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WORKSTATION(月刊ASCII 1990年5月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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ワークステーションは死語でいまさらスクラップしてもどうなのかという思いがあるが、過去を知る、歴史を知るということの意義はあると思いスクラップする。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がある。果たしてこの歴史としてのワークステーションから何を学べるかというと、賢者ならざる私には何も無いかもしれないが、何かを学べるというのならそれは賢者であるかもしれないという根拠の一つになり得るかもしれない。
最初と最後の部分をスクラップする。
 コンピュータの世界では,いつも新しいジャンルについての話題がある.その中でも,ここ数年最も注目を集めているのがワークステーションだ。
 '89年のワークステーションの全世界における売り上げは61億ドル,これに対して、パソコンの売り上げは420億ドルと言われている.市場規模では,パソコンの7分の1だが,売り上げの伸び率では,パソコンの約20%に対して実に2倍の約40%という急成長を遂げている.今後5年間に関しても,コンピュータ業界全体が17%前後であるのに対し,ワークステーションは30%程度の成長が見込まれている.また,日本においては,これから本格的に市場が立ち上がろうとしていると言える。参考のために世界のワークステーション市場のメーカー別シェアと国内のメーカー別出荷台数をグラフにした(グラフ1,2).
 そんなワークステーションだが,本体サイズなど,一見したところパソコンとあまり変わらない.また,システム全体の価格が100万円ちょっとの低価格なワークステーションも登場し始めている。今回は,これら身近になりつつあるワークステーションの現状を見ていくことにする
(編集部)


まとめ部分をスクラップする。
 低価格化,高性能化によって,やがては,ワークステーションがパソコンに取って代わり,個人の机の上に置かれることになるのだろうか.パーソナルワークステーションの世界はもうそこまできている.
(小林)

パーソナルワークステーションはいつ普通になったのだろうか。モニタの解像度は2000年はデスクトップでは1280×768ドット位か、でもまだだったと思う。2010年は液晶ディスプレイに変わって1920×1080ドットが普通にあったとおもう。ノートパソコンは画像解像度という点で劣っていたのでワークステーションとは言い難いと思う。
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UNIXもすったもんだしていた。人の作りしものは皆こうなるという例だ。
どうなるUNIX
 図Aのように,UNIXには大きく分けてAT&T版のシステムVとバークレイ版の4.xBSDがある.しかし,それを基に各メーカーが独自の機能を付け加えてリリースしているため,同じUNIXとはいえ.コマンドが違っていたり,システムコールが有ったり無かったりする.また,ヘッダファイルの位置や必要なライブラリの名前が違っていたりすることもある.アプリケーションを移植する際には,これらの違いをいちいち直さなければならず効率が悪い.
 そこで,各社のUNIXを統一する動きが'87年に生まれたが,Sun,AT&Tを中心とするUNIXインターナショナル(UI)とIBM,HPなどを中心とするオープン・ソフトウェア・ファンデーション(OSF)という2つの陣営に分かれてしまった.
 同様に,グラフィックユーザーインターフェイス(GUI)に関しても,OSFはmotifをUIはOPEN LOOKを採用するといった,ユーザーにとっては好ましいとは言えない状況となっている。ただ,Sunの互換機メーカーとして有名なSolbourne Computerが、一つのアプリケーションを2つのGUIで動作させることができるインターフェイスを開発したため,アプリケーションの開発という意味では問題はなくなったと言える.しかし,ユーザー側の操作性の違いといった問題は何も解決されていないのが現状だ。

どうなったかというとUNIXはホビーユースになった。こうしてブログ記事を作っているマシンはDualMonitorのWindowsマシンにVirtualBoxを入れて右側のモニタでUbuntuを動かしている。趣味でUNIXを使えるようになって嬉しい。
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ワークステーションを使っている図なのだが今では普通にパソコンを使っている風景に見える。

RISCだCISCだという語られ方はいつ無くなったのだろうか。
RISCチップ
 ワークステーションは,CISCチップである68000系のCPUを使っているものが多く,その中でも68030が主流となっていある.最近ではそれに加えて,RISCチップを採用したマシンも増えてきている.RISC,Reduced Instruction Set Computer(縮小命令セットコンピュータ)の頭文字を取ったものである.一般に,シンプルな命令だけからなる命令セットで、すべての命令をクロックという高速な処理を行なうように設計されているものをRISCと呼んでいる.
 そのため,RISCチップはCPUの構造が簡単で,最新の素子技術を利用して,アーキテクチャを変更することなく、速度を向上させることができる.また,チップの構造が簡単なため価格が比較的安くできることも利点だ.
 RISCチップとしては,SunのSPARC,MIPSのR3100,R2000,Motoloraの88000,AMDの29000などが有名だ。
 それぞれの陣営は,SPARCインターナショナル,シンセサイズソフトウェアソリューション,88オープンコンソーシアムといった,RISCチップやソフトウェアをサポートする団体を作り,RISCチップの普及を図っている.ワークステーションの世界で,どのチップが生き残るのか興味のあるところだ.

どうなったのか記憶にない。スクラップを続けると何かを思い出せるだろうか。
Sun Microsystemsというメーカーはワークステーションを作っているということであこがれがあった。
Sunの戦略
 僅差とはいえ,'89年の世界のワークステーション市場でトップを守ったSunは,UIの創設会社としてもワークステーションの今後を握っていると言える.そして,その戦略は気になるところだ。
 Sunは,SPARCインターナショナルの設置により,SPARCとSunOSの普及を図っている.現在,東芝,大同などがSunOS,SunViewなどのライセンスを受けている.そのほか,Solbourne Computer,AT&T,UNISYSなどもSPARCの採用を行なったり,採用を表明しており、ワークステーションメーカーの中では大きな勢力となっているSunは,SPARCシステムが増えることで,アプリケーションが増え,SPARCシステムがもっと増え,市場が広がることを望んでいる.Sun自体のシェアが低くなっても、市場が広がって売り上げ自体は大きく伸びるという予想を立てているからだ.
 このように,SunはSPARCグループを作リ,ハードウェアの実質的な標準化を目指している.OSについても,UIのUNIXの実質的な主導権を握っている.CPUとUI/UNIXという基本的なアーキテクチャを握ることで,ワークステーション全体に対する主導権を握ろうとしている.IBMがオープンアーキテクチャのPCによリパソコンの標準を確立したように,SunもまたSPARCとUI/UNIXによりワークステーションの標準を目指している.

SUNは残念ながら消えてしまった。
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SPARCstation1
CPU:SPARC IU(20MHZ)
FPU:SPARC FPU(20MHZ)
メインメモリ:8Mbytes(最大16Mbytes)
MIPS値:12.5MIPS
FDD:オプション
HDD:104Mbytes~
I/Oポート:RS-432×2,Ethernet,SCSI,デジタルオーディオ入出力
OS:SunOS 4.0.3
システム価格:186万5000円

IBMは大型かパソコンかでとワークステーションはなんか違うような気がする。
本格参入を開始したIBM
 IBMには,RTPCと呼ばれるCPUにRISCチップを使ったワークステーションがあったものの、市場での評価は決して高くなかった.そこで,'90年2月15日に世界同時発表したPOWERステーションによリ本格的にワークステーション分野へ参入を始めた.
 機種は,エントリーモデルのモデル320からサーバーのモデル720まである.CPUには独自のRISCチップを採用している.IBMでは,第2世代のRISCと呼んでいるRISCチップで,クロックで複数の命令をこなすというものだ。ベンチマークは高速で,モデル320でも27.5MIPSを実現している.通常,このクラスのワークステーションが4~10MIPS程度であるのと比べて,2~7倍以上の速度が出ている.ただ,実際のアプリケーションが,どのくらいの速度で動作するのか気になるところだ.
 OSは,IBM独自のUNIXであるAIXを採用している.AIXは,OSF/UNIXに準拠したもので,ユーザーインターフェイスとしてmotifとXWindowを基にした日本語AIXwindows/6000か,NeXTで採用された NextStepを基にしたAIXNextStep/6000のどちらかを選択することができる.
 発売開始は,第3四半期である.その後発売されるアプリケーションがどちらのユーザーインターフェイスを採用するか気になるところだ.


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モデル340
CPU:68030(16.6MHZ)
FPU:68030(16.6MHZ)
メインメモリ:4Mbytes(最大16Mbytes)
MIPS値:4MIPS
FDD:2Mbytes×2
HDD:200Mbytes~
I/Oポート:RS-232,SCSI,HP-IB,HP-HIL
OS:HP-UX
システム価格:156万2000円


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DN2500
CPU:68030(20MHZ)
FPU:68030(20MHZ)
メインメモリ:4Mbytes(最大16Mbytes)
MIPS値:4MIPS
FDD:1.2Mbytes×1
HDD:200Mbytes~
I/Oポート:RS-232,SCSI
OS:DOMAIN/OS
システム価格:138万7000円


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DECstation2100
CPU:R2000(12.5MHZ)
FPU:R2010(12.5MHZ)
メインメモリ:8Mbytes(最大24Mbytes)
MIPS値:10.4MIPS
FDD:-
HDD:-
I/Oポート:SCSI,Ethernet
OS:ULTRIX-32
システム価格:98万8000円


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LUNA DT20
CPU:68030(20MHZ)
FPU:68881(20MHZ)
メインメモリ:4Mbytes(最大12Mbytes)
MIPS値:4MIPS
FDD:1.44Mbytes×1
HDD:70Mbytes~
I/O:RS-232×2,SCSI,FDD,セントロニクス
OS:UniOS-U/B/Σ
システム価格:130万円

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popNEWSPWS-1550
CPU:68030(25MHZ)
FPU:68881(25MHZ)
メインメモリ::4Mbytes(最大16Mbytes)
MIPS値:3.9MIPS
FDD:1.44Mbytes×1
HDD:91Mbytes~
I/Oポート:RS-232CX2,SCSI,Ethernet,パラレル,拡張FDD
OS:POP-OS
システム価格:140万円

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