のコンピュータでFDDの制御といえば,同社の創設者の1人であるスティーブ・ウォズニャックが設計した「ウォズマシン(Woz Machine)」を一貫して採用してきた.ウォズマシンは,往年の名機AppleIIのFDDコントローラとして開発されたもので,Macでもその回路をLSI化したWoz Integrated Machine(WIM)として現役である.AppleIIのメインCPUが6502であったことを考えれば,今回I/Oプロセッサとして6502を採用したことは,自然の選択であったのだろう.
こうしたハードウェアの記事が好きだった。「データラッチ」という用語が中二病的に好きだった。スティーブ・ウォズニャックの名前が出るだけでワクワクした。ウォズニャックという天才に憧れていた。ジョブズは嫌いだった。勝手にジョブズは6502の機械語が分からない、コードを書けないと思っていてコードも書けないくせに販売だけはずる賢い奴だと思っていた。

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